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週刊ダイヤモンド「学者・エコノミストが選んだベスト経済書」
2005/12/24 週刊ダイヤモンド 136~142ページ

優れた経済書は過去の謎を解き明かし、日本経済の未来を照射する。2005年に出版された経済・経営書のなかで、最も優れた1冊はどれか。経済学者・経営学者、エコノミストを対象としたアンケートを基にベスト『経済書』を選定した

【1位】

日本の不平等
4532132959大竹 文雄

日本経済新聞社 2005-05-24
売り上げランキング : 8,120

おすすめ平均 star
star財政再建が終わる頃に不平等は是正されているだろうか?
star格差問題の決定版

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●格差拡大、二極化という問題について、ミクロデータに基づく実証分析を通じてひと味違った結論を導き出している。話題のテーマを地道に分析した書であり、感覚的な議論への戒めになる(五十嵐敬喜・UFJ総研調査部長)

●ある一時点の所得分布のデータ(クロスセッション)だけで所得格差をとらえるのは間違いで、近年の格差拡大の大きな原因は人口の高齢化や世帯人員の減少にあることを説得的に示しており、新鮮である(石山嘉英・千葉商科大学教授)

●労働経済学専攻の学生に読ませたい書(片岡佑作・京都産業大学教授)

●高まったように見える所得格差がじつは人口の高齢化と単身世帯の増加によるのではないか、という指摘は興味深い。新鮮である(門脇延行・滋賀大学教授)

●日本の所得・資産格差の実態を、緻密な論理とていねいな実証分析によって解き明かした示唆に富む研究書。「現実の格差」と「格差意識」をめぐる分析は圧巻である(桑原秀史・関西学院大学教授)

●正面から難しいテーマに取り組み、説得力のある分析に成功している。地道な研究を積み重ね重要な政策的含意を導き出す筆者の力量に感嘆する(後藤康雄・三菱総研主任研究員)

●徹底的に実証的な知見に基づいて日本の不平等の問題を論じている優れた研究書であるとともに、豊かな政策的含意を持っている(齊藤誠・一橋大学教授)

●所得格差問題をとらえた一級の研究書(篠原総一・同志社大学教授)

●高齢化社会における日本の不平等の実態を明確に分析した研究(山崎郎・中央大学教授)


【2位】

デフレは終わるのか
4492394362安達 誠司

東洋経済新報社 2005-02
売り上げランキング : 29,863

おすすめ平均 star
star水野審議委員はこれを読め!
starデフレの克服には何が必要か
starホットな話題と冷静な議論

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●量的緩和政策の解除とは何か。デフレの危機は本当に遠のいたのか。大恐慌の事例に学びつつ、鋭い論理で通説の過ちを突く必読の一書(中村宗悦・大東文化大学教授)

● デフレを止めることがなぜ最優先課題なのか、最新の経済理論を用いながらも平易に解説している。一見、初めての経験のように思われる「平成大停滞」が、実際には過去の経験からかなりの程度説明できることを解き明かした。出口政策をめぐる議論にも一石を投じる役割を果たすだろう(浜野潔・関西大学教授)

●エコノミストとして日々のデータを追う著者が、徹底的に過去のデータにこだわることによって、デフレ脱却後の日本という未来を見せるのは見事。デフレ解消によってこそ構造改革が進むという主張も、実証に基づいていて説得的(原田泰・大和総研チーフエコノミスト)


【3位】

ルービン回顧録
4532165156ロバート・ルービン ジェイコブ・ワイズバーグ

日本経済新聞社 2005-07-26
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
starルービン氏の意思決定の回顧録
starルービンかく語れり
star財政規律の維持、国際金融危機に取り組む臨場感

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●「この世で確かなことは何ひとつない。選択は確率の問題だ」という蓋然的アプローチが著者の思考のバックボーン。政策の立案・遂行に当たっても、予断を持たずあらゆる可能性を考慮する姿勢を崩さない。記憶に新しい出来事に際して、著者がどう考え、どんな判断を下してきたかが理解できる(五十嵐敬喜・UFJ総研調査部長)

●「ルービノミックス」と呼ばれた経済政策が、ホワイトハウスの権力構造の中でどのように運営されたかが明らかになるスリリングな書。また、ルービンがFRBの独立性を強く支持していたからこそ、グリーンスパン議長が活躍できたことがわかる。現在の日本では政府と日銀が量的緩和策解除をめぐって対立しているだけに、今、本書を読み直すと非常に興味深い(加藤出・東短リサーチ取締役チーフエコノミスト)

●クリントン政権の経済政策を担った人物の意思決定のあり方が克明に描かれていて興味深い(武田浩一・法政大学助教授)


【4位】

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する
4270000708W・チャン・キム レネ・モボルニュ 有賀 裕子

ランダムハウス講談社 2005-06-21
売り上げランキング : 55

おすすめ平均 star
star”ブルーオーシャン”にたどりついた軌跡を追体験すると効力倍増
starQBカットはブルーオーシャンだったのか・・・
star「あおい海」は素敵だった

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●同質な競争で収益の出ない過度の競争に陥り、ジリジリと体力を消耗している多くの日本企業に向かうべき方向を示している(角田隆太郎・名古屋市立大学教授)

●経営戦略としての目新しさはあまりないが、企業のドメインを問い直すきっかけになるだろう(上山俊幸・千葉商科大学教授)

●同質競争に陥りがちな現在の競争戦略において、新機軸を打ち出し、新たな市場を創造することの重要性と指針が示されている(歌代豊・明治大学助教授)


【5位】

期待と不確実性の経済学
4532132908清水谷 諭

日本経済新聞社 2005-02
売り上げランキング : 27,014

おすすめ平均 star
star事後的な政策評価の重要性
star期待に働きかける政策の重要性

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●理論と実証のバランスがうまく取れているし、重要な課題に取り組んでいる。特にミクロデータの使用によって説得力がある(橘木俊詔・京都大学教授)

●ミクロデータでマクロ経済を分析する具体例が豊富である。実証研究は下を向いて一歩一歩進めるしかないという、著者のスタンスにも共感が持てる(五十嵐敬喜・UFJ総研調査部長)

●論争は正しい根拠に基づいたものでなければならないという、当たり前の主張に基づく精緻な実証分析と、最新の経済学についてのわかりやすい解説が見事(原田泰・大和総研チーフエコノミスト)


【6位】

ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略
4901234714C.K.プラハラード スカイライト コンサルティング

英治出版 2005-09-01
売り上げランキング : 314

おすすめ平均 star
star久しぶりに骨太な本
star常識をくつがえす
starMBA必読

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●コア・コンピタンスの著者として有名になった経済学者が、アカデミックなアプローチによる戦略論を土台に人類の成長に貢献するエールの本。人類が共に成長するための元気が出る経営戦略書(各務洋子・駒澤大学助教授)

●よい。とにかくよい。アイディアたっぷり。300分の1のコストを下げるためには何をするか、こういうのは日本企業は絶対得意だ(竹村正明・明治大学助教授)


【7位】

会社はだれのものか
4582832709岩井 克人

平凡社 2005-06-25
売り上げランキング : 3,802

おすすめ平均 star
starカネよりも人間というけれど
star資本主義は果たして社会を幸せにできるか?
star会社は株主のものという原則を貫く大切さ

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●著者は学会において、経済学の立場から企業の組織に関する優れた発表をしてきた。一般向けに平易で、力強く書かれた好著。現在の日本企業をめぐる問題を本質的に考えるうえで大きく貢献している(安井修二・尾道大学教授)

●会社に対する持ち分(残余財産と利益配分の権利)の所有者である株主と、資産と負債を形式上も実質上も所有している社会的存在としての会社(その代表であり経営者)を区別したうえでの会社論は、まさに傾聴に値する(河野正男・中央大学教授)


【7位】

「質の時代」のシステム改革―良い市場とは何か?
4000234080矢野 誠

岩波書店 2005-01
売り上げランキング : 102,211

おすすめ平均 star
star労働市場の自由化 行政府依存症から脱却できるかな

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●これまでの経済学の発想から抜け出し、時代の変化を見据えた「市場の質」という新しい問題を扱った、革新的な著書と評価する(八木匡・同志社大学教授)

●よい市場とは何かという問いかけを手がかりに、現在の日本経済の問題点を明らかにしている(出井文男・神戸大学教授)


【7位】

バングラデシュ 農村開発のなかの階層変動―貧困削減のための基礎研究
4876986487藤田 幸一

京都大学学術出版会 2005-02
売り上げランキング : 455,396


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●理論にも実証にもおぼれず開発問題の本質に迫ろうとした力作(杉原薫・大阪大学教授)

●バングラデシュ現地調査に基づき、途上国の農村の経済や社会的変動を基底から解明(速水佑次郎・政策研究大学院大学教授


【10位】

人口減少時代の社会保障改革―現役層が無理なく支えられる仕組みづくり
4532351677小塩 隆士

日本経済新聞社 2005-09
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●公的年金をはじめ、医療・介護保険制度も含めた社会保障の問題について、少子化や人口減少を明確に考慮して検討している。特に世代間格差の問題を重視し、高齢者のなかでも社会的に救済すべき人をより限定的、集中的に救済すべきとの主張には賛同できる(奥本佳伸・千葉大学教授)

●議論の枠組みや争点がぼやけかねない重要課題に対し、筆者持ち前の明快な論理展開が冴える(後藤康雄・三菱総研主任研究員)


【11位】

明日は誰のものか イノベーションの最終解
4270000716クレイトン・M・クリステンセン スコット・D・アンソニー エリック・A・ロス

ランダムハウス講談社 2005-09-16
売り上げランキング : 4,509

おすすめ平均 star
star判りやすいのだが,,,
starやっとわかった!
star歯ごたえ十分

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●イノベーションとは何かがよくわかる(柴健次・関西大学教授)

●イノベーションの衝撃に対する認識方法についての示唆を得られる本(山崎郎・中央大学教授)


【12位】

経済論戦―いま何が問われているのか
4004309727川北 隆雄

岩波書店 2005-10
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
star丹念な対応には頭がさがる

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● いわゆる10年不況への対応策として実施されたさまざまな経済政策に対しては、激しい論争が行なわれた。本書はそのような論戦を振り返り、論争の内容と帰結をあらためて評価しようとする、興味ある労作。5つの論戦に対する著者の評価は的を射ている(水谷重秋・南山大学教授)

●郵貯や不良債権問題など、構造改革論議のポイントがわかりやすく、ていねいにまとめられている(渡部亮・法政大学教授)


【12位】

戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ
4532165296野中 郁次郎 戸部 良一 鎌田 伸一

日本経済新聞社 2005-08-06
売り上げランキング : 92

おすすめ平均 star
star前作は読んでませんが...
starビジネスへの適用は難しい
star『失敗の本質』には及ばないが・・・

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●経営環境を自らつくり出すことの重要性を体系的に説いた良書(白石浩介・三菱総研主任研究員)

●あまりにも有名な『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』の続編。前著ほどの衝撃はないが、環境変化に反応する戦略の考え方がおもしろい(熊野英生・第一生命経済研究所主席エコノミスト)


【12位】

「組織力」の高め方―新しい日本的経営で勝つ!
4569644252水島 温夫

PHP研究所 2005-08-23
売り上げランキング : 3,334

おすすめ平均 star
star日本型企業の再認識
star力強い視点

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●輸入型経営手法が氾濫し、その導入を余儀なくされている今日において、本書は日本型組織のよさを生かした組織改革の処方箋を提示している優れた書である(歌代豊・明治大学助教授)

●本当に強い日本企業を、すりあわせ型の強さの組織面から研究した良書である。特に「場」「サークル」「チーム」「グループ」の四段階論は秀逸である。この本を出発点にして、あらためて日本的経営を遂行できる可能性を感じることができる(井上隆一郎・三菱総研政策・経済研究センター長)


【12位】

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線
4794213859マーク・ブキャナン 阪本 芳久

草思社 2005-02-25
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
starちょっと余分な話が多い気もしますが、面白く読めました
star啓蒙書としての役割は果たしていると思う
starこの本に何を期待するか

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●(「6人たどれば、世界中の誰とでもつながる」という、ランダム性と規則性の中間にあるネットワーク理論が)とてもよくまとまっている。このネットワーク理論は、ただいまブレイク中!(洞口治夫・法政大学教授)


【16位】

コア・テキスト経済史
488384093X岡崎 哲二

新世社 2005-11
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●新しい経済史の斬新なテキスト(筒井義郎・大阪大学教授)

●学部生向けのテキストとして書かれているが、最新の経済史の学術的な成果とともに、著者自身の研究や考察に深く裏づけられている(齊藤誠・一橋大学教授)


【16位】

下流社会 新たな階層集団の出現
4334033210三浦 展

光文社 2005-09-20
売り上げランキング : 362

おすすめ平均 star
star分析に疑問
starこれがベストセラーになるというのがすでに…
star作者は統計学、社会学を勉強した方がいい

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●結論には異論もあるが、マーケティングの視点から見た日本社会の現状の分析がおもしろい(角田隆太郎・名古屋市立大学教授


【16位】

功利主義は生き残るか―経済倫理学の構築に向けて
4326153822松嶋 敦茂

勁草書房 2005-05
売り上げランキング : 35,242

おすすめ平均 star
star一見単純に見える功利主義の豊かさ

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●経済学を「モラル・サイエンス」として鍛え直すことの意義と重要性を考えさせる書物(近藤真司・大阪府立大学助教授)

●ジェン・ロールズやアマーティア・センなどによる強力な功利主義を、著者がどのように克服していくのかと興味をそそられつつ、一気に読了した(水谷重秋・南山大学教授)


【16位】

成長の限界 人類の選択
4478871051デニス・メドウズ 枝廣 淳子

ダイヤモンド社 2005-03-11
売り上げランキング : 5,733

おすすめ平均 star
star人類と地球の未来を考えている人々必携の書
star前作の焼き直し?

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●72年の『成長の限界』、九二年の『限界を超えて』に続くグループの3作目。迫真力が増している(工藤秀明・千葉大学教授)

●人間の経済活動が地球の環境収容力を超過し、生態系に負荷を与えている実態をさまざまなデータや指標を基に実証している(和田喜彦・同志社大学助教授)


【16位】

戦後日本のマクロ経済分析
4492394419貞廣 彰

東洋経済新報社 2005-07-22
売り上げランキング : 1,403

おすすめ平均 star
star読み応えのある実証マクロ分析

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●戦後のマクロ経済の動向と展望を、経企庁での経験を基に、手堅いマクロ分析手法で考察した(桑原秀史・関西学院大学教授)

●やさしくはない実証研究の書だが、データに基づく緻密な論証と計量手法で戦後の日本経済を分析し、今日の課題を明確に描き出している(永濱利廣・第一生命経済研究所主任エコノミスト


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