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週刊東洋経済「この経済本がすごい!2006年決定版 『経済・経営書ベスト100』」
2006年12月30日, 週刊東洋経済, 194~203ページ

【1位】

日本の電機産業再編へのシナリオ―グローバル・トップワンへの道
日本の電機産業再編へのシナリオ―グローバル・トップワンへの道佐藤 文昭

かんき出版 2006-08
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star電機、金融関係者には良著
star業界の人向け
starデータに富んでおり日本の電機業界を理解するのに最適な本

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このままでは日本の電機大手は生き残れない


【2位】

三洋電機 井植敏の告白
三洋電機 井植敏の告白大西 康之

日経BP社 2006-11
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star何でいまSANYOは元気ないの?...と思っている方に

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迫真のドキュメント、創業家嫡男の迷走の軌跡


【3位】

中村邦夫―「幸之助神話」を壊した男
中村邦夫―「幸之助神話」を壊した男森 一夫

日本経済新聞社 2006-10
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star以外と読みやすい

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偉大な創業者の呪縛を脱しなければ、再生はなかった


【4位】

ソニー インサイド ストーリー
ソニー インサイド ストーリー立石 泰則

講談社 2006-09-01
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starそれは、無いでしょう・・
star画布に書いた絵を 実行することとは?
star出井氏の苦悩

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ソニーを駄目にした経営者は大賀氏か出井氏か


【5位】

ソニー病
ソニー病城島 明彦

洋泉社 2006-01
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starハリボテソニーの煌びやかな時代->カンパニー制度
starソニーの実態を知る上での手引書
starユーザーの声から遠ざかる企業はどうなるか

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不死鳥のように再生してきたソニー、今回は立ち直れるか


【6位】

ソニー―ドリーム・キッズの伝説
ソニー―ドリーム・キッズの伝説ジョン ネイスン John Nathan 山崎 淳

文藝春秋 2002-03
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starソニーってこういう会社だったのね

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徹底した証言によって描き出すソニーの真実


【7位】

サムスン電子―躍進する高収益企業の秘密
サムスン電子―躍進する高収益企業の秘密韓国経済新聞社 福田 恵介

東洋経済新報社 2002-11
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starサムスン急成長の秘密
starサムスン電子の強みはわかった
starやっと出版されたけど

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李健熙会長の指揮で躍進するサムスン電子の強さの秘密


【8位】

サムスン経営を築いた男―イゴンヒ伝
サムスン経営を築いた男―イゴンヒ伝洪 夏祥 宮本 尚寛

日本経済新聞社 2003-11
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starSamsung大躍進の手本は?
star日本人の思い込み
starそこまでやるかサムスン

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品質重視経営、ブランド戦略、人材育成計画の実態


【9位】

サムスンの研究―卓越した競争力の根源を探る
サムスンの研究―卓越した競争力の根源を探る日本に根付くグローバル企業研究会 日経ビズテック

日経BP社 2005-12
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starちょっと考え変わります
starサムスンを見て日本企業は何を学ぶべきか
star内側から見たサムスン

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15人の幹部の証言と15人の専門家の分析が明らかにしたサムスン躍進の秘密


【10位】

海爾集団(ハイアール)世界に挑戦する中国家電王者
海爾集団(ハイアール)世界に挑戦する中国家電王者王 曙光

東洋経済新報社 2002-11
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star安さだけではない中国の企業

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ハイアール成長の秘密を中国人の著者が解き明かす


■日本の電機メーカーは生き残れるか
■このままでは総崩れサムスン電子に学ぶこと
東京電機大学教授 脇英世
早稲田大学理工学部大学院博士課程修了、工学博士。情報通信工学を専攻。オープンソースソフトなどを研究。

今、日本の電機産業はどんな状態にあるのか、それを見るのに最適なのは『日本の電機産業再編へのシナリオ』である。好況を伝えられる日本の産業だが、こと大手電機産業に関するかぎり、一部の例外を除いて営業利益率は3%程度と低迷の一途である。

ところがサムスン電子の営業利益率は20%、ノキアは15%もある。日本企業は売り上げは漸増しているが儲からない構造になっている。ふと気がつけばサムスン電子の時価総額は日本の大手手電機産業の数倍になっている。これは恐ろしいことだ。

■外資に買収される? 日本の電機メーカー

時価総額の低さに加えて、会社法改正により、外資がM&Aをやりやすい環境になっている。買収される前にグローバル・トップワンを目指した業界再編により、生き残りの道を探すべきだというのが、著者である佐藤氏の主張である。

こうした主張は1960年代、IBMの猛威にさらされたコンピュータ業界に対し、通産省が機電法、機情法によって対応しようとした方策に似ている。一社への統合再編が自主的に行われれば、独占禁止法に抵触するかが問題になるだけだが、国が主体となれば半導体摩擦のときのように国際的な問題になりかねない。しかし、そこまで考えねばならないほど事態が深刻だという鋭い問題提起である。

日本の会社が家族的な経営だとはよく指摘されるが、創業家の問題という視点も浮上してきている。

『三洋電機 井植敏の告白』は衝撃的な本である。三洋電機は松下幸之助の義弟の井植歳男によって創業された家電、半導体の名門である。新潟地震で半導体工場が壊滅的打撃を受けたことは記憶に新しいが、三洋電機に巨額の負債1兆3000億円が発生してきている。この途方もない負債は、創業家に関係した三洋紀泉開発や三洋電機クレジットが無謀な投資を行った結果である。

こうした事実は三洋電機など企業の年齢が老齢化してきたことにも関係しているだろう。制度疲労もあり、断ち切れない矛盾も山積してきたということだ。

電機産業の抱える多くの問題は創業者によって確立された路線が、形骸化し絶対化され、神話となったことにもある。

たとえば松下幸之助の『松下幸之助 夢を育てる―私の履歴書』(日本経済新聞社)は、今読んでもすばらしい本だが、そこに書かれたことを一字たりとも変更できない硬直化と矛盾が発生していた。

このため松下は大いなる矛盾に苦しんだ。ここで中村B夫社長が大外科手術を行って松下を再生させたが、幸之助神話の破壊は、かなりの痛みを伴うものだったようだ。これについては『中村邦夫―「幸之助神話」を壊した男』に詳しい。

ソニーにも盛田神話がある。だが、神話のためにブラウン管テレビを捨て切れない。ウォークマン成功体験から抜け切れない。ソニー再生のためには盛田神話の破壊が一度は不可欠であるが、出井伸之社長(当時)の改革は迷走を招き、一層の混乱を導いてしまった。

これについては数あるソニー物の中でも『ソニー インサイド ストーリー』『ソニー病』が参考になるだろう。また外国からの指摘として『ソニー―ドリーム・キッズの伝説』がある。

ソニーには「ソニーがVTR戦争に負けたのはソフトがなかったからだ」という思い込みがある。そこでソニーはコンテンツを持つコロンビア映画やMGM買収に途方もない金額を注ぎ込んだ。

しかしコロンビア映画の実態を暴いた『ヒット&ラン』(グリフィン・マスターズ著、キネマ旬報社)を読んでみると、首をかしげざるをえない。

ソニーとハリウッドは、物の考え方がまったく違うのである。同一の社内に違う原理が二つは並び立たない。

■サムスンの経営に学ぶ 強い指導者が必要だ

それでは、日本の電機産業は今後どうしたらよいのだろうか。それには、現在成功している外国の事例を学ぶことが重要であろう。

たとえばソニーを超えたと言われるサムスン電子である。いくつかを選んでみたい。『サムスン電子』はバランスのとれた紹介をしている。創業者の人となりを知るには『サムスン経営を築いた男』がいい。オムニバスものでは『サムスンの研究』が参考になる。

韓国は97年にIMF危機があってサムスン電子もかなりの打撃を受けたはずだが、2000年にはすでに日本の電機産業に脅威を与える存在になった。この点が実に不思議で今後も研究の余地があると思う。現象的にはリストラが功を奏したのだろう。従業員を5万9000人から3万9000人に削減、250あった事業のうち12億ドル相当の事業を売却して、半分に減らし、4事業部に再編したことが効果があった。その後のサムスン電子の勝因は、卓越した指導者、積極投資、税制優遇などによる国家の後押しなどがあるだろう。

69年までのサムスンは、砂糖、毛織物、デパートから出発した経緯もあり、電子・電機事業はなかった。この分野に乗り出せたのは三洋電機、日本電気の技術移転があったからである。三十数年にして凌駕されてしまったわけである。旧式の技術の移転といえど、侮れない。考えさせられる。

中国の家電会社ハイアールについては『海爾集団(ハイアール)』がよい。これを読むと特に変わった魔法のような策がないのが実に不思議だ。やっていることは、日本メーカーが当然のようにやっていることだけである。唯一、感じるのは制度疲労がなく、優秀な指導者が過去のしがらみなしに大胆に施策を実行できることである。

いずれにせよ今後の日本の電機産業は、適切な構造改革を実行する必要がある。また先見性に優れ、カリスマ性を持ち、指導力に富んだ優秀な指導者なしには、絶対に生き残れないことは明らかである。


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