メイン > 週刊東洋経済書評 『ブックレビュー』 > 2006年8月5日~8月26日

金融工学者フィッシャー・ブラック
金融工学者フィッシャー・ブラックペリー・メーリング 今野 浩 村井 章子

日経BP社 2006-04-20
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おすすめ平均 star
starタイトルが

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何のための学問か 金融工学者の生態を問う

1970年代から、アメリカでは年金基金や投資信託などの機関投資家が上場会社の大株主として登場してきたが、その機関投資家の資産運用に役立つ理論として、資本資産評価モデル「CAPM」とか、ランダム・ウオーク理論などといわれるポートフォリオ選択理論が流行するようになった。

本書の主人公になっているフィッシャー・ブラックは、ブラック=ショールズ・モデルで有名な金融工学者であり、シカゴ大学やMITで教授をしていたが、その後ゴールドマン・サックスに移り、学界とビジネス界の両方で活躍した人物である。

97年、ロバート・マートンとマイロン・ショールズがノーベル経済学賞を受けたが、もしそのときまで生きていれば、フィシャー・ブラックもノーベル経済学賞をもらっていたはずだと評価された。

マートンは有名な社会学者の息子だが、師の経済学者・サムエルソンから、「そんなに自分の理論が優れていると思うのなら、なぜその理論を実践して大金持ちにならないのか」といわれたという。

そのためかどうか、マートンはショールズとともにLTCMという投資ファンドのパートナーとなって自分の理論を実践して、一時は大金持ちになっていたが、98年ロシアの通貨危機のあおりを食ってLTCMが破綻し、パートナーたちは大損した。

ブラックは亡くなっていたのでLTCMには参加しなかったが、ゴールドマン・サックスでは自らの理論を実践した。

ブラックにせよマートンにせよ、元は数学や物理学を専攻していたのだが、それがなぜ経済学、というよりも資産運用について研究する気になったのか。

経済学には失業やインフレなど研究すべきテーマがたくさんあるにもかかわらず、なぜ、資産運用という金儲けの方法を研究するようになったのか。

エンロン事件で、アメリカの経営者が自分の利益だけを求める「強欲経営者」になっているということが大きな問題になっているが、経済学者の世界でも「強欲学者」がはびこっているのではないか。

もしそうだとすれば、それはジョーン・ロビンソン流にいえば、「経済学の第三の危機」ということになるのではないか。

大学で研究するだけでなく、実世界で理論を実践することが必要であることはいうまでもない。しかし、それが自分の金儲けのためというのでは話が違う。金融工学や合理的期待形成理論がいかにして生まれてきたのか、ということを教えてくれる本だが、同時に「何のための学問か」ということを考えさせられる。【評者 奥村宏 株式会社研究家】

■2006/08/26, 週刊東洋経済

近衛秀麿―日本のオーケストラをつくった男
近衛秀麿―日本のオーケストラをつくった男大野 芳

講談社 2006-05-19
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おすすめ平均 star
star偉大な指揮者を素人が扱うと...
star近衛秀麿評価の第一歩を記す記念碑的一冊

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オーケストラの先駆者秀麿の清冽な人生を描く

指揮者・作曲家、近衛秀麿は戦前に三度も首相になった近衛文麿の実弟である。従来、「貴族の道楽」などと貶められてきた音楽家・秀麿像に著者は真っ向から挑戦する。

秀麿は、1924年、まだわが国にプロのオーケストラさえなかった時代に単身ヨーロッパに赴き、ベルリン・フィルを指揮する。「芸風は全く欧州的だが、羞かしがりで謙遜」とは、当時のドイツ有力紙の評価だった。当時秀麿、25歳。

帰国早々、秀麿は財政的なスポンサーとなって、近衛交響楽団、その2年後に新交響楽団、続いてその後も何回か交響楽団を結成するが、これらは無残な挫折に終る。秀麿の追求する音楽性と楽団員が求める労働条件との不可避な齟齬のためであった。その間、ヨーロッパ各地で指揮し、第2次大戦期にパリで近衛伯爵管弦楽団を結成する。

それにしても、秀麿は単なる音楽家ではなかった。彼の友人で、ナチスに迫害された寄る辺なきユダヤ人音楽家がたくさんいた。彼らの日本やドイツ国外への亡命を支援したり、実際にユダヤ人の救出のために、自ら縲絏の身となることもあった。

ドイツに侵入した米軍の先鋒に逮捕され、まだ戦闘中の日本軍の将兵に祖国の再建のために無駄死にするな、と訴えようと米国経由で帰国する。

すでにA級戦犯として出頭を命じられた文麿は、自死の前夜に「お前は、音楽を選んでよかったなぁ」と漏らした。戦後は、彼の世界的な名声にもかかわらず不遇だった。クラシック音楽界にも魑魅魍魎のごとき輩が徘徊していた。音楽一筋の貴公子たる秀麿を騙すのはいとも簡単。彼は裸同然となったという。一見破天荒に見えるが、音楽により世界平和に貢献しようとした秀麿の清冽な生き方を再認識すべきであろう。【評者 川成洋 法政大学教授】

■2006/08/26, 週刊東洋経済

「賢いバカ正直」なりなさい 信念の経営者ハンツマンの黄金律
「賢いバカ正直」なりなさい 信念の経営者ハンツマンの黄金律ジョン・M・ハンツマン 住友 進

英治出版 2006-07-07
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教訓だけでなく、勇気や希望を与える本

本書は、正味200ページ足らずの本だが、その内容は非常に濃い。読者は、今や貴重な存在となった真の意味で「尊敬できる」経営者から経営の極意だけでなく、人生における教訓をも数多く学べるだろう。

著者のハンツマンは、一代で化学会社を興し成功した、まさにアメリカンドリームの体現者だ。しかし、彼が真にすばらしいのは、本書からもうかがい知ることができるように、愚直に正しいことを行うことで成功できることをしっかり証明している点だ。米国では人に対する最上級の賛辞として「インテグリティ」(正直)という言葉がしばしば使われるが、彼にはまさにこの言葉がぴったりだ。

それにしても、本書の随所に見られる、自己の利益のためならなんでもするウォール街の連中への、彼ならではの手厳しい批判は痛快であり、すがすがしささえ覚える。

本書からはまた、彼の慈善家としての顔も垣間見られる。ガンの治療・研究施設や母校のウォートンスクール等への多額の寄付の根底にあるのは、バフェットやゲイツらと同様、キリスト教に根ざした奉仕精神であり、こうした成功者がその利益の一部を社会に還元する仕組みは、日本も見習うべきだろう。

さて、日本社会は相変わらず、既得権益にしがみついている人々や組織が健在な「たかり」社会だ。また新興勢力はどこも、しょせん村上ファンドやホリエモンと大差ない。言ってみれば、拝金主義や悪しき米国型資本主義がはびこり、自己の利益ばかり追い求め、モラルのないなんでもありの、「正直者がバカを見る」社会だ。だからこそ、今ハンツマンの言葉に素直に耳を傾ける意味がある。

勇気や希望まで与えてくれる本書は、すべての人々にとって必読書といえるだろう。【評者 黒田康史 人事プロフェッショナル】

■2006/08/26, 週刊東洋経済

女は見た目が10割
女は見た目が10割鈴木 由加里

平凡社 2006-07-11
売り上げランキング : 47488

おすすめ平均 star
star女性と化粧を巡る冒険

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女性はなぜ化粧をするのか。本書では、女性の「美への追求」に対する文化的背景を考察している。

女性が化粧をする理由は「楽しいから」と、著者は単純明快だ。ただ、楽しみが「しんどさ」に変わっていったという。美しくなることに押し付けがましさがあるというのだ。背景には、男性優位にある日本社会のゆがみがある。男は自分たちの美に対する努力が皆無に等しいことを棚上げし、化粧を放棄する女性に対しては存在意義を疑うような感情を抱いてしまうことがある。そして、「女性は美しくなければならない」と要求し続ける。

著者が指摘するように、現在の男性には「変身の楽しみ」としての化粧文化が浸透していないため、女性の化粧が「対社会の仮面を作る遊びのひとつ」にならないのかもしれない。日本にも男性が白粉をつける文化があった。それがなぜ、廃れてしまったのか。本書で、その歴史的洞察がなされていないのが残念だ。

■2006/08/26, 週刊東洋経済

ドラッグ・コート―アメリカ刑事司法の再編
James L.,Jr. Nolan

現在のアメリカにおいて、1989年に導入された「ドラッグ・コート」運動が拡大している。われわれには聞き慣れない運動だが、薬物事犯者に通常の裁判手続きに代えて、裁判所の集中的な監視下で社会生活を続け、治療プログラムに参加し、薬物を使わない生活を身につけさすというものである。

これまでの薬物事犯者に対する厳罰化、仮釈放の制限のために、刑事裁判所の機能不能、拘禁施設の過剰収容を引き起こし、刑事政策上の転換に迫られたためであった。

本書は、現在、全米で800以上の裁判所で、14万人以上がドラッグ・コートのプログラムを受け入れている現状を、主に病理学的観点から人間固有の行動を再解釈したモデルとして、さまざまな困難な事例を交ぜつつ、歴史的考察、治療の現場、司法の変化などを紹介している。この「ドラック・コート」は、わが国でも早急に導入を検討するべき課題であろう。

■2006/08/26, 週刊東洋経済

トヨタ・レクサス惨敗―ホスピタリティとサービスを混同した重大な過ち
トヨタ・レクサス惨敗―ホスピタリティとサービスを混同した重大な過ち山本 哲士 加藤 鉱

ビジネス社 2006-06
売り上げランキング : 78191

おすすめ平均 star
starホスピタリティ事例などに関してであればまずまず
starクルマを評論した本ではないことに注意
star言いたいことはわかるけど・・・

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2005年、トヨタ自動車は満を持して「レクサス」ブランドの高級車を日本で販売する。すでに米国では「レクサス」はメルセデスやBMWに匹敵する高級車としてのブランドを確立しており、販売も順調だった。 ところが、出足こそ順調だったレクサス車の国内販売は、しだいに失速して、現在は目標台数の半分で低迷している。常勝・トヨタ自動車に何が起きているのか。著者はマーケティング戦略の失敗を指摘する。サブタイトルにある「ホスピタリティとサービスを混同した重大な過ち」が結論である。

本書ではレクサスの商品性やトヨタ自動車の販売戦略を中心とした分析ではなく、マーケティングの「哲学」を中心に議論が展開されている。現在までの結論は、レクサスは「いつかはクラウン」というトヨタ自動車が築いた「価値観」に復讐されており、また、メルセデスを頂点とする日本人の「序列意識」を壊すことに成功していない、という。

■2006/08/26, 週刊東洋経済

ドン・フェルナンドの酒場で―サマセット・モームのスペイン歴史物語
ドン・フェルナンドの酒場で―サマセット・モームのスペイン歴史物語ウィリアム・サマセット モーム William Somerset Maugham 増田 善郎

原書房 2006-06
売り上げランキング : 4462

おすすめ平均 star
star適任者による平成の新訳

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「旅の作家」の異名をほしいままにしたモームが、1934年にスペイン・アンダルシアに旅行し、翌35年に発表したスペイン紀行が本書である。

それにしても、文豪グレアム・グリーンがモームの膨大な量の作品の中で、本書を最高傑作と絶賛しただけあって、本書は通り一ぺんのスペイン紀行ではない。「ピカレスク小説の誕生」「黄金時代のスペイン演劇」「ドン・フアンとドン・キホーテ」「スペイン神秘主義」「エル・グレゴとバロック美術」など、モームならではの文学論、美術論などが展開され、その博覧強記ぶりにただただ驚くばかりであった。

そして本書は「スペイン人が勝れていたのは、藝術においてではない。藝術よりも偉大なもの、すなわち人間において勝れていたのである。しかし、これは決定的なものだと思われる」と結んでいる。さすが自ら「イスパノフイロ(スペイン大好き)」と宣言したモームである。

■2006/08/26, 週刊東洋経済

巨石―イギリス・アイルランドの古代を歩く
巨石―イギリス・アイルランドの古代を歩く山田 英春

早川書房 2006-06
売り上げランキング : 20556

おすすめ平均 star
star畏るべし巨石マニア!!
star非常にカッコよくて、文章もかっちりしてる写文集

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神秘に満ちた巨石文化 写真と解説で丁寧に紹介

世に「巨石マニア」という人たちがいる。たとえば、イギリス南西部に残るストーンヘンジ。巨大な立石が円環状に並んだ謎の遺蹟。同じ世界遺産の南米ナスカの地上絵とともに、いつ、誰が何の目的で、どんな方法でそれを造ったのか。そんなミステリアスな巨石空間は世界中にいまもあり、彼らを魅了している。

「石が呼ぶ」本書はそんな巨石にとり憑かれたいちマニアによる遺蹟巡礼記だ。

著者は『ナショナルジオグラフィックス』紀行文シリーズなどを手がけるブックデザイナー。もともと石が好きで瑪瑙など変わり石の収集をしていたらしい。マヤアステカの中南米の古代遺蹟を歩きブリテン島(イギリス本島)で本書の巨石遺構と出逢った。

これら巨石文化は紀元前四千年から紀元前千年の間に造られたと考えられていて、欧州では北欧から地中海岸域までに見られる。ただブリテン諸島やアイルランドに異常なほど密集していて、いまも数千の巨石群が残っているという。

日本にも飛鳥の石舞台や神社の磐座など大きな石の文化がある。それは墳墓や宗教的なものだといわれるが、本書がユニークなのは、その意味と目的がいまだに解かれないまま屹立している遺蹟がとりあげられていることだ。

著者はその時代の人びとを「巨石人」と名づけ石の記憶をたどることで内なる「原始」が揺り動かされるという。

ただ現実にそこに立てば、人の言葉は虚しく消えて石は黙して語ってはくれないだろう。本書から石の聖性と人間の関わりを想いスピリッチュアルなものとは何かを改めて感じさせられた。丁寧に撮られた写真と解説文が充実している。

■2006/08/26, 週刊東洋経済

ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実
ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実B.エーレンライク 曽田 和子

東洋経済新報社 2006-07-28
売り上げランキング : 167

おすすめ平均 star
star初めて描かれるワーキングプアの世界
star新しい低賃金労働者の現実!

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ハードワーク~低賃金で働くということ
ハードワーク~低賃金で働くということポリー・トインビー 椋田 直子

東洋経済新報社 2005-06-17
売り上げランキング : 62345

おすすめ平均 star
star低賃金の生活
starとりあえず「やってみた」というのは買い
star観光ガイドの外側の現実

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日本にも迫りくる“ワーキング・プア”の悲劇

いま話題となっている「格差社会」「下流社会」に関して、気になる本が出たのでご紹介しよう。

『ニッケル・アンド・ダイムド――アメリカ下流社会の現実』(B・エーレンライク著、曽田和子訳)がそれだ。本書は低所得者生活に著者自ら身を置き、その深刻な現実を描いたルポルタージュ。アメリカで100万部を超えるミリオンセラーの翻訳である。

アメリカには、「ワーキング・プア」と言われる人々が、何百万人もいるという。彼らは働く意欲がないわけではない。時給6~7ドルの仕事を掛け持ちするが、いっこうに楽にならず、一方で「ニューリッチ」と呼ばれる富裕層は豊かな生活を享受。これが超大国アメリカの真の姿なのだ。

日本では非正規社員の増加が懸念されるが、近い将来の我々の生活を映し出しているようで不安を覚える。

先に刊行された英国のルポ『ハードワーク~低賃金で働くということ』(P・トインビー著、椋田直子訳)とあわせてご一読いただきたい。

■2006/08/26, 週刊東洋経済

【東洋経済新報社からの近刊本】

■7月31日発売

トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇
トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇『週刊東洋経済』村上ファンド特別取材班

東洋経済新報社 2006-07-28
売り上げランキング : 7581

おすすめ平均 star
star聞きかじった断片的な情報を羅列して無理して村上叩きをやっている本

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ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実
ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実B.エーレンライク 曽田 和子

東洋経済新報社 2006-07-28
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おすすめ平均 star
star初めて描かれるワーキングプアの世界
star新しい低賃金労働者の現実!

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仕事力アップのためのこれ1冊でわかる最新の法律知識
仕事力アップのためのこれ1冊でわかる最新の法律知識浜辺 陽一郎

東洋経済新報社 2006-07
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「団塊」退職で変わる経済伸びるビジネス―人口動態から読むこれからの10年
「団塊」退職で変わる経済伸びるビジネス―人口動態から読むこれからの10年日本総合研究所

東洋経済新報社 2006-07
売り上げランキング : 74276

おすすめ平均 star
starNext A Decade Marketing(NAD Marketing)

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日本の金融制度
日本の金融制度鹿野 嘉昭

東洋経済新報社 2006-07
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ウォートンスクールの意思決定論
ウォートンスクールの意思決定論ステファン J.ホッチ ハワード C.クンリューサー 小林 陽太郎

東洋経済新報社 2006-07
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■8月7日発売

1年で資金倍増を狙う究極のハイリターン投資法
1年で資金倍増を狙う究極のハイリターン投資法出島 昇 高藤 仙英

東洋経済新報社 2006-08
売り上げランキング : 803


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図説 日本の財政〈平成18年度版〉
図説 日本の財政〈平成18年度版〉木下 康司

東洋経済新報社 2006-08
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株への投資力を鍛える―稼ぐ銘柄選びのシナリオ
株への投資力を鍛える―稼ぐ銘柄選びのシナリオ馬渕 治好

東洋経済新報社 2006-08
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二つの血の、大きな河―悪いのは日本人か中国人か
二つの血の、大きな河―悪いのは日本人か中国人か森田 靖郎

東洋経済新報社 2006-08
売り上げランキング : 83180


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■8月21日発売

米国競争力戦略の革新―進化する産業政策の展望
米国競争力戦略の革新―進化する産業政策の展望ケント・H. ヒューズ Kent H. Hughes 城野 敬子

東洋経済新報社 2006-08
売り上げランキング : 34900


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日本企業改革開放論―中国人の上司とうまくやれますか
日本企業改革開放論―中国人の上司とうまくやれますかT.W. カン T.W. Kang

東洋経済新報社 2006-08
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■9月4日発売

大前研一 新・経済原論
大前研一 新・経済原論大前 研一 吉良 直人

東洋経済新報社 2006-09-01
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■2006/08/26, 週刊東洋経済

ゴールデン・サイクル―「いざなぎ超え」の先にあるもの
ゴールデン・サイクル―「いざなぎ超え」の先にあるもの嶋中 雄二

東洋経済新報社 2006-05
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おすすめ平均 star
star学生さんが読む本
starデータ豊富、しかし。

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景気循環から見える黄金の日本経済

日本経済は好調を続けており、戦後最長の景気拡大であった「いざなぎ景気」超えも視野に入りつつある。

本書は、このような日本経済の現状を、短期、中期、長期および超長期の景気波動を重視する観点から分析したものである。この見方の下では、独立した経済事象に見える中国特需、デジタル家電ブーム、さらには郵政民営化などの構造改革までもが景気波動の中に位置づけられ、大きな景気のうねりとして緻密に説明される。

そして、この分析の延長に、足元の景気波動がすべて上向きであり、これから数年堅調な経済展開となることが示される。その背景となるのが、設備投資・建設投資の持ち直しや構造改革で進む公共サービスの自由化などの動きである。

著者は、言うまでもなく、景気分析の第一人者である。そして、景気循環論の権威である。また、私とは同じ高校の出身であり、数十年来の知己でもある。その著者が、「設備投資循環の上昇とともに潜在成長率が再加速しようとしている」として、人口減少があっても技術革新その他の要因による生産性の伸びが日本経済の成長を決めると指摘するのは、長期のデフレ持続や少子高齢化を前に日本経済の将来を悲観視する見方もある中では実に心強い。

もちろん、本書の分析と予測がいくら綿密であっても、また景気波動が全て上向いているとしても、経済動向には予測しきれない面がある。経済予測には、将来起きるかどうかも分からない急激な円高や石油ショックといった外生的かつ不確実な要因まで完全に織り込むことはできない。また、経済社会構造の変化なども景気循環の期間や大きさに影響を与える。たとえば、日本では少子高齢化が急速に進んでおり、個人消費の伸びが緩やかになってきている。このことは、中期的な景気波動を主導する設備投資がかつてのような規模では生じなくなる可能性にもつながろう。

とはいえ、これらは今後の景気展開に期待を抱くことを否定するものではない。今後とも政府や企業の適切な努力があれば、良好な経済成長が維持されうるし、展望は拓ける。

本書からは、日本の経済や景気動向を複眼的かつ超長期の視点でも読み解く重要性を再認識させられる。そして、今後の力強い景気展開と日本経済の本格復活の可能性に勇気づけられる。多方面の努力が必要としても、景気波動と構造改革の先になにが出てくるのか、日本経済からますます眼が離せなくなってきた。本書は、これからの日本経済を読み解く貴重な羅針盤である。【評者 中島厚志 みずほ総合研究所チーフエコノミスト】

■2006/08/05, 週刊東洋経済

危機の宰相
危機の宰相沢木 耕太郎

魁星出版 2006-04
売り上げランキング : 5285

おすすめ平均 star
star所得倍増にこんな物語が隠れていたとは
star誰にも期待されなかった男たち
star輝いていた時代を懐古するためだけにあらず

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若き沢木耕太郎の力作 池田勇人を熱く描く

ここでいう宰相とは、1960年4月から64年11月まで首相だった池田勇人のことである。池田は「所得倍増」で知られるが、その政策を支えたのは2人のブレーン下村治と田村敏雄である。池田を含めた3人の共通点はルーザー(敗者)だということであった。

池田は25年に大蔵省に入ったものの、2年後「落葉性天疱瘡」という奇病で5年間もの闘病生活を余儀なくされる。田村は大蔵省の同期だが、満州国建設に夢を馳せる。終戦後シベリアに5年間も抑留され、帰国した時、池田は大蔵大臣になっていた。下村もまた大蔵官僚だった。2人に遅れること9年。戦後のインフレ対策に奔走したが、肺結核で3年間闘病生活を送る。その間に独特の経済理論を構築し高度成長論を唱えた。

奇病と闘い、捕虜生活に苦しみ、死病に苦しんだ3人のルーザー。彼らは運命のごとく池田のもとに集まり、敗者は復活する。

「危機」とは、〈安保騒動〉で岸政権が崩壊したあとの状況をいう。岸信介のあと首相の座についた池田は「寛容と忍耐」をスローガンに「所得倍増」を強力に推し進めた。岸から池田への移行は、単なる政権交代ではなく、日本社会に根底的な変化をもたらしたのであった。

ルーザーとして描き出された宰相池田勇人は、なんともいえぬ魅力的な人間である。ことに前尾茂三郎との交遊は微笑ましい。前尾もまた大蔵省の後輩で、大病をしたルーザーであった。

本書は著者がまだ30歳だった77年に原型が書かれ、雑誌に連載された。

政治家が政治家であった時代、政治が政治であった時代が、あの頃には確かにあったのだと思わされる。そういう時代の熱さが、若かった著者の行動力と一緒になって伝わってくる。【評者 仲倉重郎 映画監督】

■2006/08/05, 週刊東洋経済

世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白
世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白斉藤 寅

草思社 2006-06
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おすすめ平均 star
star世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白
star読んだ後考えさせられた
star小説風の自己主張にうんざり

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不気味な読後感 外国人犯罪への警鐘

何とも危ない取材をして書かれた本である。どこへ行くかも知らされずに、会って二度目の闇社会に連なるベトナム人の車に乗るのはまだしも、見知らぬアジア系の若者2人が運転席と助手席にすわる車で、大阪の真っ暗な夜の公園に連れて行かれ、犯罪グループに参加しているその青年2人に6時間にわたって、著者はインタビューする。他人ごとながら、はらはらさせられた。

本書の著者は、身の危険に鑑みて正体を明らかにしていないそうである。長年こうした取材をやっている人物のようで、闇の中から現れ、闇の中へ消えて行く、悪く転ぶと、大阪湾に死体が浮かんでも全然おかしくない類のジャーナリストのようだ。文章も週刊誌を読んでいるような泥臭さがある。

肝心の、本書で書かれている世田谷一家殺人事件の真相はというと、それが真実かどうかを、本書の記述だけで判断するのは早計ではないだろうか。警察関係者やジャーナリストの中には、本書と意見を異にする人々が、まだいるようである。

ただ、本書で述べられているようなことが起きた可能性は十分あることは理解できる。他の事実関係とも一応つじつまが合っており、事件のときの状況を微細かつ容赦なく再現したシーンは、ホラー映画の比ではない。何の根拠もなくこうしたシーンは書けないだろう。世田谷事件の真相であるかどうかは別として、本書が指摘する変化が日本社会に起きていることは、最近の渋谷区の女子大生誘拐事件などを見ても明らかだ。

ただ、本書の中でベトナム人の仮名として、フー・ビャン・クオなどいくつか出てくるが、ベトナム人の名前としてあり得ないものばかりだ。出版社は細部まで注意を払って本作りをすべきである。【評者 黒木亮 作家】

■2006/08/05, 週刊東洋経済

言いたいこと「全部」言えるスキル―「何も言えなかった」私が金融の戦場・シティーで学んだこと
言いたいこと「全部」言えるスキル―「何も言えなかった」私が金融の戦場・シティーで学んだこと藤原 美喜子

祥伝社 2006-05
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おすすめ平均 star
starパーソナルスキルの入門書
star自己顕示欲の塊り
star新聞のコラムが本になりました

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交渉力をつけるノウハウ本はあまたあるが、これは著者が「ミキコ・フジワラ」である点で特別な価値がある。日本人女性として初めて英国でMBAを取得、シティー中心に国際金融の最前線で活躍。そんな彼女がかつては「言いたいことを何も言えない人間だった」とは、今の著者を知る人たちにとっては驚きだろう。

会議を成功させるチャタムハウス方式、あがり症を克服した腹式呼吸法、営業マンに必要な「話のおみやげ」など、すぐに活用したいエピソードが満載だ。

ちなみに、人生でもっとも言いにくかったのは「出産休暇をください」だとか。1男1女の母でもある。数年前には本誌特集「子どもの産めない国」で、働きながら出産・育児をする心構えを語ってくれた。「女性が妊娠すると会社の男性たちは『能率が下がるんじゃないか』『ずっと子どものことばかり考えているんじゃないか』と怖がるものです」。その壁を突破したのも彼女の「交渉力」だろう。

■2006/08/05, 週刊東洋経済

中世ヨーロッパ入門
中世ヨーロッパ入門アンドリュー ラングリー Andrew Langley

あすなろ書房 2006-03
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おすすめ平均 star
star「絵・写真」です
star窓で知る中世の格差社会

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ヨーロッパの5~15世紀は中世といわれ、「暗黒時代」という形容詞が付けられている。だが、全くその名の通りではなかった。 例えば、6世紀のビザンツ帝国の首都コンスタンチノープルは世界で最も壮麗な都市であり、8世紀のフランク帝国のカール大帝は学問とキリスト教を広めた。さらに11世紀になると、人口は増大し、カトリック教会がそのピークに達し、大聖堂や修道院が造られ、都市の発展を促し、封建制度を基本としたヨーロッパの生活は比較的安定した。

しかし、14世紀は、次々とペストに襲われ、不作のために飢饉が起こり、人口の3分の1が死んだ。15世紀には、芸術と科学に対する関心が復活した。ルネッサンスである。また堕落したカトリックに対する宗教改革、グーテンベルクの印刷機の発明、そしてコンスタンチノープルが陥落し、イスラム都市イスタンブールに変わった。ビザンツ帝国の、そして中世の終焉であった。

■2006/08/05, 週刊東洋経済

会社の寿命10年時代の生き方
会社の寿命10年時代の生き方道幸 武久

サンマーク出版 2006-07-06
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おすすめ平均 star
star前作が良かっただけに・・・
starこれからの時代を生き抜く知恵の本
starやや期待はずれ-志が小さい

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著者は大学卒業後、一部上場の準大手証券会社である三洋証券に入社。だが、その半年後に三洋証券が破綻する。その後、ITベンチャー企業を経て、29歳で経営コンサルタント会社を設立。今では年商数億円規模の社長である。

その著者が、今後の会社の寿命は10年と考えて、その準備や心構えを説いている。ここでいう、「会社の寿命10年」とは、「会社の全盛期は10年」という意味である。

1997年の金融危機後、日本の社会と会社は大きく変わった。もはや会社に身も心もゆだねる姿勢では、年収も維持できないし、サラリーマンの幸福もないと著者は指摘する。

サラリーマンは「プロフェッショナル」にならなければならない。そのための「人生の設計図」の書き方や、生きていくための具体論を展開している。

コミュニケーション能力の必要性や、「運」を味方にするための心構えなど教えられることが多い

■2006/08/05, 週刊東洋経済

からだにやさしいお茶料理―シンプルでヘルシーなレシピ集33
からだにやさしいお茶料理―シンプルでヘルシーなレシピ集33小野 詩織

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お茶は「医と食」を兼ね備えた健康的な食べ物である。多様で豊富な栄養源を含むお茶を飲むだけではなく、「茶料理」としてもっと食卓に取り入れてほしい、これが本書の意図することである。

「茶料理」とは、茶汁、茶葉、茶穀を使って食材と一緒に調理することであり、「茶は養生の仙薬、延命の妙薬」といわれている中国では3000年の歴史がある。病気の回復、あるいは食糧として、生の茶葉をそのまま噛んだり調理したりして食べたという。

まさに医食同源というべき東洋医学の基本なのである。茶葉の成分の効能としては、生活習慣病の予防と緩和、ガンの予防、老化防止、ダイエットなどに大きな威力を発揮していることが裏づけられている。

現在、「茶料理」は健康食のみならず、食事療法として、さらに西洋医学に対する代替療法の一つとして期待されている。33種のシンプルでヘルシーなレシピを紹介している。

■2006/08/05, 週刊東洋経済

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