メイン > 週刊ダイヤモンド『ベストセラー通りすがり』 > 2007年1月6日~3月31日

夜は短し歩けよ乙女
夜は短し歩けよ乙女森見 登美彦

角川書店 2006-11-29
売り上げランキング : 1272

おすすめ平均 star
star人事を尽くして天命を待て
star兎に角キュート!!心擽られる本です。
starヤベェ・・・

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恋愛小説の売られ方

アナタも知ってる文学賞をもらってない小説家の長編が売れる。『世界の中心で、愛をさけぶ』とか『いま、会いにゆきます』とか、そういうケースがここ数年続いてます。この小説も、作者はまだ有名じゃないのに、最近ベストセラーランキングに入りっぱなし。

ただ、セカチューだイマアイだとは違って、恋愛モノではあっても純愛モノじゃないし、映像化もまだだし、なにより作家に一発屋の臭いがしない。

京都の路地を妙で変な大学生♀♂が行ったり来たりする話をここまで面白く書ける能力は凄くて、「小説、それもガキの好いた惚れたなんざ読めるかよ」というオトナも楽しめるはず。

でもココで中身より注目したいのは、この本の売り方・売られ方。帯の表にデカデカと躍る文字は「本屋大賞ノミネート作品!」「王様のブランチ」「週刊ブックレビュー」。帯の裏の絶賛の主は「松田哲夫」「大森望」「豊崎由美」。このあたりの用語、丸暗記しといてください。ブックマーケティング検定準4級の試験に必出です。【林 操 コラムニスト】

■2007/03/31, 週刊ダイヤモンド, 97ページ

ハゲタカ(上)
ハゲタカ(上)真山 仁

講談社 2006-03-15
売り上げランキング : 7

おすすめ平均 star
starバブル崩壊後の日本経済のダイナミズムを描く
star早く読めばよかった
star現実の銀行マンの苦悩

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ハゲタカ(下)
ハゲタカ(下)真山 仁

講談社 2006-03-15
売り上げランキング : 9

おすすめ平均 star
starいまどきは
star鷲津の今後・・・
star綿密な取材に基づいた生々しい描写が魅力

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バイアウト 上
バイアウト 上真山 仁

講談社 2006-04-21
売り上げランキング : 234

おすすめ平均 star
star「やられたー!」
starまだハゲタカを読んでいませんが・・・
star『ハゲタカ』2

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バイアウト 下
バイアウト 下真山 仁

講談社 2006-04-21
売り上げランキング : 253

おすすめ平均 star
starまだ、謎が残ります。
star『ハゲタカ』2
star上での期待を裏切らないが、上回るものでもない

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NHKで見たアナタも

先週の土曜も見ました? いや、今NHKでやってる「ハゲタカ」って連ドラの話。TBSの「華麗なる一族」とか経済ドラマの大作力作が続いてますが、アッチが高度成長を舞台にしたロマン系なら、コッチはつい5、6年前の近過去ネタが生々しいリアル系。

「週刊ダイヤモンド」の読者なら、キムタク主演でなんだか婦女子向けになっちゃった「華麗なる」よりも、「ハゲタカ」の方にグッと来るはず。

タイトルどおりの外資系の企業買収ファンドに、ニッポンの会社が買いたたかれたり売り抜けられたりするストーリーなんですが、ハゲタカファンドの実態が覗けるだけじゃなく、彼らの跳梁跋扈を許したこの国のグズグズさもよく見えてくる。

で、その原作も文庫ランキングを駆け上って計24万部。ドラマと同名の小説だけでも上下2冊なんだけれど、続編の『バイアウト』も原作になってて、これも上下巻。読み始めるとやめられないから、忙しすぎるアナタにはお薦めしにくいんですが。【林 操 コラムニスト】

■2007/03/24, 週刊ダイヤモンド, 97ページ

できる人の勉強法
できる人の勉強法安河内 哲也

中経出版 2006-12-19
売り上げランキング : 147

おすすめ平均 star
starよみがえる安河内節
star作者について
star受験 or 資格の勉強をしている方にはバイブル!

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お勉強で「成りあがり」

去年の暮れに出て丸2ヵ月で10万部超え。有名人じゃない著者が、大手じゃない版元から出した、派手じゃないテーマの、安価じゃない単行本としては「大」の付いていいヒットか。

中身は「最初は浅く、反復しながら深く」の暗記法、苦手科目は小学生向けの参考書から、覚えないことは書かないノート術、勉強は1日30秒でいいから毎日……などなど、最近の受験経験者なら1度は耳にしたようなノウハウの集積(実際、著者は予備校講師)。

つまるところの印象は「できるようになりたい人の勉強法」なんだけれど、それが売れてる鍵はたぶん最終章にあって、曰く「学んだことはいずれ『お金』に変わる」。受験なんかより収入に直結する資格試験系のチャレンジャー(志望者)が買ってるのね。

売れ方から思い出したのは往年のベストセラー『知的生産の技術』。今やってる仕事の効率を上げようってのがあの本なら、こっちの言い分は今より稼げる仕事に変わろう。終身雇用幻想ってのは、もうここまで崩れてます。【林 操 コラムニスト】

■2007/03/17, 週刊ダイヤモンド, 99ページ

鈍感力
鈍感力渡辺 淳一

集英社 2007-02
売り上げランキング : 9

おすすめ平均 star
starマークン(姫路市)
star@@
star言葉の選択がいい。面白い視点だと思う。

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愛ルケより恥ずかしい

2月下旬の現在ただいま、東京の都心じゃ、あちこちの書店で品切れ。ベストセラー連発の渡辺淳一本ゆえ(小説ほどは売れないエッセイ集でも)、版元だって多めに刷ったはずなのに、こんな機会ロスが発生しちゃったのは、ひとえに前首相のご推薦ゆえ。

そう、支持率に一喜一憂する現首相に掛けた一言、「もっと鈍感力を」が話題になって、その“語源”であるこの本が一気に注目浴びてます。

仕事でもプライベートでも競争に勝つのは、繊細で神経質なヤツじゃなく、ちょっと鈍いくらいの太ぇ連中、っていうのが渡辺センセーの診断。じゃあどうすりゃ鈍感力なるものがつくのかって処方箋は書かれてないんだけど、そもそも、鈍感になりたいなんて人はすでに十分鈍感か。

これ人前で拡げてると、「あの人、自分がナイーブとか思ってるんだ」と見られるのは必定。暴言続きの厚生労働大臣や偽装請負で業績伸ばした経団連会長がこっそり読んでる図ってのも、1コマ漫画として秀逸だわ。【林 操 コラムニスト】

■2007/03/10, 週刊ダイヤモンド, 123ページ

おとなのおりがみ
おとなのおりがみアル中Masa

山と溪谷社 2006-11
売り上げランキング : 28

おすすめ平均 star
star大人の折り紙
starナイスなアイデア!!
starここに目をつけたか、、、

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諭吉・漱石をもてあそぶ

おとなのつきあい、おとなのおもちゃ。あるいは大人の科学、大人の時間。そういう文脈におけるオトナと、この本のタイトルにあるオトナはまったく別で、エロでもなければ分別・落ち着きでもない。「おとなのおりがみ」、それは紙幣を使った折り紙。

リアルな日銀券が折って畳んで広げられた作品は、1万円札の福沢諭吉がターバン巻いてる「レインボー万」に5000円札の樋口一葉が扉の陰からコッチ覗いてる「家政婦は見た!」、1000円札の妙な紋様が黒目になる「目玉おやじ」などなど。その完成写真と折り方の解説図が並ぶ、なんだか趣味性の高い1冊ながら、TVで紹介されて以来、ベストセラーランキングの上位に居座り続けてます。お年玉や宴会芸に使える実用書でもあるし。

日銀あたりから横ヤリ入りそうだけれど、そんなことがあればぜひ、細目が諭吉似の福井総裁が万札に埋もれてる「村上ファンド」ってのも折ってほしい。著者は折り紙学会員。シャレのきつい人ゆえ期待してます。【林 操 コラムニスト】

■2007/03/03, 週刊ダイヤモンド, 105ページ

日本人のしきたり―正月行事、豆まき、大安吉日、厄年…に込められた知恵と心
日本人のしきたり―正月行事、豆まき、大安吉日、厄年…に込められた知恵と心飯倉 晴武

青春出版社 2003-01
売り上げランキング : 52

おすすめ平均 star
star先祖の知恵から生まれた行事の由来が垣間見れる
star日本のしきたり、つまみ食い。
star面白いけど浅知恵になりそう

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若年層が買う回顧蘊蓄

東京都心の大型書店でも一等地のレジ横に積まれてる姿を見かけることが多くなった1冊ながら、実は新刊じゃなく、初版が出たのは4年前。もっと後に別の版元から出てればタイトルは『雑煮――なぜ正月に「雑」なものを食べるのか』になったかもしれない。

中身は旧暦から鬼門まで100以上のしきたりの簡単な解説集。初日の出を拝む風習は明治以降の戦意高揚ムードで広まったとか、初耳の話もあるけれど蘊蓄は蘊蓄、しかも地味なレトロ系。

それが計30万部超えのヒットになったのは、なにより「王様のブランチ」他、TVで紹介されたゆえとか。つまりは、昔を懐かしむわけじゃない若年層も手に取ってるらしい。

しきたりってのは人(家族・社会)や神(自然)とのつきあい方。神は死んで個人万歳!っていう近代合理主義もまた死にかけてることは、オウム以来明々白々なんですが、この手の本がTVで売れるって現象は、ホソキとかエハラとかまで思い出させてちょっと鬱。この本に罪はないんですがね。【林 操 コラムニスト】

■2007/02/24, 週刊ダイヤモンド

金の言いまつがい
金の言いまつがいほぼ日刊イトイ新聞|しりあがり寿 しりあがり寿/祖父江慎

東京糸井重里事務所 2006-11-30
売り上げランキング : 222

おすすめ平均 star
star久しぶりに思いっきり笑いました。
star単純におもしろい
star意識の転回が図れる

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無料サイトの金の卵

「売り言葉に合言葉」「腰の玉に乗る」「レギュラー満タン、ハイオクで!」――そういう言い間違い、ネットで募集して、集大成したのがこの1冊。正確にいえば、姉妹編『銀の言いまつがい』も同時に発売されてるから「この2冊」か。

中身は昔の深夜放送とか「びっくりハウス」とかの希釈版。集めた投稿を本にして売る商法ともども、なんだか懐かしいんだけれど、ちょと目新しい点も2つあって、その1は、そもそも募集かけてた媒体がネット上の「ほぼ日刊」サイトであること。ネットがラジオや雑誌の代替品にはなってることが、あらためて痛感される。

で、新味その2は、書籍版の版元が既存の出版社じゃなく、仕掛け人の糸井重里の会社であること。ネットの無料コンテンツから安くはない単行本まで一気通貫に自分で手がけるビジネスモデルは、日本にはありそうでない。『千の風になって』の新井満にせよこの糸井重里にせよ、80年代広告スターってホントいつまでも商売うまいわ。【林 操 コラムニスト】

■2007/02/17, 週刊ダイヤモンド, 91ページ

インテリジェンス 武器なき戦争
インテリジェンス 武器なき戦争手嶋 龍一 佐藤 優

幻冬舎 2006-11
売り上げランキング : 6593

おすすめ平均 star
starスパイは有名人?
star読み手にイメージの広がりを持たせる名著
star興味深いが、褒めあいばかりはちょっと。。

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オレたち諜報族

ここで言われてるインテリジェンスってのは、もちろん知性じゃなく諜報のこと。オモテから見えにくいモノをウラから見て取るのが諜報なら、そのニーズは企業や個人にもあるけれど、元NHKの米国通と元外務省のロシア通が、この対談本で取り上げてるのは徹底的に国対国の諜報。

10年前なら、このテーマの新書がベストセラーランキングの上位に入ることはなかったろうに、今じゃ北朝鮮だ中国だと身近な“敵”が目立ってくるわ、頼みの綱だったアメリカもイラクで大ポカやらかすわ、とうとうニッポンも自分の目と耳、研ぎ澄まさなきゃって意識が広がってきたのかね。

「言わぬが花」と「話せばわかる」の文化に平和ボケ(実態は戦争ボケ)が加わってマッタリしちゃったのが幸せな戦後だったとすれば、明らかにそれを否定する1冊。もう、お人好しじゃいられないと、あらためて痛感させられるけど、ちょと不思議なのは、変人との評もある2人が互いをホめまくってること。実はイイ人同士なのか?【林 操 コラムニスト】

■2007/02/10, 週刊ダイヤモンド, 75ページ

千の風になって
千の風になって新井 満

講談社 2003-11
売り上げランキング : 449

おすすめ平均 star
star悲しみが癒されました
star『1000の風―あとに残された人へ』のほうが好き
star商売や訳詩テクニックの話は抜きにして

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深い原詩、手広い商売

暮れの紅白で新顔のテノール歌手が唄ったら、そのCDが年明けのチャートでナンバーワン。民放のワイドショーまでがDJ OZMAの乳首ボディスーツ騒ぎを忘れ、♪わたしのお墓のォ前でェ~、と盛り上がってます。

が、ブームの先駆けは活字の世界。2003年の夏に朝日の天声人語が原詩に触れて、その年の11月にはこの本と、訳者の歌のCDが出て、以後、絵本だルポだDVDだが続いたから、紅白はいわば商売の総仕上げ。

自分の死を嘆く者へ、自然に還った故人が語りかける、作者不詳のごく短い詩。それがあれこれ水増しされて軒並み受けちゃうんだから、癒やしブームの最後ッ屁ともいえる。

実は95年と97年に別人による訳書が出てて、当時火がつかなかったのは版元が小さかったからか、9・11テロ前の出版だったからか、電通マンの新井満が噛んでなかったからか。

ちなみに新井の訳は、歌に仕立てるためか、原詩(英語)の型を崩してます。オリジナルはネットで検索を。【林 操 コラムニスト】

■007/02/03, 週刊ダイヤモンド, 107ページ

二十一世紀に生きる君たちへ
二十一世紀に生きる君たちへ司馬 遼太郎

世界文化社 2001-02
売り上げランキング : 156

おすすめ平均 star
star微妙です。
star悩んでいる子どもたちは是非読んで欲しい
star大人が読んでも良いメッセージです。

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いい中身の妙な売れ方

近ごろ本屋に流行るもの、TVに出た本、偽教科書。あ、ニセと言っても正規の検定教科書がクズ化してるから、相対的にはコッチの方が優れてて、たとえばコドモ向けの100マス計算とか、オトナ向けの脳トレとか。

この本の場合、収録されてる短文2本は、年号が平成に変わった頃「小学国語」に載ったもの。マジで教科書だったわけですが、それを再録してデカ活字+カラー写真で水増しすると、税込み1260円の豪華本の一丁上がり。

司馬の言い分と文章には、コドモに限らずオトナにも触れてほしいんですが、これからカネ払うなら、英訳も付いた対訳版(朝日出版社刊)、税込み893円の方がお薦め。

で、いずれも6年以上前に出た本が今また売れてる理由。それは、この司馬エッセイが去年の11月にフジテレビのお笑い教育特番で紹介されたから。実は同じ一文を教育改革についての国会演説で小渕首相が引用してたのに、あのときは話題にならなかった。げに恐ろしきはTVの馬鹿ヂカラ。【林 操 コラムニスト】

■2007/01/27, 週刊ダイヤモンド, 71ページ

格差社会―何が問題なのか
格差社会―何が問題なのか橘木 俊詔

岩波書店 2006-09
売り上げランキング : 1954

おすすめ平均 star
star統計データが適宜示されており読みやすい
star買って損した。
star下流層を救うには?

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『下流』より上級

「格差社会」をキーワードにネット書店のアマゾンで検索かけると、出てくる本は50冊近く。なかには格差社会で独立・開業なんて便乗企画までが含まれてる一方、なぜだか売れてる『下流社会』は検索に引っかかってこないから類書はもっとあるはずで、つまりは出版ギョーカイも格差社会ブーム。

そういうところへ去年の9月に出てきたのがコレで、版元は岩波、著者は京大教授(一昨年話題になった『日本のお金持ち研究』も共著)、タイトルも奇は衒わずにストレート。発売1ヵ月で10万部超え、去年岩波新書でいちばん売れたとか。コレが格差本の決定版! だそうですが、さて。

中身を覗いてわかったのは他の格差モノ、たとえば同じ新書枠の『下流社会』あたりのユルさ。思いつきでものを言う99.9%は仮説系なら20年以上も昔に出た○金○ビの『金魂巻』で十分だよ。その点、この本はまともげなデータをまともに扱ってる。今年も格差ネタは尽きないんだろうから、議論の叩き台にはせめてコッチを。【林 操 コラムニスト】

■2007/01/20, 週刊ダイヤモンド, 81ページ

きっこの日記
きっこの日記きっこ

白夜書房 2006-10-07
売り上げランキング : 26402

おすすめ平均 star
star肉なし焼き肉を食べた気分です
star感動しました!!
star評論してほしい

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女こそすなる電脳日記

「お、あのブログの書籍版ね」とニヤついたアナタは、買ったら落胆するかも。耐震偽装がハジけたとき、ディープなネタをどこより速く世間に届けてたのが元祖ネット版の「きっこの日記」。情報の的確さも話題になって、完全匿名の筆者の正体探しまで始まる盛り上がりようでしたが、ああいうスリリングなくだりは本にはほとんど収録されてないのよ。

じゃあ暇ネタばっかでつまんないのかと言や、少なくともワタシには楽しめた。短歌に俳句、生き物に母親とか頻繁に出てくるテーマに特段の興味はないけど、古典日記文学の現代版読んでるような気がしてきましてね。

その意味じゃ、書名を見聞きしてもピンと来ないスローな人たちこそがこの本向きなのかも。中身の大半がネットで読める本、わざわざ買うわけだし――と思ってたら、売れ行きはネット書店の方が断トツでどこも品切れ。街の本屋には平積みなのに。

1月に出る続編にもキツい話は載らない由。紙はネットより不自由、か。【林 操 コラムニスト】

■2007/01/13, 週刊ダイヤモンド, 71ページ

ふぞろいな秘密
ふぞろいな秘密石原 真理子

双葉社 2006-12-06
売り上げランキング : 89

おすすめ平均 star
starあなたの目線で書いたら何でも言える。
starこの本を世に出す意図がよくわかりませんでした
star女性に勇気を与える本です

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読むヘアヌード

わたし人気女優でした。つらいことがありました。皆さんご存じのこんな男たちと寝ました。あの男からは暴力振るわれて、でも心中未遂もしました。アメリカ行きました。結婚してました。すぐ別れました。いま帰ってきてます。なんかよくわかりません。

って中身、たとえば版元が幻冬舎ならうまく化粧して(男たちの実名も消去)なんとか読み物に仕立て上げたろうに、これは古い素材をそのまんま提供。寿司屋なら最低の部類ながら、遺跡の発掘とか医療とかの現場だと思えば貴重かも。行間、いや文章そのものから臭うのは、「ふぞろいの林檎たち」がカバーする80年代90年代の濃くて腑抜けた空気とか、成熟せずに齢だけとったフシギちゃんの哀れな幼さとか。

喰い詰めた芸能人が出す裸写真集の活字版って見方もできますが、この本、ヘア以上のアレコレが無修正で剥き出しだから、むしろ医家向け症例集。本誌読者には縁も興味も最も薄い1冊でしょうが、昔遊んだなんてアナタには気付け薬にはなるかも。【林 操 コラムニスト】

■2007/01/06, 週刊ダイヤモンド, 79ページ

Edit

 
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