メイン > 日経ビジネス書評『新刊の森』(2005年) > 2005年7月25日~8月8日

“教祖”降臨―楽天・三木谷浩史の真実
4822222829児玉 博

日経BP社 2005-07
売り上げランキング : 9,915

おすすめ平均 star
starタイムリーな本
star確かに読ませる内容でした
star「三木谷がロールモデルになりうる」なんて大ウソ

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幻想曲 孫正義とソフトバンクの過去・今・未来
4822244547児玉 博

日経BP社 2005-06-03
売り上げランキング : 9,914

おすすめ平均 star
star筆者の裏切り行為が気になるけどいい本です
star読んでください。
star実にロック!

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■著者に聞く 児玉博氏[ジャーナリスト] 起業家は平凡を目指す

ソフトバンクの孫正義社長と楽天の三木谷浩史社長。プロ野球の参入問題で注目を集めた2人のIT(情報技術)経営者の半生を綴った。「秩序の破壊者」と「制度の落とし子」――。両者の相違を明快に描く。

――現在、経営者として最も注目を浴びる2人の半生を描いています。

在日韓国人3世として生を受け、佐賀県鳥栖市の「無番地」から成り上がった孫社長と、ベンチャー起業家でありながら、どこかエスタブリッシュメントの雰囲気を漂わせる三木谷社長。この2人の生き方はコインの裏表のように対照的です。

「失われた10年」と言われた1990年代、孫社長は古い秩序や規制を破壊してきました。メーンバンクが社債管理会社を務めるという金融業界の慣習を打破しただけでなく、新興市場ナスダック・ジャパン(現・大証ヘラクレス)の創設を発表し、ベンチャー企業の資金調達に新しい道を開きました。

ライブドアによるニッポン放送の敵対的買収で広く知られるようになったM&A(企業の合併・買収)にしても、10年近く前に豪州出身のメディア王、ルパート・マードック氏と組んでテレビ朝日の買収を仕掛けています。希代の天才経営者であると同時に、日本的な資本主義の「ルールブレーカー」だったと言えるでしょう。

孫社長の半生は波瀾万丈であり、強い物語性があります。だが、それゆえに、孫社長の生き方をほかの人が真似することはできない。「経営者」という以前に、「革命家」である彼の足跡は、後に続く人々のロールモデルにはなり得ない。

――逆に、三木谷社長はロールモデルになり得る、と。

父親が著名な経済学者というのは特殊ですが、地方の公立高校を卒業し、1浪後に一橋大学入学、そして日本興業銀行に入行する――という彼のキャリアは、「1億総中流」と言われた日本人の常識から外れたものではない。

また、三木谷社長が旧日本興業銀行を辞め、楽天を創業した背景には、90年代の構造改革や金融改革、IT(情報技術)革命がありました。三木谷社長やその後に続く起業家は、制度改革の落とし子。ある意味では、孫社長が破壊した秩序の後を歩んでいる。

もちろん、三木谷社長も孫社長に劣らぬ経営者です。ただ、孫社長に比べれば、三木谷社長の人生の方が平凡なだけに実現可能に見える。雑誌「小学六年生」が三木谷社長を特集したのはその象徴ではないでしょうか。起業家を目指す子供たちのモデルは破壊者、孫社長ではなく、三木谷社長なのです。孫社長の役回りには皮肉なものを感じますね。

――2人の後には、ライブドアの堀江貴文社長ら次の経営者が控えます。

ここにきて、秩序の破壊者だった孫社長の立ち位置は変化している気がします。プロ野球の参入問題でも、初めに行動を起こしたのはライブドアの堀江社長でした。孫社長のソフトバンクはこれまでと違って、堀江社長が暴れ回った後に福岡ダイエーホークスのスポンサーに名乗りを上げています。

ニッポン放送問題にしても、破壊者の役回りを演じたのは、堀江社長や、M&Aコンサルティングの村上世彰代表でした。彼らの目には、孫社長が破壊すべき存在に映っているようにさえ思えます。堀江社長や村上代表ら、後に続く起業家については、次の連載で描いていくつもりです。

児玉博(こだま・ひろし)氏
1959年大分県生まれ。早稲田大学卒業後、ジャーナリズムの世界に。旧大蔵省幹部の接待汚職でスクープを飛ばした。経済事件の取材に定評がある。

■2005/08/08, 日経ビジネス, 75ページ

伊勢丹な人々
4532165121川島 蓉子

日本経済新聞社 2005-05-14
売り上げランキング : 6,808

おすすめ平均 star
star内容が浅いような
star伊勢丹が好きな人、バイヤーには必須の1冊
star調査不足で、伊勢丹思い出話みたい。

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百貨店業界に逆風が吹き荒れ、そごうの破綻や西武百貨店の低迷のニュースが駆け巡る中、飄々と地盤を固めていった老舗デパートがある。2003年度の百貨店店舗別売上高ランキングで、東京・新宿の伊勢丹が三越本店に次ぐ2位に浮上。西武百貨店池袋店を抜いた。本書は伊藤忠ファッションシステムで消費動向の調査研究を行う著者が、伊勢丹の強みを“人”という視点から解読しようと試みたもの。

伊勢丹の革新的な戦略を語るうえで欠かせない男がいる。1990年代同店のバイヤーとして活動し、福助の社長として改革に腕を振るってきた藤巻幸夫氏だ。安定した高級ブランドテナントの誘致が主流の時代にあって、無名デザイナーたちの商品群で売り場を埋め尽くした「解放区」や、今日のメンズファッションの隆盛をいち早く見越した「メンズ館」などの仕掛け人として業界に一石を投じてきた。

著者は伊勢丹の強みを、そうした「濃い人間たちの強い思いの結集」だと見る。同店の社員には「55%攻撃論」という共通語が存在していると言う。新規のアイデアに50%の自信があれば上司に相談し、55%だと確信したら自分の判断で動けというのだ。成功事例とともに、多くの企業に当てはまるであろう勝利の法則を探り出す。

■2005/08/08, 日経ビジネス, 73ページ

世界の経営思想家たち―ピーター・F・ドラッカーほか三十余人
4860291247小林 薫

清流出版 2005-06
売り上げランキング : 25,052


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世界的に名を馳せた経営思想家、著名コンサルタントらが残した金言や箴言に、産能大学名誉教授であり国際経営評論家である著者が今日的な視点から解説を加えた書。過去の経営論には不変性を有するものもあれば、もはや古典的価値しか認められないものもある。膨大な論文や著作の一つひとつを検証し直す作業は困難だが、長年国際経営の第一線に関わった著者というフィルターを通した本書は、望むべき論説集に近いと言えよう。

現代の経営、特にグローバルマネジメントのカギとなるテーマを各章に立てて、それぞれに対し計30人以上の思想家の見解を示す。「マネジメントとマネジャー」の章では、個人的にも親交のある経営思想家、ピーター・F・ドラッカー博士の持論を端的にまとめて示す。特に著者自身が一番気に入っているという「強みの上におのれを築け」という言葉を引用し、日本人が真摯に受け止めるべき教訓について解説する。

「変革と戦略」の章では、ハーバード大学教授のマイケル・E・ポーター氏が世に示した「競争優位の戦略」を分かりやすく解説。最終章では「日本のマネジメントの戦後50年――わが私説裏面史」と題して、自身が影響を受けた思想家らとの交流秘話などを披露する。

■2005/08/08, 日経ビジネス, 73ページ

日本道路公団―借金30兆円の真相
4140810203NHK報道局「道路公団」取材班

日本放送出版協会 2005-05
売り上げランキング : 2,762

おすすめ平均 star
star日本の高速道路行政の問題点を明らかにした一冊

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郵政民営化を巡る喧騒にかき消されつつある日本道路公団民営化問題だが、何も解決していないどころか、今後長きにわたって日本社会を苦しめる病巣であるという事実が、日を追うごとに明らかになっている。国家予算のおよそ3分の1に相当する30兆円の借金をどうするのか、それ1つ取っても有効な打開策は提示されていない。

天下り、談合、露骨な票集めに象徴される政官財の癒着や不透明な会計操作など、国民の目を欺きながら肥大化した悪の構造はいかにして生まれ、増殖を遂げてきたかを、NHK取材班が独自の調査でまとめた。昨年8月に放映され反響を呼んだNHKスペシャル「調査報告  日本道路公団~借金30兆円・膨張の軌跡~」の内容に新たな取材を加え、道路問題の闇に迫る。

昭和30年代以降、「国会議員が自分の関係する地域に高速道路を敷くための法律が毎年成立していった」。それに歯止めをかけるべく総延長距離を7600kmに抑える法改正が成されたのだが、それすら「一般有料道路はこれに含まない」という“裏技”によって有名無実化していく。同時に不採算路線に対する税金投入も、歯止めを失っていく。そうした過程を膨大な内部資料や当時の関係者らへの取材を通じて整理する。

■2005/08/08, 日経ビジネス, 73ページ

わが闘争―不良青年は世界を目指す
4872575660角川 春樹

イースト・プレス 2005-06
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おすすめ平均 star
star自慢かよ
star角川春樹 この凄い人
star愛と激励の一冊

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角川書店元社長による半生記。創業者である父・角川源義や幼時に生き別れた生母との確執、麻薬取締法違反で経験した刑務所生活などを赤裸々に綴る。弟の角川歴彦・角川ホールディングス会長への敵意を剥き出しにし、自らが体験してきたという超常現象を詳細に記すなど特異な1冊だが、出版事業をいかに変革してきたかを振り返るくだりは興味深い。

かつて、角川書店は作家に印税が支払えないほど経営状態が悪化していた。著者は活字と映像と音楽をリンクする「メディアミックス路線」を進め、ベストセラーを連発する。評価が安定した名作、古典向けとして定着していた文庫本に映画作品の原作などを取り入れ、派手なカバーをつけて、「読み捨て」にしたのも著者のアイデア。映画の宣伝にはテレビコマーシャルを活用し、その宣伝コピーを文庫本の帯にも使うなどして認知度を高めた。

麻薬事件での逮捕後、角川書店社長を解任されたが、1995年には角川春樹事務所を設立、再び出版事業を始めた。現在、他社から買い取った雑誌「ポップティーン」でティーンズ市場のトップを狙う。新創刊した少し上の世代向けの雑誌なども含め10代後半~30歳ぐらいの女性読者を獲得したいと経営戦略を披露している。

■2005/08/01, 日経ビジネス, 89ページ

大事なことだけを考える技術
4478760799鷲田 小彌太

ダイヤモンド社 2005-06-10
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おすすめ平均 star
star技術は伝わらない
starせっかく買ったのに・・・。

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人生で起こる様々な現象の中で、本当に「大事なこと」とは何か。本書は、大事なことだけを考えられれば、思考と決断をスピードアップできるとして、大事なことを発見し、大事なこととそうでないことを判別する技術を解説する。  まず、著者は自分が大事だと思うことを紙に書き出すことを勧める。1枚に1つずつ書き、ふるいにかけて本当に大事なものを見極める。それに順番をつける。大事なことの順位は不動ではない。勤める会社がうまくいかなくなる、家族が病気になる、国の存立が危うくなるような戦争が勃発する〓〓など、事情によってその順序も変わる。ある時大事と思えたことも、いずれ色あせる。「朝令暮改」のようになっても、その場その場で、一番いいと思ったものに素直に対面すればいい。率直に柔軟に生きてこそ、大事なものを失わないで済むのだと指摘する。  大事なことは完成品としてどこかにあるわけではない。未知で未見の物、人、事を求める意思を持ってこそ発見できるものである。その大事な願望を実現するためには、目前に立ちふさがる問題に対処し、解決することが必要。完全な解決を求めないこと、目の前のことを淡々と片づけていくことなど、具体的な思考法や行動法を解説する。

■2005/08/01, 日経ビジネス, 89ページ

CSRイニシアチブ―CSR経営理念・行動憲章・行動基準の推奨モデル
4542701565日本経営倫理学会・CSRイニシアチブ委員会 馬越 恵美子 昆 政彦

日本規格協会 2005-06
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日本企業の間で、CSR(企業の社会的責任)への関心が急速に高まっている。日本経営倫理学会は昨春、産学協同のCSR研究部会を設け、研究活動を行ってきた。今年2月にはCSRイニシアチブ委員会を設立。委員会の活動の一環として、CSRのポイントを紹介する本書をまとめた。

本書は企業の主要ステークホルダー(利害関係者)として、消費者、取引先、従業員、株主、地域社会・地球環境、競争会社、マスメディア、行政、NPO(非営利組織)・NGO(非政府組織)、国際社会の10者を挙げる。CSRに含まれる責任を法的、経済的、倫理的、社会貢献的責任の4つと位置づけ、ステークホルダーごとの責任に基づく行動憲章を制定する。

さらに、このCSR行動憲章を計250項目の行動基準に落とし込む。例えば、消費者に対する経済的責任として「適性機能」「適正価格」「合理的で経済的な価値の提供」を、社会貢献的責任として「社会貢献の啓発活動」「バリアフリー社会の構築支援」「寄付金協賛型活動」などを挙げ、具体的な内容を例示する。

企業規模などに応じて、対象とするステークホルダー、責任のレベルを絞って活用することも可能。企業がCSRを進めていくうえで羅針盤となる。

■2005/08/01, 日経ビジネス, 89ページ

市町村崩壊 破壊と再生のシナリオ
4902835045穂坂 邦夫

スパイス 2005-05-28
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おすすめ平均 star
star再生へのシナリオは住民主体

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■著者に聞く穂坂邦夫氏[前埼玉県志木市長] 市長と議会の両方は不要

近未来小説風に、市町村の崩壊と再生までのシナリオを綴った。小学校の少人数学級や一般市民への業務委託など、改革を進めたアイデア市長らしい発想。本書には地方自治体が今、なすべきことが記されている。

――改革派市長として鳴らしながら、なぜ1期4年でやめてしまったのですか。

最初から4年と決め、自分にも言い聞かせてきました。4年間で基本的な方向性は出せました。埼玉県の職員に始まり、志木市議や埼玉県議など39年間地方自治の世界にいました。直接かかわるのはもういい。NPO(非営利組織)の立場でより多くの地方議員や職員に情報提供した方が、改革を加速させられると判断しました。

志木市では議会、市役所、市民それぞれに特別委員会を設けるなど意見を出してもらい、927の事業すべてを見直しました。スクラップ・アンド・ビルドを進めた結果、12億7000万円を削減できました。市民から「毎月50万~60万円の支出は無駄」と指摘のあった公用車は廃止し、花火大会も5年に1回に減らしました。一方、小学校の25人学級実現にかかった費用は5000万円です。

役所は非営利的独占サービス企業体です。志木市程度の規模の自治体の経営はさほど難しくありません。行政は職員の雇用を考えるべきですが、公務員を食わせるために存在しているわけではありません。職員定数を減らすことで人件費を削減しましたが、職員には「皆を守るためだ」と言って説得しました。破綻してしまっては、退職金すら払えなくなりますから。

――収入役や教育委員会の廃止という改革案は、議会で否決されました。

星取表をつけるなら、6勝24敗でした。多くが否決されたのは根回しをしなかったからです。根回しをするとどちらの顔も立てなければならず、足して2や3で割ることになります。修繕ならこれでいいのですが、改革では成果がゼロになってしまいます。抜本改革をするなら原案に対して「イエス」か「ノー」しかありません。

収入役の廃止は、議会では否決されましたが、国が地方制度調査会で見直しの方向で検討することになるなど、成果もあります。市役所を変えるには、民間から人を採用するぐらいでは効果が出ません。民間出身者と純粋な公務員の数が逆転してようやく変わります。だから市民を市役所にドンドン入れました。市役所の受付は今、時給770円という有償ボランティアです。広報誌の作成もNPOに頼んでいます。彼らとはパートナーシップ協定を結び、業務を委託するだけでなく、市制への提案権も持たせています。

――本書の描く近未来は、自治体が破綻する様が描かれています。ここでは市長も議員も無給です。

グローバリゼーションが進んでいるのに、地方の行政構造だけは60年前と同じままです。ここにメスを入れないとダメだと思いました。首長と議会からなる2元制は、議会が首長を牽制し、監視するという意味では理想的です。しかし、果たして小さな市町村にも必要なのか。例えて言うなら、今の自治体は泥棒に入られないようガードマンを雇い、番犬を飼い、鉄条網を張り巡らした結果、お金がなくて食うに困っているような状況です。これでは本末転倒でしょう。

住民が無関心なのは、行政主導が当たり前で、官尊民卑の発想が根づいているからです。地方自治を戦い取っていないからですが、住民の関心を引きつけるには情報公開が一番です。議会を昼間開くという発想もどうでしょうか。志木市でもその点は改められず、反省しています。

穂坂 邦夫(ほさか・くにお)氏
1941年生まれ。埼玉大学卒。埼玉県議会議員などを経て、2001年から2005年6月まで志木市長。退任後、NPO「地方自立政策研究所」設立。

■2005/07/25, 日経ビジネス, 95ページ

内部告発の研究
4534039042六角 弘

日本実業出版社 2005-04-28
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談合、癒着、粉飾決算、商品の欠陥隠しなど、企業や官公庁による不正や犯罪の多くは「内部告発」によって暴かれてきた。「週刊文春」などの記者として企業犯罪の実相を追い続けてきた著者が出入りする新聞社や雑誌編集部には、日々そうした告発文や怪文書が届くと言う。近年の傾向として、信憑性の高い告発が増えていると言い、実例を示しながら解説を加えていく。

まだ記憶に新しいNHK元プロデューサーによる8000万円横領事件も、内部告発によって明るみになった。批判は受信料不払い者の急増にまで発展してNHKの体制の根幹を揺さぶる結果となった。「組織の中では何の力もない一社員の告発によって、大企業であってもいつ足をすくわれるか分からない、そんな時代に突入している」と著者は警告する。

8年前の防衛庁による「防衛装備品納入代金の巨額水増し請求事件」については、マスコミ各社に配られた告発対象者の実名入り怪文書をそのまま掲載している。間近で悪行を見続けた者にしか表現し得ない細部にわたっての記述が生々しい。さらに雪印乳業、日本ハムの牛肉偽装事件や三菱自動車のリコール隠し、武富士の武井保雄元会長の逮捕に発展した盗聴事件などの顛末を“告発”を軸に追っていく。

■2005/07/25, 日経ビジネス, 93ページ

日本経営品質賞とは何か (2005年度版)
4820118080社会経済生産性本部

生産性出版 2005-04
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本書を編集・発行する財団法人社会経済生産性本部が主体となり、1995年に創設されたのが「日本経営品質賞」である。「変化する経営環境に対応し、率先した経営革新によって顧客本意・競争優位の経営を実現した企業」を卓越した経営モデルとして表彰してきた。第1回はNEC半導体事業グループが受賞、以後アサヒビール、リコー、千葉ゼロックス(中小企業部門)などが受賞している。本書は、基準となる「2005年度版アセスメント基準書」に基づいて、今日の企業が目指すべき経営に至る道筋を示すもの。

アセスメント基準の柱としてまず提示されるのは、顧客本位、独自能力、社員重視、社会との調和の4要素だ。それらを具体的な行動に移す時の「経営において重視する考え方」としては、顧客から見たクオリティー、リーダーシップ、対話による「知」の創造、スピードなどの重要性を挙げる。さらに個々の要素について、基準を満たすレベルや取り組み方を解説していく。また、同賞へのエントリー方法と審査の方法を示し、企業へ参加を呼びかける。表彰対象は大規模部門(300人超)と中小部門(300人以下)に分かれ、一昨年からは行政・自治体も対象に加わった。1人の審査員が審査に費やす時間は平均100時間を超えるとも言う。

■2005/07/25, 日経ビジネス, 93ページ

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