メイン > 週刊ダイヤモンド『ベストセラー通りすがり』 > 2008年4月5日~5月3日

B型自分の説明書
B型自分の説明書Jamais Jamais

文芸社 2007-08
売り上げランキング : 12

おすすめ平均 star
star何で当たるんだ!?By B型男子
star説明書の作り方として読むこともできる。
starB型は自分がかわいい

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血液型信仰の現場

何年か前、日本論が専門のアメリカの研究者と話してて、「日本は特別に特殊な国じゃない」っていう彼が、でもこれは珍しいよねと挙げたのが、皇室と自民党と血液型への“信仰”。

前2者については省きますが、A型だからどうとかB型だからどうなんて性格判断は、ヒノエウマや北枕と同じ科学的な根拠が皆無の迷信。まぁ文化と呼んでもいいんでしょうが、真に受けてるヤツは酒場でも馬鹿に見える。

が、この本がバカ売れ中って話の肝はそんなところではなく、これが元来は初版1000部の自費出版物件だったこと。こりゃイケるかもと見込んだ山形の本屋が守り立ててみたらやっぱり売れて、それ見た版元(素人に本出させるのが事業の柱)が全国で拡販に走ったんだって。あ~あ、A型がテーマの続編まで出ちゃったよ。

いろんな意味で草の根から生まれた大ヒット商品ではありますが、儲かった側や飛びついてる読者、どっちを見ても喜べないなぁ。

■2008/05/03, 週刊ダイヤモンド, 163ページ

ゴールデンスランバー
ゴールデンスランバー伊坂 幸太郎

新潮社 2007-11-29
売り上げランキング : 36

おすすめ平均 star
starビートルズの曲に乗せて・・・
star一気読み確実
star最高ではないと思う

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文学ショー2.0

これで5作目になった「本屋大賞」受賞作。小驚きしたのはこの賞、今回TVでも大きく取り上げられてて、ずいぶんメジャーになったこと。本を売る力は芥川賞・直木賞に次ぐって評価は前から出てて、でも、ニュースバリューは紀尾井町方面を抜いたかな。

芥川にせよ直木にせよ、若い女や有名人が取らなきゃマスメディアの扱いはもう小さい。この小説、この作家にしても、今回受けたのが直木賞だったら(順当っぽいって意味も含め)、あれほど取り上げられなかったんじゃない?

書く人の選ぶのが従来の文学賞、売る人の選ぶのが本屋大賞で、今は後者のほうに勢いアリ。そういう構図ってのは、ネット利用者の側がコンテンツを組み上げるウェブ2.0ブームとも通底してそうですが、読者が選ばないとブンガクショー2.0にはならないか。

で、芥川・直木賞は受賞作に文藝春秋刊が多くて、本屋大賞は5作中3作が新潮社。新潮は勧進元じゃないから、凄いっちゃスゴい。【林 操 コラムニスト】

■2008/04/26, 週刊ダイヤモンド, 151ページ

ダーリンは外国人 with BABY
ダーリンは外国人 with BABY小栗左多里&トニー・ラズロ

メディアファクトリー 2008-03-12
売り上げランキング : 91

おすすめ平均 star
starつ、つまらん...
star面白さだけの状態からの脱却
starあの面白一家にBABYが!!

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NOVAの客が買う?

アチラ育ちのNPO主宰者♂と結婚したコチラ育ちの漫画家♀による私小説ならぬ私漫画シリーズの最新作。5年前の第1弾以来、累計で200万部出てるっていうから、エッセイ系コミックとしちゃヒットですが、個人的におもしろいと思うのは中身じゃなく、読者(どうやら大半は ♀)の受け取り方。

ネット書店のアマゾンの読者レビューには否定的な意見も結構あって、内容が薄い、著者のレベルが低いとか散々。そんなこと書いてる皆様がずいぶんと知的で濃い国際経験がおありのご様子なのも笑えるけれど、反対に、大喜びで飛びついてる層がもっとブ厚いあたりも、またおかし。

外語不通の純ドメながら、舶来の♂には興味津々。そういう国産の♀ってのは着実に増殖してて、NOVAあたりのいいお客様でもあったんだろうね。狙うのはTOEFLやTOEICのハイスコアじゃなく、文字どおりの異文化交流。

で、国際結婚が実際に増えてて、国際離婚もまた同様、と。【林 操 コラムニスト】

■■2008/04/19, 週刊ダイヤモンド, 121ページ

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))
3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))城 繁幸

筑摩書房 2008-03
売り上げランキング : 29

おすすめ平均 star
star既得権益の壊し方に疑問
star昭和的価値観
star痛快無比

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柳の下のウナギ

柳の下にドジョウは2匹(いや、もっと)ってのは出版業界でも常識。ちょっと前に当たった新書2冊にも、著者たち自身による続編が出た。この本、そして『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』(光文社新書)。

2月と3月の発売でいずれも人気ながら、売れ行きランキングや紙誌ネットでの評判みてる限りじゃ、勢いがあるのはコッチ。『~大間違い』の方は上下巻予定の下が出ただけだし、上巻のタイトルを全否定するようなセンスは、会計がテーマの新書に飛びつくマジメな層には通じないでしょ。

一方、1年半前に出た『若者はなぜ3年で辞めるのか?』に続くこの1冊は、版元は変わったのであるが、題名からして興味のつなげ方が巧い。中身も、いまだに残る年功序列と終身雇用が若い連中を腐らせてると指弾した前著を受けての、ホントに辞めた皆様の実態リポート調。単体の読み物としてもイイ出来です。柳の下にはウナギもいた。【林 操 コラムニスト】

■2008/04/12, 週刊ダイヤモンド, 111ページ

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」細谷 功

東洋経済新報社 2007-12-07
売り上げランキング : 82

おすすめ平均 star
star「フェルミ推定」より内容に満足
starフェルミ測定の紹介でやめておくべきでした
starいいものは生で。「地頭力」はただのキャッチコピーです、ご注意を。

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外資と地頭にゃ勝てぬ

泣く子と同じくらい強いジトウではなく、最近よく聞くヂアタマがテーマの1冊……と思ったら、話の大半はフェルミ推定について。『地肩力を鍛える』って本がスナップの利かせ方みたいな小技満載だったら野球小僧は怒るだろうけど、会社小僧は感服しちゃうのかね。なんだかよく売れてます。

フェルミ推定ってのは「シカゴにピアノ調律師は何人いるか」「日本全国に電柱は何本あるか」なんて質問に答えるための技術で、つまるところは理系のとんち。それが人気なのは、外資だコンサルだの採用面接にこの手の問題が出るせいらしく、背景には「言われたら言い返さないと負け」っていうアッチ方面のブンカがありそ。

外資系な著者は、投げかけられた奇問に応じるワザを延々ご伝授下さいますが、答えなくていい質問を見分け、取り組むべき課題を見出す能力こそ、今のニッポンに不可欠な地頭力じゃない?

なお、フェルミってのは原爆製造にもかかわった物理学者です。【林 操 コラムニスト】

■2008/04/05, 週刊ダイヤモンド, 157ページ

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