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2005年通期 経済書・社会科学書ベスト100
2005/12/24 週刊東洋経済 118~127ページ
年末年始は何かと忙しいが、まとまった休日にはじっくりと良書で充電しておきたいもの。エコノミストら50人が選んだ今年のベスト経済書・社会科学書をお知らせする。(アンケート方法…エコノミスト、アナリスト、学者等を対象に、2004年11月以降に刊行された書籍から3冊を選んでいただき、集計しました。
【1位】
| デフレは終わるのか | |
![]() | 安達 誠司 東洋経済新報社 2005-02 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() 水野審議委員はこれを読め! デフレの克服には何が必要か ホットな話題と冷静な議論Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼ 量的緩和解除をめぐる政治的な駆け引きが始まった今日、デフレ脱却やその後どのような政策対応が必要なのかを、政治的・組織的な利害に引きずられない、国民の利益中心から冷静に論じている。本年度ナンバーワンの名誉に値するだろう。経済学の歴史に重要な位置を占める著作である。(上武大学ビジネス情報学部助教授 田中秀臣)
▼「デフレ脱却後」の日本経済を視野に入れ、「出口政策」についても詳しく論じている。歴史的な視点からの考察も興味深い。(上智大学経済学部助教授 中里 透)
▼「出口政策」をめぐって政府・自民党と日銀の不協和音がかまびすしい昨今、アメリカの大恐慌の歴史的教訓なども十二分に援用しながら、今、金融政策に何が求められているのかを明快に論じている。(大東文化大学経済学部教授 中村宗悦)
▼日銀が量的緩和を解除しようとしている今こそ、この本はますます重要になってきた。本書の予測が現実にならないことを祈りたい。(早稲田大学政治経済学術院教授 若田部昌澄)
▼エコノミストとして日々のデータを追う著者が、徹底的に過去のデータにこだわることによって、デフレ脱却後の日本という未来を見せたのは見事。デフレ解消によってこそ構造改革が進むという実証も説得的。(大和総研チーフエコノミスト 原田 泰)
【2位】
| ルービン回顧録 | |
![]() | ロバート・ルービン ジェイコブ・ワイズバーグ 日本経済新聞社 2005-07-26 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() ルービン氏の意思決定の回顧録 ルービンかく語れり 財政規律の維持、国際金融危機に取り組む臨場感Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼クリントン政権の財務長官としてアジアの通貨危機、LTCM破綻などを乗り切り、民主党政権でも市場主義をベースにした経済運営を行った著者の回顧録。(三井住友アセットマネジメントチーフエコノミスト 宅森昭吉)
▼数々の危機に対応した財務長官時代の政策意思決定の裏側を詳述。(電力中央研究所上席研究員 門多 治)
▼90年代米国の長期繁栄の立役者にしてアメリカ優先のドル外交の張本人が戦略の内幕を自らあけすけに語る。(経済評論家 神尾昭男)
▼米財政赤字に対するルービン氏の警鐘が、今日的文脈で一段と重要性を増している。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング投資調査部主任研究員 森山昌俊)
▼民主党のリベラルな信条を持ちつつ現実路線を忘れないしたたかなエリートの実像が見える。(朝日新聞編集委員 星 浩)
【3位】
| 証言 戦後日本経済 政策形成の現場から | |
![]() | 宮﨑 勇 岩波書店 2005-09-23 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼興味深いエピソードも交えての証言で、通常の経済史とは別の角度から、日本経済の歩みを理解できる。(富士通総研主任研究員 米山秀隆)
▼戦後の日本経済の節目節目で経済政策の中枢にいた筆者の証言は、今日の日本経済の生い立ちを知るうえでも貴重な文献である。(伊藤忠商事金融部門チーフエコノミスト 中島精也)
▼戦後の日本経済を観察し、政策立案に当たった著者が「人間経済学」の視点から振り返る。アメリカ流合理主義に傾倒した今日の政策に対し「経世済民」で始まる本書は新鮮。(東海東京証券チーフエコノミスト 斎藤 満)
▼経済活動をめぐる官と民の思惑にはいつも隔たりがある。ゆえに経済政策がいかなる背景と意思を持って立案・実行されたか知る意味が生まれる。上川龍之進『経済政策の政治学』(東洋経済新報社)との併読も面白い。(NTT出版営業本部 神谷竜介
【4位】
| 日本の不平等 | |
![]() | 大竹 文雄 日本経済新聞社 2005-05-24 売り上げランキング : 8,120 おすすめ平均 ![]() 財政再建が終わる頃に不平等は是正されているだろうか? 格差問題の決定版Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼所得格差の原因として高齢化を挙げ、本来以上に見せかけの不平等が現れていることを実証。(筑波大学システム情報工学研究科助教授 江口匡太)
▼イメージで語られることの多いテーマを丁寧に分析。(住友信託銀行調査部エコノミスト 花田 普)
▼本年あるいはここ数年中で最も優れた経済書。筆者の高い力量を感ずる。(城西大学現代政策学部設立準備室研究員 霧島和孝)
▼俗説を綿密な実証分析で論破。(米山秀隆)
▼不平等問題を論じる際の必読書。(BNPパリバ証券チーフエコノミスト 河野龍太郎)
【5位】
| 改革の経済学 | |
![]() | 若田部 昌澄 ダイヤモンド社 2005-11-05 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼構造改革について経済学をベースに明確かつ骨太の評価軸を提供する書。(住友信託銀行調査部長 金木利公)
▼リフレ政策と構造改革とは矛盾も対立もしないという当然の視点から書かれた重厚な書。優れた憂国と希望の経済学でもある。(田中秀臣)
▼縦横無尽の語り口と一貫した経済学の理解が魅力的。あえて不況を選択した井上蔵相のデフレ政策でも、現実には、選択的延命政策が採られていた。清算主義とはかなり怪しげなものだという指摘は貴重。(原田 泰)
▼改革の本質的意義や必要性、優先順位などを経済学の立場から縦横に論じたタイムリーな一書。(中村宗悦)
【6位】
| 期待と不確実性の経済学 | |
![]() | 清水谷 諭 日本経済新聞社 2005-02 売り上げランキング : 27,014 おすすめ平均 ![]() 事後的な政策評価の重要性 期待に働きかける政策の重要性Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼ミクロのパネルデータから「失われた10年」の経済行動を解明しようという真摯な試みが展開。(JPモルガン・インベストメント・マネージメントエコノミスト 榊原可人)
▼最近その重要性が認識されてきているパネルデータを用いた実証分析の良書。経済評論にかかわる者ならば心掛けたい経済分析のアプローチ。(大和投資信託エクイティ運用第一部シニアファンドマネージャー 米山章吾)
▼精緻な実証分析と最新の経済学についてのわかりやすい解説はすばらしい。(原田 泰)
▼マクロに偏りがちなエコノミストに新たな視点を与える。(花田 普)
【7位】
| 希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く | |
![]() | 山田 昌弘 筑摩書房 2004-11 売り上げランキング : 4,761 おすすめ平均 ![]() 個人の力を生かせば、希望増幅社会に 生きるのはそもそもツライことなのだ 高度1万メートルから社会を鋭く分析する名著Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼小泉政権下で進む「構造改革」がもたらす格差について実証的に分析した。「改革」が必ずしもバラ色ではないことが、あらためて実感できる。「格差」とどう向き合うかについても提言されている。(星 浩)
▼何よりも「希望格差社会」というネーミングが、日本の現状をよくとらえている。データも綿密。(米山秀隆)
【8位】
| 会社はだれのものか | |
![]() | 岩井 克人 平凡社 2005-06-25 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() カネよりも人間というけれど 資本主義は果たして社会を幸せにできるか? 会社は株主のものという原則を貫く大切さAmazonで詳しく見る by G-Tools |
▼株主至上主義がささやかれる中、「会社はだれのものか」という問いに「会社は社会のもの」と明解に答える。資本主義の成功にプロテスタンティズムの禁欲的な倫理が必要というマックス・ウエーバーの主張と一脈通じるところがある。(中島精也)
▼従来型の経営・財務的視点とは異なる切り口から考察。永遠のテーマに対する思索の幅が広がる書。(金木利公)
【8位】
| デフレから復活へ―「出口」は近いのか | |
![]() | 伊藤 隆敏 東洋経済新報社 2005-10 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼「失われた10年」への処方箋とその経過の中間報告がわかりやすく整理されている。(門多 治)
▼ 世界的に活躍する経済学者が、「失われた10年」の過程でデフレが持続してきた日本経済に焦点を当てつつ、インフレ予想を引き上げて、デフレからの脱却を図るという、日本では理解が進んでいない“世界の常識”をわかりやすく解説。同時にデフレ終息後の日銀の「出口」戦略も論評し、今日的関心に応えてくれる。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング投資調査部長 嶋中雄二)
【8位】
| 虚構の景気回復 - 「統合と分断」の時代をいかに生きるか | |
![]() | 水野 和夫 中央公論新社 2005-05-11 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() ネタ? おもしろきゃいいってもんでもないでしょう・・・ 精緻な論理展開で、独創的な主張Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼IT革命とグローバリゼーションの中で起こるさまざまな経済現象を、世界市場の「統合」と国内経済の「分断」という視点から分析。(浜銀総合研究所調査部主任研究員 北田英治)
▼閉鎖経済モデルを基本形として、それを開放モデルに拡張する従来の経済理論は、世界が一つの経済圏に統合されつつある21世紀においては妥当しないと筆者は指摘する。そこで著者は「統合と分断」というフレームワークを用い、新しい経済理論を打ち立てようとしている。その視点からすればバブル清算も道半ばにすぎないと、「デフレ脱却か」と浮かれ始めた最近の世論に警鐘を鳴らす。(霧島和孝)
▼日本経済の現状について興味深い「異説」を展開。短期的な景気循環の問題を、その背後にある歴史的な構造変化に着目して論じている点が特徴的。(中里 透)
【11位】
| 日本経済を学ぶ | |
![]() | 岩田 規久男 筑摩書房 2005-01 売り上げランキング : 6,706 おすすめ平均 ![]() 戦後経済の流れを知るにはいい本だと思います。 面白い!より多くの人に読んでもらいたい 著者、題材、お値段、三拍子そろった入門書の決定版Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼簡単に読めて、しかも奥行きがあるという本を書くことは難しい。岩田氏という最高の書き手によって書かれたこの概説書は、日本経済を学ぶという読者の期待に完璧に応える。(若田部昌澄)
▼ 経済成長を高めるためには「マクロ経済政策によって物価や雇用といったマクロ経済の安定化を図りつつ、市場を自由かつ競争的に保つことによって、人々の自由な創意と工夫を最大限に引き出すこと」が最も重要である。本書はこの視点を基に、戦後の高度成長期から平成の「失われた10年」までの日本経済の軌跡を、主要な問題に焦点を当てながら論じている。一見すると多くの人の通念とは異なるが、その内容は非常に説得的である。企業統治の問題、雇用システムなど日本型経営の問題、銀行問題などについても、「経済理論」を持ち出さずに、しかも正統的な教えに沿って平易に説明している。さらに、財政再建、郵政改革、年金改革、環境問題など現在の日本経済が抱える重要な問題についても論じている。タイトルどおり「日本経済を学ぶ」ための最適書。(河野龍太郎)
【11位】
| エコノミストの腕前 | |
![]() | 金森 久雄 日本経済新聞社 2005-05-14 売り上げランキング : 1,130,515 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼日本を代表するケインジアン、成長論者のエコノミストとして一世を風靡した著者の半生記。世界で最初に「貿易特化係数」を考案し、「乗数理論」を日本で初めて経済分析に用い、経済予測に「段階的接近法」を導入した革新者でもあった偉大な著者のウィットとユーモアにあふれた軽妙な語り口に、読者は魅了されるだろう。(嶋中雄二)
▼景気予測業界の成り立ちを知るうえで貴重な文献であり、またそのまま戦後の経済論争の歴史となっている。(三菱総合研究所 後藤康雄)
【13位】
| 国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて | |
![]() | 佐藤 優 新潮社 2005-03-26 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() 何が真実であるのか? 途中での感想ですが こういう才能を無駄にしてはいけないAmazonで詳しく見る by G-Tools |
▼現代日本の権力構造を描き切った興味尽きない記録。(北海道大学教授 山口二郎)
▼「悪を討つ月光仮面」と言われてきた東京地検特捜部。日本最強の捜査機関といわれるこの組織が行った鈴木宗男関連の捜査がいかに「国策」であったのか。逮捕された著者と敏腕検事とのやり取りが生々しく再現されている。鈴木氏がどのような理由で国家から「排除」されたのか、著者独自の見解も示されている。(星 浩)
【13位】
| 日本のお金持ち研究 | |
![]() | 橘木 俊詔 森 剛志 日本経済新聞社 2005-03 売り上げランキング : 9,196 おすすめ平均 ![]() ★注意!!金持ちの一部のみを母集団標本とした統計書 ありそうでなかったデータ もうひとひねり欲しいAmazonで詳しく見る by G-Tools |
▼日本のお金持ちとはどんな人なのかを、定量的に解明した初めての研究。(経済アナリスト 森永卓郎)
▼苦労して集めたアンケートによって初めて真面目な資産家研究が出来上がった。特に、弁護士たちの手紙からは、戦後日本を苦学して立身出世した人々の素顔が見える。(第一生命経済研究所主席エコノミスト 熊野英生
【13位】
| 日本の人事部・アメリカの人事部―日本企業のコーポレート・ガバナンスと雇用関係 | |
![]() | サンフォード・M. ジャコービィ Sanford M. Jacoby 鈴木 良始 東洋経済新報社 2005-10 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼日米の経営理念の違いは人事の取り扱いに端的に現れる。日本人が自分のやり方に自信を少し取り戻した今、米国の学者がそれを実証的に分析してくれるのはうれしい。(早稲田大学ビジネススクール教授 西村吉正)
▼日本的経営が1990年代に光を失ったかのような一面的な見方があふれる中で、その功罪を冷静に考えるのに好適。アメリカ的な市場志向に一様に収束するわけではないことが理解できる。(江口匡太)
【13位】
| メディア危機 | |
![]() | 金子 勝 アンドリュー・デウィット NHK出版 2005-06-30 売り上げランキング : 11,913 おすすめ平均 ![]() よい本です。しかし メディアを疑う知識を!Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼日米で進むメディアを通じた世論操作の実態を調査。民主主義の危機を説き、メディアリテラシーの重要性を説く。(神尾昭男)
▼メディアリテラシーを獲得するための格好の参考書。(山口二郎)


水野審議委員はこれを読め!
デフレの克服には何が必要か


財政再建が終わる頃に不平等は是正されているだろうか?







ネタ?



★注意!!金持ちの一部のみを母集団標本とした統計書

