メイン > 日経ビジネス書評 『新刊の森』 > 2006年2月20日~3月6日
| ロウアーミドルの衝撃 | |
![]() | 大前 研一 講談社 2006-01-26 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
格差を巡る議論が活発化している。本書も所得階層の2極化によって総中流社会が崩壊したと指摘。年収600万円以下のロウアーミドルクラスが8割を占めるという構造変化に企業、個人、政府がどう対応すべきかを示す。
企業が志向すべきは「価格は安いが、センスは自由が丘」的な商品やサービスの企画・開発。一方、個人は総中流時代の意識を変革し、収入やライフスタイルに見合ったカネの使い方が必要と主張する。具体的に家、車、子供の教育への出費の見直しに触れる。
政府が取るべき政策については、より詳細に持論を打ち出す。少数利益集団を守る規制・補助金の撤廃、道州制への移行、所得税廃止・資産課税への切り替えなど、「生活者大国」実現のための大胆な処方箋を示す。
| 年金・郵政マネーが日本を救う!―100兆円CP市場創出で運用難から脱出できる | |
![]() | 小島 勝 野尻 明裕 石川 和男 金融財政事情研究会 2006-01 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
年金・郵政改革が進む中、合計490兆円にも上る巨大な年金マネーと郵政マネーはどこに向かっていくのか。本書は人口減社会の年金財源として、効率的な運用に目を向けるべきだと指摘。とりわけ、社債・CP(コマーシャルペーパー)市場が重要だとして、同市場の拡大策を提言する。
2008年3月、財政投融資改革の経過措置が終了し、年金・郵政マネーは市場に“儲け先”を求め始める。資金の性格を踏まえると、リスクテークには限界がある。望ましいのは、満期が2~3年で、競争環境の激変がない限り倒産の恐れが少ない企業の社債への投資。これなら、比較的安定的に年2~3%の利回りを達成できる。だが、日本ではこうした社債の発行は年間7兆~10兆円にすぎず、GDP(国内総生産)や個人金融資産の規模を考えると、あまりにも少ない。
日本で社債市場が拡大しないのは、出発点となるべきCP市場が未発達なことが主因である。本書は資金調達したい企業、投資家、仲介業者という主要プレーヤーの立場から、CP市場創造のプロセスを考察。参加者全体にメリットがあるビジネスを地道に構築し、CP市場を5~10年後に50兆~100兆円程度に拡大することが必要と指摘する。
| 最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと | |
![]() | マーカス バッキンガム Marcus Buckingham 加賀山 卓朗 日本経済新聞社 2006-01 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
企業の継続的な成功には、リーダーとマネジャーの存在が重要である。そもそもリーダーとマネジャーの役割は、どのように違うのか。著者は、それぞれがすべき「たったひとつのこと」で、本質的な違いを説明する。
リーダーが考えるべきたった1つのことは「よりよい未来に向けて人々を一致団結させる」ことである。未来のイメージを描き、語り、考え、反芻し、頭の中ではっきりした形となったら、周りの人々を説得することに関心を向ける。リーダーが専念するのは未来。情熱的でなくても魅力的でなくても弁舌に長けていなくても構わない。ただ明確であればいいと指摘する。
一方、マネジャーが考えるべきたった1つのことは「部下一人ひとりの特色を発見し、それを有効に活用する」こと。才能、スキル、知識、経験、目標といった要素を観察し、それらを使って彼らが成功できる将来計画を立てる。チェスをするように、部下一人ひとりの個性の違いに注目し、彼らの成功に専念すべきである。
| 事業再生―会社が破綻する前に | |
![]() | 高木 新二郎 岩波書店 2006-01 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
弁護士として倒産事件を数多く手がけ、現在は産業再生機構産業再生委員長を務める著者が、事業再生の目的、経済における位置づけ、手順、手法などについて平易に解説した1冊。
事業再生には、何より早期に対策を立てて実行に移すことが必要である。2000年以降、米国の再生ビジネスが上陸し、その手法やプレーヤーは急激に変化した。一例がM&A(企業の合併・買収)である。事業の活性化には、選択と集中が重要で、M&Aは事業再生の早道と言える。日本では1996年以降の幾度かの商法改正で環境が整った。2001年以降、日本企業を対象としたM&Aは年々増え続けている。米調査会社によれば、2004年には2000件を突破したという。そのほか、事業再生ファンド、ターン・アラウンド・マネジャー、DIP(Debtor in Possession=占有継続債務者)ファイナンスなど、注目を集める事業再生の手法・プレーヤーの内容を説明する。
事業再生は不良債権処理と同時並行で進んだ。本書は改めて不良債権問題を解説。メガバンクに関する限り、不良債権処理は終わったとされるが、事業再生の早期着手・迅速処理の環境を整えなくては、将来、再び問題が再発する恐れがあると指摘。必要な法制度を考察する。
| キリカエ力は、指導力―常識も理屈も吹っ飛ぶコーチング | |
![]() | 宿沢 広朗 山田 久志 永井 洋一 梧桐書院 2005-10 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ラグビー界のスター選手として活躍後は日本代表監督に就任し、数々の実績を残した平尾誠二氏。現在は日本ラグビー協会の理事を務める傍ら、「コーチング」「チームマネジメント」などスポーツが有する人材育成効果を研究、普及する活動を行う。本書は平尾氏を中心に創設されたスポーツNPO法人(特定非営利活動法人)が主催した講演会の内容をまとめたもの。
平尾氏をはじめ、ラグビー界OBで三井住友銀行常務執行役員の宿沢広朗氏、野球評論家の山田久志氏ら6人が、選手や部下の潜在能力を引き出す指導法を披露する。一流スポーツ選手の誰もが体得しているスランプからの脱出法、すなわち精神的な「下げ止まり状態」での「キリカエ力」の育成こそが人の力を伸ばすと訴える。
| 人は見た目が9割 | |
![]() | 竹内 一郎 新潮社 2005-10 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() なるほど、その通り タイトルで拍子抜け タイトルはうまいけどAmazonで詳しく見る by G-Tools |
著者に聞く-パーソナルライフ-竹内一郎氏[劇作家兼大学講師] 50歳過ぎたら「顔」も人柄-『人は見た目が9割』
「人を外見で判断してはいけない」という教えに真っ向から反論する。 テレビの討論番組で場を支配する人を例に挙げ、論理的というよりも鋭い眼や低くドスの効いた声の持ち主だからだと喝破する。
――刺激的なタイトルのせいか売れていますね。
32万部になりました。新潮社は最初、売れるとは思っていなかったので初版は1万5000部でした。タイトルをつけた編集者は養老孟司さんの『バカの壁』を担当した人です。
コミュニケーションにおいて、非言語情報が重要なのですが、日本には非言語コミュニケーションについて書かれた本がありません。翻訳書はありますが、入門書が1冊もないのです。8年ほど前、郷里の福岡の先輩が九州大谷短期大学に助教授として呼んでくれて、非言語コミュニケーション論の科目を立ち上げたのがきっかけです。
そこで4年間講義をし、東京に戻って今度は東京工芸大学でも4年ほど教員をやっています。半年で12回になる講義録をまとめたのが、この本です。色とにおいについては多少カットしたため、11話になりました。私が教えた学生からは、「本は読まない」「勉強はしたくない」とハッキリ言われました。だから、こういう偏差値にして50ぐらいの人たちが読む本が必要だと考えたのです。心理学者が書いていたら、もっと理屈っぽくなったでしょう。
――「見た目が大事」とは書いていますが、ルックスの良し悪しを論じているわけではありませんね。
立ち居振る舞いやマナーを含めた全体感です。人が他人に道を尋ねる時、誰に聞くかは外見で判断しています。「親切そうかどうか」など、その時点で値踏みしているのです。第一印象は有力な判断材料です。人はみな、これまでに会った人についての評価をデータベースとして蓄えています。騙されやすい人というのはデータベースが壊れているのです。人間、50歳を過ぎれば、持っているものが顔に出ますから。ただし、ホリエモンのようにデータベースにないタイプを評価するのは難しい。
私は芝居の台本やマンガの原作を書いていますが、同じことを書いても役者や監督、漫画家によって天と地ほどの差が出ます。非言語が言語以上に重要なのです。心理学者のアルバート・マレービアン氏は「顔の表情だとか声の質といった膨大な情報の中で、言葉の内容が伝える情報は全体の7%しかない」と言っています。動物行動学者のデズモンド・モリス氏は人間のいろいろな動作のうち、「最も信用できないのが言語だ」と言っています。人はウソをつくからです。
――マンガの原作者としては既に有名ですが、次は何を書きたいですか。
「さいふうめい」の名で書いた『哲也―雀聖と呼ばれた男―』はコミックや文庫を合わせて1500万部売れました。でも芝居の脚本や演出はお金になりません。かつては、日経流通新聞のデータマンや、占い師のゴーストライターをしていたこともあります。中小企業の社長に3000人ぐらい会ったことで、怪しい人を見抜く力がつきました。
私自身は争いを好まず、いまだに見た目を気にしています。自分の信念より、(発言などが)どう伝わるかを大事にしています。大学の卒論のテーマも「世間体の研究」でしたから。立身出世や巨万の富にも関心がありませんから、講演などはしません。2月に『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』という本を出しましたが、次はマンガのABCについての本を書きたいですね。急ぎませんよ。5~8年かけるつもりです。
| チャイナリスク ある邦銀の挑戦 | |
![]() | 立石 泰則 小学館 2005-12-06 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
チャイナリスクとは中国ビジネスが内包する想定外の障壁を指す言葉だ。昨年の「反日デモ」が象徴するような思いもよらぬ政治的要因で撤退を余儀なくされた企業など、失敗例には枚挙に暇がない。そうした中、三菱東京UFJ銀行の前身である三和銀行は、今から40年以上前の1964年に香港支店を開設して以来、中国各地での事業展開に成功を収めてきた。本書は企業や財界人のルポルタージュで定評ある著者が、中国に事業基盤を築く過程から現在に至るまでの同行の足跡を、行員たちの視点に立って描き出したもの。
「中国に強い、が強み」と胸を張る彼らだが、その自信は徹底した“人との交わり”から来るものだと強調する。流儀もルールも異なる地で、様々な軋轢を乗り越えつつ現地行員の採用を推し進めた戦略もその1つであろう。また、現地の財閥や有力企業へのトップ営業はもとより、中小・零細企業に対して日本同様の“ドブ板外交”を体を張って展開し続けた志士たちの存在も光る。さらに、ビジネスの中心地である上海と、権力や監督官庁のお膝元である北京の支店では、「コンプライアンス(法令順守)」の戦略が異なると言う。北京で勝ち得た信用は全支店に有利に働くというのだ。そうした細やかな戦略の数々が明かされる。
| 自然に学ぶものづくり―生物を観る、知る、創る未来に向けて | |
![]() | 赤池 学 東洋経済新報社 2005-12 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者は科学技術ジャーナリストであり、我が国の製造業の現場で育まれたものづくりの伝統に深い愛情を寄せる有識者の1人だ。今日の最先端技術の多くには「山と海の恵み」と、それを活用してきた「日本の匠の技」が息づいていると言う。本書では、まだまだ解明し切れていない自然界の持つ英知から、我々が資源循環型社会を構築するための術を掘り出していく。
ヒトが歴史の営みの中で自然から学んで得た「人間力」、バイオ関連ビジネスの原点にある「植物力」、医療やロボット工学の分野で注目を集める「昆虫力」や「微生物力」など、難解な最先端技術の現状を著者独自の分類で分かりやすく解説する。クモやカイコの糸に研究者が舌を巻くのはその構造だけではない。類似の人工素材を作るには、高温・高圧を要するため環境やエネルギーに大きな負荷を与えてしまうと言う。自然から学び取るべき領域がまだ広く存在している現状を、著者は次々に明らかにしていく。
昆虫世界の合理性は、紫外線遮断力を有する繊維の開発、抗菌たんぱく質を導入した耐病性植物の開発や、運動機能を応用した建築システムの発見に役立っていると言う。これらの研究を積極的に行う国内の企業や大学も併せて紹介する。
| ザ・キャッシュマシーン | |
![]() | リチャード・クラフォルツ アレックス・クラークマン 三本木 亮 ダイヤモンド社 2005-12-02 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
製造を営む企業や部門に「TOC(制約条件理論)」という新たな業務改善の方法論を提示して、世界的なベストセラーとなった小説風の手引書が『ザ・ゴール』シリーズだ。本書は著者こそこれまでのシリーズとは異なるものの、その姉妹書という位置づけである。『ザ・ゴール』と同じく、ある架空の企業とそのスタッフによるドラマをベースとしているが、今回は特に販売戦略の強化法にスポットを当てている。
コンピューター・ソフトウエア機器の開発力と製造プロセスに自信を持ちながら、販売に伸び悩む会社が米国のCGS社である。同社のリーダーらはTOCを導入することを決意し、次々と問題解決を図っていく…。組織的な改善が期待できるのは主に製造プロセスであって、販売部門はそれに携わるセールスマン個々のスキルや人間性によるところが大きいために、理論値に基づく計画的改善など不可能だというのが、多くの経営者に共通する考えであろう。しかし、CGS社の挑戦は、あくまでもTOCによって従来の営業活動を「組織的に構築された誰にでも習得可能な活動へと変換する(「訳者あとがき」から抜粋)」ことであった。常態化した営業活動の無駄を発見し、部門横断的な合意を取りつけて改革を断行するためのヒントが詰まった1冊。
| 巨大投資銀行 (上) (ルビ:バルジブラケット) | |
![]() | 黒木 亮 ダイヤモンド社 2005-11-11 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() 今までと違うが、これはこれでよい バブル期に日本で何か起きてたか!この本を読めばわかる!Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 巨大投資銀行 (下) (ルビ:バルジブラケット) | |
![]() | 黒木 亮 ダイヤモンド社 2005-11-11 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() 頑張れ!邦銀 がんばれ!桂木Amazonで詳しく見る by G-Tools |
米投資銀行とは何か。巨額の利益を吸い上げる“金融工場”の舞台裏では何が起きているのか――。バブル経済崩壊から今日に至るまでに、米・日金融戦争の最前線で繰り広げられた攻防を描いた経済小説。国際金融マンから作家に転身したという著者ならではの取材力で、ストーリーには実在する組織や史実が巧みに織り込まれている。
主人公は、米投資銀行での出世競争を勝ち抜きながらも、ついには祖国に戻り邦銀再生に立つ桂木英一。竜神宗一は、裁定取引(アービトラージ)で巨額の利ざやを稼ぐ伝説のディーラーだ。史実と重なる企業買収劇や経済事件の顛末はもちろん、事実報道のみではうかがい知れないであろう、当事者たちの心の内をも描き出していく。
| もしキリストがサラリーマンだったら | |
![]() | 鍋谷 憲一 阪急コミュニケーションズ 2005-11-30 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者に聞く-パーソナルライフ-鍋谷憲一 氏[根津教会牧師] 自己犠牲は神に報われる-『もしキリストがサラリーマンだったら』
商社マンから転じた異色の牧師が企業人の具体的な悩みに答える小説形式の書。「派閥抗争に巻き込まれたら」など10の事例で「嘘をつかない」生き方を示す。拝金主義の時代にあって「自己犠牲は神に報われる」と説く。
――利益を追求することの意味が改めて問われています。
私自身、30年近く鉄鋼の輸出に携わり、月に180時間の残業も経験したばりばりの企業人でした。40代半ばにさしかかり、妻の勧めで初めて教会の集まりに顔を出した時も、こんなことを口にしていたのです。「私は商社で営業をやっています。一銭でも多く利益を上げるのが会社での正義だと思っています。キリスト教のお世話にはなりません」と。
ですから、洗礼を受けてクリスチャンになった後、「私は救われた」と喜びに満たされて話していたのですが、同僚や取引先の人は「あの鍋さんが?」「今まで好き放題やってきて突然救われるんじゃずるいじゃない」と、なかなか納得できなかったようですね(笑)。
ただ、いかに厳しい実業の世界に生きているとしても、嘘をつかないで利益を出せる方法はいくらでもあるんです。受洗後はそのことを改めて痛感するようになりました。商売に騙し合いの側面があるのは否めないにせよ、人を騙さなければ利益が出ない、というのは誤りなのではないでしょうか。
――とはいえ現実には「正直の頭に神宿る」というわけにはいきません。
ライブドアの事件で激しい批判が巻き起こっていますよね。私たちは堀江貴文さんのためにも恵みが与えられるように祈っています。何が正義なのか、何が益なのか、人間がいくら考えても正解が見えてくるわけではないでしょう。正義は我々の中にあるのではない。「裁いてはならない」と聖書にある通り、裁きは神に委ねるのがクリスチャンの生き様だと思います。他者を糾弾し、「あいつはひどい」と言い募るその人が、自ら気がつかないうちに、もっとひどいことをやっているのではないか。そう省みる姿勢こそみ心にかなうのです。
――著書では企業人が現実に直面する場面を設定し、「こんな時、イエスならどう対応するか」を描いています。
編集者の方が投げかけてくる具体的な疑問に対し、商社マンとして自分が体験したことを織り込みながら、小説形式で答えていくスタイルを取りました。本に書いてあるような現場に遭遇した時に、自分自身はまだクリスチャンではなかったのです。「もしあの時に自分が洗礼を受けていたのなら、どう振る舞っただろう」と顧みて、主人公に投影していきました。いささか「悪者」として登場する人物も含まれているものの、実際のモデルがあるわけではありません(笑)。
一方で、「自分より無能な同僚が出世したら」という章に出てくる夢の話は、実際に見た夢なんです。地震が起きてあらゆるものが会社のフロアから滑り落ちていく中で、必死に柱にしがみついている同僚を前に、「神様、この私ではなくて、あの上野君を助けてあげてください」と叫んでいた話です。私はその時、ベッドからずり落ちながら目が覚めたのですが、傍らに寝ていた妻を起こし、共に祈ってもらいながら、迷わず受洗を決意しました。
――本を通じ、第一線で頑張っている企業人に伝えたかったのは何ですか。
やはり「自己犠牲」の尊さを伝えたかったのではないかと思います。自らを犠牲にする人は神に報われる。「正直者が報われない世に神などいない」と思っておられる方に、「神様はいつでもあなたと共におられますよ」とお伝えしたいですね。
鍋谷憲一(なべたに・けんいち)氏
1947年生まれ、京都大学法学部卒。三井物産で鉄鋼輸出に携わり、99年に早期退職。東京神学大学を経て2003年から根津教会牧師。
| 97敗、黒字。―楽天イーグルスの一年 | |
![]() | 神田 憲行 朝日新聞社 2005-12 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「勝つこと」と「健全な財務」を掲げてプロ野球に新規参入した東北楽天ゴールデンイーグルス。成績は38勝97敗1分けに終わったが、経営面では5000万円の黒字を達成した。赤字が当然視されてきたプロ野球ビジネスで、初年度から黒字化できたのはなぜか。選手や経営陣への取材を中心に、楽天イーグルスの1年目を振り返る。
プロ野球ビジネスは中継放映権料、入場料、広告が収益の3本柱。従来、特にセ・リーグの球団は放映権料に依存した経営を行っていた。楽天は放映権料依存型からの脱却を目指し、球場に足を運んでもらうことに主軸を置いた。「試合に負けてもお客が楽しんでくれる球場」を作るためファン・エンターテインメント部を設置。多彩なイベント、演出でファンを増やした。
また、試合数や球場のキャパシティーに制限されることのないグッズ販売にも目をつけた。従来の球団は製造・販売を外部業者に委託し、ロイヤルティーを受け取るスタイルだったが、楽天は自らグッズを製造・販売。チームマスコットには珍しい「悪者・いたずら」キャラクターの人気などで、目標を上回る売り上げを獲得した。
三木谷浩史オーナーへのインタビューも収録。田尾安志前監督解任に至った経過なども詳細に追っている。
| インプレサリオ―成功請負人 | |
![]() | チェン シー・ユー ダイヤモンド社 2005-12 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
インプレサリオとは、非常に力のあるプロデューサーの意味。本書は、米ギャップ、米ナイキ、ファーストリテイリングなど多くのプロジェクトに関わり成功させた著者の半生記である。
中国で生まれ、日本で育ち、米国式の教育を受けた著者は、10代はグループサウンズのベーシストとして過ごし、大学卒業後、渡米してアパレル会社の社長や人気中国料理店のオーナーを経験した。1980年に帰国後、CIA(クリエイティブ・インテリジェンス・アソシエーツ)という会社を立ち上げ、流行の先端を行くレストラン、商業ビル、ホテルなどをプロデュースした。ファーストリテイリングが上場する際には、新たな企業イメージを構築し、メジャーな存在にバージョンアップするためのマーケティング戦略も構築。その後の急成長を導いた。
著者は、通常の経営コンサルタントがプロジェクトの方向づけをするのと異なり、CIAは「未来のあるべき姿を明確化し、結果が出せるよう具体的な作業を手伝う」のが特徴だとして、「未来の旅先案内人」を自称する。様々なビジネスを手がけ、波瀾万丈の日々を送ってきたことが、今の仕事につながっていると振り返る。アンディ・ウォーホル、松任谷由実ら著名人との交流のエピソードも綴られ、興味深い。
消費者金融市場の研究―競争市場下での参入と撤退に関する考察
堂下 浩 (著)
日本で急成長を遂げる消費者金融市場。本書はこの分野を本格的に研究している著者が、2000~04年の間に執筆した論文・リポートを整理したもの。消費者金融市場の状況やメカニズム、消費者金融業の歴史などを解説する。
2000年6月、改正出資法の施行により、消費者金融の上限金利は40.004%から29.2%へと一気に引き下げられた。これにより、30%台の金利水準で営業していた中小の消費者金融は事業の縮小・撤退を進めざるを得なくなり、信用リスクのやや高い「サブプライム層」と呼ばれる消費者層は必要な資金を合法的な金融機関から調達しにくくなった。その結果、法定金利をはるかに超える高金利で貸金を行うヤミ金融業者が増加。暴利に苦しむ消費者を増やしてしまった。金利規制の強化は市場の効率性を低下させ、新規参入のハードルを高める。市場全体を硬直化させ、消費者への利便性を阻害するもので問題が大きいと指摘している。
外資系金融機関、銀行などによる消費者金融市場への参入パターンを検証する中では、米シティグループの消費者金融部門であるCFJ(旧アイク)が日本市場を自力で開拓し、大手規模まで成長させた戦略を分析。多国籍な金融機関がローカル市場を開拓・運営するうえでの課題などを明らかにする。







なるほど、その通り
タイトルで拍子抜け




バブル期に日本で何か起きてたか!この本を読めばわかる!



