メイン > 日経産業新聞『気になる2冊』 > 2008年4月4日~4月18日

日本企業の知的資本マネジメント
日本企業の知的資本マネジメント内田 恭彦 ヨーラン・ルース

中央経済社 2008-03
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おすすめ平均 star
star経企、人事マネージャーにお薦め。

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終身雇用制をはじめとする日本型経営システムは他の主要先進国のそれと比べ、本当に劣っているのか。多くのビジネスパーソンにとって関心のあるテーマに違いない。著者はリクルートで企業の人材開発に関するコンサルティングに数多く携わった経験を持つ、異色の経営学者である。

日本型経営の特徴である「他社では活用不可能な企業独自の知識」と「信頼に基づいた企業内ネットワーク」が近年、特に注目されているという。資金や設備と違い、情報やノウハウなどの知的資本は長期の雇用関係からのみ生まれると著者は分析する。終身雇用維持を宣言するトヨタ自動車やキヤノンがなぜ強いのか、その理由の一端がわかる一冊だ。

■2008/04/18, 日経産業新聞, 26ページ

会社員のためのCSR入門
会社員のためのCSR入門大久保 和孝 高 巌 秋山 をね

第一法規株式会社 2008-02-25
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食品や紙、建材など幅広い分野で偽装事件が続発するなか、改めて企業の社会的責任(CSR)が叫ばれている。では、CSRの定義とは何だろうか。多くのビジネスパーソンにとって看過できないテーマであるにもかかわらず、正確に表現できる人はなかなかいないのではないか。

公認会計士や大学教授などの専門家、企業関係者や非営利組織(NPO)関係者など総勢十二人が様々な角度から本書を執筆した。筆者の一人は社会のニーズを的確に把握していないCSRは意味がないと主張する。抽象的なCSRという概念をビジネスパーソンが多角的に理解していく上で本書は大きな一助となるだろう。

■2008/04/18, 日経産業新聞, 26ページ

老舗の品格―なぜ現代の経営者は「商人道」を軽く扱うのか
老舗の品格―なぜ現代の経営者は「商人道」を軽く扱うのか中見 利男

日本文芸社 2008-03
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老舗と呼ばれる有名企業で偽装問題が相次いでいる。本書はそんな老舗をいさめるとともに、老舗と呼ばれる条件や老舗の品格を論じている。序盤は冗長な部分もあるが、中盤以降で取り上げる創業者の言動はどれもうなずいてしまうものばかり。松下電器産業の松下幸之助ら多くの創業者が登場する。

その一人で皮膚薬「メンターム」を販売する近江兄弟社(滋賀県近江八幡市)の創業者ヴォーリズは教育施設などを設立した。近年盛んに言われるようになった、企業の社会的責任(CSR)活動を実践していた。著者は「社長の品格とは、すなわち企業の品格」と主張する。先人の足跡は現代の社長にとって大いに役立つのではないだろうか。

■2008/04/11, 日経産業新聞, 24ページ

ビジネスマンのための「数字力」養成講座
ビジネスマンのための「数字力」養成講座小宮 一慶

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-02-27
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おすすめ平均 star
starまさに実践の書ですね!
star数字で考える習慣がつきます
star数字が出てくるとつい反応してしまう

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「数字力」とは何か。単に数字に強いことを指すのではない。全体を把握する力、具体的に物事を考える力、目標を達成する力だという。例えば営業成績が振るわなかったときに「少し足りなかった」ではなく、「一〇%足りなかった」と明確にすれば、実現に向けたプロセスを練り上げられる。筆者は、数字力は確実に目標を達成する方法論だと強調する。

本書は数字力のステップアップ法、数字力の阻害要因などを紹介している。演習問題を織り交ぜているため読者を飽きさせない。景気の先行きに不透明感が増している現在、目標必達を課せられた企業経営者にも参考になる一冊だろう。

■2008/04/11, 日経産業新聞, 24ページ

ポストM&A 成功戦略―企業価値を最大化する統合の実践シナリオ
ポストM&A 成功戦略―企業価値を最大化する統合の実践シナリオ松江 英夫

ダイヤモンド社 2008-02-29
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star読みやすかった

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著者はM&A(合併・買収)に詳しいコンサルティング会社の幹部。本書ではM&A成立後の統合シナリオの重要性を説く。議論の核は基本合意から新会社発足に向けて経営者らがどれだけ準備できるかだ。統合後の経営戦略や利益目標などに加え、統合相手の取引先、統合実務の担当者、従業員、労働組合――。経営者が考慮すべきテーマは多い。

トップが、互いの利害を超え、統合後の新会社を主語に置き換えた事業構成や人事・組織体系を考えられるかが大事という指摘はもっともだ。それがなかなかできないことが問題なのだが、著者は現実論も踏まえているので参考にしたい。

■2008/04/04, 日経産業新聞, 20ページ

学歴社会の法則 教育を経済学から見直す (光文社新書 330)
学歴社会の法則   教育を経済学から見直す (光文社新書 330)荒井 一博

光文社 2007-12-13
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おすすめ平均 star
starやや古い議論
star経済学という視点
star「学校は人的資本を形成するのか?」を読んでいないようです

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専業主婦の母親と職業を持っている母親とでは、子どもの能力にどのような影響を与えるのだろうか。「教育を経済学から見直す」の副題通り、一橋大学で経済学を研究している著者はこれらの疑問への答えを冷静に解説している。あまりに論理的すぎて冷徹と思う人もいるかもしれない。

高い能力を得るために教育に投資した結果が収入にもつながる「人的資本投資」の考え方や、学歴から個人の能力が推定される「シグナル理論」――。子供の育成を考える際の参考になる内容だ。本書の中盤以降に記載されているいじめや少人数学級といった部分を読むと、今の日本の教育のありかたについても考えさせられる。

■2008/04/04, 日経産業新聞, 20ページ

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