メイン > 週刊エコノミスト書評『ブックレビュー』(2005年) > 2005年8月23日~8月30日
3PLビジネスとロジスティクス戦略
斉藤 実
3PLとは企業に対して様々な物流改革を提案していくビジネスのこと。アメリカで急拡大した3PLの現状を解剖する。興味深いのは後半の「ケーススタディ編」。日立物流、佐川急便、キヤノン販売などの3PL戦略を取り上げ、物流拠点、車両などの自社資産を持たないノン・アセット型の3PLとして注目されるロジスティクス・プランナーの戦略も紹介される。
| 人口減少時代の資産形成 | |
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労働力不足、社会保障、年金負担の増加といった局面で捉えられがちな人口減少時代に、家計はどのように変化するのか。例えば世帯数の縮小で「人生最大の買い物」と言われた住宅の取得行動が減り、住宅ローンに縛られてきた資金が解放される。働き方の変化や株式投資と金融の変化など、多彩な視点から人口減少時代を占う。
| 日本映画はアメリカでどう観られてきたか | |
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アメリカに日本映画の存在を印象づけたのは、1952年の黒澤明監督の「羅生門」と言われるが、それがどのような驚きをもって迎えられたのかは意外に知られていない。溝口健二、小津安二郎、大島渚、伊丹十三、宮崎駿まで、日本映画という異文化に対するアメリカ社会の反応を、時代状況、文化的背景に目配りしながら分析する。
| 自ら語る小倉昌男の経営哲学 | |
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6月に急逝した「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親、小倉昌男氏が、ヤマト運輸と共に歩んだ自らの半生を語った記録。「儲からない」と周囲から大反対された宅急便誕生秘話など、現役引退直前の1995年に行った講演のライブ映像DVD付き。
| 世界ブランド企業黒書―人と地球を食い物にする多国籍企業 | |
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世界的なブランド力を誇る多国籍企業の裏面を暴露する。いかに途上国の搾取的労働の上に繁栄を築いているのか、軍事政権への援助などの政治の暗躍、資源の収奪、環境問題……。アディダス、ネスレ、シェル、ディズニーなど実名を挙げて告発する。
| ドキュメント沖縄1945 | |
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日米最後の決戦となった沖縄戦を、4月1日の本島上陸から終結の日とされる6月23日まで、日ごとに再現した同時進行ドキュメント。本土の動きを重ねながら、住民9万4000人が巻き込まれた戦争の現実を淡々と描く。
| 労働政治ー戦後政治のなかの労働組合 | |
![]() | 久米 郁男 中央公論新社 2005-05-26 売り上げランキング : 19,853 おすすめ平均 ![]() 労働組合はいつから”抵抗勢力”になったのか? 「経済合理的」な労使協調を説く 底抜けニッポンの労働者Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「1980年代の中曽根行革と小泉の構造改革を比較するとき、改革の実現度は明らかに中曽根の方が高い。それは、たとえば国鉄分割民営化と道路公団改革を比較しても明らかであろう」と著者はいう。この評価に評者は同感する。
改革を可能とした原因の一つとして、著者は官公労を中心とした総評に対抗する民間組合(同盟)の支持の調達を中曽根が図ったことをあげている。著者によれば、この動きは民間の労組が行政改革や規制緩和に協力して、経済全体の効率的改善に協力する経済合理主義路線をとったからだという。
しかしナショナルセンターが「連合」に統一された後の橋本行革では、一転して連合が改革に反対する側にまわったことをもって、個別利益の追求に先祖返りしたと思っているようだ。
評者に言わせれば、労組は変わっていない。労組は組合員側の利益を主張する存在である。民間中心の同盟が行革に賛成するのは当然だったし、敵対組織である総評・官公労が困るのはもっけの幸いだった。
だが統一されて連合になったら官公労は「内部」であり、民間労組出身の芦田会長であろうと、「内部」を代表して行革に臨んだのは当然である。
著者によれば、「企業の競争力や国民経済の効率性を犠牲にしてでも、個別特殊的利益を追求しようとする組合は、組合メンバーの短期的利益を守れるかもしれないが、彼(彼女)らの長期的利益は守れない。ましてや経済効率の改善という社会全体の利益には貢献できないであろう。これに対して、組合が経済合理的な路線をとるならば、それはメンバーの長期的利益や社会全体の利益を増進させる」という。いったいどこの世界にそんな労組があるのだろう。
組合員の短期的利益が守れれば立派なものである。それすらおぼつかないから労組の存在理由が問われているのではないか。労組の要求(主張)と国民の平均的願いとが一致する場合はあるし、戦後労働運動は何度か、そのような時期を経験したが、その評価で大切なのは、それぞれの時代背景とのかかわりであろう。
「政治体制の変革を重視する総評系左派の政治主義」と著者は70年代後半段階の事例で指摘するが、「体制変革」などという方針上の建前と運動が重なっていたのは、せいぜい60年の安保・三池までだろう。
社会党と総評、民社党と同盟、という現実の戦後の政治過程にほとんど触れない、不思議な「戦後政治のなかの労働組合」論である。【評者 中沢孝夫(兵庫県立大学教授)】
| 飄々楽学―新しい学問はこうして生まれつづける | |
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学問の道を究めた人の聞き書きは、いささかの照れの表情ながら自慢話に終始し、近頃の若者の努力が足りないと叱咤して終わるのが普通である。それに辟易するので敬遠していたのだが、ふと手に取った本書は違っていた。表題通り飄々と学問を楽しんできた学者人生が淡々と語られているからだ。
著者は、実験的手法で生物が生きていることの本質は何かを明らかにすることを目標として、1950年代から生物物理学という学問分野を開拓した一人である。湯川秀樹は、「生物は積み木細工みたいなもの」と考えていた。要素還元主義を貫徹した湯川秀樹にとっては、生物は各パーツの集合体として理解できると考えていたらしい。それに対して著者は、積み木細工だけではない何かがあると確信して、バクテリアやゾウリムシなどの属性や運動機構を調べてきた。そこでたどり着いたのは、非常に少数の分子運動であっても統計力学が適用できるらしい、という瞠目的な発見であった。生きていることの本質が、そこに隠されているのではないかというわけである。しかし、それはまだ最終的に確認されてはいない。
そのような著者自身の研究経過を縦糸にし、50年に及ぶさまざまな研究者との交流を横糸にして編まれたのが本書である。著者の無欲で淡々とした性格が多くの若い研究者を惹き付け、学界に豊富な人材を送り込んできた。そのためか、彼のスクールは「オオサワ牧場」と呼ばれた。自由に遊ばせ、気に入った草を食ませながら、要所をきちんと押さえて育てる名伯楽であったためだろう。
びっくりしたのは、いかにも愛おしげに過去に行った実験を回顧する、その記憶力の良さである。それらの実験の細々としたところまで思い出し、もっとこうするべきであったと、今になっても目の前に再現できるのには舌を巻いた。一つ一つがしっかりと自分の頭に刻みつけられているためだろう。数年前に書いた論文の意味を尋ねられて立ち往生する私とは大きな違いである。回顧が自慢話に聞こえないのは、すべてが現在も進行中という意識があるためと思われる。著者にとっては、いつまでも現役なのである。
その分、未来の若者への教訓とか、過去の文部行政への批判はほとんどない。その点は物足りないような気もするが、それが著者の清々しさの本領であり、本書を希有なものとしている。私にとって、もはや手遅れだが、こんな師匠になるべきであったと、つくづくと思ったことであった。【評者 池内 了(早稲田大学国際教養学部教授)】
■著者インタビュー 五味一男(日本テレビ放送網編成局総合演出/プロデューサー)
| 「視聴率男」の発想術 | |
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―― 五味さんは、日本テレビ入社1年目の『クイズ世界はSHOW byショーバイ』から『マジカル頭脳パワー!!』『24時間テレビ』等、そして現在の『エンタの神様』まで約20年間ヒットを飛ばし続けて、ほとんどハズレがない。「生涯打率NO1」の「視聴率男」と呼ばれているそうですね。その秘密は何か、を書いたのがこの本。「五味理論」の真髄、私の読んだところでは「普通の人になり切る」ということのようですが。
■世の中の大多数である「普通の人」を自分の中に住まわせる。そして、その普通の人のニーズから発想する。ヒットを生み出す方法論は、突き詰めればこの二つです。
簡単なようですが、みんなこれができていないし、こうした方法を教える人も少ない。「ヒット商品の作り方」といったビジネス書を私も50冊以上読みましたが、書いてあるのは「自分のやりたいことを見きわめるのが大切」ということばかりですね。つまり「自分」から発想して、「自分が面白いものは他人も面白いはず」という考え方を当たり前のように押し付けている。そうではないんだ、ということです。
―― 私のいる出版業界でも、確かに「普通の人」から発想する人は少ない。というか、むしろそれに対する心理的抵抗がありますね。売れるものを作りたいと思いながらも、「大衆に迎合したくない」というブレーキが働く。
■「自分の意見や感性を主張したい」という人が、マスコミには特に多いですよね。テレビ業界でも、私のように理詰めで高い視聴率を取りにいくのは完全に少数派。自分の好きなことをやる、というのがやはり大多数です。
私は、なるべく多くの「売り上げ」すなわち視聴率を狙うのはサラリーマンとして当然と考え、いわば「ファミレス」型の番組を作ります。しかし、多くの人は、一部から熱狂的な支持を受ける「専門店」を作りたがる。
―― 出版でも、玄人受けする本を作るほうが簡単ですからね、ベストセラーを作るより。
■ そういうことですが、私も個人としては個性的なものが好きだし、みんなが私のように考えるべきだと言いたいのではない。でも、どの業界の人であれ、売れる商品をどう作るかで真剣に悩んでいる人には私の本は参考になるはずです。「自分」を否定して「普通の人」になる方法論は一般的に通用するし、難しいことでもないですから。
―― そうでしょうか。例えば、本の中にある「ルイ・ヴィトンが流行っているなら、それを好きになってみる」というのは、それこそ言うは易く行うは……という気がします。
■ 頭の中で想像すると、かえって難しく思えるかもしれません。でも、本当にちょっとしたコツで普通の人のニーズがつかめるようになる。それは自転車の乗り方を覚えるのに似ています。本に書いたように、私にしても少しの心がけで、この発想のコツが身につきました。特別な才能や努力は必要ないですから、多くの人に「五味理論」を試してほしいですね。
| ファンド資本主義とは何か | |
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ライブドアとフジテレビの騒動以来、「大買収時代」という言葉が頻繁に聞かれるようになった。バイアウト(買収)ファンドにも注目が集まるところだが、こうした投資ファンドの存在は企業原理をどう変えていくのか。日米の株式会社観の違いから、M&A、企業再生、買収防衛策、雇用など、ファンド資本主義の功罪を論ずる。
| 技術屋たちの熱き闘い―組織の壁、開発の試練を突き破れ! | |
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日経ビジネス人文庫、730円 ななめドラム式洗濯乾燥機、魔法瓶浴槽、インテリジェント触媒……。話題のヒット商品や新技術が次々と登場する。描かれるのは、開発にあたった技術屋たちの熱意と苦闘の人間ドラマだ。ものが売れない時代とは言うものの、日本経済を支えるのは、いつの時代も「ものづくり」が基本。技術者の独創性を商品開発に生かすには、同質重視の経営から異質を評価するマネジメントへの転換が必要だと説く。
| NAMBARA STYLE | |
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テレビ「マネーの虎」のオートトレーディングルフトジャパン社長・南原竜樹氏が伝授する「南原流・成功へのアプローチ」。ビジネスを成功させるには、何よりも「スマート」でなくてはならないと断言する。起業のヒント、ビジネスのヒントをクールに語る。
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4月に中国で起きた反日デモは、明らかに「反日」以上の何かをはらんでいたと著者は言う。急激な経済成長の裏で官僚の腐敗や格差拡大、農民、労働者の抗議行動が頻発している中国。「13億の市場」をめぐり多国籍企業の本格的上陸が進行していくなかで、産業基盤も脆弱なまま迎え撃つ側に立たされた中国はどこへ向かうのか。巨大国家の深部を豊富な事例で描き出す。
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1878(明治11)年3月、東京に初めてアーク灯が点灯してから約130年。「電化」によって日本はどのように変化したのか。街路灯が人々を驚かせ、電気が娯楽になった博覧会ブーム、映画の登場、家庭電化のあれこれから、果ては電気ネクタイという不思議な商品が飛び出したり、「電気」が流行語にまでなった近代日本の社会事情を映し出し、また、電気ビジネスと無名のベンチャー起業家たち、電気反対の大騒動の秘史や、都市交通と電気、農村の電化など、近代化と電化のありようを多彩な視点から描き出す。








労働組合はいつから”抵抗勢力”になったのか?
「経済合理的」な労使協調を説く







