メイン > 日経ビジネス書評 『新刊の森』 > 2007年12月17日~12月24日

私はこうして日本一MINIを売る女になった
私はこうして日本一MINIを売る女になった福田 稔己

ソフトバンククリエイティブ 2007-09-26
売り上げランキング : 1295

おすすめ平均 star
star現役のトップセールスに学ぶ
starこの人から買ってしまいました。
starお客様の立場に立つということ

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2日に1台という異例のハイペースで、個性的な小型車「BMW MINI」を売り続けている営業のスペシャリストが、体験談や販売のコツを披露する。著者は自分の性格を「口下手で人見知り」と謙遜する一方、口下手だからこそ顧客の話に耳を傾ける、人見知りだからこそ顧客の小さな反応が気になり、フォローしたくなるとも言い、トップセールスウーマンとしてのプライドを随所にのぞかせる。

顧客に良い印象を残すことを重視した挨拶の仕方や、手紙と電話、メールの使い分け方を示し、何気ない工夫が成否を分けると言う。売りたい気持ちを表に出さないのは当然で、今は「顧客がいつでも断れるスキをわざと残す」境地に至っていると記す。

■2007/12/24, 日経ビジネス, 83ページ

不都合な真実
不都合な真実アル・ゴア 枝廣 淳子

ランダムハウス講談社 2007-01-06
売り上げランキング : 316

おすすめ平均 star
star啓発的な書
star明日から出来ること
star環境問題への入門書として

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環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks (024))
環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks (024))武田 邦彦

洋泉社 2007-02
売り上げランキング : 410

おすすめ平均 star
starさらに加速する、日本の政策不況。その原点。
star真実を知ること
star私は納得したが、女房は納得しない。

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地球環境問題を巡る論戦

2007年は地球環境問題が大きくクローズアップされた年になった。人類史上かつてない危機の到来が叫ばれる中、「ECO(エコ)」をキーワードとする生活習慣が社会に浸透していった。一方、過熱するブームを疑問視する識者も登場し、それぞれの主張をまとめた書が上位にランクインした。

地球環境の危機的現状と、その対策の必要性を説いて世界的なベストセラーとなったのが『不都合な真実』(丸善丸の内本店総合3位)だ。著者の前米副大統領アル・ゴア氏は、「環境問題への取り組みは自らのライフワーク」と主張し“地球環境問題の伝道師”として注目された。2007年10月にはノーベル平和賞を受賞している。

一方、「環境活動を錦の御旗と化すことで社会は合理的な判断を失っている」と主張するのは『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(丸善丸の内本店総合26位)。科学技術に通じた著者は、ペットボトルのリサイクルやごみの分別回収は、地球に優しいどころか逆にお金や資源、石油の無駄遣いだと苦言を呈する。さらに「極地の氷が解けると海水位が上昇する」といった論旨には科学的根拠がないなどと辛辣に批判する。

レバレッジ・リーディング
レバレッジ・リーディング本田 直之

東洋経済新報社 2006-12-01
売り上げランキング : 250

おすすめ平均 star
star表紙にある本の選択がイマイチ
star「読書とは投資活動である」という捉え方
star新しい本の世界へ

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誇り高き国 日本―この国に生まれて本当に良かった
誇り高き国 日本―この国に生まれて本当に良かった池田 佳隆

ダイヤモンド社 2007-01-13
売り上げランキング : 45913

おすすめ平均 star
star日本を変えるために、日本の青年がすべきこと。
star全体主義者的表現、ウソ、偏見が多い

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勉強法、情報収集術を学ぶ

年間を通じて「勉強法」や「学び方」と銘打ったビジネス書が多数出版され、幅広い層から人気を集めた。

そうしたブームの火つけ役となったのが、『レバレッジ・リーディング』(丸善丸の内本店総合28位)だ。勉強法を説く本の内容は、総じて情報収集術、時間活用術、資格試験対策に集約できるが、本書ではビジネス書の「多読」をテーマに、仕事に役立つ知識やノウハウを効率的に入手する方法を説く。レバレッジとは「てこの原理」を指し、この方法に従えば、忙しい人でも1年間に400冊以上を読破できると言う。1冊の本の肝となる部分は大概の場合全体の2割程度だと言い、そこを見つけ出して学び取るのが多読の習慣を維持するコツだと説く。

また、2007年前半は安倍晋三政権の人気を背景に「美しい国、日本」を見直そうと主張する書も多数登場した。『誇り高き国日本』(丸善丸の内本店総合42位)もその1冊だが、著者は社団法人日本青年会議所の前期会頭であり、40代の若きリーダーが唱える国家論として注目された。「若きリーダー」への期待感が失望に変わった今、2008年の論壇で主役を担うのはどんな層なのか、候補者不在の状況が続く。

■2007/12/24, 日経ビジネス, 84~85ページ

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学
スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学吉本 佳生

ダイヤモンド社 2007-09-14
売り上げランキング : 149

おすすめ平均 star
starまあ、読みやすく楽しみながら経済が分かる良書
star若い人に読んでほしい経済学入門!生活意識が変わります!
star売れているけれど

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スターバックスコーヒーでは、どの飲み物も、容量240ccのショート(S)と480ccのグランデ(G)の価格差が100円となっている。例えば、Gサイズのコーヒーは380円で、Sサイズ(280円)から増えた240ccは100円で買えることになり、消費者にとってはかなり得である。本書は「取引コスト」という切り口で、スターバックスにとってもこの価格が利益率を高める合理的な設定であることを説明する。

突き詰めると、消費者が支払う価格の大部分は取引コストにつながる。企業は取引コストの削減を競い合い、より多くの顧客を獲得することで利益を拡大しようとしている。ペットボトルのお茶、携帯電話の料金プランなど、身近な消費生活を題材に、経済の仕組みを分かりやすく解説している。

■2007/12/17, 日経ビジネス, 83ページ

お家さん 上巻 (1)
お家さん 上巻 (1)玉岡 かおる

新潮社 2007-11
売り上げランキング : 2117

おすすめ平均 star
star朝ドラか大河ドラマ希望

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お家さん 下巻 (3)
お家さん 下巻 (3)玉岡 かおる

新潮社 2007-11
売り上げランキング : 1999


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著者に聞く-パーソナルライフ-玉岡かおる氏[作家]

三菱も三井も住友もしのぐ巨大グループが、かつてあった。「幻の商社」鈴木商店と、そこに君臨した女主人、鈴木よね。「お家さん」の目で企業の興亡を描く。

──改めて、鈴木よねさんという人の存在感の大きさに圧倒されました。

以前に書いた作品の主人公、実業家の松方幸次郎と関わりがあったという点で、幻の商社と言われた鈴木商店のことを知ったのがきっかけです。かつて神戸に、とてつもないビッグビジネスが存在し、それを率いていたのが私が住んでいる兵庫県・播州地方出身のよねさんという女性。女性の地位がまだまだ低かった時代だから、なおさら強烈です。

鈴木商店の盛衰、現在に至る経緯などをあまり知らないまま、その当時のよねさんの物語を書きたいという動機だったのですが、本が出来上がると意外な反響でした。双日(旧日商岩井)や神戸製鋼所など、鈴木商店を源流とする企業が予想以上に多いことが分かったのです。

先日、双日の方々と話す機会がありまして、皆さんに「ご先祖さんの話を読めて感激した」などとおっしゃっていただきました。「心の主人」というような感じなのだそうです。本当かどうか分かりませんが、新入社員にこの本を配るという企業もあるとかで、口の悪い知人に「経済界を狙って書いたの?」などと冗談を言われるほどです。

─大企業を引っ張る「お家さん」としてだけでなく、母でもある女性としてのよねさんにフォーカスしました。

よねさんという人格の中にどれだけ入り込めるかが今回の執筆のテーマでした。よねさんのキャラクター設定にはもちろん私自身の人生経験が反映されています。執筆の途中で私も、息子が20歳になって巣立っていくという経験をしました。よねさんも子供の成長を、うれしさ半分、寂しさ半分で眺めていたんだろうなというような感覚ですね。

よねさんの心情をうまく表現するため、3人称の文章の間に独白調の文章を挟み込む構成にしました。「~だす」という、私の母の世代まで普通に使われていた昔のお国言葉です。また、準主役扱いの重要な登場人物の中に珠喜という女性がいます。実は彼女は、よねさんの内面を描くための、映し鏡の存在として私が作った架空の人物なんです。これはネタバレですけど…。

本の中で、よねさんが古着をほどいて雑巾を縫う光景が何度か出てきます。着物を簡単に捨てないし、世界一お金持ちの女性と称されたのに、いつも木綿の着物で暮らしていたといいますから、驚くべき質素倹約ぶりです。このあたりの史実にのっとった部分も含めて、よねさんに関しては思い残すところなく描けたかなという感じです。

──執筆に4年。よねさんとこれだけ深くつき合い、人物像に入り込むと、かなり身近に感じられるようになったのでは。

書き終えるまでは、そう感じたことも何度かありますが、今思うとやはり大変すごい人物ですよ。双日や神戸製鋼所の皆さんの反応を見て、その思いを強くしました。

タイトルの「お家さん」という呼び方もそうです。女将でも社長でも会長でもない。ましてやCEO(最高経営責任者)でもありません。鈴木商店の従業員にとっては忠義を誓う象徴であり、それがグループ力の源泉でした。

現在も、大きな老舗の問屋などでは「お家はん」と呼ばれる女主人はいます。でも、「~はん」という呼び方より、「~さん」はさらに格上とされます。「お家さん」と呼ばれたのは、よねさんだけ。限りなく特別な存在だったことが分かりますよね。

玉岡 かおる(たまおか・かおる)氏
1956年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒。主な著書は『をんな紋』(角川書店)、『天涯の船』(新潮社)など。

■2007/12/17, 日経ビジネス, 87ページ

鉄の絆―ウジミナスにかけた青春
鉄の絆―ウジミナスにかけた青春阿南 惟正

朝日新聞社出版局 2007-09
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1956年、ブラジル政府の要請を受けてスタートした「ウジミナス・プロジェクト」。ブラジルの奥地に製鉄所を建設・操業するという同プロジェクトは日本鉄鋼業の海外進出、技術協力の先駆けと言える。本書は28~31歳まで、プロジェクトに参加した著者が、当時の体験を綴った手記である。

日本からは八幡製鉄、日本鋼管、富士製鉄の鉄鋼3社を中心に約800人が赴任した。当初、日本側はブラジル人の仕事の仕方に大いに苦労したという。依頼した仕事が期限までにできることはめったにない。前回の会議で確認したことに対し、次には全く違う意見が出てくるという具合だ。言葉の問題もあり、現場の技術・作業の指導は困難を極めた。また、資金難のうえに僻地という不利な条件だったため、資材の購入、住宅の建設、要員の採用なども手間取った。溶鉱炉の稼働予定を当初より3カ月間遅らせ、死に物狂いで準備を進め、ついに62年10月、溶鉱炉の火入れ式が行われた。滔々と流れ出る真っ赤な“湯”を前に「万歳」と「ビーバー」が繰り返され著者は「生涯忘れ得ない体験」となったと振り返る。

日伯親善と柔道精神の普及をモットーに結成した柔道部での指導、ブラジル人とともに楽しんだ真冬の盆踊りなど、異国での暮らしぶりも回顧する。

■2007/12/17, 日経ビジネス, 85ページ

株式会社ロシア―渾沌から甦るビジネスシステム
株式会社ロシア―渾沌から甦るビジネスシステム栢 俊彦

日本経済新聞出版社 2007-10
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おすすめ平均 star
star( =ω=.)<ロシアの日常 その2

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日本経済新聞モスクワ支局に駐在経験のある著者が、独自の経済成長戦略を講じ、世界経済市場での存在感を高めるロシアの実像を描く。

具体的には2003~05年の間に、ロシアの経済路線が転換したことを示す。きっかけは2003年の「ユーコス事件」。ウラジーミル・プーチン政権は、大手石油会社ユーコスを保有するロシア最大の富豪ミハイル・ホドルコフスキー氏を「国策捜査」的な手法で逮捕・投獄し、ユーコスを解体した。著者はこの事件が、ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連共産党書記長の登場以来、20年にわたって続いた「欧米を模倣する時代」に終わりを告げるものと表現する。ロシアの権力機関内では、この事件を機に国益第一主義が確立。以後、ロシアは教科書的な市場経済でもソ連型の計画経済でもない、ロシアの現実と風土に合った市場経済という第3の道を目指して模索を始めたと解説する。

ロシア経済の重要なプレーヤーとして、自力で生き残り、成長を遂げた中小企業や、ソ連崩壊後、社会で一定の地歩を築いた女性たちを紹介する。さらに、ロシアの欧米化路線を推進した自由派知識人、路線の修正を唱える知識人のインタビューを収録。ロシアの転換や1990年代の改革の成果などについて、それぞれの考えを示す。

■2007/12/17, 日経ビジネス, 85ページ

私の後藤田正晴
私の後藤田正晴「私の後藤田正晴」編纂委員会 (編)

講談社 2007-09-19
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政治家、官僚、ジャーナリスト、学者ら、後藤田正晴氏と関わった人々57人が「後藤田氏の姿」を映し出す。

後藤田氏が官房長官として仕えた中曽根康弘・元首相は、後藤田氏を「戦争の経験を経て日本の平和国家としての立場を些かも崩さずに、ややもすれば左右に傾こうとする日本の政治軌道を中央ラインに維持させることに懸命の努力を払っていた」と追想し、「官僚出身でありながら、頑なに硬直せず、酸いも甘いも噛み分けた、傑出した政治家だった」と評する。野中広務・元官房長官は2003年に政界引退を表明した際、後藤田氏が部屋を訪ね、「日本にとって今が一番重要な時なんだ。恥をかかすことになるけれども『後藤田が止めた』と言って、あと3年頑張ってくれ」と頭を下げて頼んだというエピソードを明かす。所属する党は違いながらも交流のあった村山富市・元首相は「蜂の一穴」という言葉が印象深いと記す。なし崩し的に自衛隊を海外に出していくことは許されない。この程度ならと見過ごしてきたことが取り返しのつかない事態に発展してしまうと危機感を示していたと振り返る。

様々な立場の人が語る後藤田氏の思想や行動から、政治家や官僚のあり方、憲法、自衛隊、日中関係など、日本の今と将来のあり方を再考させられる。

■2007/12/17, 日経ビジネス, 85ページ

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