メイン > 日経産業新聞『私の本棚』 > 2008年4月4日~4月18日

忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス
忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス明橋 大二 太田 知子

1万年堂出版 2007-11
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おすすめ平均 star
star読みやすく、最後は感動。
starママのためのパパ指南本
star子育てに限らず、父親として生活する上でのアドバイス

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◎弁護士 渥美雅子氏

とにかく、楽しい本である。百八十ページのうち、漫画が四分の三程度を占めており、通勤電車で家と会社を往復するうちに十分に読み切れるはずだ。著者は医者で、スクール・カウンセラーも務める。著名なイラストレーターである太田知子さんとコンビで出している子育てハッピーアドバイスシリーズの第四弾で、漫画もリアリティーがあっておもしろい。

この本には仕事で超多忙なお父さんが子供や、子育てに悩む妻に接するための生活上のノウハウが満載だ。例えば「お父さんがジョークを言うと、家の中にゆとりができる」などのアドバイスはすぐに使えそうだ。

著者の最後のメッセージは「お父さん、生きていてほしい!」である。父親を自殺で失ってしまった娘が著者の診療所を訪ねてくる。中小企業のリストラ騒動の責任を取った形で自殺した父親を何とか理解しようと努力する娘の姿がいじらしい。重い問題も著者の軽妙な文章と漫画で読むと、すんなりと心に落ちてくる。

最近は企業においても時短促進や「父親にも育児休暇を」というような取り組みが盛んになってきた。また積極的にワークライフバランス(仕事と生活の調和)を進めている企業の方が収益率が高いという事実も次第に明らかにされてきた。良きパパなればこそ、良き企業人になり得ると堂々と言える時代になったわけだ。

■2008/04/18, 日経産業新聞, 26ページ

あぁ、阪神タイガース―負ける理由、勝つ理由 (角川oneテーマ21 A 77)
あぁ、阪神タイガース―負ける理由、勝つ理由 (角川oneテーマ21 A 77)野村 克也

角川書店 2008-02
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おすすめ平均 star
star他の組織にも当てはまる
starもう阪神を語るな
starこの手の本はくどいがノムさんの語り口は別

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◎みずほコーポレート銀行アナリスト 棚瀬桜子氏

失敗しないことの強さ

経営者や上司の理想像にたとえられることの多いプロ野球監督。著者もその一人だ。Bクラスだったヤクルトを優勝に導いた実績から、その方法論や成功の秘訣を探りたくなる。

著者は「指揮官は敗因を分析する責務がある」と指摘、試合に敗れた後にその理由を追及してきた自身の経験を語る。対象はチームの内部資質や外部環境、確率のスポーツとしての野球におけるデータ、個々の人材や組織を動かす推進力、指揮官としての失敗の有無と幅広い。

「勝つためにどうすべきか」は「負けないために、やってはならないことは何か」でもある。おそらく経営でも同じだろう。成功者としてたたえられるべき経営者とは、賭け事のような判断で偶然に成功した人ではなく、目前の危機を回避し、将来直面するかもしれない不安要素を排除できた人のことではないかと思えてくる。

ある案件が成功する確率よりも、失敗を排除できる確率のほうが高い。つまり、失敗しないことは成功することと同じぐらいの価値がある。

著者は、弱小チームを勝てるチームに変えるノウハウや選手育成法を会得したという自負があるようだ。その方法論が「敗因分析」である点は興味深く、説得力がある。経営でも「緻密(ちみつ)な将来シミュレーションよりもまずは過去の失敗の分析を」ということなのかもしれない。

■2008/04/04, 日経産業新聞, 20ページ

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