メイン > 週刊エコノミスト書評 『ブックレビュー』 > 2006年5月9日~5月16日
| 砂漠の女王―イラク建国の母ガートルード・ベルの生涯 | |
![]() | ジャネット ウォラック Janet Wallach 内田 優香 ソニーマガジンズ 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本書は、「イラク建国」にかかわった英国の女性政務官・東方書記官で、考古学者でもあったガートルード・ベルの伝記である。著者のジャネット・ウォラックは、驚嘆するほどの調査や取材を行い、本書を書き上げている。まさに労作といえる作品で、ガートルード・ベルの生涯を実に詳細、緻密に表現している。ベルは、バイタリティーの塊のような人物であり、当時の西欧人女性としては例外的ともいえるほど旺盛な知的好奇心と行動力をもち合わせた人物だった。
ベルの生涯を通じて、現在イラクが抱える問題の本質が見えてくる。イラクは英国の帝国主義的野心によって建国された国である。ベルが語るように、ヨーロッパの帝国主義進出以前、イスラムの人間は「自分の国」についてフランス人やイギリス人のような感覚を持ち合わせていなかった。彼らの愛国主義とは自分の生まれた土地やその周辺にしかあてはまらないという認識をベルは自らの研究によってもっていた。
しかし、英国の官僚であった彼女は、国策としてのイラク統治を考えなければならなくなる。イラクという土地を愛しながらも、英国の利益のためにイラク人を犠牲にせねばならない苦悩が、ベルにはあったのだろう。英国やフランスによるアラブ人の「トルコからの解放」は、第1次世界大戦後のイラクで民族・宗派間の対立をもたらし、現在と同様に、スンニ派はアラブ王国の建設を、またシーア派は宗教国家を、さらにクルド人は独立を求めるようになった。ベルは混乱したイラクでイギリスの影響力を保つには、アラブ人の自治を支援することではないかという結論に達する。
また、ベルは人口の多いシーア派にスンニ派を対抗させるために、クルド人をイラクに残すことを提案してもいる。さらによそ者で、オスマン帝国に対する「アラブの反乱」を指揮したファイサルをイラク国内の安定のために必要と考えていた。その後イラクではクルド人の独立を求める反乱が繰り返され、ファイサルの王政でも安定せず、ベルの意図は決して成功したとはいえなかった。
ガートルード・ベルが鬱的な状態になり、自殺とも解釈される非業な死を遂げるに至ったのは、非情な政治の世界の中で、学者や一人の人間としての良心を貫くことができなかったからではないかと思えてくる。
本書は「イラク国家」の致命的な矛盾を、それを乗り越えることができなかった英国人女性の生涯を通じて、改めて教えているかのようだ。【評者 宮田律(静岡県立大学助教授)】
| 日本経済の構造変動―日本型システムはどこに行くのか | |
![]() | 小峰 隆夫 岩波書店 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「改革なければ成長なし」などと言うものの、具体的に構造改革とは何かというと、分からないことが多い。著者は、構造改革と景気政策とを峻別する。二つの問題には二つの政策が必要だからだ。短期的な景気政策と長期的な構造問題とは本来異なるものだと言う。技術革新などに伴う構造変化と、長期的な変化と整合的でない制度・慣行を政策的に変えていく構造改革を併せて構造変動と呼び、変動の様相を明らかにする。
著者は、構造変化は進むものだとして、その動因として、キャッチアップ型成長の終わり、グローバル化の進展、少子高齢化、IT革命を挙げている。これらの動因を受けて、どのように構造が変化していくのかを、日本型経営、金融構造、地域開発、少子高齢化などの分野について論じている。
何をすべきかではなく、環境変化に対して、どのように対応していくかの予測に重点を置いている。これは構造変化が意図的になされたものではなく、環境変化に応じて自生的に形成されたものだという視点から当然のことだろう。
産業構造変化が自生的である以上、特定の産業を育成するような政策には批判的である。海外との取引において観光収支が赤字になっているのは、日本人が海外での観光にお金を使うほうが楽しいからで、観光収支の赤字はまったく問題がない。そうなることによって我々はより幸せになっていると指摘する。
金融専門家の「金融業は成長産業である、日本の銀行は努力すれば国際的な競争に勝ち残ることができる」などといった指摘も、予測ではなく願望にすぎないと切って捨てる。政策金融に関しては、政府が民間より大きなリスクに耐えられることと、国は大きなリスクを引き受けるべきだということを混同してはならないと指摘する。
本書の主張は手堅い論理と分析に基づいており、批判することは難しい。あえて指摘するとすれば、日本のキャッチアップ型成長が終わったというのはどうだろうか。確かに先進的な製造業についてはそうだろう。しかし、本書も指摘しているように、日本には政府部門を含め、遅れた産業部門が多い。政府のあり方について諸外国から学ぶことが多いという本書の立場とも矛盾していないだろうか。
本書の魅力は慎重な議論を積み重ねたうえでの率直な物言いである。地道な経済の論理が、常識と異なる斬新な結論を導くことができる。これが経済学の面白さだと私は思うが、本書はこのことを再確認させてくれる。【評者 原田泰(大和総研チーフエコノミスト)】
| アメリカ経済の光と影 | |
![]() | 丸茂 明則 朝日新聞社 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者インタビュー 丸茂明則(国際大学名誉教授) 『アメリカ経済の光と影』
――丸茂さんはかつて経済企画庁でアメリカ経済のエキスパートとして知られ、1980年代に調査局長を務めた。本書は、今に続く「絶好調のアメリカ経済」を、書名の通り「光」と「影」に分けて明快に分析している。一次資料を使いながらも、とても分かりやすく、頭によく入ってくる本でした。
■私の本は、内容はともかく、分かりやすい、と昔から言われます(笑)。
私としては、90年代に始まる再活性化から、21世紀に入ってからの不況を短期で克服するまで、この十数年間の圧倒的とも言えるアメリカ経済の強さを説明するのが第一の目的でした。IT革命にしても、なぜそれが最初にアメリカに起こり、なぜ他国にまして経済効率に結びついたのか。特にサービス産業での劇的な労働生産性向上に着目している点などが「売り物」と言えるでしょうか。
――そのアメリカ経済にも「影」がある。本書で第一に挙げられているのは経常収支の大幅赤字ですが、しかしこれはずい分前から言われている。
■80年代半ば、すでにドル暴落の恐れが警告されていましたね。当時の経常赤字はGDP比3%強。それが最近は6%を超えるほどまで拡大したのに、まだなんとかなっています。
そのため、経常赤字については、私が「なんとかなるさ論」と命名した、あからさまな楽観論が台頭してきました。最近FRB議長に就任したバーナンキ氏などもその論者ですが、こうした風潮の危険性を私は本書で指摘しています。経常赤字の「悪」は、普通のアメリカ人にとってインフレや財政赤字の「悪」ほど分かりやすくない。しかし、識者までもがそれに対して不感症になるとは……。
――「こんなことがいつまでも続くはずはない」と言われて20年続いているのですから、不感症になっても不思議はないです(笑)。
■続いているのは海外からのアメリカへの投資が絶えないからです。しかし、その流入資本にしても、最近は外国政府資金の割合が増加している。これはよくない傾向です。この傾向自体はまた逆転するかもしれませんが、やっぱり「こんなこと」はいつまでも続くはずはありませんよ。
――本書の最後に置かれた、時間当たり生産性に関する指摘も興味深い。アメリカの労働者の生産性が高いのは事実だが、労働時間も長い、と。
■ええ。振り返ってみれば、私が50年代に経企庁に入って統計を見始めてから、アメリカ人の製造業の労働時間はずっとほぼ同じ、週40時間ですね。その間、ヨーロッパや日本の労働時間は減っています。そこで現在、1時間当たりの生産性で比較すれば、アメリカは西欧とほぼ互角となります。北欧と比べても同じような結果になるという研究もある。
要するに、アメリカの生活水準の高さは、経済効率や「市場主義」の故ではなく、長時間労働の賜物ではないか、と。この説は面白いのでさらに研究を続けるつもりです。
「農」をどう捉えるか―市場原理主義と農業経済原論
原 洋之介 (著)
5月1日から施行された新会社法のポイントと制定の背景を分かりやすく解説する。日本には上場企業から中小企業まで300万社以上の会社があるという。「会社とは何か」が問われている現在、新会社法の登場は、国の経済や会社にかかわる人々の将来にどのような影響を及ぼすのか。資本主義の根幹を見据えながら、会社法とその未来を問う。
| 会社法入門 | |
![]() | 神田 秀樹 岩波書店 2006-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
5月1日から施行された新会社法のポイントと制定の背景を分かりやすく解説する。日本には上場企業から中小企業まで300万社以上の会社があるという。「会社とは何か」が問われている現在、新会社法の登場は、国の経済や会社にかかわる人々の将来にどのような影響を及ぼすのか。資本主義の根幹を見据えながら、会社法とその未来を問う。
| 電力自由化という壮大な詐欺-誰が規制緩和を望んだか | |
![]() | シャロン・ビーダー 高橋 健次 草思社 2006-04-21 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
アメリカとイギリスの電力自由化を取り上げ、規制緩和のもたらす負の連鎖と業界の闇をえぐり出す。政治家との関係、プロパガンダの実態を丁寧に検証し、電力自由化に重大な役割を果たしたエンロンの盛衰にも多く筆をさく。原油高騰が世界経済に影響を及ぼすなかで、安全の問題を含め、エネルギー政策のあり方を問う。
| なぜ、伊右衛門は売れたのか。 | |
![]() | 峰 如之介 すばる舎 2006-04-20 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
宮沢りえと本木雅弘のCMでおなじみのサントリー緑茶飲料「伊右衛門」を俎上に載せ、ヒット商品誕生の裏側を探る。商品の質にこだわり抜いたため、連戦連敗を繰り返してきた3人の開発者たち。CM効果だけではない、ものづくりの人間ドラマを追う。
| 中国・江南 日本人の知らない秘密の街・幻影の村34 地球の歩き方Books | |
![]() | 中国古鎮遊編集部 ダイヤモンド社 2006-04-22 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
張りめぐらされた水路の両側に並ぶ白漆喰に青瓦の民家――中国・江南地方の水郷地帯など、時を超えた中国の伝統的風景が楽しめる旅の写真集。日本人どころか、中国人もあまり知らない、とっておきの名所が紹介される。
| ラジオ記者、走る | |
![]() | 清水 克彦 新潮社 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
どっこいラジオはこんなに面白い。地味な存在と邪険にされようと、マイク1本を頼りに走り回るラジオ記者。田中真紀子元外相をレギュラーに口説き落としたり、ヒラリー・クリントン前大統領夫人の選挙戦ボランティアになったり。知恵と粘りの奮戦記。
| 使い捨てられる若者たち―アメリカのフリーターと学生アルバイト | |
![]() | スチュアート タノック Stuart Tannock 大石 徹 岩波書店 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
若者の雇用環境が厳しいのは日本だけではない。アメリカでも、外食産業や小売り、娯楽サービス部門など、賃金や付加給付が低く、職の保障に欠けるデッド・エンド・ジョブ(将来の見込みのない仕事)で働く若者が増加し、いまやマクドナルド1社だけでも、米国で働く成人労働者の15人に1人が同社での就業経験を持つという。最低賃金は抑制される一方、大学授業料が急騰した結果、1960年代半ばには最低賃金でフルタイム働けば6週間半で1年分の大学授業料を稼げたのに、90年代半ばになると、ほぼ3倍の19週間を要するようになった。しかも、一時的なはずの「腰かけの仕事」から、高い地位や賃金の得られるキャリア型の職に移るまでの年数は以前よりも長期化している。
本書は米国のスーパーマーケットとカナダのファストフード店で働く労働者のフィールドワークに基づき、若年労働者が置かれている仕事や職場の実態を具体的に描写している。同時に若者の雇用条件を改善するための具体的方策にまで踏み込んだ考察がなされる。米国でも、若者の全体的な所得水準が下がっているにもかかわらず、若者は親からの支援もあり、豊かであるとの先入観が強く、政府は若年雇用問題には関心を示してこなかった。そしてこれに代わって「腰かけの仕事」の雇用条件を改善できるのは労働組合であると指摘し、解決のための具体的取り組み事例が紹介される。
本書は著者のスタンフォード大学に提出された博士論文をもとに執筆されており、学問的客観性を維持する一方、当事者に実態を「語らせる」かたちで展開されることにより臨場感を高めている。
この本の指摘を日本のフリーター問題と対比させたとき、多くの共通点が見出される。だがその一方、「米国とカナダのほとんどの若者は結局、……腰かけの仕事を辞め、もっと高賃金で安定した職に移る」(7ページ)という記述を読んだとき、再挑戦が難しいといわれるわが国では、はたしてどのくらいのフリーターがその後、定職につけているのか気になる。
日米には労働市場の流動性や組合組織の違いなどはあっても、また、ここでの事例研究を通じた指摘が全米のどの程度の部分をカバーしているのか、統計などによって示してほしいという要望はあるものの、若年雇用問題が日本固有の問題ではなく、ほかの国とも類似したところが多く、国際的視野からこの問題を考え直すうえで非常に有益な書物であるといえる。【評者 樋口美雄(慶応義塾大学商学部教授)】
| スピードに生きる | |
![]() | 本田 宗一郎 実業之日本社 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1961年に発行された同名書の忠実な復刊である。日本経済が高度成長路線をばく進していた最中に、そのなかでも最も勢いよく成長していた本田技研工業の創業者の自伝だ。威勢がいい。しかし、それだけではない。現在の多くの経営者にとっても教訓に満ちている。
故本田宗一郎氏ほど愛された経営者はいない。破天荒で猛烈で稚気にあふれていた。しかし、本人にとっては破天荒ではなく、理屈に基づいている。そこが多くの人にはどうしても理解されない。そこで、まだ自伝を書く年ではないのに、自分の考えを理解してもらうために自伝を書いてしまった。本人が認める唯一の自伝が、本書である。
繰り返される言葉は、スピード、時間、技術、観察、能率、流行、遊びなどだ。しかし、その言葉の意味は一般とは、やや異なっている。確かに理解されるのは難しかったかもしれない。
スピードとは時間の関数であり、技術とは思想であり、観察とは頭で理解せずに見ることであり、能率とは頭脳をしぼって新しいやり方を工夫することであり、流行とは観察によって理解されるものであり、遊びとは人生の目標なのだ。
遊ぶ時間を生み出すためにはスピードが必要であり、スピードを生み出すためには最新の機械設備が必要であり、最新の設備をフルに活用するためには、その機械を生み出した技術者の思想を理解する必要がある。
思想を理解するためには観察が必要であり、観察を通じて新しいやり方を工夫して能率を高める。
商品の投入にはタイミングがあり、それには世の中の流行を観察する必要があり、流行を知るには人間を観察しなければならない。まるで現代のシリコンバレーの創業者の話を聞くようだ。
本田氏が激しく嫌うのは役人であり、戦前の統制経済の下で国費を投入された軍需産業であり、もろもろの政治的解決だ。逆に本田氏が好むのは現場と、共に働く若い人たちだ。
池田勇人内閣の所得倍増計画を説明されて、「これには驚いた。十年で所得が倍になるのなら、あたりまえすぎて話にならない。政府が本気でやる気なら、五年計画ぐらいでやるべきだと思う」と切って捨てる。
そして「これまで、そういった倍増を誰が達成したかというと、私にいわせれば、それは政府がやったのではなく、メーカーがやっている」。バブル経済崩壊からの再生もそうだった。【評者 北村龍行(毎日新聞論説委員)】
| ポピュラーサイエンスの時代―20世紀の暮らしと科学 | |
![]() | 原 克 柏書房 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者インタビュー 原克(早稲田大学教育学部教授) 『ポピュラーサイエンスの時代』――20世紀の暮らしと科学
――電動歯ブラシやトースター、ラジオといった20世紀のテクノロジーが生みだした製品を取り上げ、それらが人々の暮らしや文化にどのような影響を与えたかを探ったものです。ご専門は表象文化論、ドイツ文学ですが、なぜ「サイエンス」を対象に?
■私自身、もともと理系志望だったというベースもあるのですが、ベンヤミンやフーコー、ロラン・バルトらの記号文化論との出会いの延長と言えばよいでしょうか。例えば都市や映画、メディアといった文学以外の文化現象も文学と同じように読み解き、研究していこうというものです。だったら科学やテクノロジーに関する現象も文化現象として分析できるんじゃないかと。
――20世紀の大衆社会は「科学イメージ」という神話の時代だった、と書いています。
■人々の暮らしや考え方に影響を与えたのは、正確な科学知識よりもむしろ科学への漠然としたイメージだったのではないでしょうか。時には誤謬を含んだ科学へのイメージ、つまり大衆化した科学情報ですね。それを「ポピュラー・サイエンス」と呼んでいます。
――面白かったのはラジオの野球中継を使った「ワールド・シリーズ再現」のエピソードです。1925年10月、ペンシルベニア州ピッツバーグで行われた試合を、遠く離れたケンタッキー州ルイビルの球場でヘッドホンを付けた選手たちがラジオ中継を聞きながら再現したというのには驚きました。
■テレビがまだない時代に、本試合の行われる球場へは行けないけれど、なんとか追体験したいという当時の人々の欲望が、テクノロジーの力を借りて実現した一つの例でしょうね。衛星通信でリアルタイムで観戦できる現代の人々から見れば、情報不足で不満の多い再現だったかもしれませんが、当時の人々はこれに大興奮した。
それ以前の時代には、街頭に設置されたスコアボードに次々と得点の速報が示されるものがあったのですが、その数字を見るだけでも、当時の人々はワクワク、ドキドキしていたはずなんですよね。プレーの様子や球音、球場のどよめきといった手に入れられない情報を、彼らはイマジネーションで補っていたんです。その満足度は現代の私たちと変わらなかったと思いますよ。
――電動歯ブラシやプリクラなどの原形のような発想が、早い時代からあったことにも驚かされます。
■近代の早い段階で基本的な欲望が出つくしていて、それを可能にする技術的段階、イノベーションの段階が後からついてきたということでしょうね。
人間の欲望はいつの時代にもありますが、どんな形でその欲望を満たすかという、時代ごとの欲望の満たし方があるわけです。欲望や価値というソフトの部分と、テクノロジーの発展というハードの部分を押さえないと、時代の正確な形は見えてこない。科学的な発展、改良がまったくなかったとしたら、街頭の野球速報スコアボードで満足する時代がずっと長く続いたでしょうから。
| 孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生 | |
![]() | ロバート・D. パットナム Robert D. Putnam 柴内 康文 柏書房 2006-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
強いアメリカを支えてきた人と人との市民的つながり=社会関係資本が、20世紀後半に急激に減少してきたことを実証的に検証して話題を呼んだ本が邦訳された。「Bowling alone」という原題は、アメリカではボウリングは地域のチームによるリーグ戦が一般的だが、20世紀後半にかけてボウリング人口自体は増加しているのに、リーグボウリングへの参加者が急減したことから象徴的につけられたものだ。
| アメリカン・エスタブリッシュメント | |
![]() | 越智 道雄 NTT出版 2006-04-13 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ウォール・ストリートの金融資本を背景に政治の中枢に深く入り込み、国家を動かしてきたパワーエリートとはどのような人々なのか。古くはロックフェラー一族に代表される「東部エスタブリッシュメント」と呼ばれた集団は、近年、規模をはるかに拡大してきている。ウォール・ストリート、ワシントンDC、CIAとの人的交流を基本に、そのパワー構造を解明する。
| 団塊ひとりぼっち | |
![]() | 山口 文憲 文藝春秋 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
受験戦争、学園紛争、ベトナム反戦、大量消費時代の申し子……「思えば気の毒な話だが、団塊の世代はずっと社会問題といっしょに生きてきた」と、自らも団塊世代の著者は語る。その「憎まれっ子」世代が生きてきた時代を涙と笑いで語りつつ、「問題」としての人生からの決別を宣言する。
| 社会調査から見た少子高齢社会 | |
![]() | 金子 勇 ミネルヴァ書房 2006-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
少子高齢社会の実態は、はたしてどうなっているのか。地方都市の状況を現地での人々へのインタビューなどを踏まえた8年間の調査記録から分析。福祉コミュニティー、家族の変容、高齢者の自立といった課題を、各地の事例から見つめる。
| 株5分足チャートで1億円稼ぐ KOSEI式デイトレ演習帳―あなたもネット株だけで暮らせる。 | |
![]() | 石田 高聖 東洋経済新報社 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
秒刻みで動く株価の世界で勝ち抜くには知識だけでは不十分。必勝のチャートパターンを繰り返し頭にたたき込み、トレーニングすること。カリスマトレーダーが伝授する「習うより馴れろ」の必勝法。50の演習問題付き。
| 愛犬王 平岩米吉伝 | |
![]() | 片野 ゆか 小学館 2006-04-01 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
昭和初期、「奇人」と言われた犬の研究家がいた。数十匹の犬に加え、ジャッカルや狸、ハイエナなどと寝食をともにし、狼を飼い慣らして銀座を散歩したという武勇伝も残る伝説の男、平岩米吉。犬を愛し、犬の生態研究にひたすら没頭した生涯を追う。

















