メイン > 日経ビジネス書評 『新刊の森』 > 2008年3月17日~3月31日

馬雲のアリババと中国の知恵
馬雲のアリババと中国の知恵鄭作時 漆嶋 稔

日経BP社 2008-02-06
売り上げランキング : 26988

おすすめ平均 star
starまとまりのない本です。
star個人的には意見が異なります。

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急成長する中国のインターネット企業・阿里巴巴網絡(アリババ・ドット・コム)。英語教師から転身して創業した馬雲氏の哲学と、今までの軌跡を追う。

アリババは中小企業の経営コスト軽減と取引成果増大を支援するという夢を持ってBtoB(企業間取引)ビジネスを手がけている。ネット信用管理サービスの「信用通」、ネット決済システム「支付宝(アリペイ)」など、中国式のサービスや概念も多く作り出した。2003年にはオークションサイトの「淘宝網(タオバオ)」を立ち上げ、CtoC(個人間取引)ビジネスに進出する。2005年、ヤフー中国を買収。世界の注目を集めるまでの過程を詳細に振り返る。

孫正義ソフトバンク社長が「一目惚れ」で巨額の投資を決めたエピソードなども綴られ、興味深い。

■2008/03/31, 日経ビジネス, 107ページ

監督に期待するな 早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利
監督に期待するな 早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利中竹 竜二

講談社 2008-02-26
売り上げランキング : 1233

おすすめ平均 star
star新たなリーダー論として現場指揮官が書いた力作
star現役早稲田ラグビー部の学生向けに書かれた本?

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著者に聞く-パーソナルライフ-中竹竜二氏[早稲田大学ラグビー蹴球部監督]

名将・清宮克幸氏の後を継ぎ、名門・早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任した。自称「日本一オーラのない監督」は、2008年、早慶戦を制して大学日本一に輝く。各々が考えるチーム作りに情熱を注いだ結果だ。

──在学時に主将として準優勝、今回は監督として優勝を経験しました。リーダーの役割に違いはありますか。

主将は試合に出ていますから、不利な状況でも自分の力で逆転に持ち込んだり、流れを変えたりできます。監督は、そうはいきません。試合に送り出すまでの準備がすべてです。あらゆる局面を先に考えておき、選手がシンプルに動けるようにする役割です。

私のイメージした通りに、選手が動いてくれた時は大きな喜びです。これは、私の指示通りに選手が動くという話ではありません。まず選手に徹底的に考えさせます。一方で、私は、選手一人ひとりがどう考えるかを見極め、それぞれの到達すべきレベルを設定します。もし選手の考えが、私のレベルに達していなければ、何度でも問いかけます。そして、本来あるべきレベルまで持っていく。どういう相手を想定して戦うか、条件を定義して本気で考え抜けば、お互いの結論は一致します。

──考える組織を「フォロワーシップ」という言葉で表現しています。

リーダーに頼ると、人間は考えて決断を下さなくなります。決めてもらった方が楽ですし、責任を取らずに済みますから。多くの組織は、リーダーだけが考えて終わっていて、周りは指示を待っています。しかし、全員がリーダーと同じレベルで考える癖をつけると、ピンチの局面でも「リーダーはこういう指示を出すだろう」と心構えができます。しかも、ほかの人にリーダーが代わっても対応できます。これがフォロワーシップの強みです。

私は、各々が行動に責任を持ってほしいと思っています。すぐに答えを出すと、失敗した時に「誰々が『こうやれ』と言ったので」と言い訳します。しかし、判断が正しいかどうかを問うているのであって、言われてやっているから正しいというわけではありません。ここを混同してほしくない。常に何が大事なのかを考えるようにしていると、議論が深まっていきます。

選手のコミュニケーションスキルは随分と高まりました。まずは、正しい情報を集めるところから。どうしても声の大きい奴が「パスが悪い」と言うと、それで終わっちゃうみたいなことがあります。でも、ほかの人に聞けば「今のは取れた」という見方が出てくる。さらにダメ出しだけではなく、解決策を決めて議論を終わらせるように指導します。スキルが高まっていくと、情報収集して結論を出すまでに時間がかからなくなります。すると、試合では、一言二言で意思統一できます。議論のための議論では意味がありません。「勝つ」ために問題と正対する、その手段として議論を重ねるのです。

──今の学生は、中竹氏の目にはどのように映りますか。

かわいそう、ですかね。否定に弱い、変える勇気がない、議論ができない…。本当は自分で考える力はあるし、リスクを背負う能力もあるのに、そういうことをする環境が幼い頃から与えられていません。

とはいっても、私は早稲田の監督として勝ちがすべてですから、「人間教育に興味はない」ぐらいの気持ちで取り組んでいます。ただ、勝利と教育は相反するものではありません。勝つチームは、謙虚、モラル、感謝、そして和といった「見えない力」を備えています。あえて言わずとも、本気で勝ちを目指した時に、必ず生まれてくるものではないでしょうか。

中竹竜二(なかたけ・りゅうじ)氏
1973年福岡県生まれ。早稲田大学ラグビー蹴球部主将として全国大学選手権準優勝。三菱総合研究所を経て三協フロンテア、2006年から監督。

■2008/03/31, 日経ビジネス, 115ページ

老いはじめた中国 (アスキー新書 049) (アスキー新書 (049))
老いはじめた中国 (アスキー新書 049) (アスキー新書 (049))藤村 幸義

アスキー 2008-02-12
売り上げランキング : 5240

おすすめ平均 star
star現代中国への懸念をさらっと
star予測しがたい中国の「確実な未来」
star広範囲な観察による意表をつくテーマ、面白い

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新聞記者として北京特派員、北京支局長を務め、現在は拓殖大学で教授として中国の研究を続ける著者が、経済成長の陰に横たわる問題点を指摘する書。「中国もいつまでも『若さ』を保ち続けることはできない。間もなくバブルがはじけ、(老いに向かう)転換期がやってくるに違いない」と指摘し、その兆候を詳しく分析する。

まずは人口に占める高齢者数のバランスの悪さを指摘する。現在のペースで高齢化社会が進めば、半世紀以内に「総人口15億人のうち、65歳以上の高齢者数が6億人」という極めて深刻な状況に陥る可能性があると言う。高度成長を終えた時点で少子高齢化社会を迎えた日本とは異なり、社会保障などが未整備のままに訪れるであろう労働力の慢性的不足や消費財の売れ行き停滞といった事態に、果たして中国は耐え切れるのかと危惧する。また、原因の1つである「一人っ子政策」の現状や功罪などについても解説する。

さらに、深刻さを増す環境問題も成長を妨げるだろうと言う。巨大ダムの建設による長江の水質汚染、石炭の過剰採掘による都市部の地盤沈下、二酸化炭素の大量排出などに反対する周辺諸国の「中国環境脅威論」など、国家の「老い」を加速させる要因はそこかしこに存在していると解説する。

■2008/03/31, 日経ビジネス, 111ページ

モチベーションエンジニアリング経営―人材流動化時代の新たな経営手法
モチベーションエンジニアリング経営―人材流動化時代の新たな経営手法リンクアンドモチベーション 小笹 芳央 勝呂 彰

東洋経済新報社 2008-01
売り上げランキング : 2786

おすすめ平均 star
starマネジメント層だけでなく、若いビジネスマンも

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2000年にリクルートから独立し、コンサルティング会社リンクアンドモチベーションを起業した著者らは、「金銭報酬」や「地位報酬」などの「ニンジン」を社員の目の前にぶら下げるだけの人事改革では不十分だと指摘する。今、経営者が注目すべきは「意味報酬」、つまり社員各々によって異なる精神的充足や周囲からの評判、自己成長の機会といった「働く意味」を効果的に与える施策であると説く。同社はそれを「モチベーションエンジニアリング」と名づけ、精神論にとどまることが多い「やる気」や「満足感」といったモチベーション(動機づけ)を、計画的に呼び起こし定着させる手法を示す。

社員にとっての「意味報酬」は、4つの魅力に大別できると言う。まずは組織が達成したい目的、つまり企業理念への魅力だ。次いで、個人が担う業務を通じて得られる達成感や新たな発見への魅力も欠かせないと言う。3つ目は価値観を共有できる仲間や尊敬できる上司など人材への魅力、最後に、その組織ならではのステータスや名誉、生き方を支援する仕組みといった「特別な権益」への魅力を挙げる。

これらの魅力を自社で再発見、あるいは創出する方法を、現状診断、緊急課題の解決、将来課題の解決といったステップに分けて解説する。

■2008/03/31, 日経ビジネス, 111ページ

富裕層はなぜ、YUCASEE(ゆかし)に入るのか
富裕層はなぜ、YUCASEE(ゆかし)に入るのか高岡 壮一郎

幻冬舎 2008-02-08
売り上げランキング : 66

おすすめ平均 star
starYUCASEE会員のマジョリティは経営者
star富裕層セグメンテーション
star知られざる”高み”

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「YUCASEE(ゆかし)」とは、限られた富裕層を対象としたプライベートクラブだ。著者が社長兼CEO(最高経営責任者)を務め、富裕層マーケティングや投資情報の提供、東京大学OBを会員とするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを展開するベンチャー企業が運営している。純金融資産を1億円以上保有することが入会の最低条件で、喜寿を迎えた病院院長から10億円を運用する学生個人投資家など、様々なお金持ちが会員登録をしていると著者は説明する。

本書では、同クラブに集う新たな富裕層群を「インテリッチ(インテリ+リッチ)」と名づけて特性を分析する。インテリッチとは、自らの能力と努力で財産を形成した富裕層であり、主に相続で富を得た「相続リッチ」と区別すべきだと言う。ベンチャー関係者やオーナー企業家、「士」のつく専門家、個人投資家に多く、資産の有効活用法に興味を抱く一方で、ボランティア活動など社会に貢献する場への参加にも前向きだと解説する。

新富裕層が同クラブの「絆」に期待するのは、日常生活では見えない金融資産の使い道や運用情報の交換と分析。海外の有名レストランのオーナー権や一般に公開されない豪華別荘購入権など、限定情報の価値について語る。

■2008/03/31, 日経ビジネス, 111ページ

されど成長
されど成長日本経済新聞社

日本経済新聞出版社 2008-01
売り上げランキング : 57144

おすすめ平均 star
star今こそ読まれるべき本が出た!

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「どんなに苦しくとも、パイを広げる経済成長をあきらめてしまっては、次の世代に今以上の負の遺産を引き継ぐことで終わりかねない」――。このような危機感から結成された取材チームが、先行きの不透明感が漂う中での日本経済再生への道を探る書だ。

成長を阻む要因として、例えば電機産業には「昔ながらの市場に安住する内弁慶な空気」があると厳しく指摘する。また、物流の要となる空港や港湾の未整備、起業家を軽視する社会の機運など、我が国が持続的成長を図るうえで克服すべき課題を浮き彫りにする。世界全体を市場と捉えて中長期的な視点でのプラン作りが欠かせないとも言う。経済的自由主義への依存には功罪があることを認めつつも、それでも成長を目指せと呼びかける。

■2008/03/24, 日経ビジネス, 83ページ

外国人投資家の視点
外国人投資家の視点菊地 正俊

PHP研究所 2007-12-12
売り上げランキング : 2726

おすすめ平均 star
star市場の乱高下の理由を知るには
starお勧めの本です
star日本特殊論ではなく、その先の視点

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著者に聞く-パーソナルライフ-菊地正俊氏[メリルリンチ日本証券チーフ株式ストラテジスト]

相変わらず株価の乱高下が続く日本の株式市場。その変動のカギを握る外国人投資家は、日本と日本株をどう評価しているのか。彼らの目を通した「日本論」を語る。

──日本株大幅下落の原因は「外国人投資家の売り」が定説となっています。

今の株式市場は売買代金の70%が外国人投資家に占められる外国人相場。国内の機関投資家さえも外国人の注文状況を常に気にして動いています。米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題で2007年は、世界の株式市場が激震に見舞われましたが、主要市場で下げたのは結局、日本株くらいとなりました。日本は、サブプライム問題の影響も小さいのになぜ売られたのでしょう。

外国人投資家が日本株を売る理由としてしばしば挙げるのが「日本の成長性の低さ」と「(政治による)改革の後退」、そして「(空港の外資規制騒動に見られるような)外資締め出しの閉鎖性」です。どこにもありそうで、日本だけの問題かと聞かれることもありますが、この3点に関しては「日本だけがひどい」のです。

──2005年の郵政選挙の後、株価は急上昇。その時の買いの主体も外国人でした。

当時は小泉純一郎元首相の下、日本の改革が本当に進むと期待した外国人投資家が多かった。ところが、その後、安倍晋三政権、現在の福田康夫政権と代わるにつれて改革は後退し、企業もM&A(合併・買収)による再編が期待したほど進みませんでした。外国人投資家の中には、これに「騙された」という思いを持つ人も多いのです。

今、外国人投資家は日本株に関して中長期的な評価の低下局面に来ていると見ています。1株当たり純資産に対して株価が何倍になっているかを見て株価の割安度を測るPBR(株価純資産倍率)が1倍割れの銘柄は東京証券取引所第1部でも半分を超えています。1株当たり純資産は企業の解散価値。極端に言えば企業を買収し、すぐに解散しても儲かる企業が半数以上あるというほど売り込まれているわけです。

──悲観材料以外、日本と日本株にはないのでしょうか。

外国人投資家でも3~5年の中長期で、未上場株などに投資をする投資ファンドの中には「日本の中堅企業が狙い目」と見る人もあるから、もちろん悲観一色ではありません。

だが、最近の日本株の上昇は2005年が郵政民営化であり、その前の2002~03年が、りそな銀行への公的資金投入など金融部門の処理というように政策主導で実現している。政策が何かを打ち出すことで外国人投資家の期待が盛り上がって、大幅な買い越しが始まるという格好になっていたのは確かです。それがなくなった今は、企業の改革が待たれます。

例えば外国人投資家は、「(資源価格が上昇し、コスト高になっているのに)日本企業はなぜ値上げをしないのか」と不思議がります。最近、ようやく小売業の一部で値上げが始まるなど変化の兆しが見えてきましたが、基本的に耐えてしまう。みんなで我慢するのが美徳なのでしょうが、それがまた日本企業の低収益性を促し、投資の魅力を失わせています。

株主の資本を使ってどれだけの利益を生み出したかを見るROE(自己資本利益率)は、日本の場合、優良企業でも10%程度。欧米では20%はざらにあります。政治に頼れないならば、企業はまず収益性を世界標準まで高める改革から始めないとなりません。外国人投資家の評価をもう一度高めるために、これはぜひ必要なことです。

菊地正俊(きくち・まさとし)氏
1962年生まれ。86年東京大学を卒業後、大和総研を経て2000年から現職。ストラテジストランキングにも登場。

■2008/03/24, 日経ビジネス, 87ページ

タタ財閥―躍進インドを牽引する巨大企業グループ
タタ財閥―躍進インドを牽引する巨大企業グループ小島 眞

東洋経済新報社 2008-02
売り上げランキング : 10051


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今年1月、インドで発表された10万ルピー(約28万円)という超低価格車が先進国から注目を集めている。その名前は「タタ ナノ」で、現地で最大級のタタ財閥が生み出した4人乗りの小型乗用車だ。このクルマの開発で陣頭指揮を執ったのは、同グループの総帥、ラタン・タタ氏。インドの庶民が買える自動車を作りたいと、設計から生産技術までゼロから見直した。この自動車を生み出すに至った、タタ財閥の経営哲学やグループ内統治法について分かりやすくまとめた書だ。

1868年に設立されたタタ財閥は、製鉄、発電、ソフト開発、食品など7分野で事業を展開するコングロマリットである。人材育成には米ゼネラル・エレクトリック(GE)の手法を取り入れるなど欧米的な経営を志向しつつ、インドの国民の生活を豊かにする事業に力を入れてきた。超低価格車の開発にこだわったのも、その一環だ。

このところは事業展開のスタイルが大きく変わりつつある。まず、製鉄などに代わり、ソフト会社が収益の柱となりつつある。また、英蘭製鉄会社コーラスや、韓国の大宇自動車の商用車部門など、外国企業も大胆に買収し始めた。この巨大財閥が、インドらしさを残しつつ、いかに変革を遂げようとしているのか、冷静に解説している。

■2008/03/24, 日経ビジネス, 85ページ

すべらない敬語 (新潮新書 (245))
すべらない敬語 (新潮新書 (245))梶原 しげる

新潮社 2008-01
売り上げランキング : 3705

おすすめ平均 star
star実用的な敬語を使うために
star思わず噴出したり頷いたり・・
star読まさせていただきましたが

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テレビやラジオで活躍中の人気アナウンサーが、敬語を“必要悪”と考えずに楽しく身につけて、有効に使いこなすための方法を指南する。何が正しい敬語かにこだわり過ぎず、広い意味で上下や親疎を使い分ける「敬語の達人」を目指すべしと助言する。

まずは基本となるルール、国の文化審議会が昨年公表した「敬語の指針」に触れる。それまでの「尊敬語、謙譲語、丁寧語」という分類を、新たな指針は「尊敬語、謙譲語1、謙譲語2(丁重語)、丁寧語、美化語」の5つに細分化している。言葉を生業とする著者にとってこの指針は「革命的変化」だと言い、私見を加えつつ噛み砕いて解説していく。歓迎すべき点は、敬語に曖昧な点が多々あることを指針が認めていることだと言う。例えば「お話しになっていらっしゃる」といった表現を「二重敬語だから厳禁」と断言する専門家もいるが、「問題なし」でよいと言う。また、「おビール、おジュース」といった「お」の使い方には賛否両論が絶えないが、指針ではこうした「お」を「美化語」として新たにくくるなど、世間の常識を考慮し、種々の敬語を認める方向にあると説明する。

そのほか、政治家やテレビタレントの敬語テクニック、サービス業者の敬語マニュアルなどについて解説する。

■2008/03/24, 日経ビジネス, 85ページ

プロフェッショナルの原点
プロフェッショナルの原点P.F.ドラッカー ジョゼフ・A・マチャレロ 上田 惇生

ダイヤモンド社 2008-02-16
売り上げランキング : 890

おすすめ平均 star
starドラッカー名言の体系集として評価
star初ドラッカーは失敗

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本書は、経営思想家、社会学者として今日の企業経営に多大な影響を与えたP・F・ドラッカー博士の遺作に、博士の同僚である経済学者が一部加筆と編集を施したもの。2005年に永眠した後も、博士が残した社会論や組織論、マネジメント論に寄せられる期待は衰えを見せない。最新刊となる本書では、個人の働き方に焦点を絞り、「知識労働者が最大限の成果を上げる能力を身につける方法」を具体的に示す。

全体としては95項目のアドバイスからなるが、教えの柱となるのは「時間をマネジメントする」「貢献に焦点を合わせる」「強みを生かす」「重要なことに集中する」「効果的な意思決定を行う」という5つの指針だ。いずれも耳に新しいテーマではないが、それらの重要性について我々が強く理解し、日々実行できているかと問う。

例えば、時間とは借りる、買う、雇うことによって増やせない特異な資源であると博士は定義する。よって仕事を計画するのではなく「時間の使い方を計画すること」こそが重要なのだと説く。時間管理に万能薬はなく、速読術の体得や面会時間に制限を設けるなどの小手先の工夫は「すべていかさまであり、時間の無駄である」と断じる。同様の根拠で目的が不明確な会議が非生産的であることを明らかにする。

■2008/03/24, 日経ビジネス, 85ページ

台所をのぞけば中国がわかる―中国消費市場最前線
台所をのぞけば中国がわかる―中国消費市場最前線植野 芳雄

日本経済新聞出版社 2008-01
売り上げランキング : 7401


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北京オリンピックや上海万国博覧会に向けて、大きく変貌しつつある中国。鉛が検出された玩具や冷凍ギョーザによる中毒事件など、昨今は中国製品に対する信頼が揺らぎ、急成長の裏側にある「陰」の部分もクローズアップされた。

日本の25倍の国土面積に13億人もの多民族が住み、気候、環境、生活風土も著しく異なる中国の全体像を把握することは到底困難だが、我が国が経済活動を営むうえでは世界的影響力を持つようになった中国について理解を深める必要がある。

本書は上海のホワイトカラー層の住宅に入り込み、寝室や冷蔵庫までのぞくことで、彼らのライフスタイルや消費動向を見つめたものである。

著者の植野芳雄氏はマーケティング会社の中国部リーダーとしてこの7年間、上海に常駐し、中国市場のマーケティング調査に携わってきた。著者によれば中国の広大さや民族の多様性を考えれば、平均所得や1人当たりGDP(国内総生産)といった「平均値」では中国人の生活実態は決してつかめず、自分の目で確かめたり、直接、話を聞くといった定性的アプローチが欠かせないという。

本書で紹介される上海人の暮らしぶりや30代女性の活躍、中国市場で果敢に挑戦し続ける日本企業の姿は非常に興味深い。例えば、内装を施さないまま引き渡す「スケルトン渡し」という不思議な中国の住宅供給方式であるが、住宅内部は中国人の「見栄」の構造が表れているという。

かつてはシャンデリアが「客庁(応接間)」のステータスシンボルであったが、最近では大画面のホームシアターに取って代わり、さらに、取扱説明書が眠ったままの食器洗い乾燥機を見れば、立派なシステムキッチンはどうやら「見せびらかすこと」に力点が置かれているそうだ。

著者は自分がこの15年間に体験した現代中国の変化のスピードは極めて特異であり、我が国の過去のエポックメーキングなイベント、つまり大阪万国博覧会の時と(上海万博を控えた)現代の中国を比べ、日本の過去の段階に当てはめるような比較論は適切でないと言う。本書を読む限りでは、ホワイトカラー層の一部は高度成長期に見られがちな箱モノ消費から、余暇や教育といったコンテンツ消費に移行しつつある印象を受ける。

こうした状況を見れば、消費者意識に敏感で、サービスマーケティングに実績を持ち、高品質、ブランド力を誇る我が国企業の出番が、今後さらに増える予感がする。【評者 関西大学教授 白石真澄】

■2008/03/17, 日経ビジネス, 91ページ

愚直に積め!―キャピタリストが語る経営の王道・99
愚直に積め!―キャピタリストが語る経営の王道・99辻 俊彦

東洋経済新報社 2008-01
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おすすめ平均 star
star背筋の伸びる思いがしました。
star「経営に王道なし」とは言うが・・・
star江上剛さんの後書き

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ベンチャーキャピタルはいかなる起業家への投資を望んでいるかを説明する書。著者は住信インベストメントで、資金を投じるだけでなく投資先企業の経営に積極的に関与して、数社を株式公開に導いた実績を持つ。今もベンチャー企業8社の取締役を務める。

著者は「成功法則が確立していないベンチャー企業においては、効率性を追求したマネジメントや経営戦略はさほど重要ではない」と断言する。必要なのは、愚直な仮説検証の繰り返しや、経営者との二人三脚の挑戦に喜びを感じてくれる社員、すなわち「人財」を集める力だと指摘する。理想の社長像を自分勝手に描いている起業家に対しては、「投資家が求めているのは社長らしさではなく、社長がたたき出す業績である」と檄を飛ばす。

■2008/03/17, 日経ビジネス, 91ページ

2015年の中国―胡錦濤政権は何を目指すのか
2015年の中国―胡錦濤政権は何を目指すのか野村総合研究所 此本 臣吾

東洋経済新報社 2008-02
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おすすめ平均 star
star中国が目指そうとしている方向性がよくわかる
starよくわからないようでわかりやすい中国
star非常に羅列的。

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鄧小平秘録 [上]
鄧小平秘録 [上]伊藤 正

扶桑社 2008-02-01
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おすすめ平均 star
star民主とビジネス

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毛沢東秘録〈上〉
毛沢東秘録〈上〉産経新聞「毛沢東秘録」取材班

産経新聞ニュースサービス 1999-09
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おすすめ平均 star
star文革を巡る想像を絶する権力闘争ドラマ
star難しいけどわくわくします

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中国の光と影を再検証

北京五輪の開催を8月に控え、中国は活気があふれている。だが、果たしてその実力は本物なのか。政治、経済、指導者といった側面から再検証を試みた書がランクインした。

『2015年の中国』(丸善丸の内本店総合3位)は、野村総合研究所の中国研究専門家らがこの国の国力を多方面から分析している。中国が他国に提供している巨大な報酬や利益の裏には、常に同規模のリスクが存在すると指摘する。一党独裁と資本主義の矛盾や格差問題、法治体制の不備といった脆弱性を指摘しつつ、今後有効な日中関係を築くうえでの留意点や、あるべき姿を描く。

『鄧小平秘録 上』(ジュンク堂書店大阪本店ビジネス書10位)は、昨年産経新聞に連載された同名の連載記事をまとめたものだ。同紙中国取材班が手がけてきた『蒋介石秘録』や『毛沢東秘録』など秘録シリーズの最新版でもある。今回は同紙中国総局長であり、1989年の天安門事件などの重大な出来事を現場取材したことで知られる伊藤正氏が取材執筆を担当した。鄧氏没後11年目を迎えた今、社会主義体制と経済開放策の“矛盾”に中国はいかに向き合いどこに向かおうとしているのか、政治家・〓小平の足跡とともにあぶり出す。

■2008/03/17, 日経ビジネス, 95ページ

朝令暮改の発想―仕事の壁を突破する95の直言
朝令暮改の発想―仕事の壁を突破する95の直言鈴木 敏文

新潮社 2008-01
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おすすめ平均 star
star「朝令暮改の発想」というより「挑み続ける生き方」
star挑み続ける
star朝令暮改は力なり

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セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEO(最高経営責任者)が仕事に取り組む際の心得を説く。

朝令暮改というと、ネガティブな意味と感じる。だが、今は一度言ったことでも、環境が変化し、通用しなくなれば、すぐに訂正して新しい方針を示すことが必要。変化に対応し、躊躇なく朝令暮改に徹することが優れたリーダーの条件の1つだと主張する。

著者は、グループ社員に対し、「われわれの競争相手は競合他社ではない。目まぐるしく変化する顧客のニーズそのものである」と訴え続けているという。大切なのは「絶対的な価値」。「あるべき姿」を目指し、絶対的な価値を追求していれば、競合相手の出現もむしろチャンスと考えられるという。だしに使うかつお節作りの研究、「炭火焼きシリーズ」弁当用の自動焼成機開発など、「セブン-イレブン」での取り組み事例を紹介しながら、絶対的価値追求の具体的な実践方法を示す。

「増幅する『顧客の期待度』を上回る価値を提供する」「『顧客のために』ではなく『顧客の立場』で考える」「『未来の目標』に向け、いまやるべきことを考える」「『挑み続ける生き方』こそが人間にとっていちばん大切な財産」など、仕事で成果を上げるための姿勢を直言する。

■2008/03/17, 日経ビジネス, 93ページ

「親のようにならない」が夢だった―裏社会から這い上がった経営者の人生大逆転物語
「親のようにならない」が夢だった―裏社会から這い上がった経営者の人生大逆転物語加藤 秀視

ダイヤモンド社 2008-01-19
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おすすめ平均 star
star生きていく希望、そして『愛』
star日本の心
star壮絶です!!

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裏社会の組織員から一念発起し起業した著者が、波乱の半生を綴る。

幼少時から、父親が激しい家庭内暴力を振るう中で育った。小学校2年生でたばこを吸い始め、中学ではケンカで名を上げて番長となり、高校中退後は暴走族総代、裏社会の組織員になった。人からカネを巻き上げ、シンナーや覚醒剤におぼれる日々だったが、暴走行為で逮捕された際、身の振り方を真剣に考え、出所後に建設業を立ち上げる。後輩が起こした殺人事件や仲間の死をきっかけに裏社会との決別を決意。建設会社の成長に力を尽くす。

大きな赤字を抱えた時には倒産も考えたというが、家の貯金を切り崩し、踏ん張った。外見や振る舞い、言葉遣いを変え、講演や講習にも積極的に参加するなど、“学ぶ”姿勢を持った。著者が変わる姿を見て社員たちも変わり始め、資格に挑戦し、得意分野を持つ社員が増えた。その結果、繰り返し、仕事の依頼が来るようになったと振り返る。著者の経歴を知って講演の依頼が舞い込むようになり、相談に乗ってほしい、助けてほしいという来訪者も増えた。人間愛に目覚めた著者は洗礼を受け、クリスチャンになった。

過去は変えられなくても、未来は変えられる。勇気を持って決意さえすれば、人生は変えられると強く訴える。

■2008/03/17, 日経ビジネス, 93ページ

ソニーをダメにした「普通」という病
ソニーをダメにした「普通」という病横田 宏信

ゴマブックス 2008-02-01
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おすすめ平均 star
star好奇心と遊び心を産業にしたソニーの精神が受け継がれた1冊
starララバイ「イッツ ア ソニー」
star本のタイトルから連想される印象と違ってとてもさわやかな読後感。お薦めの一冊です

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ソニー出身の経営コンサルタントが、企業の成長を阻む「普通病」という障害とその克服法について論じる。著者は「『普通病』が高じて『ソニー神話』は崩壊した」と言う。「普通病」とは、例えば、社会のために働くべき個人が、いつしか「会社のため」という内輪の論理を振りかざすようになることだと指摘。著者がソニーに入社した1980年代前半には、そのような風潮はなかったと言う。社会のためにオンリーワンの個性を発揮する企業と、「我が社流」を言い訳に改革を拒む企業とは似て非なるものだと解説する。

また、著者が在籍していた頃のソニーの組織は、世間からよく「カオス(混沌)」的だと揶揄されていたことを誇りとして振り返る。裏を返せば部門間の連携がそれほど密であったという証しであり、著者はこれを「T字型組織」と呼んで、硬直化した縦割りの「I字型組織」と区別して利点を説く。

国際的な視座から見ると、連結子会社数が日本最多の900社を超えるソニーは、「とりとめのない多角化」に陥っていると苦言を呈する。企業内に蔓延する「投資家的発想で子会社を増やす機運」を薄め、本業であるエレクトロニクス事業への回帰宣言を行うことが、世界の投資家のソニーへの投資意欲を再び高めるはずだと提案する。

■2008/03/17, 日経ビジネス, 93ページ

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