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『この経済本がすごい!! この夏ビジネスマンに薦める必読書
-「時代の大きな流れをしっかり読み取りたい」-福原義春 資生堂名誉会長』
週刊東洋経済 2006年8月12日・19日合併号 78~79ページ)

毎年恒例の「経済・経営書ベスト100」(82ページ参照)の回答者を長年務めている福原氏に、アンケートで推した本に2冊を加えたお薦めの経済本5冊を語ってもらった。



本には、目先の役に立つからぜひ読んでおいたほうがよいものと、10年先、20年先になって役立つものがあります。『フラット化する世界』は、そのどちらになるかはわかりませんが、少なくとも現時点では、早く気がついて読んだほうがよい本だと思います

フラット化する世界(上)
フラット化する世界(上)トーマス・フリードマン 伏見 威蕃

日本経済新聞社 2006-05-25
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おすすめ平均 star
star一つになった世界から落ちこぼれない処世術
star読み易いが内容は深い。ビジネススクール用にいいのでは?
starひとつの世界像を構築できる刺激的な著作

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フラット化する世界(下)
フラット化する世界(下)トーマス・フリードマン 伏見 威蕃

日本経済新聞社 2006-05-25
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ピタゴラス以来、地球は丸いといわれ、ガリレオとコロンブスの時代にそれが立証された。僕らもそう思っていたし、依然として地球は丸いのだけれども、ある瞬間から、情報化によってバーチャルではフラットと考えてもよい、ネットワークというか面の世界になってしまった。そのことを読者に気づかせるために、10もの実例、ケースを挙げてくるわけです。それは大変なものですよ。

富の未来 上巻
富の未来 上巻A. トフラー H. トフラー 山岡 洋一

講談社 2006-06-08
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富の未来 下巻
富の未来 下巻A. トフラー H. トフラー 山岡 洋一

講談社 2006-06-08
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おすすめ平均 star
starなるほど
star第三の波をどれだけ上手く乗りこなすかが鍵
starうーん、新鮮味が??

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トフラーの『富の未来』は、20世紀まで僕たちが富と思っていたものが、これから先は本当の富ではなくなってしまうのではないかと言っているわけです。そういうパラダイムの変化は、やはりあるでしょう。

トフラーが『第三の波』を書いたのは1980年。当時、彼が言っている情報化時代なんて本当に来るのかな、と思ったこともありました。でも、2000年代になって実際にそうなった。彼は将来こうなるかもしれないという予測をたくさん列挙していましたが、7~8割は当たっているかもしれません。

その『第三の波』から20年以上経って、ちょうど次の節目に来たんですね。今はまさにIT化が進んで、一つの踊り場に来た段階。ここからIT化がどちらの方向に加速するのか、あるいはIT化そのものがもうこれで終わってしまうのか、ということが問題ではないでしょうか。

株式会社に社会的責任はあるか
株式会社に社会的責任はあるか奥村 宏

岩波書店 2006-06
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『株式会社に社会的責任はあるか』は、奥村宏流の表現がいっぱいで、ちょっと偽悪的に見えるところもあります。でも、結局著者が言いたいことは、普通の事業の中で社会的責任を果たしていくような会社でなければいけないということだと思います。

株式会社には弱点というか、補完しなければいけない点がある。そうした問題点を非常にわかりやすく整理してある。この種の本は、いくつか読んだけれども、やはりこれがいちばんわかりやすくて筋が通っていると思いました。

ビジョナリーカンパニー【特別編】
ビジョナリーカンパニー【特別編】ジェームズ・C・コリンズ 山岡洋一

日経BP社 2006-06-22
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おすすめ平均 star
star気軽によめますが
starこの考え方自身がGREATだ

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アンケートで推したこれら3冊のほかに、ビジネスパーソンに薦めたい本としては、『ビジョナリー・カンパニー 特別編』があります。ただし、これだけというわけではなくて、『エクセレント・カンパニー』から『ビジョナリー・カンパニー』『同2』ときて、今回の『特別編』となる、コリンズ氏のシリーズ全体です。

『エクセレント・カンパニー』で取り上げたのは、みな大企業で、パフォーマンスのよい会社だったんですね。ところが、10年くらい経ったら、そうでもなくなってしまった。

そこで今度は『ビジョナリー・カンパニー』で、必ずしも大きな会社ではない、パフォーマンスのよい会社の要因を分析していった。すると、そこには一種の法則があるとコリンズ氏は言っているわけです。

18世紀から20世紀にかけてつくられてきた産業化、工業化社会が、ある種の末期というか飽和期になって、大きな会社がどんどん勝ち進んだ時代から、今度は新興の中小企業が伸びていく時代に変わりつつある。著者の考え方が変わったというよりも、その背後にある社会構造が変わったということでしょう。

ミュージアム・マーケティング
フィリップ コトラー

それから『ミュージアム・マーケティング』。コトラーは、あらゆる種類のマーケティングの本を書いていますが、最新のものがこれです。

ミュージアムは営利企業にはなりえないんですよ。世界中のほとんどが非営利組織でしょう。では、非営利組織にはマーケティングがいらないかというと、逆なんですね。

ミュージアムの使命は儲けることではなくて、人々に影響力を与えること、世の中を変えていくことです。そのためには、人が入らなければならない。だからこそ、むしろマーケティングが必要なんです。この本を読むと、そもそもマーケティングとは何なのか、その本質を理解することができます。

ドラッカーも、最後は非営利組織について論じていましたね。それに対して、非営利組織に対して期待を置きすぎるという批判もあります。

だけど、僕はそう思いません。確かに経済全体から見れば、ミュージアムの売り上げなど微々たるものです。でも、人々に与える影響はそれと比較して非常に大きいはずです。

僕がここのところずっと言っているのは、20世紀までと21世紀以後の方法は変わるだろうということ。20世紀はすべて数字で置き換えられるものしか判断基準がなかった。けれども、21世紀はそれだけでは勝ち残れない。新しい時代には、新しい価値があり、それを測るメジャーを別に考えなければいけません。

ここに挙げた5冊はいずれも今起こっている現実を描き、人々に考える材料を与えてくれる本ですね。


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