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週刊ダイヤモンド「経済学者・経営学者・エコノミスト163人が選んだ『ベスト経済書』」
2007年12月22日号, 週刊ダイヤモンド, 114~121ページ
今年の最も優れた経済・経営書はどれか? 経済学者、経営学者、エコノミストの投票によって選定される『ベスト経済書』。10年目を迎えた2007年は「高いレベルの地道な研究書」「グローバリゼーションの本質を見極める書」「通説に異を唱える書」が上位に登場した。
【1位】
| 法と企業行動の経済分析 | |
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著者が語る 第1位 法と企業行動の経済分析
柳川範之(やながわ・のりゆき)/東京大学大学院経済学研究科准教授。1963年生まれ。慶應義塾大学専任講師を経て現職。他の著書に『契約と組織の経済学』など
第一位に選んでいただき、大変光栄です。
本書は、タイトルどおり法と企業の行動を研究したものです。法と経済学の境目の問題ですね。
経済学にとってこうした学際的な研究が重要であるだけでなく、この境目で現実にライブドア、村上ファンド問題などさまざまな問題が起きていた。
こうした問題に対して、どんな法制度がよいか。本書にはその“即効薬”が盛り込まれているわけではありません。が、きちんとした処方箋を出すための基礎固めをしないといけない、という思いでまとめ上げました。
目下、耳目を集めているサブプライムローン問題の関連としては、第八章で「証券化の役割と課題」について考察しています。
いまやうさんくさいものとして語られる証券化ですが、リスクシェアリングなどメリットもある。必要な仕組みであるのは確かです。ただし、売り手と買い手のあいだの「情報の非対称性」など重要な問題を孕んでいる。証券化はすべてダメではなく、うまくその機能を使いこなす道を考えるべきでしょう。
ある先生の言葉ですが、「飛行機は危ないから飛ばすな、ではなく、安全対策を立てて飛ばすことを考えるべき」なのです。
本書は専門家向けの書です。用語もとっつきにくいと感じられるでしょう。ビジネスマンの皆さんには、まず第四章の雪印乳業の事業再編ケーススタディから目を通していただけたらと思います。
雪印グループの破綻から事業整理、再建に至るプロセスは、荒療治を迫られてはいない普通の会社においても、十分参考になるケースだと思います。部門売却などで企業価値を高めるアプローチは、もっと注目されてしかるべきです。
次作としては「コンテンツビジネスの今後のあり方」「ここ一〇年の金融市場激変が日本企業、日本経済にどんな影響を与えたか」に関心を持って取り組んでいます。
【2位】
| 不都合な真実 | |
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著者が語る 第2位 不都合な真実 切迫する地球温暖化、そして私たちにできること
アル・ゴア/前米国副大統領。他の著書に『地球の掟』など
時代の転換点となった京都議定書のホスト国を務めたことなど、私は日本のリーダーシップに敬意を抱いています。ただ、さらに大きな努力を求められていることは確かです。
地球温暖化という危機に対して、世界の人びとは必ず行動を起こすでしょう。私は楽観的な見通しを持っています。まだ時間はあります。でも、仕事は今すぐに始めなければなりません。
訳者が語る 枝廣淳子
豊富な図や写真を用い、温暖化の原因や影響、取るべき対応を冷静にわかりやすく伝える書です。温暖化は経済の問題でもあり、その本来の目的のために経済をどう再構築すべきかも考えさせてくれます。本書のメッセージは「希望」。私たちは温暖化の悪化を防げるのです――すぐに行動すれば!
【3位】
| 人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか | |
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著者が語る 第3位 人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
水野和夫著(みずの・かずお)/三菱UFJ証券参与・チーフエコノミスト
このところ景気は回復してきた。なのに、長期金利はずっと二%を下回っている。本来ならばありえないことです。そこに込められた債券市場のメッセージとは何かを解読したい、というのが本書を書くそもそものきっかけでした。
景気回復しても人件費は上がらず、物価も下がるといったように、今まで考えられなかったことが一九九五年以降、起こっている。それは、資本主義が大きく変わろうとしている表れだと、私は考えます。「インフレがすべてを解決する」といった既成概念は通用しなくなっている。
現在のサブプライムローン問題というのは、資産の交換で利潤を上げる「金融の肥大化」に米国の低所得者層が巻き込まれた、その反動と考えます。その「肥大化」はもはや極限まできた。今後はどこへ行くのかを次のテーマとして考えています。



啓発的な書
