メイン > 週刊エコノミスト書評『ブックレビュー』(2005年) > 2005年4月5日~5月17日
| カラオケ文化産業論 21世紀の「生きがい社会」をつくる | |
![]() | 野口 恒 PHP研究所 2005-03-19 売り上げランキング : 84,614 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本で生まれて30年、今やユーザー500万人、1兆円産業となったカラオケ。成長の背景には、世の中の変化やニーズに敏感に反応し、時代の先端技術を取り入れる柔軟性、変わり身の早さがあるという。そのルーツから、歴史、文化、ビジネス、知的財産権の問題など、カラオケ文化と産業の全体像を多様な視点から解剖する。
| 食卓文明論 - チャブ台はどこに消えた | |
![]() | 石毛 直道 中央公論新社 2005-04-10 売り上げランキング : 36,613 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
明治の時代に日本の家庭に出現したチャブ台とは、何であったのか。人類の共食と家族の起源から説き起こし、食事様式や、東アジアの家族と食卓の変遷、そして近代日本の家族の歴史のなかのチャブ台の時代の意味を問う。
「個食化が徹底し、家族のかこむ食卓のない家庭が実現するとき、それは家族という制度が崩壊するときである」と著者は言う。
| アメリカ依存経済からの脱却 | |
![]() | 相沢 幸悦 日本放送出版協会 2005-04 売り上げランキング : 62,863 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
円高回避のための円売りドル買い、大部分をアメリカ国債で保有する外貨準備の膨大な含み差損……。戦後、一貫してアメリカ依存型の経済構造を作り上げ、アメリカの景気に左右され続けてきた日本のシステムが危機に瀕している。グローバル経済のなか、通貨統合を実現したヨーロッパに学び、アジア共同体の未来を探る。
| 日本のお金持ち研究 | |
![]() | 橘木 俊詔 森 剛志 日本経済新聞社 2005-03 売り上げランキング : 204 おすすめ平均 ![]() お金持ちの在り様 お金持ちへの道 実用書にあらず。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
文字通りお金持ちとはどういう人たちなのか、意外に知られていない実態に迫る。受けた教育、職業、資産形成、親子関係、遺産の授受、日常生活などを、独自のアンケート調査から分析。戦前の経営者群像など、時代の流れと富裕層の変遷も浮き彫りにする。
| プリンスの墓標 | |
![]() | 桐山 秀樹 新潮社 2005-04-21 売り上げランキング : 14,778 おすすめ平均 ![]() 真打ち登場!Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「プリンスホテル」のブランドの下、いち早くスキー・ゴルフ場などマス・レジャー開発を展開し、時代の寵児と言われた堤義明。その急転直下の転落の真相はどこにあったのか。軽井沢や苗場など因縁の地を訪ね歩き、金と血筋と権力のゆがんだ構図を暴き出す。
| 共感する女脳、システム化する男脳 | |
![]() | サイモン・バロン=コーエン 三宅 真砂子 NHK出版 2005-04-28 売り上げランキング : 10,050 おすすめ平均 ![]() イデオロギー的に解釈したら生き地獄(笑) 仮説 もっと専門的な女脳男脳Amazonで詳しく見る by G-Tools |
女性の脳は他人の気持ちを自分のことのように感じ、男性の脳はシステムを理解し構築するようにつくられているのではないか。ケンブリッジ大学で心理学、精神医学を研究する著者が描く、男女の性差と心の理論。
| ヒルズな人たち―IT業界ビックリ紳士録 | |
![]() | 佐々木 俊尚 小学館 2005-04 売り上げランキング : 3,039 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
いまや勝ち組ネット企業の牙城と言われる六本木ヒルズ。東京の新名所ともなっているこの最新超高層ビルにオフィスを構える「ヒルズな人たち」とはいったい何者なのか。巨額な金を動かし、ネット業界再編に動く彼らの価値観とは何か。
ライブドア・堀江貴文、楽天・三木谷浩史、ソフトバンク・孫正義をはじめIT長者たち10人の「IT業界ビックリ紳士録」。そこにはネットバブル崩壊以降、ジェットコースター人生を歩んできた、元クレイフィッシュの松島庸や光通信の重田康光の姿もある。
| 個人情報管理ハンドブック | |
![]() | TMI総合法律事務所 商事法務 2005-04 売り上げランキング : 102,223 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
4月から施行された個人情報保護法に対して、多くの企業が対策に追われている。特に、大量の顧客データが瞬時に外部流出する恐ろしさは、デジタル時代の特徴だ。しかし、本書は個人情報のリスク管理にとどまらず、重要な経営資源として個人情報を戦略的に利用することで、企業価値を高めるという前向きな視点を持つ。
さらに、多くの解説書が同法の観点からだけの記述が多く、実務的には不十分として、民法上のプライバシー、不正競争防止法上の営業秘密、著作権法上のデータベースとしても保護され、刑法や不正アクセス禁止法の適用対象にもなることから、個人情報の関連法についても網羅している。TMI所属の弁護士7人が手分けして書いた。
| 権力抗争のウラを読む人事ファイル―ホワイトハウス、クレムリン、中南海、青瓦台、万寿台、永田町… | |
![]() | 歳川 隆雄 にんげん出版 2005-04 売り上げランキング : 70,751 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「権力は決して一枚岩ではなく、常に内部抗争を伴う。権力指導者の政治的出自に注意」「権力者たちの政治・外交戦略は、腹心の人事動向の冷静なウォッチングで読みとれる」「対日圧力を強めるブッシュ政権、変質したプーチン政権、膠着するアジア外交のなかで、2005年はポスト小泉への流れの上で節目の年」の三つの問題意識を持って、永田町、霞が関、ホワイトハウス、クレムリン、中南海、青瓦台など国際政治の権力中枢の舞台裏を描いたコラム集。
執筆当時の「読み違い」もそのまま収録、自らの考課表を付けた。人脈チャートも豊富で読ませる
| さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 | |
![]() | 山田 真哉 光文社 2005-02-16 売り上げランキング : 7 おすすめ平均 ![]() さおだけ屋は商売になる 入門書の入門書としては良書だと思う。 お薦めしないAmazonで詳しく見る by G-Tools |
―― まず題名に引きつけられる本ですね。そういえば何でだろうと気になって手に取ってしまう。で、読み進めていくと連結経営やキャッシュフローといった会計の考え方の基本が、すんなりと頭に入ってくる仕掛けです。
■ さおだけ屋さんの業界ルポを書いたわけではないですから。取り上げたエピソードは、例えば、あまり流行っているようには見えないベッドタウンの高級フランス料理店が潰れない謎と連結経営、完売したのに怒られたスーパー店員と機会損失という具合に、あくまで会計的な考え方の本質を理解してもらうための導入部分なんです。連結経営や機会損失といった会計の言葉は一般の家庭では馴じみがないですが、よく考えてみると、実は家計を考える時にも役に立つ、身近な問題なんですよ。
―― 基本は「数字のセンス」だということですが。
■会計を学ぶのに数学に強くなる必要はありませんが、意味のある数字を、大まかでいいですから的確につかんで読みとるセンスを養うことですね。細かい数字にとらわれすぎると、頭が痛くなるだけです。
まず大きな数字をつかむこと。そのものズバリ、一番大きな数字を探すことです。プロ野球でもイチローや松井が分かれば大体のことが見えてくるように、会計でもトップとナンバー2くらいまでの大きな数字に注目すると、見えてくるものがあるんです。あとは比較すること。他社との比較や去年との比較などで、異動が大きければ、そこに必ず何かがある。
| 新・製造業サバイバル論 | |
![]() | 赤池 学 ウェッジ 2005-03 売り上げランキング : 15,821 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
21世紀品質のモノづくり経営とは何か。この時代に元気な製造業に共通するのは、拡張性・展開性のある技術基盤の開発、卓越した生産システムの構築、商品力としてのデザイン開発に注力してきた企業だという。生産材、重厚長大、環境、新しい世界標準やビジネスモデルの開発など、20社のケーススタディーから学ぶサバイバル戦略。
| メルセデスの魂 | |
![]() | 御堀 直嗣 河出書房新社 2005-03-17 売り上げランキング : 10,982 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 3年後に笑う!―今井澂の複合的投資戦略 | |
![]() | 今井 澂 ビジネス社 2005-03 売り上げランキング : 8,622 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
2007~08年前後を節目に国内外の投資の運用環境が大きくシフトする可能性が高いと著者は言う。その時に騒いでも遅い、現役引退後に負け犬にならないためにも、資産づくりはこの3年が絶好のチャンス。国際エコノミストが短期決戦資産倍増法を伝授。
| ウチの社長は外国人―成功起業家10人のサムライ精神 | |
![]() | 大宮 知信 祥伝社 2005-02 売り上げランキング : 20,354 おすすめ平均 ![]() 日本が受入れるべき「外国人」の姿Amazonで詳しく見る by G-Tools |
既得権益を持つ者が自らそれを変えないのは当然のことだが、外からそれを壊すのも容易ではない。
「たとえば墓石は高額な商品だが、自由に業者を選んで買うことができないため、結果的に高いものを買わされることになる。お寺なり霊園墓地で指定された石材業者以外のところから買える仕組みにはなっていないのだ」
なるほどよくわかる。折り込みの霊園広告をみると、墓地を売っているのだか、墓石を売っているのだかよくわからないのが多い。低価格の中国石材により、日本の建築業界と墓石業界で人気を集める東京エルエス産業の社長は、参入するのにひどい目にあったそうである。安くて良い品だったら売れるというほど簡単ではないのだ。
"葬式"関連業界がそうであるとき、結婚関連業界も同様であるのはこれまた当然である。海外では結婚衣装は新しくつくるのが当たり前だが、日本は貸衣装の習慣がある。たしかに買うには着物はめちゃくちゃ高い。しかし日本は自分で購入した衣装に対して高額の持ち込み料をとるという仕組みがある。外国人からみたら不思議で仕方がないだろう。
7、8万円というレンタル並みの値段で海外のウエディングドレスを売るトランスパシフィクグループは、最初は展示会をやろうとしてもホテルからボイコットをされたという。それは容易に想像がつく。ホテルは結婚式ビジネスの重要な一角だ。
日本が開業率の低下に悩むのは、開業のしにくさにもその原因の一つがあるが、ましてや外国人においておやだ。住まいを借りるにも大変なのだから、事務所だって同じだ。それ以前に、新規の開業に、単なるビジネスプランで銀行が相手にしてくれるわけがない。いやいやそれよりも「日本語」という高い参入障壁が聳えている。
成功した起業家10人の物語りである本書は、外国人にとっての日本のビジネス環境の良さと悪さが、さまざまな事例で語られているが、書かれていることは日本人の起業家にとっても共通する。日本語の困難はともかくとしても、問題はビジネスチャンスの生かし方だ。
超音波の洗浄装置の製造。30カ国から来たスタッフが対応する国際電話サービスなど、がんばり方がすごいのである。ただし、本書にはびっくりするような秘密があるわけではない。
登場人物の一人は「(ベンチャー成功の)秘密なんてない。そんなものがあったら私の方が知りたい」と学生に話している。【評者 中沢孝夫 兵庫県立大学教授】
| インサイト | |
![]() | 桶谷 功 ダイヤモンド社 2005-02-17 売り上げランキング : 1,025 おすすめ平均 ![]() 考え方のヒント。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
最近、マーケティング分野で「インサイト」という用語がしばしば登場する。これは字義通りに訳せば「洞察」ということで、より深く探ることである。
本書でも触れられているように、もとは広告クリエイティブの分野で、あるべき広告表現を導くために消費者のホンネ(潜在ニーズ)を探り、明らかにすることを意味している。著者はこれを心のホット・ボタンと表現し、このボタンを探り、プッシュすることによって、消費者は態度を変え、行動を起こすようになるという。
このような便利なボタンが誰の目にも明瞭な形で存在するのか、興味を持って読み進んだ。その過程で著者の提唱するいくつかの発想の転換に遭遇した。例えば、炭酸飲料についてニーズをつかもうとする場合、まず製品に即して多頻度購買者、少頻度購買者と分類してスタートするのが通常のパターンである。だが、本書では炭酸飲料のスキッと感に着目し、いったん炭酸飲料から離れ、「仲間と盛り上がっている時」のようなスキッと感が得られる一般的な状況を多数探る。そしてその状況と炭酸飲料が結びつく接点、これがホット・ボタンであり、インサイトなのだが、これを明らかにするのだ。
もともと、著者は消費者の購買判断および行動には直感、好き嫌いといった非論理的感情が大きな影響を及ぼすと考えている。であるがゆえに、インサイトに加え、消費者への提案を意味するプロポジションが重要であると説く。巧みなプロポジションのケースとして、ハーゲンダッツとシックが取り上げられている。この2事例に関しては詳細な分析がなされており、多様化し複雑化する現代消費者の購買意欲を喚起するための具体的方法論が述べられている。
ただし、本書を読んですぐに心のホット・ボタンを見つけ出すことができ、それを押すことによって業績が急上昇するかといえば、そう単純なものではなさそうだ。例えばシックのケースで、理想の男とはなにかをコラージュ・エクササイズを用いて、それは「たくましい男」、「自分を持っている男」だと明確にできたとしても、それが長年のヒットコピー「キレてなーい」の創造に自動的に結びつくかといえば否といわざるをえない。そこには当然、調査技法の習熟と高度なマーケティング・センスの獲得が必要になるだろう。
とはいえ、潜在ニーズの解明に徹底的にこだわり、それに基づくアピールの重要性を新しい視点から指摘してくれた本書の意義は少なくないと思われる。【評者 野口智雄 早稲田大学社会科学部教授】
| パフォーマンスを生み出すグローバルリーダーの条件 | |
![]() | グローバルリーダーシップ・コンピテンシー研究会 白桃書房 2005-01 売り上げランキング : 75,022 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
国籍や職種が入り乱れるグローバル企業において、人的ネットワークや文化的多様性を経営に反映させるにはどうすればよいか。語学、異文化理解、マネジメント等のコンピテンシー(職務行動特性)手法を、日・米・欧・中国の国際比較とともに分析する。
| 不器用な技術屋iモードを生む | |
![]() | 中野 不二男 NTT出版 2005-03 売り上げランキング : 59,603 おすすめ平均 ![]() 突っ込み不足。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
持ち運びできる小型電話機から、インターネットが見られるケータイへ。世間を驚かせたiモードの大ヒットを技術面から支えたのは、どういう人たちだったのか。「裏方」として表に出ることの少ない技術屋に焦点を当て、日本のモノづくりの原点を探る。









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