メイン > 日経産業新聞『気になる2冊』 > 2007年4月6日~6月29日

総外資時代キャリアパスの作り方
総外資時代キャリアパスの作り方仲 俊二郎

光文社 2007-06
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経済のグローバル化で勤めている企業が突然、外資系企業に変わるケースは十分あり得る。外資系企業と日本企業ではキャリアパスの仕方はどう違うのかを、外資系企業の人事部長や日本法人のトップを務めた著者が説明する。

各部署で経験を積み幅広い業務を一応こなせるゼネラリストを求める日本企業と違い、外資系では社員に徹底的に専門性を求める。社内だけで通じるものではなく、社外でも十分に通じる市場価値がある専門性を持つことが必須という。ただ、外資系といっても、本質的に働くということに変わりはない。恐れる前に、まず本書を通じて実態を知ることから始めてみてはどうだろう。

■2007/06/29, 日経産業新聞, 34ページ

世界の〈水道民営化〉の実態―新たな公共水道をめざして
世界の〈水道民営化〉の実態―新たな公共水道をめざしてコーポレート・ヨーロッパ・オブザーバトリ トランスナショナル研究所 佐久間 智子

作品社 2007-04
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人が口にできる淡水は世界の水の約三%にすぎないという。急速に進む人口増加で、世界の多くの地域では飲み水だけでなく農業、工業、生活用水のすべてで不足が避けられそうにない。水をどう確保していくべきか。水に関して最も身近な存在である水道施設のあり方について問いかけたのが本書だ。

本書によると、世界の水道施設は一九九〇年代に急速に民営化が進んだ。しかし、見込んでいたサービス向上や料金引き下げという目標は達せられなかったという。人に不可欠な水は公共であるべきで、公共水道に運営を委ねるべきだというのが本書の主張だ。身近な水、水道はどうあるべきかを改めて考えさせる一冊だ。

■2007/06/29, 日経産業新聞, 34ページ

技術移転・発展と中核能力形成に関する研究―中国における日系企業の実態と展望
技術移転・発展と中核能力形成に関する研究―中国における日系企業の実態と展望欒 斌

大学教育出版 2007-02
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中国における日系企業の経営実態を現地訪問調査やアンケートなどによって明らかにした本。筆者は中国江蘇省出身の留学生であり「どうすれば中国企業も日本企業のように競争力を高められるか」といった素朴な疑問から研究を始めたという。日系企業が中国で成長したプロセスに着目し丹念に検証している。

本書は日系企業の中でもいち早く中国進出を果たした衣料品メーカーの成功要因として、親会社である日本企業との信頼関係と、それを前提とした生産技術全般に及ぶ技術移転を挙げている。今後発展が期待される中国の自動車部品産業においても、日系企業の成功のカギは親会社との信頼関係が構築できるかにあると結論づける。

■2007/06/22, 日経産業新聞, 22ページ

ウェブ仮想社会「セカンドライフ」 ネットビジネスの新大陸
ウェブ仮想社会「セカンドライフ」 ネットビジネスの新大陸浅枝 大志

アスキー 2007-04-10
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おすすめ平均 star
star入門レベルではないけど、Web2.0との違いと将来性のオーバービュー
star宣伝本でしかない軽薄さ
starウェブ上の仮想社会。推進会社の浅枝氏が書かれている事もあり、理解は一番し易い本です。

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インターネット上に作られた三次元空間で分身となる自分専用のキャラクターを操作し、コミュニケーションや買い物を楽しむ仮想社会「セカンドライフ」の人気が世界的に高まっている。本書はセカンドライフをネットビジネスの新大陸と定義し、現状と十年後の展望を示す。

キャラクターを通して現実社会のように人々が同じ場所に集えるのが特徴。企業がセカンドライフ内でイベントを企画すれば、参加者は時間を共有する一体感や感動が味わえる。従来の二次元のインターネットにはなかったような広告効果が見込めるという。消費者と新しい関係を築くことができ、企業にとっては新たなビジネスチャンスが広がると著者は解説する。

■2007/06/22, 日経産業新聞, 22ページ

戦わない経営
戦わない経営浜口 隆則

かんき出版 2007-05-08
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おすすめ平均 star
starすごくわかりやすい!
star素晴らしい!
starシンプルな真理

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著者は起業支援の専門家で、表題はそのヒントを示している。戦場で戦わないのは困難。ならば、競合相手が極力少ない分野で起業すべきと指摘する。ライバルが少ない市場を確認する上で有効なのが「ポジショニングマップ」だ。

喫茶店では縦軸を滞在型からテークアウト、横軸を低価格から高価格まで設定する。高価格で滞在型ならホテルのラウンジがあるが、高価格でテークアウトできる市場は以前は確立していなかった。手薄だった市場に新ビジネスを確立した代表例がスターバックスだったと本書は指摘する。

後から見れば簡単に思えるが、戦わずに済むサービスや技術で起業するにはたぐいまれなアイデアが必要だ。

■2007/06/15, 日経産業新聞, 22ページ

ヒットの「色」じかけ
ヒットの「色」じかけ高坂 美紀

ベストセラーズ 2007-04
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おすすめ平均 star
star「色」を意識的に切り替えるワザ

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あの商品はなぜ売れ続けるのか。価格や品質、性能など様々な要因が考えられるが、著者は消費者の心と体を引き付ける「色の成功法則」があると強調する。インスタントラーメンは競争が激しい食品の一つだが、その中で日清食品のカップヌードルはロングセラーとして知られる。売れ続けるのはまず味に飽きがこないからだが、パッケージの赤、白、金色は最強の色の組み合わせだという。

赤は最も記憶に残り、白は清潔感、金は最上級というイメージを植え付けるからだ。色の重要性を認識している企業は多いはずだが、消費者を引き付ける法則があるとの指摘は参考になる。

■2007/06/15, 日経産業新聞, 22ページ

iPhone 衝撃のビジネスモデル
iPhone 衝撃のビジネスモデル岡嶋 裕史

光文社 2007-05-17
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おすすめ平均 star
starえ、そうなの
star読みにくい
starどちらかと言うとポストWeb2.0論でサブタイトルの方が内容に近いかな.

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米アップルが近く携帯電話機「iフォン」を米国で発売する。携帯プレーヤー「iPod」の機能が付いているのが特徴で、日本でも二〇〇八年に発売予定。本書は「単に携帯電話とiPodを加算しただけの製品ではない」と指摘する。

著者は高機能化する情報機器のインターフェースを集約し様々なサービスを連携させる機器を「フェデレート端末」と定義。優れた機能性の全面タッチパネル液晶などを持つiフォンは「サービス間を自由に行き来できる最初のフェデレート端末になれる」と主張する。「『ケータイ』が基本的には電話であるという固定観念を捨てる時期」と主張する本書には日本企業を鼓舞する意図も見える。

■2007/06/08, 日経産業新聞, 22ページ

よみがえる心臓―人工臓器と再生医療
よみがえる心臓―人工臓器と再生医療東嶋 和子

オーム社 2007-04
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日本人の死亡原因で今やがんに次ぎ二位といわれる心臓病。病状によっては移植手術が必要となるが、現状ではドナー不足などの問題が横たわる。それに代わる治療法となる人工心臓の開発や、心臓再生医療の確立に奮闘する医師たちの姿をドキュメンタリータッチで描いたのが本書だ。  元新聞記者の著者が、膨大な取材に基づいてまとめた。東大に集まり人工心臓研究に没頭した若者たちの章や、米国の国家プロジェクトに参加した研究者の章、骨髄細胞の心臓への移植などで再生を目指す医師たちの取り組みを追った章など十五章からなる。医療技術史とともに、医療の持つ大きな可能性が感じられる。

■2007/06/08, 日経産業新聞, 22ページ

あなたの会社、誰に継がせますか? 売りますか?―事業承継の選択肢と実践
あなたの会社、誰に継がせますか? 売りますか?―事業承継の選択肢と実践山田 修

ダイヤモンド社 2007-05-11
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社長交代は企業の最大イベントの一つ。上場企業なら企業価値の最大化を目指した人選でよいが、オーナー企業は事情が異なる。本人や家族だけでなく、従業員や取引先などを満足させつつ、事業を承継させるのは上場企業以上に複雑だ。著者は複数企業のトップを務めた経験から具体的な答えを示している。

最も避けるべきは従業員や取引先に迷惑をかける廃業だという。そのためには後継者の確保が必要で、一族を含め社内から出すには十年程度の準備期間が欠かせないという。本人の経験に加え、社内の支援体制を整えるためだ。オーナー経営者には示唆に富む内容だ。

■2007/06/01, 日経産業新聞, 22ページ

先住民と国民国家 中央アメリカのグローバルヒストリー
先住民と国民国家 中央アメリカのグローバルヒストリー小澤 卓也

有志舎 2007-03-15
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おすすめ平均 star
starリアルにとらえよう
star税関を通らず

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ベネズエラのチャベス大統領、ボリビアのモラレス大統領などラテンアメリカに相次いで左派政権、反米勢力が登場している。本書はアメリカから政治、経済的に自立し独自路線を歩もうとする動きの根源を、メキシコ、グアテマラ、ニカラグアでの植民地政策や、民族対立などをもとに解き明かそうとしたものだ。

ラテンアメリカの国家形成は現地生まれの白人から始まったが、白人が形成しようとした国民国家では、原住民は本当の意味での国民として存在できなかったという。原住民が自らが主役の国家作りを目指す動きは、現在、アメリカ支配から脱却しようとするラテンアメリカの国々の姿に重なって見える。

■2007/06/01, 日経産業新聞, 22ページ

会社コンプライアンス―内部統制の条件
会社コンプライアンス―内部統制の条件伊藤 真

講談社 2007-02-16
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おすすめ平均 star
starJSOXの理念と背景
star「コンプライアンスは何故必要か」に答える1冊
starコンプライアンスと内部統制の意義理解に役立つ本

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内部統制や法令順守について司法試験予備校「伊藤塾」塾長である著者が予備校講師ならではの視点で解説する。口語調の文章であるため、学生に戻って講義を聞くような気持ちで読み進められる。新会社法や金融商品取引法(日本版SOX法)など、企業経営にかかわる法環境の変化を身近な話題にしてくれる本だ。

相手の立場に立って物事を考える「他者への共感」が内部統制や法令順守の核心だと本書は読み解く。業務プロセスを標準化して文書にまとめるといった煩雑で費用のかかる手続きも、良い面も悪い面も明らかにすることで利害関係者と強固な信頼関係を築くという「法律の心」に照らしてとらえ直す姿勢が必要と訴える。

■2007/05/25, 日経産業新聞, 22ページ

雇用融解―これが新しい「日本型雇用」なのか
雇用融解―これが新しい「日本型雇用」なのか風間 直樹

東洋経済新報社 2007-04
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本書は製造業など主要企業の収益好調の裏側にある派遣・請負労働者などの不安定な雇用環境の実態を描いている。多くの経営者にとって反面教師とすべき現実を本書は描いており、法令順守や企業倫理の観点から重要な経営課題を投げかけている。

派遣・請負やパート・アルバイトなど非正規雇用は今や雇用者の約三割を占め、企業経営において無視できない労働力。しかし、工場など製造現場の裁量で調整可能な雇用として活用されることが多いため、人事部の目が行き届きにくく、労務管理などで法令順守があいまいになりがち。経営者は本書を現場の労働実態を振り返る契機としたい。

■2007/05/25, 日経産業新聞, 22ページ

探そう、仕事の、歓びを。
探そう、仕事の、歓びを。篠原 欣子

あさ出版 2007-05
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本書は人材サービスの草分けとして一九七三年にテンプスタッフを設立した名物女性経営者が著した人生・経営論だ。

本書で紹介されているキーワードで経営論として興味深いのは、「大切なことはすべて現場にある」。篠原氏にとって仕事の楽しみは部下と営業に同行することで、経営トップでも常に現場を体験していなければ、時代がどのように動くかは分からないと指摘する。

「『自分に合った仕事』なんてどこにもない」「成功の秘訣は『休まない』『遅れない』『前向きに』」。人生で重要な要素の一つである仕事に対する篠原氏の考え方も紹介してあり、若手や女性社員などが読んでも参考になりそうだ。

■2007/05/18, 日経産業新聞, 26ページ

できる会社の社是・社訓
できる会社の社是・社訓千野 信浩

新潮社 2007-04
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おすすめ平均 star
star創業者の生き様が目に浮かぶような社是・社訓はやっぱりイイッ!
starサクッとコンプライアンス本
star社是・社訓はビジョン・ミッションステートメント

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社是や社訓が危機にあるという。イメージを一新したり、時代が求めるコンプライアンス(法令順守)の姿勢を明確にするため、創業者などが残した貴重な言葉を簡単に捨て去る企業があるからだ。本書では創業者の心や、経営姿勢が伝わる社訓や社是を紹介する。

「誠意は人の道なり、すべての仕事にまごころを」。液晶テレビの販売が好調で、二〇〇七年三月期の連結営業利益が四期連続で最高益を更新したシャープの経営信条だ。楽天の「スピード!!スピード!!スピード!!」も目を引く。

最後に破綻企業の社是・社訓も紹介。社訓の戒めを忘れたことが、道を外れるきっかけになったとの指摘は的を射ている。

■2007/05/18, 日経産業新聞, 26ページ

高層難民
高層難民渡辺 実

新潮社 2007-04
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おすすめ平均 star
star地上から遠く離れた「難民」生活

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首都直下型地震が近い将来、発生するといわれて久しい。高層マンションの建設ラッシュに沸く東京だが、都心で大地震が起こるとエレベーターに閉じ込められるなどして身動きが取れなくなる「高層難民」が大量発生するという。

本書は防災・危機管理を専門にするジャーナリストの著者が、「難民」になった際の対処法を示した。「冷蔵庫の製氷器の水を満タンにして飲料水に」「非常用トイレに猫用トイレ砂を活用」といった具体例が満載だ。

都心では交通機関が分断され、自宅に帰れなくなる「帰宅難民」も発生するという。ビジネスマンにとって人ごとではない。本書を読めば、少なくとも心の準備はできそうだ。

■2007/05/11, 日経産業新聞, 22ページ

クリーンカー・ウォーズ
クリーンカー・ウォーズ長谷川 洋三

中央公論新社 2007-04
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高止まりする原油価格や環境規制の世界的な広がり。環境対応車の存在感は日に日に増している。環境技術で先行するトヨタ自動車やホンダなど日本勢と、海外メーカーとの攻防をドキュメンタリータッチで描いたのが本書だ。

著者は元新聞記者のジャーナリスト。トヨタの「プリウス」やホンダの「インサイト」などハイブリッドカーの開発話を、当時の技術者の談話を交えて書いている。燃料電池車の開発を進めるルノーと日産、エタノール車拡大を図るフォードなど、他メーカーの動きも丹念に追った。金型やバッテリーメーカーの取り組みにも触れており、自動車が産業界の環境対応をけん引している実態がわかる。

■2007/05/11, 日経産業新聞, 22ページ

思いやりの日本人
思いやりの日本人佐藤 綾子

講談社 2007-04-19
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おすすめ平均 star
star友人・知人に配りたいです!
star思いやりとは?
star「思いやり」について

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日本人がもっとも恐れるのは自分が属する集団で仲間外れにされること。一面ではそれが仲間への思いやりにつながるが、弱い業者が仕事を分け合う「談合」の温床にもなる。組織ぐるみの不祥事が後を絶たないのも、同僚や上司の不正を指摘するのに二の足を踏む日本人の考え方がある。思いやりが裏目に出てしまうのだ。

筆者は仲間意識の「ヨコ軸」の思いやりに加え、宗教的倫理観を意識する「タテ軸」の思いやりが日本人にも必要と主張する。規制や保護の多くが取り払われ、企業はかなり自由に行動できるようになった。その代わり法令順守や社会的責任が厳しく求められている。タテ軸の思いやりは企業にも不可欠になっている。

■2007/04/27, 日経産業新聞, 26ページ

外注される戦争―民間軍事会社の正体
外注される戦争―民間軍事会社の正体菅原 出

草思社 2007-03-24
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おすすめ平均 star
star戦争請負産業の実態を描く
star冷戦後の世界

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情勢不安定なイラク。戦争状態ともいえる場所で活動しているのは米国をはじめとした軍隊だけではなく、実は民間軍事会社(PMC)が大きな役割を果たしているという。現地で襲撃された元自衛隊員が属していたことで、日本でもようやく紹介されたPMCだが、実態はまだ不明だ。

本書は多くのPMCへの取材をもとにしたノンフィクションだ。予算やノウハウの不足した正規軍隊が、戦闘地域の物流や捕虜尋問までPMCに任せているという。国境を越えるテロなどに対し、従来の安全保障政策は効果が薄いという著者の指摘は、世界各地のテロ報道を考えればうなずける。PMCを通じ安全保障のあるべき姿を考えさせられる一冊だ。

■2007/04/27, 日経産業新聞, 26ページ

「3年目社員」が辞める会社 辞めない会社 若手流出時代の処方箋
「3年目社員」が辞める会社 辞めない会社 若手流出時代の処方箋森田 英一

東洋経済新報社 2006-12
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おすすめ平均 star
star人事に何が足りないのかしっかり考えて見よう
star「寸止めフィードバック」はマネジメントで役立ちます。
star若者が辞める実態を、的確に分析した本

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入社三年目までに大卒者の三割以上が辞める若手社員の早期離職が企業の頭を悩ませている。本書は三年目社員を対象とした独自のアンケート調査を基に、三年で三割辞める背景を分析している。終身雇用の崩壊で若手社員が「成長しなければ生き残れない」と強い切迫感を持っていると指摘する。

若手社員の早期離職を読み解くキーワードは「成長実感」。この会社にいても成長できないと感じれば、次なる成長機会を求めて出て行く。では若手の流出はどうすれば食い止められるのか。処方せんとして本書は管理職に対し、部下にまとまった仕事を任せたり、評価を適切に伝えるような成長実感を与える上司たれと訴える。

■2007/04/20, 日経産業新聞, 26ページ

はじめて学ぶ経営学―人物との対話
はじめて学ぶ経営学―人物との対話中野 裕治

ミネルヴァ書房 2007-04
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経営学は現実との格闘の成果――。本書は十九世紀後半から様々な学者たちの試行錯誤によって生み出された経営学をこう表現する。著名な学説を生み出した学者たちの人生に焦点を当てることで物語としてわかりやすく解説しようと試みている。

「合理化ってどのような意味を持つの?」といった素朴な疑問に原典を引用して応える対話形式の構成も特徴。副題に「人物との対話」とあるように、まるで著名な学者たちが初心者の疑問に直接答えてくれているかのように学説が整理されている。歴史上の人物からドラッカーやミンツバーグなど現代の著名な研究者まで網羅し、経営学の全体像を伝えている。

■2007/04/20, 日経産業新聞, 26ページ

部下を好きになってください
部下を好きになってください内永 ゆか子

勁草書房 2007-01-30
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おすすめ平均 star
star”メンター”達の言葉は、とても参考になります
star男性も読むべき

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四月一日から改正男女雇用機会均等法が施行された。企業は採用や昇進で、性別を理由にした差別を禁止し、能力本位の人材登用を迫られる。女性として役員まで上り詰めた著者が、自らの体験に基づいて有効な戦略を紹介する。

女性活用を進めるには経営トップが明確な方針を持つことがポイントになる。その上で方針を実現する様々な制度が必要になる。公正な人事評価、登用システム、仕事の悩みを受け付け解決策を提示する「メンター」制度などが有効だ。

巻末に女性社員へのメッセージを掲載。男性と肩を並べて仕事をする覚悟は早く決めるべきで、さもなければもっと楽な仕事を選べばいいとの指摘だ。

■2007/04/13, 日経産業新聞, 22ページ

セブン-イレブンおでん部会―ヒット商品開発の裏側
セブン-イレブンおでん部会―ヒット商品開発の裏側吉岡 秀子

朝日新聞社出版局 2007-03
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おすすめ平均 star
star愛しきセブン!
starおでん以外もちゃんとあります!
starセブンに行くのがいっそう楽しみになる!

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ヒット商品を生み出すのは容易ではない。本書では、セブン―イレブン・ジャパンが主力商品である食品の売り上げを伸ばすためにいかに知恵を絞っているか、その舞台裏を紹介している。

おにぎりやおでんなど八つの食品の開発秘話を詳細に描く。おでんのタマゴは人気があるが、黄身のにおいを嫌う消費者がいるため、にわとりの飼料にハーブ類を混ぜるなど工夫しているという。

「お客様の立場に立って考える。そしてコンビニとは何かを正しく理解し、基本をおさえていかなくては、いい商品開発はできません」。持ち株会社セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長の指摘は参考になりそうだ。

■2007/04/13, 日経産業新聞, 22ページ

敵対的買収―新会社法とM&A
敵対的買収―新会社法とM&A渡邊 顯

角川書店 2007-03
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M&A(企業の合併・買収)が注目を集めるようになった昨今。「M&Aとは何か」といった根源的な問いや、買収防衛策の導入・実施の判断基準に関する疑問にまで答えたのが本書だ。

著者は目黒雅叙園などの更生管財人を務めた弁護士。M&Aを語るために不可欠な会社法の理解に力点を置いた。五章で構成し各章に用語解説コーナーを設けて理解を深められるように工夫した。

「防衛策は過剰であってはならず、株主の利益を侵害してはいけない」――。五月には外国企業による三角合併の解禁も控え、ますますM&Aが増える可能性がある。備えを固めるためにも一読してみてはどうだろう。

■2007/04/13, 日経産業新聞, 22ページ

新しいお金 電子マネー・ポイント・仮想通貨の大混戦が始まる
新しいお金 電子マネー・ポイント・仮想通貨の大混戦が始まる高野 雅晴

アスキー 2007-03-12
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おすすめ平均 star
star未来に希望が見えてきた

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JR東日本と関東私鉄各社の首都圏などでの相互利用を可能にした「PASMO」や、セブン&アイ・ホールディングスが導入する「nanaco」。存在感が増す電子マネーやポイント、地域通貨などを「新しいお金」として定義し、それらがもたらしうる生活様式の変化などについて述べたのが本書だ。

「キャッシュカードが消える」「募金も電子マネーで」といった仮説が盛り込まれ、想像力をかき立てられる。「ゲームで稼いでコンビニで買い物」をする人が増えるかもしれないという。

様々な電子マネーが乱立する現状についても指摘。「簡単・楽しい・お得」が覇者の条件という。どれが生き残るのか。新しいお金から目が離せない。

■2007/04/06, 日経産業新聞, 22ページ

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