メイン > 日経ビジネス書評 『新刊の森』 > 2008年2月4日~2月18日

学校の勉強だけではメシは食えない!―世界一の職人が教える「世渡り力」「仕事」「成功」の発想
学校の勉強だけではメシは食えない!―世界一の職人が教える「世渡り力」「仕事」「成功」の発想岡野 雅行

こう書房 2007-11
売り上げランキング : 313

おすすめ平均 star
starあえて厳しく
star歯切れのいい職人からのアドバイス
starノーベル賞を取ってもらいたい人

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従業員数6人の小さな町工場で極細の「痛くない注射針」、リチウムイオン電池のケースなど、難しい金属加工を次々に実現させてきた「世界的職人」が、成功の発想を伝授する。

「世渡り力」をつけることが必要だと指摘する。人情の機微や世の中の約束事を学び、良い人間関係を作りながら、しっかり自分を主張できることが大事だと言う。優等生は失敗しないように常識的なことしかしないが、失敗がないことは、経験がないことと同じ。極細注射針の開発などを紹介しながら、他人がやらないことをやろうという気持ちを持つことが重要と説く。

75歳にして「趣味は仕事」「1分でも長く旋盤の前に立っていたい」という著者の仕事への熱い思いが伝わる。

■2008/02/18, 日経ビジネス, 79ページ

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」細谷 功

東洋経済新報社 2007-12-07
売り上げランキング : 15

おすすめ平均 star
star内容は分かりやすくていいですよ
star地頭力の本質を分析・体系化
starタイトルが違う

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脳を活かす勉強法
脳を活かす勉強法茂木 健一郎

PHP研究所 2007-12-04
売り上げランキング : 28

おすすめ平均 star
star読みやすい!
star期待はずれでした
star悪くはないが・・・

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ベストセラーを斬る いまだ健在、「脳トレ」ブーム

1月は未発売の書籍が売れ筋の上位に入る珍現象が起きた。人気シリーズの最終巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』が7月発売ながらアマゾンジャパンで総合1位、中日ドラゴンズのマスコットキャラクターを扱った『ドアラのひみつ』も2月21日の発売を前に同9位に入った。インターネットで気軽に予約できる販売チャネルの特性がランキングに影響を及ぼし始めている。

実売が始まっている書籍では、ブームが続くいわゆる「脳トレ」関連本が目立つ。『地頭力を鍛える』(アマゾン総合4位、旭屋書店本店ビジネス書13位)は、「日本にゴルフボールは何個ある?」といった難問に対して、何も参考にせず3分以内に “答え”を導き出す法を指南。算出困難な設問に立ち向かうのに有効という思考法を詳しく解説する。著者は問題解決に長けた人間は少ない情報からでも仮説を構築する「地頭力」を身につけていると言う。

脳科学者の茂木健一郎氏は『脳を活かす勉強法』(旭屋書店本店2位)で、脳に最大の「喜び」を与えて快感を生み出すドーパミンを分泌させれば学習効率が飛躍的に上がると指摘。また、自らに「問題解決までの制限時間」を課すことも脳の強化に役立つと説く。

■2008/02/18, 日経ビジネス, 81ページ

エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ
エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカジョン パーキンス 古草 秀子

東洋経済新報社 2007-12-14
売り上げランキング : 851

おすすめ平均 star
star国際経済や政治に興味ある人には、いいかも。。。。
star陰謀論の楽しみ方
starものの見方の問題。全てのビジネスに当てはまる

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1971~80年まで、国際的なコンサルティング会社に身を置き、チーフエコノミストという表の顔と、エコノミック・ヒットマン(EHM)という裏の顔を併せ持ち、活動していた著者が、その内幕を暴露する。

EHMは、世界中の国々を騙して莫大なカネをかすめ取る秘密の職業。著者の役割は世界の指導者を米国の商業利益を促進する巨大ネットワークに取り込むことだった。石油をはじめとする資源を持つ途上国指導者に、融資を受けて国家を近代化すれば大幅な経済成長を達成できると持ちかける。数字を大きく膨らませた経済成長予測を作成し、指導者をその気にさせて返済不能な巨額の債務を負わせる。カネはインフラ建設を受注する米国のエンジニアリング会社や建設会社、現地の利権を握る一部の富裕層に流れる。対外債務まみれになった途上国政府を、米国は政治・経済・軍事面で思いのままに操るという具合だ。著者が体験したインドネシア、サウジアラビア、コロンビアなどでの出来事を詳細に綴る。

グローバル化が進む現代では、EHMの活動は質量とも高レベルに達していると著者は指摘する。一国家がすべてを変え得る富と権力と能力を備えたという事実に目を向け、変化に向けて行動すべきだと主張する。

■2008/02/18, 日経ビジネス, 80ページ

サービスの「正体」―ホテルニューオータニのマニュアルが薄い理由
サービスの「正体」―ホテルニューオータニのマニュアルが薄い理由HRS総合研究所

すばる舎リンケージ 2007-11
売り上げランキング : 2132

おすすめ平均 star
star何一つ得るものがない本
star読まなくてもよい
star適度な距離感が、サービスでも人間関係でも大事だと再認識

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ホテルニューオータニのサービスマニュアルはわずか40ページしかない。心地よいと感じる距離感は一人ひとり異なるから、マニュアルでは縛れないのだ。ニューオータニのホテルマンはどんな点に気を使って、快適な空間と時間を演出しているのか。様々なエピソードを紹介する。

スタッフは「共感」という感性を大切にする。例えば、年配のゲストにとって、庭園の花は観賞して楽しむものかもしれないが、子供にとっては手に取り、匂いをかいで楽しむものかもしれない。年配のゲストには花の背景にある物語や季節ごとの見どころなどを語りかけ、子供には1輪の花をたおって手渡す。相手の立場で考え、想像し、それを言動で表すサービスを徹底するのだ。レストランでは、朝、背広にネクタイ姿で朝刊を読みながら食事を取るゲストには、ハイテンポで料理を出す。ラフな格好で、新聞を読み終えてもぼんやりと窓の外を眺めているゲストにはややスローテンポで料理を運ぶ。仕事か、バカンスかを見極め、どのゲストにとってもタイミングよく料理を出せるよう、細かく気を配る。

過去にあった失敗、クレームのエピソードなども盛り込みながら、それを教訓に最高のおもてなしを実現しようとするホテルマンの姿を描く。

■2008/02/18, 日経ビジネス, 80ページ

トヨタ経営大全 1 人材開発 上
トヨタ経営大全 1 人材開発 上ジェフリー・K・ライカー デイビッド・P・マイヤー 稲垣 公夫

日経BP社 2007-12-28
売り上げランキング : 2259


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トヨタ経営大全 1 人材開発 下
トヨタ経営大全 1 人材開発 下ジェフリー・K・ライカー デイビッド・P・マイヤー 稲垣 公夫

日経BP社 2007-12-28
売り上げランキング : 2796


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ベストセラー『ザ・トヨタウェイ』の著者が新たに記したトヨタ研究シリーズの第1巻。人材開発に焦点を当てる。今後、「企業文化」「プロセス」「問題解決」を刊行する予定。

トヨタ自動車の強さの源は、従業員の知識と能力にある。トヨタの教育訓練や人材開発に関する基本的な考え方は、第2次世界大戦中、兵役のため工場を離れる熟練工に代わって素人を訓練するための手法として採用された「トレーニング・ウィズイン・インダストリー(TWI)」プログラムが土台になっている。TWIプログラムの「仕事の教え方(ジョブインストラクション=JI)」をトヨタ流に修正しながら現在も使い続けている。

具体的には仕事を小さな要素に分解し、定型部分を標準化。標準化した部分を効果的に教えられるレベルまでさらに細かく分解し、決められた通りに作業できるように訓練する。

本書は、JIを始める前の組織の準備、実際のJIプロセスを詳細に示す。また、現場で重要な知識を見つけ出し、その知識を効果的に伝えるための手法や、学習成果の検証、フォローアップの方法などを解説する。JIによる訓練は卓越した人材の育成に不可欠であり、JIこそ、トヨタ生産システムに生命を与える要素だと指摘する。

■2008/02/18, 日経ビジネス, 80ページ

水戦争―水資源争奪の最終戦争が始まった (角川SSC新書 19)
水戦争―水資源争奪の最終戦争が始まった (角川SSC新書 19)柴田 明夫

角川・エス・エス・コミュニケーションズ 2007-12
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おすすめ平均 star
star日本の水資源
star「水資源」の視点からみた穀物食糧問題
star過度に煽っているのでは?

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評者が、「水」が大きな国際紛争の種となり得る戦略商品であることに初めて気がついたのは、1990年代前半に米ワシントンのブルッキングス研究所を訪ねた時だ。もう名前は忘れたが所長にインタビューしていて突然、世界が抱える問題の1つとして彼は水の話を持ち出した。水など国際紛争の火種になるとは当時、露ほども思っていなかった私は、非常に驚愕したことを思い出す。

今となってはその慧眼に敬服するしかない。それ以来、水については、ひとかたならぬ関心を持ってきたつもりである。水が戦略商品となったことは、最近ではマスコミでもしばしば取り上げられ、オーストラリアの早魃をはじめ、中国やインド、それに世界各地での水不足やそれに関する紛争の記事がよく登場する。

しかし、今回紹介する『水戦争』ほど、水と世界の食料生産の関係を包括的に述べ、また一般的には「水が豊かだ」と思われている日本が、実は水に関して深刻な問題を抱えていることを理路整然と論じている著作はない。

著者は商品市場全般に関して博識を持ち、しばしばマスコミにも登場する。考えてみれば、水も著者のカバー領域の商品に間違いない。

世界各地で起きている水資源を巡る戦争、紛争から説き起こし、水の惑星と呼ばれる地球には淡水は実は全体の2.5%しかなく、かつ人類が利用しやすい河川や湖沼には淡水の0.3%しか存在しないという。そのうえで、問題となっている地球温暖化が、水と、その供給能力に密接に関連した食料生産の危機を招来しているとも指摘する。

本書によれば、既に世界では希少な水を巡って巨大な利権がうごめき、水市場を支配する「水男爵」なる企業グループが形成されつつあるという。そこでは日本の存在感は小さい。

刮目するのは第6章だ。「森も水も日本は豊か」という既成観念を見事に打ち砕き、日本は「バーチャルウオーター(食料などの形で輸入される水)」で支えられている水資源希少国だと喝破する。

環境保護や日本の食料自給率が4割を下回ったという問題、そして今後の日本の先行きに興味がある方には一読を勧めたい。ガソリンは1リットル=150円になったが、考えてみれば日本人は1リットル=200円もする輸入ミネラルウオーターを飲んでいる。手間暇かけた1リットル=180円の牛乳よりも高いのだ。

水は日本人にとっても貴重だし、高い。そのことを改めて思い知らされる。【評者 住信基礎研究所主席研究員 伊藤洋一】

■2008/02/11, 日経ビジネス, 70ページ

日本は没落する
日本は没落する榊原 英資

朝日新聞社 2007-12-07
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おすすめ平均 star
star問題提起の本として読むべき
star全ての日本国民が読むべき本
star内容は思ったほどのことではなかった。

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金融政策や技術力の醸成、エリート教育、年金や医療に象徴される社会制度など、日本では国家の基盤を成す多くの機能が脆弱化していると警鐘を鳴らす。旧大蔵省官僚時代に為替・金融制度改革に従事して以来、この国の弱点を様々な角度から訴えてきた著者は、諸外国に対して優位性を保っていたはずの「日本のダイナミズムと勤勉さ」でさえ、もはや過去のものとなりつつあると憂える。

昨今叫ばれている金融立国論、すなわち「金融産業が国家の経済を牽引する」という考え方については、これを否定する。米国経済が復活を果たしたのも、主役はあくまでもモノ作りの技術と知的財産であったと指摘。金融政策に重きを置く我が国のリーダーらには、舵取りを誤るなと苦言を呈する。

■2008/02/11, 日経ビジネス, 70ページ

親の品格 (PHP新書 495)
親の品格 (PHP新書 495)坂東 眞理子

PHP研究所 2007-12-15
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おすすめ平均 star
starとても全部は実践できませんが、身につけたい品格
star最近都に流行るもの・・・
star最期には、品格のある親となりたい

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著者に聞く-パーソナルライフ-坂東 眞理子 氏[昭和女子大学学長] 育てる苦労こそ醍醐味

子供の学力低下は、親の責任放棄から始まっている――。人を育てる「品格」を日本の大人も企業も失いつつあるのではないか。『女性の品格』に続き、今度は育てる側の器を問う。

──このところ子供たちの学力低下を危惧する声が強まっています。

親から子供に知恵や経験が十分に伝わっていないのではないか、と感じることが増えています。確かに、親の立場に立てば、自分の価値観を伝えるには、相当なエネルギーが必要です。相手が拒絶すれば、じっくりと腰を据えて話すこともあるでしょう。「自分がきちんと生きている」という自信がなければ、説得力にも欠けますよね。

親がこうした難しい仕事から、逃げ出しているのではないでしょうか。「子供たちを自分らしく、伸び伸びと育てたい」と言って、実際には放り出しているようにも見えます。自分たちが心地よく暮らすだけではなく、ちゃんと次の世代を育ててほしいのです。

──自分自身が親から聞いてきた話が書かれている本、そんな印象を持ちました。

今の40代の方々は、世の中から良いものを伝えてもらっています。ですが、それを次代に伝承する努力は十分にしていない。自分のことだけで精いっぱいだよ、などと言い訳をしながら。

照れないで、親から教えてもらったことを子供にしっかり伝えてもらいたい。ですが残念ながら、現実には、普通の生活が営める善き市民を育てることすら難しい。

これからは、特に男性にしっかりと子育てに取り組んでほしい。そもそも子育てを女性に任せる家庭が増えたのは、戦後になってからなんです。昔は、武士も職人も商人も自分の跡取りは自分で育てました。仕事をしながら、子供の世話をしたのです。サラリーマンとして勤め始めた男性が、子育てを女性に任せる風潮を作り上げてしまいました。

──これまでにも数多くの育児書が発行されています。従来の本とはどんな点で違いを出そうと考えましたか。

私自身が子供を育てた時、育児書を読んで違和感を覚えました。なぜなら、親が内容を完全にマスターして子供を育てることが当然のように書いてあったからです。実際には親も迷っているわけです。こうした体験に基づき、今回は親の不安をあおるのではなく、普通の親が普通の子供をきちんと育てるうえで役立つ内容を盛り込みました。

──企業に目を向けても、人材教育が後回しになっていないでしょうか。

かつて日本企業は、長期安定雇用を念頭に置き長期的な視点で人材を育成していました。就職すれば、お辞儀から書類の書き方まで教えてもらえた。そこには「君たちが会社の将来を担うんだ」という暗黙の了解があったからです。

ところが、今では派遣やアルバイトなどの非正規社員が増えたうえ、企業側もこうした役割を果たせなくなりました。日本的経営が崩れ、人材育成をコストと見なす会社が増えているようです。グローバル競争で生き残るために、人件費を削らなければならない。ましてや人材教育にお金をかける余裕はない。逆に、最近では米国企業の方が人材開発にお金をかけています。従業員に学ぶチャンスを積極的に与え、そのために必要な経済的支援も惜しみません。

──短期的な成果を求める風潮が強まっているからでしょうか。

人を育てることから、短期的な報酬は得られませんよ。むしろ、そのプロセスを楽しむことが最大の報酬なのです。大変だ、大変だと大騒ぎしない。報酬の額でやる、やらないを決めるようでは、まさに品格がありません。

坂東 眞理子(ばんどう・まりこ)氏
1946年富山県生まれ。東京大学を卒業し69年に総理府入省。内閣府男女共同参画局長などを経て2003年に昭和女子大学理事に。昨年から現職。

■2008/02/11, 日経ビジネス, 72ページ

予算は夜つくられる―相沢英之、半生を語る
予算は夜つくられる―相沢英之、半生を語る相沢 英之

かまくら春秋社 2007-12
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著者は、1942(昭和17)年に旧大蔵省に入省し、主計局長や事務次官を歴任した後に退官。76年からは自民党衆院議員となり、9回連続当選を果たす間に経済企画庁長官や金融再生委員会委員長などの要職を歴任した。引退後も為公会(麻生派)顧問を務め、84歳で弁護士登録を行うなど、精力的な活動を続けている。

本書では、主に旧大蔵省主計局時代の経験を軸に、国の予算がどのようにして作られてきたのかを綴りながら、河野一郎氏や田中角栄氏など、その時代に国造りを託された政治家とのエピソードを振り返る。

主計局時代の自分たちを「予算屋」と呼び、本書の題名通りの夜を徹したハードな仕事ぶりを紹介する。戦後、GHQ(連合国軍総司令部)との折衝に尽力した思い出など、我が国の経済復興を舞台裏から支えた官僚たちの生き生きとした働きぶりを明らかにする。歴史的政治家にも数字に強い人と弱い人がいたと言い、「池田勇人元総理は、大蔵大臣当時から国会答弁で数字をベラベラ並べるので有名であったが、数字に強かったかどうかはつまびらかではない」などと指摘する。

衆院議員の麻生太郎氏、旭化成会長の山口信夫氏と、国の予算や政策を論じた対談も収録している。

■2008/02/11, 日経ビジネス, 71ページ

正直者はバカをみない―日本一の見本市ビジネスをつくった男の成功哲学
正直者はバカをみない―日本一の見本市ビジネスをつくった男の成功哲学石積 忠夫

ダイヤモンド社 2007-12-07
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おすすめ平均 star
star極めて稀な類の書
starビジネスのヒント満載
star眠っている日本について賛成、展示会運営にかかわる人におすすめ

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「私は、国際見本市の仕掛け人である」という書き出しで始まる本書は、宝飾品や文具、医薬品、エレクトロニクスなどに至るまで、次々と巨大見本市を立ち上げることに成功した見本市主催会社を経営する著者が、成功までの道のりと経営哲学を綴ったものだ。業界団体や政府機関、新聞社が主催者になるというそれまでの常識を覆し、著者の会社が世界最大規模の見本市を含む年間36本を動かすまでに成長した秘訣を語る。

著者が文具メーカーの社員時代に海外で目の当たりにした見本市は、まさに商談の真剣勝負の場であったと振り返る。それに対して日本の多くの見本市には、「年に1回の業界のお祭りにしかすぎない」との印象を著者は抱いた。出展者と来場するバイヤーが本当に望んでいる“市場としての機能”を綿密に計算して演出する仕掛け人の不在がその原因だと痛感したと言う。

最も必要なのは出展者を集める営業力だと指摘する。主催者が業界団体ではなく一民間企業であるハンディを補って余りある知恵と熱意に満ちた営業こそが、見本市に活況をもたらす原点だと強調する。また、悪しき慣例であった来場者数の水増しなど「数字のごまかし」を絶対に行わない方針を示し、その効用を明らかにする。

■2008/02/11, 日経ビジネス, 71ページ

フェアトレードの冒険 草の根グローバリズムが世界を変える
フェアトレードの冒険 草の根グローバリズムが世界を変えるニコ・ローツェン/フランツ・ヴァン・デル・ホフ 永田 千奈

日経BP社 2007-11-15
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フェアトレード(公正貿易)とは、発展途上国における貧困層の救済と環境保護を目的とし、そうした問題を抱える国や地域で生産される農作物や工業製品の交易を、公正な価格やルールにのっとって行うこと。先進国の政府や大企業が近年取り組んでいる法令順守やエコ活動とともに広がりつつある概念だが、上からの啓蒙ではなく、市民から草の根的にわき起こった活動として区別する見方もある。

本書は、オランダ人神父とある青年の2人の行動が国際的な共感を呼び、フェアトレードの象徴として認知されるまでの道のりを自伝風に綴ったものだ。神父のフランツ・ヴァン・デル・ホフ氏は、メキシコでコーヒー豆の生産業に従事する貧しい農民たちと暮らす中で、大規模な開発援助や慈善事業だけでは貧困問題は解消しないという結論に行き着いた。一方、キリスト教系南米支援団体に所属していたニコ・ローツェン氏は、コーヒー豆の生産者らが単に施しを求めるのではなく「支援はいらない。適正価格で買ってくれればいい」と訴えたことに胸を打たれ、新たな交易の仕組みを模索し始めた。

彼らはメキシコのコーヒーをフェアトレードで欧州の消費者に届ける「マックスハベラー」ブランドの立ち上げに成功し、今もなお活動を続けている。

■2008/02/11, 日経ビジネス, 71ページ

社会起業家という仕事 チェンジメーカーII
社会起業家という仕事 チェンジメーカーII渡邊 奈々

日経BP社 2007-11-01
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おすすめ平均 star
star社会変革の21世紀型モデル?
star素晴らしい
star海外の社会起業家にも目を向けて

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社会の流れに鋭い読者はもう前作をお読みかもしれない。2005年に出版された『チェンジメーカー 社会起業家が世の中を変える』 である。著者はニューヨーク在住の写真家。

第2弾の本作では、愛情に飢えた子供たちへの里親プログラムを開発した海外の起業家など、世界各国で繰り広げられる活動を紹介した。

「社会起業家」という言葉をグーグルで検索すれば133万件もヒットするし、アマゾン・ドット・コムでチェックすれば、本もいろいろ出ている。既に社会的に認知された言葉になった。

「そもそも米国に暮らす私が、社会をより良く変えるという生き方を選んだ人たちを日本に紹介しようと思ったきっかけは、バブル経済崩壊の後、東京に帰るたびに電車の中などで見かける人たちの哀しく暗い表情が気になって仕方なかったからでした」という。表面的に大企業の景気は上向いているように感じられるが、いまだにこの状況は根っこのところで変わってはいないということか。

彼らは、ビジネスとして社会的な困難を克服する事業に名乗りを上げた。

今回、取り上げられた日本人は5人。

世界が認めた人道支援NGO(非政府組織)「ピースウィンズ・ジャパン」の大西健丞氏、出稼ぎ移民向け少額融資銀行「マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション」の枋迫篤昌氏、老朽社宅転用型老人ホーム事業を成功させた「伸こう福祉会」の片山ます江氏、フリーター向け短期滞在施設を運営する「エム・クルー」の前橋靖氏。そして、病児を預かる在宅保育事業NPO法人(特定非営利活動法人)「フローレンス」の駒崎弘樹氏である。駒崎氏については彼自身の近著『「社会を変える」を仕事にする』(英治出版)を併せて読むことをお勧めする。

「そんな時代に生きる私たちは社会のほころびに気づきながらも『仕方ない』とあきらめてしまうか、あるいは、問題と向き合い解決策を考えて行動に移すか、ふたつにひとつの選択をしなくてはなりません」「そんな馬鹿げたことをするなんて、頭がおかしくなったんじゃないかと周りの人から冷笑され、奇人扱いされた人たちもいます」

でも、そんな人たちが世の中を変えている。私も教授陣に加わるNPOビジネススクール「アイ・エス・エル(ISL)」の野田智義氏も、こうした社会起業家を組織的に生み出す仕組み作りに動き始めた。日本が変わることを確信できる1冊だ。【評者 東京都杉並区立和田中学校校長 藤原和博】

■2008/02/04, 日経ビジネス, 77ページ

デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)
デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)吉越 浩一郎

祥伝社 2007-12-15
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おすすめ平均 star
star自分の職場に照らし合わされば・・・
star読み方は一考を要す!
star経営者の仕事術

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トリンプ・インターナショナル・ジャパンを19年連続増収増益に導いた前社長の著者が説く効率的な仕事術。

カギは「仕事にも就業時間にも、すべて締め切りを設定すること」。トリンプでは原則として残業を禁止していた。限られた時間でデッドラインが決まった仕事をこなそうとすれば、ダラダラと働くことがなくなるからだ。仕事のスピードは判断のスピードでもあるから、「まずは川に飛び込む」ことも大事。拙速を恐れず、即断即決を心がけ、状況に応じて対応策を講じればよい。情報を共有化し、全員が同じ認識を持つことで「組織全体の判断力」を高めることも重要だと強調する。

個人としてだけでなく、リーダーとして、組織として、効率的に仕事をするためのノウハウを披露している。

■2008/02/04, 日経ビジネス, 77ページ

小説会計監査
小説会計監査細野 康弘

東洋経済新報社 2007-12
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おすすめ平均 star
star旧中央監査法人への鎮魂歌
star通勤時の読書にはちょっと
star悲しい日本の監査史

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著者に聞く-細野康弘氏[元中央青山監査法人評議員会議長]

旧中央青山監査法人で、国内大手銀行や日本郵政公社などの監査を担当。定年退職後、自らの体験を基にした小説を著した。独自の仮説が示唆する会計監査の現状とは。

――小説中、アルファベットの「ABC銀行」や、「ムトーボウ」「月光証券」など、モデルが推測できる企業が登場します。内容は小説と思えないほど詳細で具体的です。

これはあくまで小説です。ただ、私の身の回りで実際に起きたことや見聞きした事実、「夜討ち朝駆け」で自宅に取材に来たテレビや新聞の記者が教えてくれた情報などを当てはめながら書きました。金融庁の検査の時に検査官から浴びせられた台詞も、事実です。ただし、知り得ない会議の場面などは推測です。

小説中で、高校時代のテニス部仲間が集まり、経済事件などについて解説を加えながら議論する勉強会が登場します。これも実在するもので、実際の発言や、勉強会で使ったレジュメを掲載しました。ただ皆多忙な人たちなので、小説のように全員が揃ったことはありませんが。

小説のモデルにした企業について、守秘義務にかかわることは一切書いていません。詳細は報道や、ホームページなどで一般公開された情報を参考にしました。そして、金融庁の銀行に対する厳しい検査の目的は「潰して外資系企業に売却するため」といった部分が、私の仮説です。

――どうしてそのような仮説を立てたのですか。

周囲であまりにやりきれないことが立て続けに起こったのですが、仮説ですべて説明がついたからです。例えば、金融庁の指示通りにやってきた会計処理が、ある年に突然否定されました。私は、「どうしてこのようなことが起こったのか」と考え続けました。そこで、潰して売るのが目的、と仮説を立て、それに合わせて登場人物を行動させたら、事実と一致したのです。郵政民営化の仮説は、「米国政府の要望に沿って民営化した」としました。

「月光証券」の上場廃止が取りざたされた不正会計疑惑では、同社の会計処理は制度会計のルールに従っており、あまり問題視されないはずでした。これがなぜ不正として大きく報道されたのかが疑問でした。しかし、背後に米大手銀の思惑があったという仮説を立てることで、理解できました。それぞれの仮説はかなり正しかったのではないかという気がしています。

個人的には、金融庁の検査に振り回され続けた「ABC銀行」が一番気の毒だったと思います。小説の中でも場面を再現しましたが、当局のやり方は見ていてあまりにひどかった。でも、初めから潰して外資系企業に売却するつもりだったのだと考えたら、理解できました。

会計監査の現場では、判断が難しい場合は会計理論に基づいて考える、ということを日常的にやってきました。しかし、内部統制が始まり、今は、経営者に対して会計士が「あの資料を用意しろ」「このデータが足りない」と要求をしなければならない時代です。経営に役立つ助言などをしたらルール違反になります。会計監査業務の世界では、お客さんである経営者との関係が悪くなっています。

私のいた旧中央青山監査法人は解散してしまいましたが、監査の現場で40年、稀有な経験をしてこられたと思います。この小説は、いわば私にとって勤め人としての卒業論文です。

世間の会計不信の原因となった、旧カネボウの監査には全く関与しませんでした。しかし、同じ監査法人の会計士が粉飾決算に関与していたのに、同じ職場にいながら関心も持たず、気づくことができなかった点で、今も非常に反省しています。

細野康弘(ほその・やすひろ)氏
1943年生まれ。慶応義塾大学大学院商学研究科修士課程修了。旧中央青山監査法人で理事などを務め、2006年定年退職後、独立。

■2008/02/04, 日経ビジネス, 79ページ

エンドレス・ワーカーズ―働きすぎ日本人の実像
エンドレス・ワーカーズ―働きすぎ日本人の実像小倉 一哉

日本経済新聞出版社 2007-11
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おすすめ平均 star
star労働時間研究のために
star「仕事」の実情を理解するのにお勧めです。

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過労死や過労自殺などの原因にもなる長時間労働の実態について、労働者へのアンケートを基に分析する。実際の労働者の事例や制度の解説など、労働時間にまつわるトピックスも随所に盛り込む。

日本は「週に50時間以上労働している雇用者」が3割近くと、先進国の中で群を抜いて多い。サービス残業を行っている労働者は全体の5割近くに達する。労働時間の長さと収入はある程度相関があるものの、「働けば働くほど儲かる」わけではない。長時間労働の心身への影響は大きい。特に女性にとっては労働時間の長さが心の状態を左右する重大な要因になっている。最近では、パートタイマーなど非正社員の労働時間も長くなる傾向だ。

こうした日本の労働実態を示したうえで、著者は長時間労働が少子高齢化、ワークライフバランスなどに関わる社会問題であることを指摘する。長時間労働問題は社会システムと密接に関わっている。特定の当事者に責任があるものではなく、政府・行政機関、企業経営者、管理職、労働組合、働く人自身が一体となって問題を解消する必要がある。様々な人々の状況を受け入れ、それぞれの生活ニーズに合った労働のあり方や、働く人が幸せになるための道筋を探るべきだと結ぶ。

■2008/02/04, 日経ビジネス, 78ページ

その数学が戦略を決める
その数学が戦略を決めるイアン・エアーズ 山形 浩生

文藝春秋 2007-11-29
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star題名がもったいない!!
starコンピュータの世界
star「絶対計算」はWEB2.0のブームの次の社会潮流を先読みするか?

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法律家兼経済学者で、定量分析に基づいた法制度の効果測定などの研究成果もある著者が、大量なデータの解析について解説する。

意外な分野にまで広がるデータ解析の事例を紹介する。ある専門家はデータ解析によってボルドーワインの品質を評価することに挑戦する。ワインは年ごとの気候に大きく影響を受ける。仏ボルドー地方の数十年に及ぶ気象データを分析した結果、夏の平均気温が高く、収穫期に雨が少ない年に最高のワインができることが分かったとして、方程式まで作成した。伝統的なワイン批評家からは酷評されたが、徐々にその方法は受け入れられつつある。野球界では選手の才能を判断する方法として、打者が出塁にどれだけ貢献したかを示す方程式が登場した。

属性と購買行動の関連を分析した米アマゾン・ドット・コムのお薦めサービス、相性の高い相手を紹介するお見合いサイトなど多くの事例を取り上げながら、データベースによる意思決定が、様々な分野で直感や経験に基づく意思決定に勝っている状況を示す。といっても、直感や実務経験が役に立たなくなるわけではない。統計や数学の知識を身につけ、直感や経験を補うことで、これまでよりもずっと先を見通せるようになると主張する。

■2008/02/04, 日経ビジネス, 78ページ

BCG流 成長へのイノベーション戦略
BCG流 成長へのイノベーション戦略ジェームズ P アンドリュー ハロルド L サーキン 重竹尚基(監訳)

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イノベーションを成功させ、キャッシュリターン(ペイバック)を向上するための方策を整理する。企業はイノベーションが成功しない理由をアイデア不足と考えがちだが、本書はカネ、時間、ヒトの投入に見合うリターンを引き出せるようイノベーションをマネジメントするプロセスにこそ問題があると指摘する。

イノベーションのビジネスモデルにはインテグレーション(統合)、オーケストレーション(協業型)、ライセンシングの3つのタイプがある。モデル次第でペイバックやリスクも変わってくる。アイデアの特性や企業の組織能力、資源を吟味したうえで最適なモデルを選択する必要があると説く。

イノベーションは特別な活動としてマネジメントするのではなく、事業戦略、業務プロセス、組織構造、人材、評価基準、リーダーシップなどと恒常的に連携させることが必要。そのために不可欠な要素として、「イノベーションの責任を負う個人の存在」「イノベーションの責任を負う部門の存在」「イノベーションに対する全社的コミットメント」「イノベーションを促進する環境」「オープンな組織」「効果測定」の6つを考察する。独BMW、米シティグループなど、企業事例を盛り込みながら、取り組みを示す。

■2008/02/04, 日経ビジネス, 78ページ

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