メイン > 週刊東洋経済書評 『ブックレビュー』 > 2006年9月16日~9月23日

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検するスティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー 望月 衛

東洋経済新報社 2006-04-28
売り上げランキング : 227

おすすめ平均 star
star人は±のインセンティブに一喜一憂しながら人生を送っている
starおもしろいけど,実感がイマイチ
starインセンティブ

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インセンティブを経済学の視点から分析

数カ月ほど前、イタリアで最大の話題は何だったのか。前途多難なプロディ政権の行方と答えた読者は真面目すぎる。最大の話題は発覚したイタリア・サッカー界の八百長事件だった。

もっとも、イタリアでサッカーの八百長が摘発されたのは初めてではない。スポーツ界に八百長は多い。外国でも多い。

日本の大相撲でも八百長が行われていることは「公然の秘密」だ。忘れかけたころに暴露記事や本が出ては世をにぎわせる。それにしても、なぜ大相撲では八百長が行われるのか、そしてそれを系統的に確かめる手段はないだろうか。こうした問題について、経済学で最も権威のある専門雑誌の一つに論文を載せてしまったのが著者のレヴィットである。

レヴィットは、40歳未満の最も優秀なアメリカの経済学者に贈られるジョン・ベイツ・クラーク賞の受賞者。ちなみにこの賞を取ることはノーベル経済学賞よりも難しいといわれている。そのレヴィットがジャーナリストのダブナーと組んで書いたこの本は、「ヤバい」くらいに面白く仕上がった。

その内容は推理小説に優るとも劣らない。八百長力士だけでなく、シカゴのストリートギャング団や売主のために働かない不動産業者から、インチキを働く教師まで豊富な話題が盛り込まれている。「これが本当に経済学の本?」という疑問が出たのもわからないではない。

けれども、これは立派な経済学の本なのである。それも、これを経済学と呼ばなければ何を経済学と呼べばよいのかわからないくらいに。

この本に統一したテーマはない、と著者たちは言っている。実は統一テーマはある。それは人間の行動すべて、である。

本書でも引用されているアダム・スミス以来、経済学は人間行動の理解を目指してきた。一見風変わりなレヴィットの研究はその伝統の真ん中に位置する。それは、人間行動の動因であるインセンティブを正確に理解することだ。

ただし、レヴィットの好奇心をことさらにかきたてるのはインチキ、不正、犯罪といった「インセンティブの暗黒面」である。サッカーやフィギュアスケートや大相撲で八百長が起きるのは、そこに八百長を働くインセンティブが働くからだ。

けれども本当に感嘆してしまうのはレヴィットが「世の裏側」を見抜いていく方法である。それが何かを見抜くのは読者の楽しみとしてとっておこう。

読みやすい翻訳と適切な訳者解説・訳注に支えられた本書は、人間の面白さを伝えて余すところがない。読まずにいるのはあまりにもったいない。【評者 若田部昌澄 早稲田大学教授】

■2006/09/23, 週刊東洋経済

株式会社に社会的責任はあるか
株式会社に社会的責任はあるか奥村 宏

岩波書店 2006-06
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おすすめ平均 star
star言い過ぎの感も…。3.5点です。
starあまり好きではない
star会社を考える

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株式会社は社会的責任の主体になりうるのか

奥村宏氏の株式会社論はM&A、エンロン・ワールドコム事件など、野放図な株式会社の行動を批判する時論的体裁を取りながら、これらを現代株式会社の制度や機構に内在する氷山の一角として捉えることを基本的姿勢としている。

本書では「企業の社会的責任(CSR)」が問題にされる。企業の度重なる不祥事に対して企業の社会的責任が問われ、そこから進んで企業の積極的な社会的貢献が推奨されている。このような議論に対し「企業の社会的責任」論を足がかりにして、「企業」とはなにか、「社会的」とはなにか、「責任」とはなにか、を問うのが本書である。

まず、ここにおける企業は株式会社でなければならない。企業一般では企業有用論の前に責任論は影を薄くしてしまうからである。有限責任の株式会社であればこそ社会的無責任が生じるというのが出発点にある。

だが、責任や貢献という言葉は、もともと生身の人間である自然人を念頭に置いた言葉である。株式会社も民事的な不法行為に対してなら、損害賠償等の責任を負うであろう。だが、それ自体としては身体も頭脳ももたない法人には犯罪能力もなければ(というのが通説)、政治的責任、道徳的責任もない。だから、企業犯罪の責任は経営者や従業員という自然人に帰される。ところが、企業の社会的責任や社会的貢献が論じられるときには法人がその主体となる。状況に応じて、自然人と法人の使い分けがなされるのである。

このように著者は、法人企業としての株式会社の抱える矛盾を、「企業の社会的責任」論を通して徹底的に追究しようする。「なぜか」という言葉を掘削機とし、法律学、経済学、経済史学などの諸学を渉猟する。 株式会社を根底から考えようとする人にぜひ勧めたい。【評者 間宮陽介 京都大学教授】

■2006/09/23, 週刊東洋経済

大地の咆哮 元上海総領事が見た中国
大地の咆哮 元上海総領事が見た中国杉本 信行

PHP研究所 2006-06-22
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おすすめ平均 star
star幾つかは光るポイントも..
star中国理解の最適書
star一番の問題はどこにあるのか

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元外交官が描く中国 日本の対中戦略も問う

「人の将に死なんとするや、その言や善し」という。著者の杉本氏は、本書刊行からまもなくしてガンで逝った。上海総領事の職にあった昨年に末期ガンと宣告されてから、病床でまとめたのが本書である。

直近まで最前線にいた外交官が、中国政府への遠慮を排して中国観を吐露しているのだから読み応えがある。杉本氏の上海在勤中の2004年には、総領事館内で電信官の自殺事件が起きた。ほとんど触れられていないが、その折の無念も杉本氏を執筆に駆り立てた一因だろう。

本書では、1974年に語学研修生として北京を訪れて以来、30年以上にわたる杉本氏の中国との付き合いに沿って現代中国社会の分析がつづられている。日本企業が中国で直面するリスクといったミクロの話題から、水不足や都市・農村間格差といった中国の将来を左右するテーマまでが、自らの見聞に沿って具体的に描き出される。

なかには外交官ならではの秘話も織り込まれているが、本書の価値は、トータルな現代中国像を描き出している点にあるだろう。個人史を通じて中国社会の抱える問題点を描き出すという手法が功を奏している。

杉本氏の基本的なスタンスは、「中華人民共和国」の現体制と「中国人一般」を同一視しないということだ。中国共産党による統治の現実については辛辣だが、普通の中国人、とくに農民への視線は暖かい。

これが、本書の記述に説得力を与えている。そして、その問題意識は、中国の内部崩壊を防ぐため、日本に何ができるかにある。日本は自己防衛の観点から、中国をソフトランディングに導かねばならず、そのためには対中援助戦略を再構築する必要がある。おそらく、杉本氏が死に際してもっとも残したかったメッセージはここにある。【評者 西村豪太 本誌】

■2006/09/23, 週刊東洋経済

格差社会の結末 富裕層の傲慢・貧困層の怠慢
格差社会の結末 富裕層の傲慢・貧困層の怠慢中野 雅至

ソフトバンククリエイティブ 2006-08-17
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おすすめ平均 star
star類書とは一味違った一冊
star格差問題に限定されず、今後の日本社会の方向性について考えさせられる良書
starこれから数年間の日本社会がわかる

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本書は「小泉後の格差社会の行方」を論じている。

最近、ホットなテーマになっている「経済的格差」は、小泉政権がもたらした「政災」なのか、それともグローバリズムに身を任せた結果の「天災」なのか。まず、「格差」発生の原因から著者は分析する。

1990年代半ばまで、「経済的格差」が目立たなかったのは、政府の強い規制(経済的規制・社会的規制)と所得再配分を軸にして「雇用による福祉」を実現してきたからである。

その時期は大都市の富裕層から取った税金を地方に交付税や公共投資の形態で再配分してきた。こうした構造が小泉首相の時期に弱まり、経済的格差が論議されるようになった。

しかし、著者は小泉首相後も旧来の政策が採用される可能性は低い、と分析する。それを前提に著者はバブル崩壊後に失われたトラスト(信頼)回復と個人の自立意識と中間層の復活が、格差是正社会のポイントになるという。

■2006/09/23, 週刊東洋経済

情報モラル宣言-インターネット時代の生きる力を育てる
情報モラル宣言-インターネット時代の生きる力を育てる久保田 裕

ダイヤモンド社 2006-07-27
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「今、情報社会は岐路に立っている」と著者はいう。法整備が進む一方で、サイバー犯罪など情報社会の影ともいうべき問題は深刻度が増すばかりだ。

そこで、コンピュータソフトウエア著作権協会において長年、著作権問題に対面してきた著者は「情報モラル」の確立を提唱する。「著作権など知的財産権」等の知識を広めるだけでなく「マナー&ルール」の確立が必要としている。

情報社会が厳しい状況に陥ってしまったのは「コミュニケーションのバランスが崩れているからだ」と著者は続ける。対面でのコミュニケーションがなされていれば、未然に防げる犯罪や事件は多いだろう。簡単なようでハードルの高い問題が、社会の根底に横たわっているといえる。

「創作とは何か」についても触れられているが、ここで「創作は体験に根ざす」と語る松本零士氏(漫画家)の言葉に含蓄がある。このインタビューも一読をぜひお薦めしたい。

■2006/09/23, 週刊東洋経済

持っていると安心 中国語救急箱―すぐに役立つ会話集
持っていると安心 中国語救急箱―すぐに役立つ会話集張 樂風 施 小〓 坂江 徹

南雲堂フェニックス 2006-03
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今や中国旅行は静かなブームとなっている。

だが、中国の衛生状態は改善されたといっても、相当注意が必要であろう。現地で病気になった場合に言葉が通じるか否かよりも、まず中国の医療システムの特徴(とりわけ日本との相違点)をしっかりと把握しておきたいものである。

中国では診察は、外来(予約)、問診掛号(受付で診察料の前金を支払う)、各科で待つ、診察、会計、病院の薬局、終了の順に進む。日本と違って、まず医療費の「押金」(保証金・敷金)が必要な場合が多い。

本書には「患者がよく使う言葉」「医師・看護師がよく使う言葉」「歯科医の決まり文句」「受付で使う言葉」「病人を見舞うときによく使われる言葉」など786例の決まり文句、それに医学常用関連語彙、日本語索引が巻末に付録としてついている。

実際の例文は、日本語、中国語、ピンイン(中国語の発音)で表記されている。

■2006/09/23, 週刊東洋経済

近代「書生気質」の変遷史―日本文学に描かれた学生像
近代「書生気質」の変遷史―日本文学に描かれた学生像八本木 浄

丸善プラネット 2006-06
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わが国の大学生が文学の対象になり、社会的座標となったのは、戦前までであろう。本書は、明治から昭和(戦前)までの文学作品に、近代教育が、さらに大学生がどのように描かれてきたかを作品中心に述べたものである。

全体が四期――草創期の大学、進展期の大学、拡大期の大学、崩壊期の大学――に分けられているが、評者は特に、「崩壊期の大学」(1933~45年)に関心がある。1933年は、何といっても京都帝大法学部の滝川事件が起こり、学生のみならず、教授に対しても権力批判につながるすべての思想を一掃した年であった。

野間宏の自伝的小説『わが塔はそこに立つ』、加賀乙彦『永遠の都』はこの事件を扱っている。また、阿川弘之『雲の墓標』は、京都帝大での学生生活を中断させられ、その後3人の学友とともに学徒動員のために大竹海兵団に入隊した主人公の生死の極限状態を描いた作品である。

■2006/09/23, 週刊東洋経済

small planet
small planet本城 直季

リトルモア 2006-04-08
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おすすめ平均 star
starやっぱりすごい
star@ギャラリータグボートも大注目の若手フォトグラファー
star楽天的な逆批判

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ミニチュア化した写真都市が凡庸な視覚を挑発する

ちかごろ飛行機に乗ると通路側から席が埋まることが多い。乗り降りに便利なのだろうが、窓からの眺めに興味が薄れたこともあるだろう。国際線ならほとんどの人は席の液晶モニターで映画やゲームを愉しんでいる。それでも着陸時の景色に席を移動しても見入ってしまうことがある。

しばしイカロスになったような下界へのまなざし。現実感のない箱庭のようなミニチュアの街並や田園風景。

「都市のウソっぽさを表現したかった」。著者はわれわれをとりまく町や自然をそんな視線で見せてくれる。競馬場、東京駅、ゴルフ場、港のコンテナ、高速道路、海水浴場、都会のビル群、鉄道、香港の交差点、白川郷、建売り住宅、工事現場、ホノルルマラソン、プール、愛知万博など。カラフルなミニカー大の車と豆粒のような人びと。著者のとらえた都市に重厚さはなく自然は壮大ではない。あくまで軽く、かわいらしく。それは航空写真のように四隅まで焦点が合ったものではなく、ひとつの場所が選択されて周辺はボカされている。

鳥が上空から人の営みを観察しているかのように、また子どもが無邪気な好奇心で一点を凝視したようなその映像は、誰もが現実のものだとは信じられず模型でできたジオラマ写真だと思わされる。

この不思議さはデジタル撮影のように思われがちだが、アオリ操作のできるアナログのフィルムを使う4×5カメラで撮られたものだという。

本書を手にすると銀塩写真の可能性はまだまだ残されているものだと感じられる。われわれの惰性化し、懐疑されることのない世界へのまなざしこそ写真映像のクリエイティビティーを閉ざしているのかもしれない。【評者 写真家 中川道夫】

■2006/09/23, 週刊東洋経済

【東洋経済新報社からの近刊本】

組織変革ファシリテーター―「ファシリテーション能力」実践講座
組織変革ファシリテーター―「ファシリテーション能力」実践講座堀 公俊

東洋経済新報社 2006-09
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問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座
問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座堀 公俊

東洋経済新報社 2003-02
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おすすめ平均 star
star分かりやすい解説書
starファシリテーションを行うためのノウハウが満載
star秀逸

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組織を変えるための技術を考える

会社の不祥事が、新聞、テレビに取り上げられないときはないと言ってもいい昨今。なぜ会社は、組織は変われないのだろうか。

このたび刊行された『組織変革ファシリテーター』(堀公俊著)を読むと、変わらないのではなく、変えるための技術・能力が不足していることが分かる。

「ファシリテーション」とは促進する、容易にする、円滑にするというのが原意で、組織の力を発揮させ、問題解決を支援し、優れた合意を生み出すための活動。「ファシリテーター」とはそれを推進するリーダーを指す。

本書では「3つのセオリー」「3つのステップ」「2つの変革」という構成で、組織変革の基本的な進め方とファシリテーターの役割を解説している。

ムダな仕事、形骸化したルール、意味のない弊害が目についたら、職場のリーダーであるあなたは本書を熟読されたし。

ロングセラーとなっている前著『問題解決ファシリテーター』(2003年2月、小社刊)とあわせてご一読いただきたい。

■9月11日発売

2010年の企業通貨―グーグルゾン時代のポイントエコノミー
2010年の企業通貨―グーグルゾン時代のポイントエコノミー野村総合研究所情報通信コンサルティング一部企業通貨プロジェクトチーム

東洋経済新報社 2006-09
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おすすめ平均 star
star今やホットトピックのポイント・電子マネーをよくまとめている

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だれも知らなかったインド人の秘密
だれも知らなかったインド人の秘密パヴァン・K. ヴァルマ Pavan K. Varma 村田 美子

東洋経済新報社 2006-09
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「会社四季報」業界地図〈2007年度最新版〉
「会社四季報」業界地図〈2007年度最新版〉東洋経済新報社 東経=

東洋経済新報社 2006-09
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図解 世界を揺るがす中国の軍事力―したたかな中国、無自覚な日本 最新ニュースの真相がすぐにわかる!
図解 世界を揺るがす中国の軍事力―したたかな中国、無自覚な日本 最新ニュースの真相がすぐにわかる!宇佐美 暁

東洋経済新報社 2006-09
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■9月18日発売

2010年の金融―変貌するリテールと次なるビジネス戦略
2010年の金融―変貌するリテールと次なるビジネス戦略野村総合研究所コンサルティング事業本部 NRIアメリカ

東洋経済新報社 2006-09
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2010年の流通―水平統合の加速と垂直統合の時代
2010年の流通―水平統合の加速と垂直統合の時代野村総合研究所

東洋経済新報社 2006-09
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組織変革ファシリテーター―「ファシリテーション能力」実践講座
組織変革ファシリテーター―「ファシリテーション能力」実践講座堀 公俊

東洋経済新報社 2006-09
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トライアングル資本主義
トライアングル資本主義中尾 茂夫

東洋経済新報社 2006-09
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日本政治変動の30年―政治家・官僚・団体調査に見る構造変容
日本政治変動の30年―政治家・官僚・団体調査に見る構造変容村松 岐夫 久米 郁男

東洋経済新報社 2006-09
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■9月25日発売

中東欧の日系ハイブリッド工場

ファイナンシャル・ゲートキーパー 資産家を守るのは誰か

■2006/09/23, 週刊東洋経済

都心回帰の経済学―集積の利益の実証分析
都心回帰の経済学―集積の利益の実証分析八田 達夫

日本経済新聞社 2006-06-01
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「国土の均衡ある発展」を批判、大都市集積の利益を実証

本書は、編者の長年の主張といえる都市再開発の目玉である容積率緩和と、共著者のひとりである増田悦佐氏が『高度経済成長は復活する』などで主張していた「国土の均衡ある発展」イデオロギー批判がドッキングし、力強い変奏曲を生み出している。このふたつの核になる主張をフォローする実証系の諸論文も通勤のコスト計算や都市の集積効果を分析したものなど興味深いものが多い。

東京や大阪湾岸沿いでの大規模工場の建設を禁じる1950年代末~60年代初めの工業等制限法が、大都市の衰退の元凶であった。東京圏は法人サービス業の拡大で、この規制を乗り切ることができた。東京がもともと本社機能の集積効果が大きかったことで、法人サービス業への転換をスムーズなものにした。しかし大阪はこの転換ができずに長期低落の道を歩む。

また90年代から近年に至るまで、海外への生産拠点の移動という「産業の空洞化」も主因は、工業等制限法がもたらした製造業の労働生産性の低下によるものだという。しかし、2002年7月にこの制限法が撤廃されたので、「今回の日本経済の回復は、東京圏の法人サービスの持続的高成長と、過去30~40年にわたって潜在していた大阪圏の製造業設備投資の急回復というふたつのエンジンに支えられた腰の据わった高成長につながると見てよいのではないか」としている。

また工業等制限法が「国土の均衡ある発展」イデオロギーと連動していて、製造業が比較優位ではない地域に半強制的に誘致されてきた、という視点は興味深い。都市への集積効果を否定するような法規制やイデオロギーは都市の発展のみならず日本経済の成長の足かせになる、と本書の主張は力強い。

また規制緩和の効果を都市部の土地利用や交通の混雑に関して説得的な議論を展開してもいる。混雑が発生するのは、(規制によって)需要が供給を上回っているためである。容積率緩和によって需給が一致するように地価が上昇すれば混雑の問題も解消に向かうだろう。

混雑解消にはさらに道路利用のピークロードプライシングも組み合わせるべきである、など実践的な提言が豊富である。

最近の都市部の通勤地獄の緩和が、不況による雇用の減少と、郊外住民の高齢化によるものだという実証は目新しい。

さらに航空行政、港湾行政についての提言も斬新的であり、例えば国際線の大半を羽田空港に回すこと、神戸・伊丹空港の閉鎖と西宮沖の新空港建設などを提起している。今後の都市問題を考える際にまず準拠すべき一書といえるだろう。【評者 田中秀臣 上武大学助教授】

■2006/09/16, 週刊東洋経済

中国社会のとことん深い闇
中国社会のとことん深い闇湯浅 誠

ウェッジ 2006-07
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中国の宿痾「闇社会」の実態をとことん描く

かつては、中国に対して相当な親近感があったと思う。毛沢東や周恩来にはかなりの思い入れがあった。1960年代末の文化大革命の「造反有理」というスローガンには、日本の若者たちも大いに共鳴したものだ。だが最早、中国に対してそんな思いはない。本書はその代表的なものであろう。それにしても本書はすごい。中国に対するシンパシーなどこれっぽっちも持ちようがないほど、知られざる「闇社会」の実態がこれでもかこれでもかと描かれる。よくぞこれだけの資料を渉猟したものだと感心させられる。まさに「とことん」である。

今の中国は、共産党の力が衰え古来の「宗族」の力が増しているという。「宗族」とは祖先を同じくする一族のことで、その族長が村を支配する「闇社会」が復活している。2005年に政府はその打倒運動を展開し、2100の「闇社会」を壊滅させて、4000人の幹部を追放したという。

また「中国は世界の中心」というナショナリズムを煽って共産党政権からの離反を防ごうとしている。そこで最も目障りな国は日本であり、日本を叩き潰すために邪悪な戦略をとる。NYタイムズ紙は、「中国は日本を叩くことを国民的娯楽としている」といったそうだ。

中国には「厚黒」という考え方がある。「天下を取るには厚かましく邪悪な心でなければならない」という哲学だという。それは革命でも変わらなかったようだ。それどころか、命運尽きているはずの共産党政権のもとで、その哲学はいっそう強くなっているようである。だが知識人や幹部の中には、日本を冷静・客観的に見る傾向が強まっているともいう。本書を読んで反中国になるというより、「深い闇」の混沌に、つくづく感嘆させられた。【評者 仲倉重郎 映画監督】

■2006/09/16, 週刊東洋経済

スペインと日本人
スペインと日本人川成 洋 坂東 省次

丸善 2006-07
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日本とスペインの交流史「スペイン愛好家」に捧げる

スペインは古来より日本人を魅了してきた国のひとつだ。光と影の国、闘牛とフラメンコ、第二次世界大戦の前哨戦ともなった内戦の国。スペインはむろん多面的な顔をもつ国だが、不思議と日本人を呪縛する魅力にあふれている。本書はそのようなスペインの妖しい魅力にとり憑かれた日本人たち、イスパノフィロ(スペイン愛好者)たちのスペイン礼賛と、日本との歴史的な関係を考察した多彩な文章から成り立っている。

本書は大きく1部と2部に分かれている。1部は福岡スペイン友好協会が主催した『ドン・キホーテ』出版四百周年記念行事のパネル・ディスカションである。2部はスペインと日本との交流に関わりがあった歴史上の人物、ないしは当地を旅行した日本人作家などに照明が当てられ、その交流史が多様な角度から解説されている。

たとえば、作家の古川薫はフランシスコ・ザビエルが生まれたザビエル城訪問記を書いている。そのほか歴史上の交流に関わるものでは、天正遣欧少年使節、支倉常長一行の子孫といわれるハポン姓の人たちの風説の真偽、スペイン人のスパイ組織に諜報活動を依頼した公使、須磨彌吉郎の知られざる過去、内戦関係では坂井米夫とジャック白井がおもに紹介されている。

文化人関係では、先駆的イスパノフィロとしての内村鑑三などが取り上げられている。ただ個人的な興味からすると、本書の白眉は何といっても、日本人作家とスペインとの関係だ。野上彌生子、司馬遼太郎、堀田善衛の三人が対象になっている。

野上のスペイン訪問は『欧米の旅』に記録され、司馬の『街道をゆく』シリーズの初回がバスクであり、堀田は移住したことで有名だ。この分野の発掘は交流史にさらに厚みを加えることが期待される。【評者 吉岡栄一 東京情報大学教授】

■2006/09/16, 週刊東洋経済

戦後の終わり
戦後の終わり金子 勝

筑摩書房 2006-08
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昨今、人々は日本経済に対して若干の安心感を持っている。半面、格差拡大はない、財政健全化の道筋が見えたなどとはっきり言える人は多くはいるまい。中東情勢や米国経済の行方に目を向ければ、一転して不安感が頭をもたげる。

この不安感は問題の所在がつかめないことから来ているのではないか。本書はそこに答えを出してくれる内容だ。

著者はまず、小泉政権により「何が壊れ、何が終わったのか」を考察し、米国流「新自由主義」に代わる新たな思考を練り上げる必要を指摘する。

その際、効率か公平かといった二分法で考えても「調整」以外の答えは出ない。ブッシュ政権の「テロリストの側につくか、われわれの側につくか」という二分法もおかしい。

著者は問題を直視し、二分法の袋小路を抜けて、多様な価値観が生きる社会の仕組みを探る。9月の首相交代に当たって解決すべき課題がクリアに示される。

■2006/09/16, 週刊東洋経済

江戸庶民の楽しみ
江戸庶民の楽しみ青木 宏一郎

中央公論新社 2006-05
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「江戸の経済は一八世紀中頃を境に、町人によって完全に牛耳られるようになった。政治を行うのは幕府でも、実際は町人の経済力なしには何もできない状況になってしまった。武士は、形の上こそ頂点に立っていたが、長い困窮生活によって無気力化し、退廃的な生活を送る者も少なくなかった」と著者は指摘する。

人口100万人、当時世界最大の都市と言われた江戸で、庶民はどのように楽しんでいたのか。江戸時代初期は、幕府の規制の網の中でしか楽しみを見いだせなかった庶民も、18世紀ころからは、経済力の発展で、庶民文化を開花させることなる。

たとえば、御輿をかつぐお祭りや相撲、園芸、魚釣りなどもこのころから盛んとなる。19世紀前半には、園芸バブルまで起きる。

江戸時代の楽しみは、「自分も楽しみ、他人も楽しませる」ものだったという。現代のイベント化した祭りには金儲けが見え隠れすると著者はいう。

■2006/09/16, 週刊東洋経済

必ず結婚できる45のルール 3ヶ月でパートナーを見つけたいあなたへ
必ず結婚できる45のルール 3ヶ月でパートナーを見つけたいあなたへにらさわ あきこ

マガジンハウス 2006-08-24
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starなるほど☆
starなるほど!!

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少子化対策をめぐって論争が盛り上がっているが、その裏には婚姻率の減少という実態がある。若者が結婚に憧れを抱かない傾向にあるのかと思いきや、意中の男性にアプローチできずに、投げやりになっている女性が少なくないという。

本書は、女性が恋愛や結婚に至る成功プロセスをルールとして体系化したもの。男女500人への突撃取材をもとに著者がまとめ上げた意欲作だ。

「体調が不良の時には異性が参加する場には決して出ない」「質問を彼だけにするなど、一人だけをひいきする」「すごい、という言葉を多用する」など、男である評者が思わず唸ってしまうテクニックがズラリ。「男性はこてこての古典的テクニックに弱い」との指摘には脱帽するほかない。しかし、「恋は思案の外」と言うではないか。ルール化しなければ恋愛へと踏み切れない現在の女性の心情とはいかなるものか。社会現象を知るための参考書としても楽しめる。

■2006/09/16, 週刊東洋経済

写真が語るベトナム戦争
写真が語るベトナム戦争スチュアート マレー Stuart Murray 赤尾 秀子

あすなろ書房 2006-08
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ベトナム戦争は、1960年12月、アメリカに支援されたジェム政権に対するベトコンの武力抵抗で始まり、やがて全面戦争へと展開する。ついで63年、政府軍の無力さが露呈され、アメリカ軍の直接介入が始まる。ベトナム戦争の「アメリカ化」である。

本書によると、65年の北爆の開始以降、アメリカが、核以外のあらゆる新兵器を大量に投入し、電子戦争、生化学戦争、ジェノサイト(皆殺し)、エコサイト(生態系破壊)作戦が現実に行われた。それでも一向に好転しないと判断したアメリカは、69年に、戦争の「ベトナム化」を要求する。そして75年4月、南ベトナムのサイゴンは陥落する。この場面のテレビ放映は、ドラマだった。

史上最強の国家と戦力が敗北したのだった。それはまた、「自由のため」という大義が民族主義の大義に惨敗したのであり、現在のイラク戦争も、このベトナム戦争との何らかの類似性が指摘されている。

■2006/09/16, 週刊東洋経済

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