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経営トップ40人に聞く『この夏 部下に薦める80冊』(日経ビジネス 2006年8月7日14日合併号 116~122ページ)
ネットがもたらす大変革読む
推薦書からは、多くの経営者が、インターネットの普及によって急速に変化する社会の先行きを見通すことの重要性を痛感していることがうかがえた。この大きなうねりを読み解かないことには、今後のビジネスの潮流を予測することもできないからだ。
ネットを活用して勃興した企業の代表例としては米グーグルが挙げられる。1998年に創業したシリコンバレーのベンチャーは、今や米国を代表する企業に成長した。グーグルが確立したビジネスモデルの1つが、「ロングテール」と呼ばれるもの。2割の得意顧客から8割の売り上げを稼ぐ「パレートの法則」とは逆に、これまで切り捨てていた8割の顧客から売り上げの大半を稼ぐという理論だ。「アドワーズ」と呼ぶ広告モデルでロングテールを実証したグーグルのビジネスモデルは、「Web2.0」と呼ばれるネットの新潮流として注目されている。
そんなネット時代の展望を読みやすい文章で解説するのが、梅田望夫著『ウェブ進化論』だ。「今後の10年を展望する際に参考としたい1冊」(三菱総合研究所の田中將介社長)、「私を含めてリアル社会に浸っている人間にとって、ネット社会を理解する大きな一助になる」(村田製作所の村田泰隆社長)といった指摘が挙がった。
| ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる | |
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ウェブ進化論は、インターネット販売サイトのアマゾンジャパンの2006年上半期の新書ベストセラーランキングで2位に入った。同様に、グーグルのビジネスを解説した『グーグル─Google』が9位に入るなど、ネット技術への注目度は高い。
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さらに、こうしたネット技術の発展により、グローバル化が一層進展すると多くの経営者が指摘。その変化を具体的に読み解く解説書として挙がったのが、トーマス・フリードマン氏の『フラット化する世界』だ。「個人、企業、国家の対応策を分かりやすく提言している」と、NECの矢野薫社長も推薦する。
| フラット化する世界(上) | |
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一方、経営者の多くはグローバル化が進むからこそ、改めて日本人であることを見つめ直すべきと考えている。真のグローバル世界では、自分自身が日本人であることをより強く意識させられるからだ。そんな実感を持つ経営者の多くからは、藤原正彦氏の『国家の品格』が推薦書として挙がった。同書は、ランキングでも1位になり、2006年上半期に幅広く読まれた。
| 国家の品格 | |
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このほか、山本七平著『日本資本主義の精神』、中西輝政著『国民の文明史』、江藤淳著『海は甦える』など、日本人の本質を見つめ直そうという傾向が強く見られた。いずれも「あるべき日本人の姿を問いかける」(NTTコミュニケーションズの和才博美社長)作品であり、グローバル化とは異なる視点を養うことができる。
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海は甦える 第1部 (1)
江藤 淳
経営書の“古典”も人気
「ネット」「日本」という最近の世相を表すキーワードに加えて、経営者の推薦書には経営の教科書とも言えるベストセラーも多くあった。
代表的な作品は、昨年11月に永眠したP・F・ドラッカー氏の数々の著作。「経営に携わるほどに一つひとつの言葉が重く、深く心に響く」(住友生命保険の横山進一社長)。このほかにも、クレイトン・クリステンセン著『イノベーションのジレンマ』やジェームス・C・コリンズ著『ビジョナリーカンパニー』などの過去のベストセラーが挙がった。まとまった時間が取れる夏休みだからこそ、普段は手が出にくいこうした「古典」に挑戦するのもよいだろう。
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