メイン > 週刊エコノミスト書評 『ブックレビュー』 > 2006年8月1日~8月8日

自治体崩壊―経営感覚なき組織の行く末とは
自治体崩壊―経営感覚なき組織の行く末とは手島 皓二

PHP研究所 2006-06
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自治体の予算分析を通じて財政再建の方策を探る

北海道夕張市の財政再建団体への転落は、マスメディアによって大きく報道され、自治体の財政運営に対する批判の眼差しを一段と厳しくしている。たしかに、年度内に一時借入金を繰り返すといった手法は「粉飾」にも等しく、批判されて当然であろう。2004年から05年に、これまた大々的に報道された大阪市の「乱脈経営」も、自治体財政の規律について社会に不信感を植え付けたといってよい。

しかし、多くの自治体が苦悩する財政の困窮を、自治体の放漫経営に起因していると断じるのは間違いである。中央・自治体にわたる構造的問題として考えてみる必要がある。

著者は静岡県富士宮市の市議会議員を務める。国・地方を通じた財政「破綻」状況のなかで、富士宮市の行財政運営を素材としつつ、財政再建の方策を市の予算分析を通じて試みようとしている。市当局の、整合性や将来性を「無視」した財政運営の実態を明らかにするとともに、行政職員の削減が一向に実施されない現状を鋭くリポートしている。

根源には誰にも分からない予算があるとして、自ら「ダイエット予算」の試作に取り組み、歳出予算の款(予算区分の最初の大きな括りで、議会費、総務費など)ごとに内容を分析し、項別に削減可能値を示している。こうした議員による予算分析は大いに評価しておきたい。実際、予算書をきちんと読める議員など皆無に等しい。選挙なる洗礼を受けねばならないから、あれもこれも要求し、財政の体系性を喪失させているといえよう。

自治体の予算書の形式は、地方自治法の政令に規定されており、それを遵守せねばならない。だが、北海道ニセコ町が先進例を示したように、市民に分かりやすい「もうひとつの予算書」を作ることは自由だ。首長・職員、議員には「秘伝の文書」であったほうが効用があるのだろうが、著者には有志を募ってこうした改革を進めてもらいたい。それは著者のいう議会のチェック機能の原点でもある。

ところで、著者は「ダイエット予算」を試みたものの、23%の削減に終わったとする。2割強の削減は大きいが、このことが意味しているのは、自治体行政に対する中央各省の法令はもとより、告示、補助要綱などによる規律密度の高さによる。自治体の水膨れ体質を根本から改めるには、この規律密度の大幅な緩和を求めることと、自治体自ら行政コストをはじめとした事業の徹底した透明化を図ることが必要だ。本書のメッセージもここにあるといってよい。【評者 新藤宗幸(千葉大学法経学部教授)】

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

ボローニャの大実験 - 都市を創る市民力
ボローニャの大実験 -  都市を創る市民力星野 まりこ

講談社 2006-05-26
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おすすめ平均 star
star力づけられました
starボローニャの大実験
starとにかくお薦めです

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ネットワークシステムが創る中小企業から芸術・文化まで

ボローニャというイタリアの小都市は面白いよ、ということを書いた本である。イタリアは自立した小都市が肩を並べ、それに比べ国家が脆弱であったという歴史をもっている。すなわち、国家よりも小都市の方が内容がつまっているのである。ボローニャはその長い都市史のなかで、何度も危機に出くわしながら、そのたびにキチンと蘇っている。その蘇らせたものは何か、というのが本書の最も奥底にある問いである。

伝統を重視した都市計画。親企業から分離独立していくスピン・オフ形式を利用した中小企業の産業システム。ボローニャ大学という知の殿堂の利用。芸術・文化への目配り。これらが各章で述べられていて、読者は自分と関心が深い分野のノウハウに刺激を与えられると思う。また、小さな発見もあるだろう。私は、緑茶のティーバッグを作る機械がこの小都市と深い関係があることを知り、愉快に思った。

けれども、本書はノウハウより気軽に教養の読書のつもりで読んだ方がよいように思う。ノウハウを得ようとするとそれだけに目がいき、この本の魅力である「人としての生きる姿勢」が頭の隅をかすめるだけになってしまうおそれがあるからだ。

日本人の目からすれば、頑固な人たちがいっぱい登場する。そのような人たちはホームレスのための活動や伝統工芸職人、起業支援者、市民活動、映画や演劇の活動、つまり社会の多様な分野のなかにいて、本書ではその人たちから丁寧な聞き取りをしている。彼らの信念を込めた言葉がいい。例えばファシストと戦った高齢のパルチザンの「行動しなければ意味がない」という言葉は、ボローニャの人たちにも当てはまる信条のようだ。こうした人たちが相互に出くわし、そこに関係ができ、ある目的をもった協同の組合もできる。そしてそのような組織の構成がボローニャという都市の生きた姿であることがわかる。単純化していえば、彼らは三つのことを重視する。それは「計画」と「楽しみ」と「行動」である。それら三つがごく自然に発露されていて、歴史と共生している市民とはこのようなものか、ということを教えてくれる。

私は、欧米の人たちが活動の過程で意見が異なるときに使う、トレランス(寛容)という言葉が好きで気になっていたが、ここボローニャでも、このトレランスは健在である。異なる者を受け入れる哲学がトレランスだと思うが、その奧に深い人間愛があり、そのような事実は本書でも明確に示されている。【評者 鳥越皓之(早稲田大学人間科学学術院教授)】

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

ニヒリズムの宰相小泉純一郎論
ニヒリズムの宰相小泉純一郎論御厨 貴

PHP研究所 2006-06
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star祭のあと

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著者インタビュー みくりやたかし 御厨貴(東京大学 先端科学技術研究センター教授)

しがらみに縛られない小泉さんは純粋に面白い

――小泉純一郎首相は「説得しない、調整しない、妥協しない」という「三無主義」の「ニヒリスト首相」と指摘しています。政治学者には珍しく、宰相・小泉の人物論を書くきっかけは。

■小泉さんは純粋に面白い。通常の首相とは異なり、いい悪いは別にして閉塞された事態を変えた。テレビなどでの露出度が高く、政府の審議会で同席する場面もあった。政治学者をやっていて、そんな政治家に出会うチャンスはないと思い、取り組みました。

――ニヒリスト小泉の人格形成の原点はどこにありますか。

■東京に近い横須賀市の生まれで大学は慶応、離婚経験もある。都会型でドライな個人主義的な育ち方をしたのでしょう。3世議員でありながら、あまり父や祖父のことを語らない。故橋本龍太郎元首相や河野洋平衆院議長が「おやじの影」を引きずっているのとはかなり違いますね。多くの首相は権力に就くとしがらみに縛られ、調整に追われますが、小泉さんの場合、しがらみがないから調整もしません。一人一人の政治家に思い入れもせず、使えなくなった人は切り捨てるわけですね。

――小泉首相だから、戦後のタブーだった「憲法、天皇、靖国」問題を政治のテーブルに載せたと分析してます。

■憲法改正も女帝論議も靖国参拝も、いろいろな影響を考えたら手をつけられません。「こうだ」という結論を先に出し、結論にたどり着くためのシミュレーションはやらない。特に人の話を聞けば迷って決断できなくなるから、飯島勲秘書官ら身内の意見しか聞かないんでしょう。ただ、女性・女系天皇を認める皇室典範改正案については国会に提出されていれば、反対派を収拾できず政権もレームダック化しかねなかった。それだけに紀子さまのご懐妊で改正案が提出されず運が良かった。

――小泉さんだって結論を出すまで迷うでしょう。

■彼は常識で判断すると思う。政権発足直後の人事で橋本派を除外し、民間から閣僚を多く起用し、自民党内から「これで持つか」と懸念されたがうまくいった。その勢いで自民党政調会も全会一致が慣例の総務会もいわば無視して郵政解散という勝負に出たところ、国民からすごく受け、勝ちました。

――「小泉さんは人を排除する点では天才的だが、育てるという点で実績がない」と強調しました。安倍晋三官房長官ら「ポスト小泉」はどうなりますか。

■幹事長―幹事長代理―官房長官という安倍さんの起用法を見ても育てているとは言えず、安倍さんにも「育てられた」との実感はないでしょう。次の首相は小泉さんを完全に引き継ぐことも、全然違うタイプもできない。結局若返っていくしかない。感覚が若くないと首相の激務には耐えられません。

――「小泉再登板」はありますか。

■来年の参院選で民主党が勝って、衆院は自民、参院が民主という対立が深刻化した場合、もし憲法改正をテーマとした大連立になれば、賞味期限付きであるかもしれませんね。

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

老後がこわい
老後がこわい香山 リカ

講談社 2006-07-19
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最近、お葬式の風景が変わりつつあるという。少子化、晩婚化等でシングル層が増えた結果、死ぬ本人もシングルなら、参会する人々もシングル……。自分の葬式を、いったい誰が取り仕切るのか。一足飛びにお葬式の心配ばかりではなく、いつまで働けるのか、介護問題、親の死等々、老後の人生に襲いかかる様々な問題を語る。

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

経済思想 (9)
経済思想 (9)大森 郁夫

日本経済評論社 2006-07
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明治の啓蒙期を代表する福沢諭吉、田口卯吉、第2次世界大戦を挟んで活躍した石橋湛山、小泉信三まで、8人の経済思想家を取り上げる。わが国の民俗学の開祖である柳田国男や、中国の知識人・革命家にも影響を与えた河上肇など、経済学を超えて幅広い分野に挑んだ人々の足跡にも光を当てることで、近代日本が資本主義と共に歩んだ実相を多面的に浮き彫りにする。

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

溥儀―清朝最後の皇帝
溥儀―清朝最後の皇帝入江 曜子

岩波書店 2006-07
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2006年は、ラストエンペラー愛新覚羅溥儀の生誕100年に当たる。激動の20世紀を、まさにその人生で体現した清朝最後の皇帝の、数奇な生涯を描く。特にその前半生に大きな影響を与えた日本との関係に焦点を当てる。権力への夢に揺れ動く姿など、単純に悲劇の皇帝としてだけではない複雑な人間模様に歴史の光と影を見る。

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

イノベーションと競争優位 コモディティ化するデジタル機器
イノベーションと競争優位 コモディティ化するデジタル機器榊原 清則 香山 晋 延岡 健太郎

NTT出版 2006-07-13
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優れた技術で市場に製品を投入しても、企業の成長に直接つながらないのはなぜか。薄型テレビやDVD、デジカメなどのデジタル機器を取り上げて分析する。参入企業の増加、困難になる商品差別化、競争による価格低下といったコモディティ化のジレンマとは。

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

分断される日本
分断される日本斎藤 貴男

角川書店 2006-07
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おすすめ平均 star
star怒りの滲み出た、滲み出すぎた一冊。

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格差社会、上流・下流、国家による管理・監視は見張る者と見張られる者に分けられ――。日本の社会はいま、あらゆる領域で分断が進行中だ。いつの間にか区分され拡大するギャップ。どこにも逃げ場のない、この息苦しさの、根幹にあるものを探る。

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

ザ・アンカー ピーター・ジェニングス
ザ・アンカー ピーター・ジェニングスNHK制作班

平凡社 2006-07-21
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昨年8月に急逝した米ABCテレビの看板アンカーマン、ピーター・ジェニングスの「報道と人」を追う。9・11、イラク戦争など、「アメリカに世界の声を届けるかけがえのない存在」と言われた人物が伝えたものとは。

■2006/08/08, 毎日エコノミスト

大地の咆哮 元上海総領事が見た中国
大地の咆哮 元上海総領事が見た中国杉本 信行

PHP研究所 2006-06-22
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おすすめ平均 star
star現代中国についての客観的な分析
star中国との共存の方法に賛成
starすばらしい!けど・・

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14年の中国体験から描き出す「辛口」の中国の実相

本書は外交官生活33年のうち14年近くを中国で勤務した「中国体験に沿って」、中国の実相を解き明かすとともに、対中外交のあり方についても提言を試みている。

著者が描く中国の実相は「辛口」だ。例えば総領事として勤務した上海の発展について「危うい基礎の上」にある現実を描いてみせる。20階建ての高層ビルが東京で100棟に対して上海では4000棟もあり、それが「不動産バブルを破裂させる時限爆弾となりかねない」。さらに問題なのがメンテナンスで、エレベーターは霞が関ビルが合計24台に対し、上海では40階建てでわずか6台しかない。

「辛口」の中国の現実は、さらに渇水や汚濁など水問題の深刻さ、「いまだに封建時代のような身分制度を押し付けられている9億以上の農民の現状」、大陸から亡命してきた国民党政権に抑圧・差別された「台湾人の悲哀」に対する大陸の中国人の「認識」の欠落などの指摘にもみられる。

こうした厳しい現実分析を踏まえて、「中国が日本にとって好ましい存在になるように全力を尽くす」べき対中外交も論じている。例えばすでに「卒業」が決定済みの対中ODAについて、あえて「継続は絶対に必要」と主張する。ただし巨額プロジェクトではなく、「初等教育、環境保全対策、医療分野の協力、貧困対策」などへの1件1000万円程度の「無償資金協力」の拡大である。「中国が本来やるべきことで怠けている分野」への協力を「中国全土に面的に広げていくことで、初めて、中国が反論できない問題提起ができる」からである。こうした支援を著者は「中国の国内ODAの誘い水」と呼び、これを「増やしていくことが、まずは中国の安定、ひいては日本の安定につながると信じている」。

著者は上海総領事時代に、中国側に情報提供を強いられて自殺した館員の「無念さ」に加え、自身の末期がんの宣告に遭い、本書を書くことを決意した。「現代中国をどう認識し、どう対応するのか、日本の対中外交はどうあるべきか」が説得力をもって語り尽くされ、「今後の日中関係、対アジア外交に何らかの役に立つのではないか」との思いは十分に伝わってくる。

7月11日、本書の出版記念会が開かれ、外務省の上司・同僚、親しいジャーナリストや研究者、中国の友人たちのほとんどが集まり、静かに笑顔を見せる車椅子の杉本氏を祝った。著者の深い「思い」を、多くの読者、特に為政者が真摯に受け止めてくれることを願ってやまない。【評者 小島朋之(慶応義塾大学教授)】

■2006/08/01, 毎日エコノミスト

現場に神宿る―千日デパートビル火災/被災テナントの闘い
現場に神宿る―千日デパートビル火災/被災テナントの闘い中坊 公平 松和会

現代人文社 2006-07
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star弁護士廃業は重ね重ね残念

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17年に及ぶ集団訴訟を支えた商店主たちの誠実とねばり

まちづくりや商店街の活性化に関する調査をしていると、商店街の敵は商店なのではないかと思えてきたりする。一生懸命やっている店の人が、「シャッターを閉めたままにしていると連続性が途絶えてまわりも困るから、貸してやってくれ」と頼んでも、「俺は他人に店を貸すほど困っていない」などと言う店があったりする。

だから評者は、この本を読んで感激した。強い者に対しても泣き寝入りせず、協力しあって筋を通してがんばり続ける商店主たちがいるのだ。

本書は大阪の千日デパートビル火災(1972年)と、その後の裁判闘争の経過を描いたものだが、評者は千日デパートの火災はかすかに覚えていたが、焼け出されたテナントとビルのオーナー(日本ドリーム観光)との間に17年もの確執があったことは知らなかった。

死者118人、負傷者42人もの犠牲者がいるのに、ビルのオーナー側は、家賃のほかに多額の管理費を取りながら保安管理の責任を認めず、しかも店子の権利も否認した。これに異議を唱え、オーナー側に裁判を挑んだ店子たちの物語である本書は、様々なことを読者に伝えてくる。

たとえば、大企業は裁判に強い。お金があるから裁判が長引いても困らない。対策はいくらでも立てられる。それに対して零細企業やその集団はとても弱い。なぜなら個々のメンバーの利害の大小や、意思の強弱などが異なることにより、まとまって5年、10年といった長期間の法廷闘争を維持するのが難しいこと、また本書のように訴訟団が30人、40人となると、途中で死亡してしまう人も出てくる。

あるいは零細商店などは、日々の商いに追われ、きちんとした計数管理をしていないため、自分の被害額すら容易に算定できず、実証がしにくかったりする。また本書でも登場するが、時にはずいぶんとヘンな裁判官がいたりする。

そして結局のところ、集団による裁判の困難を支えるのは中心メンバーの誠実さとねばりである。戦後、着の身着のまま、あるいはバラックでスタートして商いに精を出し、やっとこれからという時に火災に遭い、何の補償もないまま追い出されようとした人々の闘いの記録である本書に、大きな拍手を送りたい。大切なのはあきらめないこと。人間に必用なのは誇りであること。主張すべきはあくまでも主張する以外にないこと。タイトルにあるように、現場に神は宿るのかもしれないのだ。人間の弱さと強さが描かれている本である。【評者 中沢孝夫(兵庫県立大学教授)】

■2006/08/01, 毎日エコノミスト

会社の寿命10年時代の生き方
会社の寿命10年時代の生き方道幸 武久

サンマーク出版 2006-07-06
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starこれからの時代を生き抜く知恵の本
starやや期待はずれ-志が小さい
star所得減少時代を迎えるに当ってのプロフェッショナル・マインド

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著者インタビュー 道幸武久(ビジネスプロデューサー) 『会社の寿命10年時代の生き方』

「勝ち組」会社員のさらに上、「プロワーカー」を目指せ

――まず「ビジネスプロデューサー」という肩書についてうかがいたい。

■早い話、経営コンサルタントです。見てのとおり私服でサングラスが私のトレードマークで、新しいタイプを目指しています。企業トップなど個人を対象にしたブランディング(ブランド力の向上)が私の得意分野です。

――本書の書名にある「会社の寿命10年」はショッキングですが、根拠はなんでしょう。

■20年ほど前に『日経ビジネス』が唱えた「会社の寿命30年説」の向こうを張っています。傍証として調査会社の数字も挙げていますが、統計的な事実というより私の「説」と捉えてもらっていい。ただし、ビジネスモデルの寿命がどんどん短くなっているのは事実で、最近の企業は創業10年でピークを迎えるというのは多くの人の一致した見方です。

――しかし、100年以上続いている会社もたくさんあり、大企業はなかなか潰れないというのも一方の真理なのでは。

■もちろん、そうですね。私の場合は、父のいた1部上場の銀行が潰れましたし、私がいた証券会社も潰れた。証券マン時代には他にも多くの会社が潰れていくのを見ました。私の世界観では大会社も潰れるものなんです(笑)。それはちょっと特殊だとしても、要するに10年以内に自分のいる会社は潰れると考えて準備をしておきなさい、ということです。潰れなくても、賃金カットや飼い殺しなどの目に遭うかもしれない。

――そこで、会社を離れてもびくともしない自分のブランド力を築け、というのが本書の主張ですね。共感できますが、会社側から見れば、優秀な人材の流出を促すようなこの本はちょっと危険かもしれない。

■実際、私のセミナーに来ている方は、上場企業の執行役員だとか、すでに企業での勝ち組が多いんですね。成功している人ほどさらなる向上を求め、自己投資として私のところに来る。それに、40代でそれなりに出世している人も、50代になるとどうなるだろう、という不安はありますから。

もっとも、私は別に転職や独立によるキャリアアップだけを勧めているのではありません。会社にとどまるにしても自分のブランド力を磨く必要はあります。

――本書では、会社員が目指すべき目標として「プロワーカー」という言葉を使っていますね。

■プロワーカーとは、待遇に関して会社と交渉できる、会社員のプロです。アメリカで流行っていて、日本でも最近導入されはじめたフリーエージェント制が参考になります。1年ごとの契約というリスクと引き換えに、たとえば年収1100万円が1500万円になる。優秀な人をさらにやる気にさせるそうした仕組みは、会社にとっても、そして日本全体としても利益になると思います。このプロワーカーという言葉を、私は「フリーター」や「ニート」よりも日本に浸透させたいですね。

■2006/08/01, 毎日エコノミスト

明治天皇の一日 皇室システムの伝統と現在
明治天皇の一日 皇室システムの伝統と現在米窪 明美

新潮社 2006-06-16
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star大忙し?すっごくヒマ?明治宮廷の不思議
star明治天皇の知られざる一面

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午前8時、「おひーる」という女官のかん高い一声から皇室の朝は始まる。「おひる」とは天皇の「お目覚め」のこと。明治維新で京都から東京へ移り住んだ明治天皇が最初に着手したのは女官制度の改革だったというが、かけ声とは裏腹に、その後も宮廷のシステムはしぶとく生き続けていく。明治天皇の平凡な1日を再現しながら、皇室問題の核心を探る。

■2006/08/01, 毎日エコノミスト

アメリカ・スポーツビジネスに学ぶ経営戦略
アメリカ・スポーツビジネスに学ぶ経営戦略デビッド・M. カーター ダレン ロベル David M. Carter

大修館書店 2006-07
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リーダーシップや管理能力などの人と組織の問題だけでなく、放映権やネーミング権、エンドースメント(有名選手による商品の保証宣伝)などの権利ビジネス、顧客マーケティング、個人のキャリア形成に役立つパーソナル・ブランディングの考え方など、スポーツの世界から広がったビジネスの概念が分かりやすく解説される。

■2006/08/01, 毎日エコノミスト

一字一会―いま、何か一つだけ、字を書くとしたら?
一字一会―いま、何か一つだけ、字を書くとしたら?『週刊金曜日』編集部

金曜日 2006-07
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椎名誠の「怪」、岸田今日子の「毒」、妹尾河童の「空」、「ん」を選んだ中島みゆきと水森亜土、藤原新也は「文字というのは意味づけするとつまらない。その字を見てそれぞれの人の心に何が去来するかが面白い」と書いて「離」の一字を挙げる。「何か一つだけ字を書くとしたら?」の問いに100人が答えた。

■2006/08/01, 毎日エコノミスト

「知識人」の誕生 1880‐1900
「知識人」の誕生 1880‐1900クリストフ シャルル Christophe Charle

藤原書店 2006-06
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1894年、ドイツへのスパイ嫌疑をかけられたユダヤ人将校の逮捕に始まったドレフュス事件は、フランスの国を二分する大論争事件に発展した。作家エミール・ゾラが軍部の不正を糾弾した大統領宛公開質問状は有名だが、本書では、そのドレフュス事件のなかで生まれてきた、社会的カテゴリーとしての「知識人」とは何かを論じる。詩人・芸術家・科学者・哲学者などの系譜的な流れのなかで「知識人の誕生」が語られ、豊富なエピソードから当時の状況が生き生きと描き出される。

■2006/08/01, 毎日エコノミスト

アジアの福祉国家政策
白鳥 令

1997年の通貨危機で経済崩壊に遭遇したアジア諸国は、「経済成長なければ福祉なし」という考え方の誤りに気づくことになった。生産の拡大を第一義に考える経済発展モデルは、自動的に福祉国家の建設には至らない。福祉国家政策はいかにあるべきか。中国、韓国、タイ、マレーシアなどアジア諸国の福祉制度と政策を比較検討し、新たな「開発型福祉国家モデル」を提唱する。

■2006/08/01, 毎日エコノミスト

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