メイン > 週刊エコノミスト書評 『ブックレビュー』 > 2006年5月23日~5月30日
| 孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生 | |
![]() | ロバート・D. パットナム Robert D. Putnam 柴内 康文 柏書房 2006-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1年にほんの数冊だが、いわゆる骨太の本が出版されている。本書は「現代社会」を対象とした骨太の本である。対象の基本的骨格を力強く描いており、本質に迫っている。
いま私たちは社会のなかに生きていて、なにやら「居ごこちの悪さ」を感じている。それは会社の仲間との関係でも、家族関係でも、近隣の関係でも、かつての〓よき時代〓に比べて、関係が希薄になっているという自覚である。本書のタイトル「孤独なボウリング」という表現が、そんな現状をうまく言い当てている。アメリカでは、コミュニティー内の活動はさびしくなってきているが、例外的にボウリング人口はそんなに減ってはいない。けれども調べてみると、仲間と一緒になってボウリングをするということが決定的に減少している。人びとは孤立しはじめているのである。
もっとも、本書がこの種の社会関係の弱化の指摘でとどまるならば、骨太の本とは呼べないだろう。20世紀の末から21世紀にかけて、社会関係は決定的に弱くなり続けており、それはあまりよくないな、とみんなが思いつつ、そのようにさせた犯人を特定できないままに、日々を送っている。
本書では、この弱化をさせた犯人探しをしている。そして、その犯人はアガサ・クリスティーの『オリエント急行殺人事件』と同様に、複数犯であることを指摘する。たとえばその複数の犯人の一つとして、人々を「する」(参加する)ということから「見る」という方向へと導いたテレビなどのマスメディアをあげている。私たちは野球をするのではなくて、野球を観る方に軸足を移してしまったのである。
著者、ロバート・パットナムは「社会関係資本」(ソーシャル・キャピタル)という概念を世に広めた研究者としてすでに知られている。物的資本、人的資本と区別した意味での社会的資本のことを「社会関係資本」と呼ぶ。社会がつくりあげた強固な人間関係や信頼などの規範は、物的資本や人的資本と並び、資本的有効性をもつという考えである。
本書は、まさにその社会関係資本を弱めた犯人たちを特定したうえで、それを強化するための処方箋にまで言及している。ただ、本来の処方箋としては、一人の学者で完結することなく、「市民的発明の時代」を迎える必要があると指摘している。ともあれ本書は、現代社会の舵取りを考えるうえで、有効であるとともに、読みながら発想がわいてきて刺激的でさえある本といえよう。【評者 鳥越皓之(早稲田大学人間科学学術院教授)】
| 万物の尺度を求めて―メートル法を定めた子午線大計測 | |
![]() | ケン オールダー Ken Alder 吉田 三知世 早川書房 2006-03 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
地方分権の封建時代から近代国家が生まれ、世界的な交易が始まるようになるや、焦眉の問題とされたのが度量衡の単位(そして世界に共通する時間)の統一であった。地域ごとに異なった長さの物差し、桝の大きさはまちまち、秤に乗せる錘の重さも勝手なものでは正当な商取引が成り立たないからだ。アンシャン・レジームのフランスでは約800種の重さと長さの単位が使われていたという。
これに立ち向かったのがフランス革命の際に設置された度量衡委員会で、まず手をつけたのは長さの単位の制定であった。物差しを統一すれば、枡の大きさが自動的に決まり、重さも簡明に定義できる(セ氏4度の水1立方センチの重さを1グラムとする)。では、長さの基準を何にとるべきか?
理想主義に燃えた革命派は、地球の子午線の4分の1の1000万分の1を1メートルとすることに腹を決めた。万古不変たる地球に起源があるとなれば、万人を啓蒙するにはもってこいであるからだ。
本書は、度量衡委員会の依頼を受けて、フランスのダンケルクからパリを通ってバルセロナに至る範囲の子午線の長さを測定した2人の科学者、ドゥランブルとメシェンの7年に及ぶ悪戦苦闘ぶりを描いた人間ドラマである。革命が地方に波及していくドサクサに翻弄されつつも、全長1000キロメートルにわたって入念な三角測量を行い、100万分の1の精度で測地を行ったその偉業には感嘆させられる。
現実的で楽天的なドゥランブルに対し繊細で悲観的なメシェンという対照的な性格の2人の行動を、著者は資料や書簡を渉猟して詳しくあぶり出しており、ドラマを劇的に盛り上げている。特に自らの測定誤差を隠したままデータを出さざるを得なかったメシェンの苦悩は、科学者の誠実さと潔癖さを強く感じさせる(イライラさせられもしたが)。彼は誤差の原因を明らかにするための再測量に出、旅先で死を迎えたのだ。その誤差の解明から最小自乗法が発見されたのは彼の死後のことであった。さらに本書には、権謀術数が渦巻いた革命の趨勢、ラランドやカッシーニ一族の科学をめぐる葛藤、度量衡の統一に執念を燃やしたフランスの思惑(世界をリードしたいという下心があった)など、この測地ミッションを取り巻く時代背景にも目配りされており、壮大な歴史小説の趣もある。
グローバリゼーションが進んでいる現代では貨幣の統一が課題となりつつある。さて、今度はどのような物語が紡がれるのだろうか。【評者 池内了(総合研究大学院大学教授)】
| 「芸能ビジネス」を創った男 ナベプロとその時代 | |
![]() | 野地 秩嘉 新潮社 2006-03-16 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者インタビュー 野地秩嘉(ノンフィクション作家)
――戦後の芸能界に君臨した渡辺プロダクション(ナベプロ)の渡邊晋さんの一代記ですね。
実はこれまで、渡邊さんとかナベプロには、あまりいい印象を持っていなかったんですが、これを読んで180度変わりました。
■芸能界の頂点にいたけれど、武勇伝もないし、華やかな噂があったわけでもない。日銀マンの息子ですから堅い人でした。当時のベンチャー企業だった芸能プロを、普通の会社として社会に認めさせたかったんでしょう。ヤクザと手を切りたくて販促興行を営業の中心に置いた。タレントを月給制にし、大卒も定期採用した。ナベプロの本はこれまでも出ていますが、私はビジネス書として書いてみたわけです。
――所属歌手を出演させて「ザ・ヒットパレード」「シャボン玉ホリデー」といったテレビ番組を自社制作したのも渡邊さんでした。「スーダラ節」では、レコード原盤権を初めて芸能プロが握った。今の芸能ビジネスを確立した人と言ってもいいですね。
■番組制作も、原盤ビジネスもアメリカでは普通に行われていた。それを日本に導入した功績は渡邊さんにあります。テレビという当時の新しいメディアには、新しいソフトが必要だということを見通していたんでしょう。
――バラエティー全盛の現在を見るにつけ、渡邊さんには先見の明がありました。知りませんでしたが、あの伝説の日劇ウェスタン・カーニバルも渡邊さんが実現させたんですね。
■企画したのは妻の美佐さんです。でも渡邊さんは、日本で最初に若者向けの商品を売り出した人だと思います。それまで歌は年代を超えた大衆向けであって、若者向けの歌はなかった。ところが若者が、ロカビリーという商品を買うことを知った、つまり若者マーケットを見つけたんです。
――それにしても、プロローグのザ・ピーナッツをはじめ歌手やタレントの話は懐かしく、楽しく読めました。
■私自身、歌が好きなわけじゃないし、誰かのファンというわけでもないので芸能という観点からはちょっと物足りないかもしれません。楽しんでいただけたのなら安心しました。
――その時代の生の話がとても面白かったです。グループサウンズ、キャンディーズなどは特に。クレージー・キャッツの植木等さんが、自分をスターダムにのし上げた「スーダラ節」を本当は嫌いだった話も意外でした。
■植木さんは酒もタバコもやらない真面目な人でした。今は笑わすことに価値があるけど、昔は男は笑うな、と言われた時代ですから、あんな不謹慎な歌は歌いたくなかったんですよ。キャンディーズの伊藤蘭と田中好子の並び順を、人気のある蘭ちゃんを真ん中に入れ替えた話も「今だから話せるけど」ということで、聞くことができました。タレントの話を読みながら、その時代、例えばザ・ピーナッツなら、彼女らが歌っていた時代と自分を重ね合わせながら読んでもらえればいいなと思います。
| 2015年のサムスン Lee Jae Yong's Samsung in 2015 | |
![]() | 成 和鏞 蓮池 薫 光文社 2006-04-21 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
2015年夏、多国籍企業として生まれ変わったサムスンの最初の「結婚相手」は日本の家電メーカーの神話を作った主役であるソニーだ……。10年後にはサムスンがソニーを飲み込むという衝撃の予測で、本書は始まる。後継者と目される李在鎔をはじめサムスン一族の人間模様を下敷きに、アジア最強企業の光と影を描き出す。
| 新・日本の時代―結実した穏やかな経済革命 | |
![]() | スティーヴン・K. ヴォーゲル Steven K. Vogel 平尾 光司 日本経済新聞社 2006-05 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
変革期にある日本経済にどのような新しい日本型モデルが出現しているのか。日本通として知られる著者が、政治・経済・経営を総合的に連関させながら日本経済の復活を検証する。奥田碩・日本経団連会長をはじめ、多くの経営者・識者へのインタビューをこなし、企業別ケースの比較など多様な分析を試みる。アメリカ型自由市場モデルへの過大な適応への警告も。
| いまこの国で大人になるということ | |
![]() | 苅谷 剛彦 紀伊國屋書店 2006-05 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
フリーターやニート、ひきこもりなど、若者たちの未来に対する展望が見えてこないと言われる。いまこの日本という国で「大人になる」とはどういうことを意味するのか。玄田有史、山田昌弘、斎藤環をはじめ、経済や社会学、精神医学、哲学、心理学などの第一線で活躍する16人が現代の若者を取り巻く環境を浮き彫りにする。
| 嗚呼!! 明治の日本野球 | |
![]() | 横田 順彌 平凡社 2006-05-10 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
野球は学業をおろそかにし、風紀を乱し、捕球の振動は身体によろしくない等と語る識者たち、19年に及ぶ早慶戦中止に発展した応援合戦事件……。明治初期、野球人気の高まりのなかで起こる珍騒動・事件を掘り起こし、プロ野球誕生以前の日本野球を追う。
| SOX法とは何か? 米国企業改革法からCSR、内部統制を読み解く | |
![]() | ガイ P. ランダー 大久保 潤 メディア総合研究所 メディア総合研究所 2006-04-28 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
エンロンなどの不正会計事件をきっかけに、企業の信頼を取り戻すべくアメリカで成立したSOX法(企業改革法)。本書はこのSOX法を解説しながら、CSR(企業の社会的責任)、内部統制、日本版SOX法を考える。
| 松本清張と昭和史 | |
![]() | 保阪 正康 平凡社 2006-05-11 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
社会派推理小説の分野を開拓した松本清張が現代史の謎に切り込んだノンフィクション『昭和史発掘』『日本の黒い霧』に焦点を当て、改めて昭和という時代を見つめ直す。二・二六事件、下山国鉄総裁謀殺論など、一連の事件の裏に、松本清張は何を見たのか。
| アメリカン・エスタブリッシュメント | |
![]() | 越智 道雄 NTT出版 2006-04-13 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
自由と平等を標榜する民主主義国であり、世界最強の国アメリカ。そのアメリカを支配する特定の集団が存在するのか。こうした疑問は、アメリカ人自身によって長く発せられてきた。そのような統治集団を指す「エスタブリッシュメント」という言葉自身が、集団の存在を肯定するものとして、論争の対象となってきた。
実際、この言葉は伸縮自在な概念である。ある時には、「統治エリート」を指して使われる(そういった人々がいることはまず間違いない)が、またある時は陰の「支配階級」を指す言葉として、すなわち何らかのアイデンティティーを共有し、持続性を持つ少数者の集団を指して用いられる。後者のような存在が仮にあるとしても、それが何によって結びつくのか、経済力(例えばウォール・ストリートの金融資本)か、民族性(例えばWASP=アングロサクソン系白人プロテスタント)なのか、特定の集団への参加(例えばイエール大学のスカル&ボーンズやニューヨークの外交問題評議会など)によるのか、定説と呼べるものは存在しない。「エスタブリッシュ」なる言葉はそれらを総称しているがゆえに曖昧であり、便利でもある。本書はこの曖昧な概念に対し、豊富な実例によってその存在を証明し、実態に迫ろうという試みである。上流WASP出身の2人のローズヴェルト大統領、実業界出身のハリマンやマクロイ、軍人出身のマーシャル元帥、CIA長官を務めたアレン・ダレスなどがエスタブリッシュメントの典型として、彼らに対抗しようとしたマッカーサーやニクソンらと対比して描かれる。
これらの人物に関する記述は興味深い。しかし「エスタブリッシュメント」なる存在を巡っては著者のなかにも迷いがあるように感じられる。その存在を当然と見なしている表現がある一方で、彼らが一体となってアメリカを操っているというような陰謀主義的解釈には反対するとの表現もある。
20世紀初頭に登場した中道左派的な「東部エスタブリッシュメント」が1960年代には全国的な「アメリカン・エスタブリッシュメント」へと変貌したというのが本書を貫くテーマであり、両者を架橋する存在としてブッシュ父子を挙げるのだが、この変化は「エスタブリッシュメント」の拡大というよりも、その拡散と衰退の過程と見なすべきなのかもしれない。ともかく、謎めいた「エスタブリッシュメント」を巡る言説は、それ自身、今日のアメリカ政治の一面を示していよう。【評者 中西寛(京都大学公共政策大学院教授)】
| 金融工学者フィッシャー・ブラック | |
![]() | ペリー・メーリング 今野 浩 村井 章子 日経BP社 2006-04-20 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今まで知らなかったことを丁寧に教えてくれる書物。それが本書の印象だ。書かれている内容は、オプションの価格理論であるブラック・ショールズモデルで有名な、フィッシャー・ブラックの評伝である。著者はコロンビア大学で経済史などの教鞭をとっているペリー・メーリング。膨大な時間とエネルギーをかけてフィッシャー・ブラックのことを克明に調査し、精緻な書きぶりで1冊の本にまとめ上げた。
フィッシャー・ブラックは、工学的な考え方をファイナンスの世界に持ち込み、オプション価格の算出モデルを構築した人物という理解が一般的だろう。彼の名が付けられたブラック・ショールズモデルは、同氏の死後、ノーベル経済学賞を受賞するほどの研究成果となり、金融工学の中心的な理論の一つとなった。
本書を読んで分かったことは、フィッシャー・ブラックの発想の出発点は、工学的アプローチではなく、経済学的な均衡理論であったことだ。彼の頭のなかには、常にCAPM(資本資産価格理論)があったという。それは、単なる金融資産の期待収益率算定のためのモデルではない。もっとスケールの大きな、社会の経済活動全体を包摂する理論なのである。リスクとリターンの二つのパラメーターによって適正な資源配分がなされ、それによって、社会全体の経済的均衡が成立する理論、つまり一般均衡理論として位置づけられている。
現在の経済学の理論の中ではこうした考え方には様々な異論が存在するだろうが、彼の思考ではCAPMは純然とした一般均衡理論なのである。そして、その一般均衡理論の特殊ケースとして、オプションのフェアーバリューを算定するブラック・ショールズモデルが存在する。それが、時系列的な背景や有力な経済学者との交わり・論争などのなかで懇切・丁寧に語られている。展開されている論理には相応の説得力があり、フィッシャー・ブラックの本当の姿を見ることができた感触だ。
本書に出てくる著名な学者の多くが、アカデミズムの世界と実務界を頻繁に往復している。理論を勉強した人材がマーケットで実務を行い、その経験を生かして、それを理論として確立する。そうした実績が、米国にはかなり以前から根付いている。実務に役立つ理論を組み立てるためには、そうした動きが必要なのかもしれない。訳はこなれていて読みやすかった。【評者 真壁昭夫(信州大学教授)】
| 破綻寸前!? 国のサイフ 家計のサイフ | |
![]() | 荻原 博子 ダイヤモンド社 2006-04-07 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者インタビュー 荻原博子(経済ジャーナリスト) 『破綻寸前!? 国のサイフ 家計のサイフ』――大増税時代と格差社会を生き抜く方法
――バブル崩壊後、長い不況からようやく抜け出した感のあるタイミングで、この本は厳しい現実を突きつけています。
■景気がよくなったという声を耳にしますが、本当によくなっているのか、私には疑問です。年金は本当にもらえるのか。老後に備えようにも給料は増えない。生活に不安を感じている人はとても多いと思います。ニートやフリーターの人たちの不安定さは推して知るべしです。
国と地方の借金は約800兆円と、気の遠くなるような金額にまで膨れ上がった現実を直視すれば、増税や社会保障費用の増大は不可避です。悲観論ではなく、厳しい現実をまず、知ってほしい。それを踏まえて、個人レベルでいまからどんな対策を立てておくべきかを読者と一緒に考えようと思いました。
――小泉改革にも批判的ですね。
■小泉首相や竹中(平蔵・総務相)さんのいう競争社会を、こつこつ地道に仕事を進める農耕民族型の日本に持ち込めば、社会が一気に不安定になってしまいます。競争社会はローマのコロシアムと同じで、最後の1人になるまで殺し合いが続きます。次々と競争相手が現れるような社会で安心して暮らせるわけがありません。米国流の市場原理、規制緩和を進めた結果、弱いものをいじめてはいけないとか、助け合いの互助精神といった日本のよき伝統を壊してしまいました。拝金主義の横行は、その最たるものでしょう。
格差があってもセーフティーネットがあれば問題ないといいますが、セーフティーネットは十分に整備されているでしょうか。小さな政府を目指そうというのに、どうやってセーフティーネットを充実させるのですか。小さな政府といいながら、大増税や社会保障費用が増大するのは矛盾しませんか。
――株主の意向が強く反映するようにもなりました。
■会社は株主のものとする「株主資本主義」が、従業員の給与を抑え込む役割を果たしています。株主は経営陣に株価の上昇や高い配当を求めます。現実に日本企業の配当は増えていますし、株価を強く意識した経営に変わりました。新会社法が5月から施行され、この流れは強まるばかりでしょう。コストである従業員の給与は抑制され、上がることは期待できません。そこに増税や社会保障費用の増大が加わります。高いインフレにでもなろうものなら家計は破綻しますよ。まだデフレのほうがいいのではと思うくらいです。
――どうすればいいのですか。 ■今こそ家族を大事にする時です。奥さんや子どもと日頃からよく話し合い、どんなに苦しい時でも家族が一丸となって助け合って生きていけるように心がけるのです。
熟年離婚が増えていると聞きますが、とんでもありません。2007年から離婚しても年金は夫婦で分割されるようですが、20万円程度の年金を2人でわけたところで10万円ですよ。そんなお金で生活できるわけがありません。厳しい時代だからこそ家族が大切なのです。












