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週刊東洋経済「この経済本がすごい!-年末・年始にぜひ読みたい2007年決定版-経済・経営書ベスト100」
2007年12月29日号, 週刊東洋経済, 172~191ページ
【13位】
| ビジョナリー・ピープル | |
![]() | ジェリー・ポラス スチュワート・エメリー マーク・トンプソン 英治出版 2007-04-07 売り上げランキング : 1868 おすすめ平均 ![]() 著者の行動力は認めますが 「成功」者へのインタビュー研究 リーダーシップの本質を内省させてくれる一冊Amazonで詳しく見る by G-Tools |
成功している人々の共通点をこの本で知る
●本書の冒頭部分で、ビジョナリー・ピープルの定義に相当する文言を見たときは、実はこれは陳腐だと思った。理由は、そこでは、単に「頑固にがんばる人」としか読めなかったからである。しかし、本文を読み出すうちに、それは、誤解であることがわった。
本書は一気に読むことが可能であり、随所になるほどと思える箇所が存在する。すべてとはいわないが、成功する組織にはこのような人たちが存在することが多いと同感できる。個人的には第6章に出てくる内容で、カリスマには大義が必要であるという趣旨の言葉に魂がうずく思いがした。リーダーにカリスマ性は必要なのか。またカリスマとは何か。そういう基本的なことに興味がある読者にお薦めの書といえよう。(黒須 豊)
●使命感を全うすることが結果として成功者と評され、成功することが目的でないことがわかりやすく紹介されている。名映画はラストシーンが印象的であるように、本著も最後に「いつまでも続く成功というものはいつまでも続く使命感が欠かせない」とうまくまとめている。(松尾十作)
●20年以上にわたって永続的に成功を収めている人=ビジョナリー・ピープルの共通点を抽出した、ベストセラー『ビジョナリー・カンパニー』の著者による好著。
本書を読めば、真の「成功」が、自分にとって本当の「生きがい」を知ったうえで、それに向かって限りない情熱を傾け没頭し、「個人的な充実感」「変わらない人間関係」「自分にしかできない成果」を得られることであることがよくわかるはずだ。拝金主義、権威主義の中にどっぷりつかり、富、名声、権力を得ることが「成功」であり、また「目的」だと勘違いしている世の多くの人々にとって、人生を送るうえで多くのヒントだけでなく、勇気と希望をも与えてくれる。(黒田康史)
【14位】
| 「小さな政府」の落とし穴―痛みなき財政再建路線は危険だ | |
![]() | 井堀 利宏 日本経済新聞出版社 2007-08 売り上げランキング : 1419 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
適正な政府の規模をどう考えるか
●小さな政府を求める声が高まっているが、「大きな政府か小さな政府かを議論する前に、受益と負担のリンクを回復させる必要がある」「負担が増えるから望ましくないという議論は短絡的」といった主張は、政府の規模について議論を行う際に有益である。(花田 普)
●安倍前政権の「成長重視の上げ潮路線」への警告を意図して執筆されたが、福田政権下で新たな議論が巻き起こっている現状でも価値は減じない。供給主導型マクロモデルによる長期試算を裏付けとして提示しつつ、単純な「小さな政府万能論」の限界を示しながら「大きな政府」の問題点も指摘して、真に効率的で公平な政府の姿について、政府規模、財政等からの諸条件を多面的に検討する。(門多 治)
【14位】
| そもそも株式会社とは (ちくま新書 646) | |
![]() | 岩田 規久男 筑摩書房 2007-03 売り上げランキング : 25442 おすすめ平均 ![]() 近年の経営の変化に対する評価の視点 書名と内容が一致している本。その意味で買ってよい本だけど‥。 株主に会社のオーナーシップがある理由Amazonで詳しく見る by G-Tools |
企業統治のあり方を経済学で分析
●株主がコーポレートガバナンスの強化を主張する一方、企業行動がもたらす社会への影響という点から「会社は誰のものか」という議論も巻き起こっている。本書はこの重要な問題に焦点を当て、論点を平易に整理しながら、企業統治の意義・形を経済学のロジックに従って丁寧に検証している。議論の土台を提供する良書だ。(榊原可人)
●株式会社は誰のものかと熱く議論されるが、どうすれば会社が社会のために効率的に運営されるかのほうが大事なはずだ。冷静に効率性を議論したほうがいい。従業員主権論は、選手が監督を選ぶようなものだという。選手にとってよい監督とは、自分を使う監督であって、試合に勝つ監督ではない。そんな経営者では、リストラも新しい成長部門を育てることもできない。(原田 泰)
【14位】
| 日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書 (1905)) | |
![]() | 飯尾 潤 中央公論新社 2007-07 売り上げランキング : 1457 おすすめ平均 ![]() 思考を刺激する良書 日本の政治制度とその運用の現状分析 「議院内閣制」の本質的意義からの日本政治の解明Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本の政治を歪めた「官僚内閣制」
●日本は議院内閣制なので、大統領制に比べると、大胆な政治的指導力を発揮できないと考えられてきた。だが、小泉内閣の5年間では、おや、と思うことが多かった。本書は、議会と行政府の双方をコントロールできる議院内閣制のほうが強いリーダーシップを発揮できることを示す。
日本で従来それができなかったのは、戦後日本の特殊事情による。官僚の代理人としての政党政治家が集まって内閣を構成する「官僚内閣制」、社会の動向を反映する仕組みが各省庁に内在している「省庁代表制」、内閣とは別に与党が政策を動かす「政府・与党二元体制」など、鋭い切り口が随所に見られる。30年以上官僚生活を体験した私としては、「私が書きたかった」と叫びたくなる思いだ。(西村吉正)
【14位】
| 不動産は値下がりする!―「見極める目」が求められる時代 (中公新書ラクレ 252) | |
![]() | 江副 浩正 中央公論新社 2007-08 売り上げランキング : 853 おすすめ平均 ![]() マクロな分析というよりミクロな知識のインプットに役立つ 論旨が不明確 本書から筆者の主張が見えてこないAmazonで詳しく見る by G-Tools |
見識にあふれた不動産論が面白い
●大都市中心部で起きている不動産バブルに対する警告の書。しっかりとした分析で構成されている。不動産が値下がりする最大の理由は供給の増加である。容積率の緩和、農地の宅地化、大学や工場の跡地の増大など供給が増える条件は多い。第2に金利の上昇である。依然としてデフレ圧力が強い日本であるが、じわりと物価が上昇し、金利も上昇しよう。不動産価格が金利の逆数である以上、価格の低下は避けられない。(霧島和孝)
●著者の見識の深さには脱帽する。不動産に関する知識の量よりも、端々ににじむ感性が鋭いのだろう。あまりに面白かったので、私は読後に著者の著作を立て続けに読んでみた。「不動産は値下がりする」説にはにわかに賛成できないが、そんなことは無関係にお薦めである。(熊野英生)
【18位】
| 21世紀の国富論 | |
![]() | 原 丈人 平凡社 2007-06-21 売り上げランキング : 2225 おすすめ平均 ![]() 経済知識は初心者ですが・・・ 勇気と希望 ベンチャーキャピタリストは必見Amazonで詳しく見る by G-Tools |
若手経営者渾身の新資本主義論
●本書は情報通信の新技術と金融分野に明るい著者ならではの今後の日本へのすばらしい提言の書である。提言のいくつかの要点を記しておく。第1に、アメリカ流の「企業は株主のもの」を否定し、新しい資本主義のルールをつくる必要性と、企業の新しいガバナンスと企業が持つべき新しい価値観について説く。
第2に新しい技術が新しい産業をつくるという認識の重要性と「物的工学製品」から人間の知恵が生み出す「知的工学製品」が21世紀の花形産業の基盤となることを指摘し、日本が戦略的に開発・発展させる新技術について概説する。
第3にベンチャー企業こそが21世紀の基幹産業を生み出す可能性が大きく、こうした企業とそれを担う若い人をいかに育成していくべきかを制度論も交え説いている。(北尾吉孝)
【18位】
| イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1 | |
![]() | ジョン・J・ミアシャイマー スティーヴン・M・ウォルト 副島 隆彦 講談社 2007-09-05 売り上げランキング : 1098 おすすめ平均 ![]() 現実主義と丁寧な論証に考えさせられる ダメだ、こりゃ。。。 知識人必読の書ですAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 2 | |
![]() | J.J. ミアシャイマー S. ウォルト 副島 隆彦 講談社 2007-10-17 売り上げランキング : 2499 おすすめ平均 ![]() イスラエルの戦史と米国のイスラエルロビーの実態が分かりますAmazonで詳しく見る by G-Tools |
一流学者がリスク覚悟で書いた告発書
●本書の基になった論文は、2006年年『ロンドン・レヴュー・オブ・ブックス』誌に掲載されたもので、その論旨は、ユダヤ人ロビーがアメリカの中東政策を大きく歪めており、そのような政策はアメリカの国益から乖離している、というものであった。
この種の議論はアメリカではタブーに近いものであり、また学術的にも検証されてこなかった。しかしウォルト、ミアシャイマーというアメリカを代表する現実主義的国際政治学者がこのような論文を発表したことは、大きな反響を呼んだ。
われわれは石油利権や地政学など表層的な面から中東情勢を見がちであるが、本書はアメリカ外交の構造的な問題を指摘している。(小谷 賢)
【18位】
| ゆうちょ銀行 | |
![]() | 有田 哲文/畑中 徹 東洋経済新報社 2007-09-07 売り上げランキング : 111424 おすすめ平均 ![]() エゴで動く人たち 問題点の整理にはいいのですが 経緯を丹念に調べた好著Amazonで詳しく見る by G-Tools |
郵政民営化をさまざまな角度から検証する
●郵政民営化の虚と実、表と裏を、緻密な取材でさまざまな角度から検証した好著。小泉首相(当時)の選挙演説で気になったことを発端にして事実を解明していく。
また、日本における金融業というものを、金融機関のあり方や日本の将来像を含めて考え直してみるうえでも有益であろう。構造改革のシンボルとして国民の注目を集めた郵政民営化は、日本経済の先行きにどのような影響を及ぼしていくのか。自民党が大勝した2005年の衆院選から月日が経ち、07年参院選では民主党が大勝という政治状況の変化があった。しかし、郵政民営化の問題を民主党は今ではあまり触れたがらないようである。そうした中だけに、本書の問いかけに意義がある。(上野泰也)
【22位】
| 金融再生危機の本質―日本型システムに何が欠けているのか | |
![]() | 大村 敬一 水上 慎士 日本経済新聞出版社 2007-09 売り上げランキング : 1665 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
金融危機克服へ、政府に入った学者の苦闘
●不良債権問題など金融危機が深刻だった2001年から03年にかけて、この問題を解決するために民間から初めて内閣府大臣官房審議官に任用された大村敬一教授たち。
著者たちは、着任当時、不良債権の実態を示す客観的資料がほとんど存在しない中で苦闘する。
本書の前半は政策判断のために、金融システムや金融行政について、ファイナンス理論や金融工学に基づいて行った定量分析から構成される。後半では退官後の金融情勢の分析を行う。
日本型システムの制度疲労や金融支援策に潜む問題点などを指摘している。(宅森昭吉) ●バブル崩壊を金融界の経営の立場から見事に分析した好著である。(加藤 寛)
【22位】
| ユーロへの挑戦 | |
![]() | ハンス・ティートマイヤー 国際通貨研究所 村瀬 哲司 京都大学学術出版会 2007-09 売り上げランキング : 23062 おすすめ平均 ![]() 当事者が語る通貨統合の一面Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ドイツ連邦銀行元総裁の回顧録
●1980年代後半の通貨混乱期を旧西独大蔵省次官として、またドイツ再統一期には独連銀理事、後に総裁として、常に第一線にあったティートマイヤーの回顧録。話題のFRB前議長の類書に比べれば地味であることは否めない。 また、「ユーロがドイツの将来にとって意味するもの」と原題にあるように、本書はドイツ国民向けに意図された内容である。とはいえ、情報源をどうしてもアングロサクソン系に頼りがちなわが国にとって、通貨統合の内側を知るうえで貴重な書といえよう。(竹井 豊)
●ドイツ連邦銀行の精神を体現する元総裁による著作は、デフレ圧力に苦しんできたわが国にとって、通貨協調を模索するアジア諸国にとっても多くの示唆に富む。(後藤康雄)
【22位】
| オイル・ジレンマ | |
![]() | 山下 真一 日本経済新聞出版社 2007-06 売り上げランキング : 85911 おすすめ平均 ![]() バランスのとれた内容Amazonで詳しく見る by G-Tools |
石油をめぐるナマの情報があふれている
●「市場の時代」に突入する中で高騰を続ける原油価格。その裏側や、石油メジャーの動きなどを知るうえで有益な一冊。著者は、米国駐在の記者として、さまざまな人物からナマの情報を取っている。
石油メジャーがジレンマに陥っているという指摘は興味深い。公共性の高い商品・原油を民間企業である石油メジャーが独占的に生産し、市場価格で売ることに大きな矛盾があり、その矛盾に原油価格が安いうちは誰も気づかなかったが、高騰したことで矛盾が露呈した、と著者は述べる。米国の世論や議会は、石油を「公共財」と見なして、メジャーに対し、投資を増やし、生産を増やすことを要求。しかしメジャーはあくまで株式会社である。妥協点は見えていない。(上野泰也)
【22位】
| 日本の選択〈適者〉のモデルへ | |
![]() | 小島 明 エヌティティ出版 2007-10 売り上げランキング : 168237 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本は変化を止めず、新たな成長モデルを
●日本が極東の片隅のちっぽけな島国から身を起こして、経済大国として世界の中心舞台に踊り出た。20世紀の成功物語であったことは、歴史的な事実である。問題は、成功モデルがその役割を果たし終えた後、次なる成功物語に導くような、内外環境の大きな変化に適応した新たな発展・成長モデルを速やかに用意できなかったことにある。
このように見る著者は「人材」が最大の資源である日本の20世紀の成功の秘密を、日本が、「学習社会」であり、「適応社会」であったことに求め、日本が生き残るためには、絶えず改良、変革し適応を続ける変化のモデルから逸脱してはならないと警告する。著者はドラッカーを恩師と仰ぐ、国際派経済ジャーナリスト。(嶋中雄二)


「成功」者へのインタビュー研究
リーダーシップの本質を内省させてくれる一冊

近年の経営の変化に対する評価の視点




ダメだ、こりゃ。。。





