メイン > 日経ビジネス書評『新刊の森』(2005年) > 2005年10月3日~10月17日
| 昔、革命的だったお父さんたちへ―「団塊世代」の登場と終焉 | |
![]() | 林 信吾 葛岡 智恭 平凡社 2005-09 売り上げランキング : 131,439 おすすめ平均 ![]() 一気に読み終えました。 むしろ学生運動の概説書として 団塊のお父さんの若い頃Amazonで詳しく見る by G-Tools |
定年を間近に控えた団塊世代。善くも悪しくも今日の日本社会の形成に重大な役割を果たしてきた彼らを徹底検証する。40代の著者らは、高度経済成長に乗って奔放に時代を駆け抜けた団塊世代を羨む一方、「信念なし責任なし金こそすべて」といった負の風潮をまき散らした“戦犯”だと指摘してその責任を問う。
年金持ち逃げ世代にだけはなってくれるなと言う。「バブルのツケを次世代に押しつけ、闘争ならぬ逃走を試みるというのなら、袋だたきにしたくなる」など、荒っぽい叱咤激励も飛び出す。しかし、根底には子や孫たちのためにいま一度理想に向かう革命家の血を煮えたぎらせてほしいという願いが込められた書である。
| 「プロ経営者」の条件 | |
![]() | 折口 雅博 徳間書店 2005-07-22 売り上げランキング : 218 おすすめ平均 ![]() 起業とは?を大いに考えるきっかけ 事業のセンターピンを見抜け 歩みを知ってこそAmazonで詳しく見る by G-Tools |
■著者に聞く 折口雅博氏[グッドウィル・グループ会長兼CEO] 大きく社会貢献をする
人材派遣のグッドウィルと介護のコムスンを、1400億円の事業に育てた著者。貧困時代から防衛大、商社、ディスコの企画、そして現在までの歴史を綴る。そこには、一貫した人生哲学と経営哲学があった。
――精神的な基礎作りが成功を導いたと書いていますね。
僕は、グッドウィルを創業した時に、5人の社員の前で、「5年以内に株式公開をして、10年以内に売上高を1000億円にするぞ」と言ったんです。まず、夢と志を宣言した。そのために「拡大発展、社会貢献、自己実現」という企業理念を制定して、社員みんなで夢と志を共有しました。大きいことはいいことなんだと。大きな力を得て、大きく社会貢献をすると。
大きくなっても質を伴って崩れないようにするために「弛まぬベンチャースピリット」という社是も作りました。夢と志を与えて、理念で共有し、社是で固める。そうすると、DNAがしっかりとできて、新しい社員にもどんどん伝播していくのです。
だから我々の売上高は、昨年の930億円から1400億円に伸びる。企業買収による効果は100億円で、あとは自力成長ですよ。なぜそれができるか。なぜ5割も成長できるのか。会社が小さい頃から植え込んでいるDNAが、連続して社員に共有されているからです。
今は、サービスコングロマリットのトップを目指すと言っている。そして10年後に売上高1兆円を実現すると。夢と志はさらに高く進化するけれど、理念や社是は変わりません。
――潜在意識への刷り込みも重要だと。
例えば、コンプライアンス(法令順守)とか個人情報保護法とかは、単にルール違反を罰する仕組みだけではダメなんですよ。我々には、理念や社是を実践する指示書と言うべき「グループ十訓」という中に、「正しくないことをするな、常に正しい方を選べ」という訓示があります。それを、いつもみんなで唱和しているんですね。そうすると、迷った時でも、正しい方を選ぶ行動が自然と心の中から出てくる。
僕自身は昔からやっていますよ。絶対に成功したい、でかくなりたいとか。思えば思うほど潜在意識が満たされてそれが行動に出る。進学もそうです。
父親の事業が倒産して、どん底の貧困生活に急転。仕送りをするために高校は自衛隊少年工科学校に行きました。予想以上に訓練が厳しくて、防衛大学校へ進学するのは400人中10人と狭き門でしたが、それでも、入学した時から防衛大へ行くんだと自分に言い聞かせて、乗り越えました。
――テクニカルな経営論として、センターピン理論を挙げています。
業種によって違いますが、ディスコだったら満杯というように、外してはいけない真ん中のポイントがある。レストランはどんなに内装やサービスを良くしても、味がまずかったら行かないですよね。そこを見極めて、外さない経営をすればいいのです。
介護事業で言えば居心地のよさ。我々は医者と戦ったら勝てるわけがないけれど、何かあったら医者にかかればいいわけで、毎日のことじゃない。基本的にケアですから、やっぱり居心地がよいことが一番です。だから、我々はブランドを作っている。なぜコムスン、コムスンと、あれだけ宣伝しているかというと、それは安心感なんですね。安心して任せられると居心地もよくなりますから。
我々が介護を受ける方からお金を頂くことも非常に大事。お金を払ってケアを受けるということで、いい意味での権利意識が出るし、それは居心地のよさになるんですよ。やる方も、プロとしてやることによって甘えが許されなくなる。だからいい介護ができる。全部、センターピンにつながるのです。
折口 雅博(おりぐち・まさひろ)氏
1961年生まれ。84年防衛大学校卒業、日本ユニバック(現日本ユニシス)、日商岩井を経て、95年にグッドウィル・グループを設立。
| イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド | |
![]() | 小田嶋 隆 朝日新聞社 2005-09-15 売り上げランキング : 5,225 おすすめ平均 ![]() おもしろい!Amazonで詳しく見る by G-Tools |
副題は「ネット巌窟王の電脳日記ワールド」。今、いわゆる「ブログ」と呼ばれるインターネット・サイト上の個人日記の出版がブームになっている。本書はその流れの1つではあるが、著者はプロのコラムニストでもある。テーマは政治、事件、スポーツからエンターテインメント、身近な話題まで多岐に及び、「ネット巌窟王」の通称通り、市販の新聞や週刊誌などに連載を持つ著名コラムニストらとは一味も二味も異なる視点と語り口で、社会の隙間に潜む矛盾を切り取っていく。
ある日のテーマは「愛国心」だ。若者のサッカー熱や朝鮮民主主義人民共和国への国民感情を巡る報道、教科書問題などを取り上げつつ、自らの心の底に潜む本音と、世間で言う「愛国心」との距離を詰めていく。結論として、愛国心の大部分は過剰な自尊心であって、他国に対して謙虚になれないのは傲慢だと綴る。「お世辞」と題した日記では、詐欺商法に引っかかる人が後を絶たない現状を嘆きつつ、「長年、お世辞を聞いて暮らしてきた人間は、お世辞なしで生きていくことができなくなる」と分析し、打つ手がないとさじを投げてしまう。そのほか、選挙、回転寿司、秋葉原、ネット世界に登場した新商品などについて、主観と客観を交錯させつつ論評を展開していく。
| 技術系ベンチャーのイノベーション評価法 | |
![]() | 松井 憲一 ダイヤモンド社 2005-09-15 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() ベンチャー関係者必読 起業家や金融マンにお薦めAmazonで詳しく見る by G-Tools |
著者は大手金融機関の調査部などを歴任後、日本経済団体連合会が行う新事業創出活動に携わり、現在はUFJベンチャー育成基金の常務理事として活動する松井憲一氏だ。金融業界においては、技術系ベンチャー企業への期待と投資意欲が高まりつつある一方、「リスクの高い分野とそうでない分野を見分ける知見などの集積や共有がなされていないことが問題である」と危機感を抱く。そこで本書では、研究開発型ベンチャーの事業性の評価方法とその応用事例を示す。ここで提案する評価法は、政府系及び民間金融機関、都道府県などのベンチャー支援財団、ベンチャーキャピタルにとって大きな指針となるであろうと言い、ベンチャー企業の側にも事業戦略や新製品開発の羅針盤にしてほしいと述べている。
まずはベンチャー企業と金融機関の基本的な関わり方を整理して示す。そのうえで、対象となる企業の「市場実績」と成否の関連性を、ケーススタディーを織り交ぜつつ解説する。特に市場実績が小さい企業の成功率を高める要因について、「企業提携」「集中戦略」などをキーワードに据えて詳しく論じる。後半では、それらに基づく「事業性」と「経営資源(経営者・技術・財務)」の評価法を示し、具体的な13社を挙げて事例を紹介していく。
| 本田宗一郎と井深大に学ぶ現場力 | |
![]() | 吉村 久夫 日本経済新聞社 2005-09 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
人生の大半を経済記者として過ごし、日本企業が内包する「現場力」を身をもって取材し続けてきた著者が、第2、第3の本田宗一郎氏や井深大氏の出現を願い綴った書。今、多くの日本企業が抱える離職率の増加や勤労意欲の低下といった問題を解決するヒントは両氏の哲学にあると言い、2人が挑み育んだモノ作りの英知と普遍的な教訓を改めて解き明かす。
「『人生は仕事だ』とすれば、仕事をする現場とはなんだろうか。一番いい言葉が『現場は宝の山だ』である。人は現場で育ち、現場で情報を知り、現場で創意工夫する。その意味で、現場にこそお宝が転がっている」。著者はそう語り、今日の経営トップに、創業哲学に思いを馳せ、原点に回帰せよと訴える。「技術の天才」と称される本田氏、井深氏もスタートは「素人」であったと言う。
失敗を繰り返しながらも成長し続けた両氏は、人真似はしない、人の話に素直に耳を傾けるなど、誰の心にも眠る素朴でありながらも強靭な信念を守り続けたのだと評価する。著者が本誌の編集長を務めていた当時に行った両氏へのインタビュー記事も併せて掲載。仕事に懸けるひた向きな姿勢や人間味溢れる大らかな個性が滲み出ており、今を生きる我々に勇気とヒントを与えてくれる。
| 初代総料理長サリー・ワイル | |
![]() | 神山 典士 講談社 2005-09 売り上げランキング : 39,281 おすすめ平均 ![]() 日本の西洋料理史 点から線へ、そして面へ うなりましたAmazonで詳しく見る by G-Tools |
昭和初期に来日し、横浜のホテルニューグランドの初代総料理長として本格フランス料理を伝えたスイス人シェフ、サリー・ワイルの生涯を描く。
ワイルはニューグランドで20年間、フランス料理を作り続け、多くの顧客に愛された。その味は評判を呼び、皇居や皇族私邸でも出張料理として振る舞われたという。調理場では、持ち場を半年から1年で変えるローテーション制を導入して料理人を鍛えた。スイス帰国後も、本場欧州で修業したいという料理人たちの受け入れを手伝い続け、ワイルの下からは、名だたるホテルやレストランの料理人が弟子として巣立った。
ワイルの名前は消えかけているが、今もフランス料理の1皿1皿に、その情熱が満ちていると指摘している。
| アースダイバー | |
![]() | 中沢 新一 講談社 2005-06-01 売り上げランキング : 127 おすすめ平均 ![]() 美しいイメージ 学術的価値とはなんだろうか 東京の深淵を覗き見るAmazonで詳しく見る by G-Tools |
■著者に聞く 中沢新一氏[思想家・哲学者] 東京の「文化防衛論」
街を歩いていて東京には縄文時代からの歴史が残っていることに気づいた。しかも単に残っているだけでなく、古代の考えがそのまま継承されている。そんな蓄積された街の記憶を根こそぎ壊す都市開発に疑問を呈する。
――東京は世界でもまれに見る歴史ある所なんですね。江戸時代以降、急に栄えたと思っていたので驚きでした。
東京の今ある姿が形作られたのは縄文時代の頃です。東京湾は現在よりもずっと内陸にあり、見事なリアス式海岸を形作っていました。この湾に流れ込む川の周辺にいくつもの村落が形成されました。
歴史ある街並みとされている京都や奈良は、街が人工的に縦横に整備されたことで、古い地形は失われてしまいました。それに比べ、東京は地形自体を変えてしまうような大規模な整備が行われなかったことで、縄文時代からの人のたたずまいを残す、より深い歴史の層を残すことができたのです。
――縄文時代の名残が東京には至る所に残っているのも驚きです。
東京の街を散歩して気づいたのです。戦争や震災を経験し、大改造されたはずの東京ですが、よく見てみると縄文時代から、ほとんど変わっていない。東京のど真ん中の港区や新宿区でさえ、縄文の記憶をとどめています。
そこで、海抜が今よりもずっと高く、海が内陸まで入り込んでいた縄文時代の地図を頼りに、土地に眠った歴史や神話を散歩しながら探っていきました。すると、今まで見えなかったものが見えてきたのです。
例えば、古い大学のほとんどは古代の埋葬地や貝塚などの上に建てられていることが分かりました。昔から、学問や知性には死の感覚が必要不可欠で、生者の権力から自由な空間でなければならないという考えがありました。その考えが古代から引き継がれ、死者が住む場所にちゃんと学問の場が建てられているのです。
東京タワー周辺も、縄文時代は海に突き出た半島で、聖なる場所でした。当時、海は死の領域であり、半島は人間的なものとそれを超越したものが触れ合う場所と考えられていました。そんな聖なる土地に、戦場で死を見つめてきた戦車の鉄を使って東京タワーが建てられました。聖なる土地に霊的なオーラを発するアンテナが建っているというのも興味深いことです。
古代から蓄積されてきた歴史の層の上に無意識に同じ意味合いのものを建ててきた。そんな積み重ねでできた街が今の東京と言えるのです。
――最近の都市開発でこの蓄積されてきた街の記憶が破壊されつつあると指摘されています。
縄文時代から深く刻まれた土地の記憶は21世紀の今、都市再開発という名の破壊活動によって、地形そのものから変えられようとしています。開発者側の個人的な構想によって、昔から積み重ねられてきた歴史の層が、いとも簡単に破壊されていく。そんな事態を目の当たりにし、疑問を感じざるを得ませんでした。単なる懐古趣味ではなく、縄文時代から積み重ねられてきた文化の層を守る「文化防衛論」を書きたいと思ったのです。
東京は長い年月をかけて、無意識的に積み重ねられた歴史の上に建っている、世界でもまれに見る街です。そんな貴重な街がお金や権力によって、壊されていく事態を黙って見過ごすわけにはいかないと感じたのです。
この本を読んで、東京の街を散策していただきたい。しかし、それ以上にこの本を読んでもらいたいのは、開発をする側の人たちです。その土地の特徴を生かしたアースダイバー的な「街の作り方」もあるのだということを知ってもらいたいのです。
中沢 新一(なかざわ・しんいち)氏
1950年、山梨県生まれ。東京大学大学院修了。著書に『チベットのモーツァルト』や『カイエ・ソバージュ全5巻』など。
| 「食」の大戦争~売れる仕組みはこう創る | |
![]() | 厚美 尚武 東洋経済新報社 2005-08-19 売り上げランキング : 16,874 おすすめ平均 ![]() 売り方の気持ち 「食」業界以外の方にもためになりそう・・・Amazonで詳しく見る by G-Tools |
競争が激化する食業界。どうすれば顧客が増え、売り上げ、利益が伸びるのか。本書は様々な実例を挙げながら、食ビジネスの「目のつけ所」を示す。
食材・食品の企画開発に当たっては、誰の、どんなニーズに応えるかを明確に定めることが重要。それには、「不便、不満に注目する」「あったらいい…を実現する」という2つの視点で市場を見ることが大切だ。例えば、今、女子高生やOLには190ミリリットルのボトル缶が人気だが、これは「300ミリリットル缶は重くてかさばるから持ち運びに不便」「少しのどを潤したいだけなのに」といった不便、不満の声に気づいたのがきっかけだった。
ターゲット顧客に向けて、食材・食品のコンセプト作りをする段階では、時代性、先進性、独自性の3つの要件を追求することがポイント。ハウス食品の「黒豆ココア」はテレビ番組などで人気が出たココアと、健康食品市場の売れ筋に挙がっていた黒豆を組み合わせた製品。健康志向という時代の流れをとらえたことで、手軽においしく体に良いものを取りたいと思う中高年女性の支持を得た。
「時間をかけて作る」「物流にこだわる」「適量を提供する」など、他社商品との違いを出すための実践的なアイデアも紹介する。
| 「強い」会社は、どこが違うか―勝ち続ける企業の〈シンプルな法則〉 | |
![]() | ローレンス・ホートン アスペクト 2005-08 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
企業の業績を左右するのは戦略の優劣ではない。従業員が計画を確実に遂行するか否かが分かれ目である。本書は、従業員に計画を完遂させるためには、「方向性を明確にする」「適切な人材を見つける」「賛同を得る」「個人の主体性を増す」という4点が重要と指摘。それぞれ具体策を示す。
ある研究によれば、従業員の半数近くが自分たちのビジネスの方向性を理解しておらず、目標達成のための道筋が見えないと答えたという。本書は、従業員に明確な方向を示すため、マネジャーは期待を明確にすること、言外の意味を汲み取ること、正確な評価をすることが必要と説く。曖昧な期待は具体的で計測可能、説明可能、現実的で時間制限がある目標に変える。大きな目標を各階層に見合った大きさに分け、立ち往生した時は話し合うといったやり方が必要と説明する。
一般的に、目標にふさわしい人材を決める時にはその業務の経験者を探すもの。だが、ビジネスが絶えず変化している場合、新しいアイデアに迅速に対応すべき場合など、経験者の採用が有効とならないことも多い。著者は、経験よりも仕事に対する姿勢が重要と主張。目標に適合する姿勢を見極める方法、最高の人材となり得る候補者を選別する方法などを示す。
| 脱税の決算書 田中角栄~堤義明の逃税学 | |
![]() | 立石 勝規 徳間書店 2005-08-31 売り上げランキング : 10,977 おすすめ平均 ![]() 決算書とはいうものの・・・Amazonで詳しく見る by G-Tools |
国税局に査察部が誕生して以来、摘発した脱税事件は約1万2000件、約6万人に及ぶ。査察部に追跡され、逃げ切った人物はほとんどいない。非常に成功率が低く、実刑が科されることもある脱税だが、“挑戦者”は後を絶たない。元毎日新聞論説副委員長である著者が、悪知恵の限りを尽くし、国を騙そうとする人々の暗躍ぶりを追跡する。
2005年1月、法人税法違反に問われた平哲夫・元ライジングプロダクション社長の懲役2年4カ月の刑が確定した。安室奈美恵、SPEEDら人気タレントを抱えたライジングは、平社長の指示で架空の役員報酬費、外注費などを計上。3年間で26億3000万円の所得を隠し、10億2000万円の法人税を脱税した。平社長は5億円を超える裏金を手にした。
査察部がライジングを追いかける過程で、加藤紘一・元自民党幹事長の事務所元代表の脱税、浜田常吉・元札幌国税局長の脱税という第2、第3の事件が浮上した。
「逃税者」たちは、脱税で得たカネをそのままにできず、新たなカネを求めて動く。その痕跡が国税局の情報網にかかる。脱税は麻薬と同じで、何度も繰り返す。脱税は露見しやすい宿命を持った犯罪だと指摘している。
| 住宅購入学入門-いま、何を買わないか | |
![]() | 長嶋 修 講談社 2005-06-21 売り上げランキング : 7,515 おすすめ平均 ![]() なるほど・・・ 住宅には国民の哲学が必要であるAmazonで詳しく見る by G-Tools |
個人向け不動産コンサルティング会社を率いる著者が、住宅購入に際して持つべき基礎知識や哲学をまとめた。
住宅販売では、「低金利の今が買い時」というセールストークがつきもの。だが、住宅の販売価格は金利を織り込んで決定されるため、金利上昇時には不動産価格が下がりがちだという。
地価下落が続いたことで、これからは建物の価値が重要になる。表面を繕った設備過剰な住宅ではなく、丁寧にメンテナンスをして長く大切に住み継がれた「ヴィンテージ住宅」に価値が出る風潮に変わると予測する。
住宅購入に当たって最適な解を得るためには、情報ではなく、どのように生き、住宅とどのように関わるかという自身の哲学が必要と指摘している。
| 時空を旅する遺伝子~最新分子生物学の不思議ワールド | |
![]() | 西田 徹 日経BP社 2005-06-30 売り上げランキング : 30,341 おすすめ平均 ![]() 生命の目的 生命の本質から生き方・ビジネスの原理をあぶりだした人生・経営書 分子生物学だけではない所が良い!Amazonで詳しく見る by G-Tools |
生命の起源は約40億年前にさかのぼる。太古の生物の遺伝子は、果てしない時間を旅して現代にたどり着いた。本書は最新の分子生物学が解明した生命現象を紹介し、そこから、人間社会にも応用できる英知を探る。
生命は、DNAを格納する核を持つ「真核生物」と、持たない「原核生物」に分けられる。数十億年前、真核生物の祖先は、大腸菌に似た原核生物を取り込み、一体化した。取り込んだ原核生物は、今では細胞内のミトコンドリアとして、エネルギー生産工場の役割を果たす。生命の合体は常に起き、現在も進行中である。著者は、こうしたプロセスがM&A(企業の合併・買収)とそっくりだと指摘する。M&Aは欧米の異質なビジネス手法ではなく、生き残りを賭けて競争する世界では、必ず生じる現象ととらえられる。
細胞は、時に意図的な死「アポトーシス」を起こす。生命が、一種の消去法であるアポトーシスを採用しているのは、その方が効率が良いためだと考えられている。ここから、著者は企業戦略を構築するうえでも、消去法の採用がコツになると分析する。
40億年進化してきた生命のダイナミズムが分かりやすく描かれ、人間社会や企業のあり方を考察するうえで、新しい視点と発想を提供する1冊だ。
| 狙われた自治体 ゴミ行政の闇に消えた命 | |
![]() | 下野新聞「鹿沼事件」取材班 岩波書店 2005-05-21 売り上げランキング : 38,304 おすすめ平均 ![]() これぞ地元メディアの真骨頂 公務員には思い当たることもある内容Amazonで詳しく見る by G-Tools |
2001年10月、栃木県鹿沼市の職員が帰宅途中で失踪した「鹿沼事件」。1年3カ月後、職員の拉致・殺害の実行犯として、暴力団関係者ら4人が逮捕された。廃棄物行政を担当していた被害者は、なぜ命を狙われたのか。地元紙・下野新聞の取材班が事件の全貌に迫る。第4回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞を獲得した新聞連載を、大幅に加筆・再構成した。
事件の首謀者とされたのは廃棄物処理業者・鹿沼環境美化センターの経営者。同社は本来、自治体が扱うべき一般廃棄物の焼却処理を許可された国内でも特異な業者として急成長を遂げていた。歴代の市幹部と深いつながりを持ち、数々の便宜を受ける一方、廃棄物の不正搬入にも手を染め、不当な利益を得ていた。被害者は、長年にわたる「負の連鎖」を断ち切り、行政の公平性を守り抜こうとした。不正行為を見逃さず、厳しい行政指導を行ったことで逆恨みを買った。
鹿沼事件の背景には、複雑に入り組んだ「政・官・業・暴」の利益構造がある。廃棄物ビジネスと政・官・暴との密な関係はこれまでも指摘されてきており、行政対象暴力はどの地方都市でも起こりかねない。最終章では各地の先進的な対策事例を紹介し、事件の教訓を示す。
| ヤマハ発動機の経営革新 | |
![]() | 中村 元一 嶋田 淑之 ダイヤモンド社 2005-07-01 売り上げランキング : 259,587 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
静岡県磐田市に本社を構えつつ、売上高の88%が海外市場というグローバルな事業活動を展開する異色企業・ヤマハ発動機の実像に迫る。
2005年6月中間期の決算で、過去最高益を獲得するなど快進撃を続ける同社だが、21世紀初頭には環境変化に対する適切な対応を取りきれず、2輪車シェアを落とし、業績も伸び悩んでいた。2001年に社長に就任した長谷川至現会長らは、中期経営計画「NEXT50」を策定。収益力向上、成長性確保、財務体質強化、企業体質の変革という4つの柱を立て、これらの実現を通して「1ドル100円、1ユーロ100円」でも利益が出る体質の確立などを目指した。NEXT50は数値目標の多くを前倒しで実現。現在、梶川隆社長が中心となって、「NEXT50フェーズII」を推進中である。
本書では、ヤマハ発動機がわずか3年の経営革新で躍進した理由を「歴史的アプローチ」と「理論的アプローチ」から分析する。理論的アプローチでは、経営理念群、戦略、システム/プロセス、組織能力、コンピタンス分析の項目を立て、詳細に解説する。
最終章には梶川社長とのインタビューを収録。ヤマハブランドの確立、バイオを中心とする新規事業の成長など、目指すべき将来像を明らかにする。


一気に読み終えました。
むしろ学生運動の概説書として














