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週刊東洋経済「この経済本がすごい!2006年決定版 『経済・経営書ベスト100』」
2006年12月30日, 週刊東洋経済, 194~203ページ
経済学者、エコノミスト、アナリストら72人が選んだ2006年の経済・経営書ランキング。今回は日本の金融政策と格差社会に関する書籍がランキング上位となった。
【1位】
| ゼロ金利との闘い―日銀の金融政策を総括する | |
![]() | 植田 和男 日本経済新聞社 2005-12 売り上げランキング : 625 おすすめ平均 ![]() 日銀の金融政策を理解する上で十分とは言わないが、参考になる。但し、高名な学者の著書だからといって、鵜呑みにしないように。 コンパクトな良書。惜しむらくは回顧録的要素の欠如か。 量的緩和解除を考えるAmazonで詳しく見る by G-Tools |
●ゼロ金利と量的緩和の下での金融政策の運営について、理論と実証の両面から分析。政策金利が下限(ゼロ金利)に達し、追加的な金融緩和の余地が限られる中、中長期金利を下げる効果のある時間軸政策の採用に至った経緯についても詳述される。(上智大学助教授・中里 透)
●元日銀審議委員という当事者が、ゼロ金利と量的緩和という異常な政策を平易に総括している。プロのみならず、一般読者に勧めたい好著。(日興シティグループ証券チーフストラテジスト・佐野一彦)
●金融政策の理論を、実際の金融政策判断と絡めて非常にわかりやすく解説した良書。金融政策の入門書として最適。(住友信託銀行調査部エコノミスト・花田 普)
●日銀の金融緩和のテンポが遅くなかったかどうかの検証がないのは惜しまれる。(富士通総研主任研究員・米山秀隆)
【2位】
| 格差社会―何が問題なのか | |
![]() | 橘木 俊詔 岩波書店 2006-09 売り上げランキング : 208 おすすめ平均 ![]() 何が問題なのか絞れません。 「再配分」の道 格差問題の論点と分析が分かりやすいAmazonで詳しく見る by G-Tools |
●格差出現の背景にある社会風潮にも迫りながら、階層の固定化や膨らむ貧困層の特徴を扱っている点でわかりやすい。(東京大学大学院総合文化研究科教授・山内昌之)
●格差問題についての決定版ともいうべき書物。今何らかの手を打たなければ、日本社会に取り返しのつかない大きな問題を生み出すとの危機感を強めた。(北海道大学法学部教授・山口二郎)
●今年の経済論壇で最大のテーマとなった格差問題について、教育や医療などを含め多面的に分析しており、バランスがとれている。(みずほ証券チーフマーケットエコノミスト・上野泰也)
【3位】
| ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する | |
![]() | スティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー 望月 衛 東洋経済新報社 2006-04-28 売り上げランキング : 58 おすすめ平均 ![]() やばくない、統計を知る一冊。 経済学の対極は、実は、「道徳」だった!! 経済学の視点で世の中を見直すとAmazonで詳しく見る by G-Tools |
●どのようにインチキを見破るか。隠すことがどれだけの価値を生むか。自分の仕事がトーナメント型だとどうなるか。なぜ犯罪が減ったのか。名前はどれだけ重要なのか。経済学とは、多様な問題について、有益で数量的な判断を含む洞察を与えるものだ。
先入観を捨てて本書を読めば、人間行動の本質についてすばらしい洞察を得られる。(大和総研チーフエコノミスト・原田 泰)
●この本を挙げないのは、良心の呵責を感じる。これが経済学か?と思う人には、これこそ経済学、と言いたい。(早稲田大学政治経済学部教授・若田部昌澄)
●「経済学の手法で、経済学が扱わない犯罪や八百長などのテーマを分析する」という目新しい試みが非常に興味深い。(花田 晋)
【4位】
| 成長と循環で読み解く日本とアジア―何が成長と停滞を生み出すのか | |
![]() | 篠原 三代平 日本経済新聞社 2006-09 売り上げランキング : 11415 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
●本年の文化勲章に輝いた著者が、長年にわたり最も情熱を注いできた「成長と循環」の分野での研究成果と、新たな事実の発見を多数収めた珠玉の著作。日・米・アジアはもとより、BRICs諸国にまで分析対象を広げ、データに裏付けられた重量感のある分析を展開。また、予測にも定評のある著者が、次の日本の中期循環の山を2010年と予測している点も注目される。
ケインズ派も構造改革派も、今こそ、循環論の巨人の説く「政策万能主義」への批判に耳を傾けるべきであろう。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング投資調査部長・嶋中雄二)
【5位】
| ゴールデン・サイクル―「いざなぎ超え」の先にあるもの | |
![]() | 嶋中 雄二 東洋経済新報社 2006-05 売り上げランキング : 10502 おすすめ平均 ![]() 2004年に景気回復のいざなぎ越えを予測し見事的中 景気サイクルを身につけたい経済学入門者、企画担当者などに有用。 学生さんが読む本Amazonで詳しく見る by G-Tools |
●短期から超長期までの四つの景気循環と、それを組み合わせた複合循環の考え方を踏まえた分析方法やこれに基づく予測がわかりやすく示されている。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員・鹿野達史)
●綿密な調査により組み立てられた本。結果として予測が外れるエコノミストは多いが、足元のマクロ経済を見るに、2006年5月刊行時点で言い当てている点はすばらしい。景気循環に独自の視点も加わり、読み継がれる著作物だろう。(水戸証券調査部次長・松尾十作)
【5位】
| 超・格差社会アメリカの真実 | |
![]() | 小林 由美 日経BP社 2006-09-21 売り上げランキング : 152 おすすめ平均 ![]() マスコミの報道では分からないアメリカの今を知る本 アメリカ社会についての最良の解説書 あとがきが惜しいですAmazonで詳しく見る by G-Tools |
●アメリカ市場競争社会の後を追う日本の先行きが「こんな姿になってはいけない」との想いを強くする。アメリカンドリームの崩壊と日本の中間層の崩壊が奇妙に重なり合って映る。格差の固定は日本の健全な未来のためにどうしても避けねばならない。(伊藤忠商事会長・丹羽宇一郎)
●「信長」以上に、イメージが先走るのが「アメリカ」だ。大好きか大嫌い、全肯定か全否定。極端に振れやすい中で、統計数字をわかりやすく見せながら、アメリカの格差を多面的に語った本。この内容でこんな書名はかわいそうだ。(東京大学総合文化研究科助教授・佐藤俊樹)
●本書は超・格差社会アメリカでなぜ貧富の格差が肯定されるのかを、歴史・文化・現代社会の動向から詳細に分析したものであり、今後の日本社会の行方を考えるに当たっても一読に値するものである。(兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科助教授・中野雅至)
【5位】
| 日銀はだれのものか | |
![]() | 中原 伸之 中央公論新社 2006-05 売り上げランキング : 9839 おすすめ平均 ![]() 第4の権力 唯一の良心が日銀の4年間を振り返り提言する よく書けています。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
●日銀審議委員だった著者の立場から、日本経済がデフレ下に沈む過程での日銀の政策判断の誤りと、その意思決定システムの問題点を鋭くえぐり出した。
つねに正しい提言をしながらも、少数意見としてことごとく否決され続けてきた著者の悲哀が文面からひしひしと伝わってくる。(明治安田生命エコノミスト・小玉祐一)
●ふだんうかがい知ることの難しい、金融政策決定の内側を見ることは興味深い。
日本経済が低迷を続ける中で、いかにして金融政策が形成されていったのか、経済や金融の専門家でなくとも一読の価値がある。(ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト・櫨 浩一)
●1998年からの4年間の金融政策決定の現場が詳述されている。金融政策のあり方について考えさせられる。(嶋中雄二)
●日銀の金融政策の背景がわかる。(みずほ証券市場調査本部統括部長・高田 創)
【8位】
| 経済財政諮問会議の戦い | |
![]() | 大田 弘子 東洋経済新報社 2006-05 売り上げランキング : 54116 おすすめ平均 ![]() 大田大臣のこれからが見もの・・・ 小泉総理のリーダーシップAmazonで詳しく見る by G-Tools |
●経済財政諮問会議の裏方としての現場経験を臨場感を持って語る著者が、今度は担当閣僚として戻り、同じ組織を使って何をどう料理するのか興味は尽きない。手の内を明かしてしまったと後悔しているだろうか。(早稲田大学ビジネススクール教授・西村吉正)
●経済諮問会議でどのような方法で議論が行われ、決定していったのかがよくわかる。官僚や族議員との戦いの激しさがよく理解できた。ただ、本音が書けない部分も多いのだろう。やや消化不良ぎみなところもある。(城西大学現代政策学部教授・霧島和孝)
●戦後最長となる景気回復を実現した小泉政権だが、具体的にどういった政策が経済再生に寄与したかを指摘することは難しい。しかし、著者が指摘するように、経済財政諮問会議が経済政策の決定過程を透明化したことは間違いなく評価される点だ。(ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト・斎藤太郎)
●内閣府の事務方として、5年間の既得権益への挑戦の記録。(小玉祐一)
【9位】
| 脱デフレの歴史分析―「政策レジーム」転換でたどる近代日本 | |
![]() | 安達 誠司 藤原書店 2006-05 売り上げランキング : 34017 おすすめ平均 ![]() 歴史分析の意義 「通貨」で負けた日本、そして歴史は繰り返すのか? 現状分析の為にどうぞAmazonで詳しく見る by G-Tools |
●近代以降の日本の経済を政策レジームの推移から分析した鋭い論考。日本がここ十数年直面した経済的停滞の評価とその処方箋も歴史的見地からクリアに提示している。06年の一大成果である。(上武大学ビジネス情報学部助教授・田中秀臣)
●エコノミストによる本格的な歴史実証分析であり、「政策レジーム」転換によって近代日本の政治・経済・外交をとらえ直そうとする野心作。(大東文化大学経済学部教授・中村宗悦)
●誤った経済政策が経済を停滞させ、経済の停滞が社会の混乱を招くことは多い。戦前期の日本は、そのような状況にあった。本書は、誤った政策の結果を示すのみならず、なぜ誤った政策が採用されたのかを、政策レジーム間の競争という方法で分析する。戦争に連なる戦前期の政治変化を、独創的に、かつ説得力豊かに描く。(原田 泰)
【10位】
| 孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生 | |
![]() | ロバート・D. パットナム Robert D. Putnam 柴内 康文 柏書房 2006-04 売り上げランキング : 20659 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
●米国で一人でボウリングをする人の割合の増加は、孤独と不信社会の象徴である。膨大なデータに基づいたハードな書物だが、軽妙洒脱な表現が読者を飽きさせない。タイトルを日本人向けに訳せば「孤独なカラオケ」になるか。(関西大学文学部教授・竹内 洋)
●アメリカにおいてもコミュニティの衰退が著しいという現実と、それへの対処法。(東京学芸大学教授・山田昌弘)●社会関係資本について語るうえでの必読の現代の古典。訳もすばらしく、大部ながら実に読ませる。(北海道大学大学院文学研究科助教授・山下範久)
【10位】
| 上げ潮の時代―GDP1000兆円計画 | |
![]() | 中川 秀直 講談社 2006-10 売り上げランキング : 22328 おすすめ平均 ![]() 安部内閣の経済政策理論を読む サプライサイド経済学の本 期待と不安が・・・Amazonで詳しく見る by G-Tools |
●安倍首相の『美しい国へ』ではあまり経済政策に触れられてなかった。GDP10000兆円達成が可能かどうかは別にして、安倍政権の経済政策の考え方を理解するのに役立った。(メリルリンチ日本証券チーフ株式ストラテジスト・菊地正俊)
●本書中のたった数ページの記述だが、政権の中枢に位置する人物が歴史上初めて力強く、デフレ経済からの脱却と、金融政策主導の成長戦略を発言したことを高く評価したい。(田中秀臣)
●本書の積極果敢なやや浮ついた感のある主張には賛否両論あるだろうが、政治の中心にいる人の発言だけに迫力がある。主張にそれなりの裏付けもある。経済成長と財政再建の二兎が本当に手に入るのか。(霧島和孝)


日銀の金融政策を理解する上で十分とは言わないが、参考になる。但し、高名な学者の著書だからといって、鵜呑みにしないように。
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