メイン > 日経新聞日曜版『読書』 > 2007年9月2日~9月9日

日本近現代美術史事典
日本近現代美術史事典多木 浩二 / 藤枝 晃雄

東京書籍 2007-09-03
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十九世紀後半以降の日本美術の動きを事象で網羅した『日本近現代美術史事典』が、東京書籍から刊行された。絵画や彫刻の分野別の動向、画材・技法の歴史、修復史、美術館や美大などについて、八十余人の専門家が執筆。「インスタレーション」「デジタル・アーカイヴ」など現代の項目の解説にも力を割いている。監修は、評論家の多木浩二氏ほか。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 23ページ

理系のビジネス英語―毎日の仕事に欠かせない英語フレーズ125
理系のビジネス英語―毎日の仕事に欠かせない英語フレーズ125イングリッシュビタミン

中経出版 2007-09
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中経出版は九月から、新刊書の購入者が、その本の電子書籍版も読むことができる「ネット書籍サービス」を始めた。例えば実務書を購入した場合、紙の本が手元になくても会社や出先のパソコンから電子版を読んで、手続き方法や書類の書き方などを確認することができる。

新サービスが利用できる第一弾は『理系のビジネス英語』(千六百円、写真)。月内に文芸書や実務書など、ほかに三点を出す予定。今後、年間約六十点の新刊を対象にしていく方針だ。

各書籍の最後のページに、サービスの利用方法が説明してある。読者は同社のサイトに接続し専用ページに購入した書籍のISBN(国際標準図書番号)の下五ケタと一冊ごとに割り振られた登録番号を入力。さらに、書籍の内容に関する設問に答え、名前やメールアドレスなどを入力すると登録が完了し、電子版を読むことができる。

電子版は紙の本と同じようにパソコン画面上でページをめくるようにして読める。購入者一人一人にネット上の「本棚」が割り当てられ、書籍を増やしていける。印刷はできないが、特定キーワードで検索するなど、紙の本にはない機能を備える。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 23ページ

少子化克服への最終処方箋―政府・企業・地域・個人の連携による解決策
少子化克服への最終処方箋―政府・企業・地域・個人の連携による解決策島田 晴雄 渥美 由喜

ダイヤモンド社 2007-02-02
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star面白かった

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ワークライフバランス社会へ―個人が主役の働き方
ワークライフバランス社会へ―個人が主役の働き方大沢 真知子

岩波書店 2006-03
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働くパパのための「幸福な家族」のつくり方
働くパパのための「幸福な家族」のつくり方あいはらひろゆき 読売広告社ネオパパ研究プロジェクト

日経BP社 2007-02-15
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ワーク・ライフ・バランスの実践―企業事例に見るその手法と実際
ワーク・ライフ・バランスの実践―企業事例に見るその手法と実際久谷 与四郎

日本リーダーズ協会 2007-03
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新しい人事戦略 ワークライフバランスー考え方と導入法ー
新しい人事戦略 ワークライフバランスー考え方と導入法ー小室 淑恵

日本能率協会マネジメント 出版情報事業 2007-07-26
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star多くの方(特に企業の管理職の方)に読んでほしい本です
starこんな本が欲しかったです

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この一、二年「ワークライフバランス」という言葉を聞く機会がめっきり増えた。日本語でいえば「仕事と生活の調和」。一九九〇年代の米国で企業戦略として始まり、時を同じくして欧州で家族政策として注目された。私的な生活も楽しめる働き方でなければ優秀な人材は集まらない、家庭生活を大事にできる生き方でなければ少子化も解決しないとの考え方だ。

日本でも今年に入って、政府の三つの会議が相次いでワークライフバランスの推進を提言した。とかく対立しがちな労使もそろって旗を振る珍しい展開で、政府は今年中に憲章と行動指針を作るとしている。

●少子化が引き金に
なぜ急速に関心が高まったのか。最大の理由は少子化だ。女性が一生に生む子どもの数の推計(合計特殊出生率)は、昨年は一・三二と前年の一・二六から久しぶりに反転したが、再び下がり始めているともいわれ予断を許さない。島田晴雄・渥美由喜著『少子化克服への最終処方箋』(ダイヤモンド社、二〇〇七年)はまさにそうした視点からワークライフバランスに一章を割き企業や海外の事例を紹介する。

少子化社会では労働力確保のため、今以上に女性に働いてもらわなければならない。そのためには男女ともに家庭生活と両立できる働き方が必要だ。仕事か家庭か二者択一を迫る職場環境では結婚・子育ての意欲もわかず、少子化も止まらない。現状を変える切り札として期待がかかる。

だが、それだけではこれほど言葉が広がった背景を説明するには不十分だろう。その疑問にこたえるのが大沢真知子著『ワークライフバランス社会へ』(岩波書店、二〇〇六年)だ。若者へのインタビューなどを通じ展望のないフリーターや派遣社員の増加と正社員の過重労働の実態に迫った。時間が欲しければ不安定で低賃金の非正社員でいるしかない、生活の安定を求めて正社員になれば長時間労働が待っている。こんな社会はおかしいと説いて共感を得た。

九年連続で年間自殺者が三万人を超え、児童虐待が相次ぎ、老人の孤独死が話題になる。戦後、私たちは経済的豊かさを求め懸命に働いてきたが、どこかで方向を間違ったのではないか。多くの人がこんな思いを抱きつつある。目指すべき方向として心をとらえたのがこの言葉だったといえる。

注目されているのが男性の生き方だ。「あなた、本当に幸せですか」と呼びかけたのが、あいはらひろゆき+読売広告社ネオパパ研究プロジェクト著『働くパパのための「幸福な家族」のつくり方』(日経BP社、二〇〇七年)だ。猛烈サラリーマンだった元広告マンが、子どもの誕生で一変。わがままに仕事をして子育てを楽しもうと呼びかける内容で、こうしたネオパパが社会も消費も変えていくと、明るくつづる。

●労働生産性上がる
国の調査によれば東京、大阪などの大都市では三割を超える男性が週六十時間以上働いている。全国の未就学児がいる父親の一四%が二十三時を過ぎて帰宅する。大切なのは家庭も大事にする男性の方が労働生産性が高いということだ。ワークライフバランスは、企業にとってもプラスになる。

とはいえ、多くの企業はどうすればいいかわからない。今年、相次いで出版されたのが久谷與四郎編著『ワーク・ライフ・バランスの実践』(日本リーダーズ協会、二〇〇七年)、小室淑恵著『新しい人事戦略 ワークライフバランス考え方と導入法』(日本能率協会マネジメントセンター、二〇〇七年)。どちらも企業の実務担当者に向け、先進企業の事例をあげてノウハウを伝授する。

総論賛成、各論反対の時期をすぎ企業もようやく本気で変わろうとしているかに見える。だが、旧態依然の職場は多いし、管理職の意識改革も不十分。正社員と非正社員の格差も縮まらないままだ。男女、未既婚にかかわらず、すべての社員が家庭や地域、プライベートな生活と調和がとれた働き方へ、模索は始まったばかりだ。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 23ページ

組織能力の経営論 (Harvard Business Review)
組織能力の経営論 (Harvard Business Review)DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部

ダイヤモンド社 2007-08-03
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組織は作った途端に陳腐化が始まるといわれる。新たな経営戦略に合わせて組織を改革する企業の営みは尽きることがない。

理想は、刻々変わる環境に合わせて必要な知識を自ら学習して、柔軟に対応できる組織である。本書は、組織の学習能力についての論文を、米国ハーバード・ビジネススクールの機関誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』から集めたものである。

クリス・アージリス・ハーバード大学名誉教授から野中郁次郎一橋大学名誉教授まで多彩な筆者による十四章は、組織論の奥の深さを感じさせる。例えば組織は、既定の方針に沿って目的を達成するための「シングル・ループ学習」にたけている。しかし実態に即して方針を見直す「ダブル・ループ学習」は苦手だ。原因は、異を唱えて波風を立てるのは得策でないとの不文律があるからだという。

組織の中には、複雑な問題をあっさり解決する「ディープ・スマート」と呼ぶべき知恵がある。この持ち主が退社すると甚大な損失だということを認識し、どのように培うかを知らねばならないという。また知識を練り上げ共有する非公式なグループによる「場」の重要性を説く。

様々な分析は興味深いが、組織の本質はやはり古くて新しい問題だという印象だ。解決策を期待せず、考える材料として読むとよい。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 24ページ

「結婚式教会」の誕生
「結婚式教会」の誕生五十嵐 太郎

春秋社 2007-08
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都市の中心部や郊外の幹線道路沿いなどにそびえる、キリスト教の教会によく似た建築物。信者が集まる本来の教会ではなく、結婚式を挙げるためだけに建てられたこうした建物を、著者は「結婚式教会」と名づける。その歴史や特徴を様々な角度から検証し、不思議な建物が生まれた文化的背景を探っている。

本書によれば、結婚式教会が“増殖”を始めたのは一九九〇年代。女性が式場選びの主導権を握るようになり、ウエディングドレスが映えるキリスト教式の結婚式が増えたことが背景にある。その大きなきっかけとなったのが、八一年の英チャールズ皇太子と故ダイアナ妃の結婚式だった、と著者は指摘する。

ウエディングドレスを美しく見せるため、結婚式教会では階段が長い。リムジンで到着する新郎新婦のために車寄せが大きく張り出し、高齢の親族への配慮からスロープが設けられる。欧米にはない独自の発展を遂げた建物が日本の結婚式教会である、との主張には説得力がある。

著者は東京、東海、中国地方の結婚式教会をくまなく訪ね、その多くが、中世フランスで誕生したゴシック様式をまねることで「教会らしさ」を演出していることを明らかにする。本書に登場する本物の教会の多くが「普通のビル」であるのと対照的なのが面白い。現代日本の風景を読み解く上で興味深い一冊である。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 24ページ

裁かれた罪裁けなかった「こころ」―17歳の自閉症裁判
裁かれた罪裁けなかった「こころ」―17歳の自閉症裁判佐藤 幹夫

岩波書店 2007-07
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二〇〇五年二月、大阪府寝屋川市の小学校で、当時十七歳の卒業生の少年が教職員三人を殺傷した事件は記憶に新しい。昨秋には大阪地裁で懲役十二年の判決が下り、控訴審も間もなく結審する。

少年は精神鑑定の結果、対人関係や社会性がうまく築けず、特定の対象に強くこだわる「広汎(こうはん)性発達障害」と診断された。裁判所は背景に発達障害があると認めながらも、犯行の悪質さを重視し、弁護側の求めた少年院送致を退けて刑事罰を選択した。

本書はこの特異な事件を、これまでも少年事件などを追い続けてきたフリージャーナリストが入念に取材した作品である。犯行の深淵に迫るとともに、こうした発達障害の影響下で重大な事件を引き起こした少年の処遇のあり方を真摯(しんし)に問いかけている。

少年は犯行当時の心境を「うつろな気分」と説明し、「刺す」という言葉が頭から離れなかったと陳述した。著者は関係者への取材や公判傍聴を通してその心のひだに分け入り、攻撃衝動の実相を照らし出そうと努めている。

もちろん、少年の心理が十分に解明されているわけではない。しかしここで描かれた事件像は、同様のケースに社会がどう対処すべきか、刑罰と治療のバランスをどうとるべきかを考えさせてくれる。少年犯罪厳罰化の流れが強まるなかで、一読に値するノンフィクションである。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 24ページ

ヴィスコンティの遺香 愛蔵版
ヴィスコンティの遺香 愛蔵版篠山 紀信

小学館 2007-07-19
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イタリア名門貴族の一員にして、映画「山猫」「ベニスに死す」などの監督で知られるルキーノ・ヴィスコンティの生涯を、篠山の撮り下ろしと家族のアルバムでたどる写真集。生誕100年を記念した25年ぶりの再刊だ。イスキア島の別荘と遺品の数々は、何世代にもわたり培われた高い美意識をしのばせる。新たに塩野七生のエッセー、ヴィスコンティ家の歴代系図なども収録。写真は別荘のテラス全景。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 24ページ

社会保障と日本経済―「社会市場」の理論と実証 (総合研究現代日本経済分析 1)
社会保障と日本経済―「社会市場」の理論と実証 (総合研究現代日本経済分析 1)京極 高宣

慶應義塾大学出版会 2007-07
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新しく刊行が始まった「総合研究 現代日本経済分析」シリーズの一冊。社会保障と日本経済の関係について実証分析した。著者によると、日本経済と社会保障は相互関係があり、日本経済の発展が経済的余剰を通じて社会保障の財政基盤を支え、社会保障の発展が様々なルートで日本経済を底支えしているという。学術書だが、目新しい分析が多く、興味が尽きない。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

ルイ・ヴィトンの法則―最強のブランド戦略
ルイ・ヴィトンの法則―最強のブランド戦略長沢 伸也

東洋経済新報社 2007-08
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巨大さと高級感。一見矛盾する特徴を、ルイ・ヴィトンというブランドはなぜ両立できたのか。一般消費財とは異なる高級ブランドのマーケティング戦略を外部の目で分析する。他社のヒット商品に対しあえて対抗商品を出さないなど、従来のブランド理論やマーケティング理論の逆張りを行っているのがルイ・ヴィトンだと編著者は結論づける。数人で分担して執筆したためか、一部の章で分析や文章が極端に粗いのが残念。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

中国の強国戦略―2050年への発展シナリオを読む
中国の強国戦略―2050年への発展シナリオを読む尾崎 春生

日本経済新聞出版社 2007-07
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中国の経済、産業、外交、軍事などを「強国戦略」というフィルターを通して分析し、強国実現のアキレスけん、すなわち貧富の格差や環境、エネルギー、人口、政治の弱点にも触れている。ただ、直近の中国を読み解くには調和という意味の「和諧(わかい)」というフィルターも必要だろう。例えば和諧外交や和諧社会、和諧発展戦略。そうした視点にやや乏しいが、中国を広くさらい、理解したい人には便利な一冊。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

チョコレートの真実
チョコレートの真実キャロル・オフ 北村陽子

英治出版 2007-08-27
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おすすめ平均 star
star目からうろこです。

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カカオ豆の主産地であるコートジボワールでの現地取材を通じて、過酷な児童労働や、巨大企業・利権と結びついた政府の実態を告発するノンフィクション。マヤ、アステカ文明とヨーロッパの出合いから始まって、カカオ争奪をめぐる興味深い事実が積み重ねられていく。胸を打つのはやはり産地の苦境だ。環境保護や社会政策を目的として、近年盛んになってきたフェアトレード運動も多くの矛盾を抱える現実に愕然(がくぜん)とする。北村陽子訳。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

江戸城が消えていく―「江戸名所図会」の到達点 (歴史文化ライブラリー 239)
江戸城が消えていく―「江戸名所図会」の到達点 (歴史文化ライブラリー 239)千葉 正樹

吉川弘文館 2007-08
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江戸時代の木版出版物である地誌の挿絵や江戸絵図、名所図会などを詳細に調べ、町の発展がこれらの表現をどう変化させたかを紹介する。一つの城を上と下からの二つの視点をないまぜにして描いたのはなぜか。地図上の江戸城が記号だけになって市中の割合が減り、場末と呼ばれる周辺部が重要度を高めていく経緯にも触れる。専門的でやや読みづらい部分もあるが、一枚の図に隠された数々の謎を読み解く手法は丁寧で緻密(ちみつ)だ。 歴史文化ライブラリーシリーズの一冊。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

食糧争奪―日本の食が世界から取り残される日
食糧争奪―日本の食が世界から取り残される日柴田 明夫

日本経済新聞出版社 2007-07
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おすすめ平均 star
star交差しつつある資源問題―エネルギーと食糧
starバランスよい問題提起本

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金さえ払えば食糧はいくらでも手に入る。これはなかば、日本人の常識である。しかし、現在、この命題は静かに崩れつつある。小麦、大豆、とうもろこしなど食糧をめぐっての争奪戦が世界的な規模ではじまったからである。

日本の食を守るために私たちは今、何をなすべきか。本書は、この問題意識に基づき、二十一世紀日本の食糧・農業戦略を具体的に提示するものである。以下、その内容を簡単に紹介しよう。

中国、インドなどの人口大国が本格的な工業化の過程に入った。その結果、質の変化を伴って食糧に対する需要が飛躍的に増大した。さらに、バイオマス燃料の素材としての穀物に対する需要も増えている。一方、農水産物の生産量を短期間のうちに拡大することはできない。そうしたなか、限りある食糧の争奪戦が繰り広げられるようになったのである。

この動きはもはや、市場メカニズムでは解決できないレベルに到達したおそれが強い。私たちに残された途は日本の農業再建を通じた食糧自給率の向上である。そのためにも経営規模の拡大が急務であり、農地の利用権を確立のうえ株式会社にも農地を開放することが求められる。加えて、農業についてもグローバルな視点が不可欠となっており、コメのアジア向け輸出やアジアとの連携についても真剣に検討する必要がある。

これが著者の見立てであり、示唆に富む処方箋(せん)が示されている。しかし、幾つかの疑問が残るのも事実である。たとえば、コメの増産は自給率の引き上げにつながるが、食生活が変化するなか、食糧需給の改善に寄与するとは必ずしもいえないおそれが強い。小麦、大豆、とうもろこしについても将来戦略の策定が求められるが、この点についてはほとんど議論されていない。

いずれにしても、金さえ払えば手に入るという発想を放棄する必要があるのは間違いない。食糧・農業政策論議では目先の価格安定や必要量の確保が重視され、長期的な戦略は軽視されがちである。本書を読了し、将来を見据えた食糧・農業政策を確立することの重要性を改めて思い知らされた。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

噺家渡世―扇橋百景
噺家渡世―扇橋百景入船亭 扇橋 長井 好弘

うなぎ書房 2007-07
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ひょうひょうとして滋味あふれる語り口で高座五十年を振り返る。“芝浜の三木助”とうたわれた三代目桂三木助に入門したのが二十六歳。遅い出発だ。実は浪曲師にあこがれて頓挫した前歴があったのだ。

「世話になってた浪曲作家の水野春三先生に『これから浪曲は難しいから落語家になれ』って言われて、初めて寄席に行って落語を聞いた。先代可楽に円生、志ん生師匠の『そういうわけでぇ~』って口調はおかしかったな。それで、水野先生に三木助師匠を紹介されて入っちゃった」

行き当たりばったりのように聞こえるが、さまざまな葛藤があったはず。しかし、「言いたいことを言わないで我慢して、サゲへポーンと持って行く。しゃべりすぎてはいけない」という経験から導き出した噺家(はなしか)の基本を実践。ふわふわっと語りながら“そぎ落としの芸”が随所に見える。それはまた、「ズバリと言ったら下品になる」という、俳人・光石(こうせき)も名乗るこの人の真骨頂でもある。

三木助が死んで「自分も死のう」と自殺を図った話も淡々とつづられる。三木助の遺言で五代目柳家小さん門下となり、古典落語にまい進する。共に修業したのが二年後輩の小三治(当時小たけ)。「年は八つ下。酒が飲めないこと、五人兄弟でほかの四人が女だってことも同じ。どっか気が合うんだ」。裏表紙に一九六二年、小さん宅で掃除する前座時代の二人の写真が載っているのも本書の見ものの一つだ。

「よこしまな者は噺家になるな」が小さんの教え。要は人柄。「ズルいやはズルッぽい噺になる。子供もこまっしゃくれた子供になる。小さん師匠は子供もかわいかった。一生、勉強なんだねぇ」。そう言って、「栄養も何もねぇんだから」と師匠・小さんに止められたタバコをうまそうに吸った。長井好弘編。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

日本の霊性―越後・佐渡を歩く (新潮文庫 う 5-12)
日本の霊性―越後・佐渡を歩く (新潮文庫 う 5-12)梅原 猛 鍔山 英次

新潮社 2007-08
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日本文化の源流を縄文に見る著者は、遺物が多く残る越後を訪ね、日本の歴史を貫く「霊性」に思いを巡らせた。敗戦後信ぴょう性が否定された神話の見直し、流刑中の親鸞や日蓮が目を開いた背景、田中角栄の素顔、川端康成の「雪国」の深層など、越後を入り口に踏み込める分野の広さにも驚かされる。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

金融NPO―新しいお金の流れをつくる (岩波新書 新赤版 1084)
金融NPO―新しいお金の流れをつくる (岩波新書 新赤版 1084)藤井 良広

岩波書店 2007-07
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おすすめ平均 star
star営利と非営利の金融をつなぐ制度設計

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いくら社会的意義が大きい事業や活動でも、必要な資金を調達できるとは限らない。金融機関も営利企業だからである。そうした問題解消策として最近注目を集めているのが金融NPOだ。本書は長年金融取材に携わってきた著者がその経験を生かし、NPOの仕組みや日本における現状を詳細に分析した。

■2007/09/09, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

神の法VS.人の法―スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層
神の法VS.人の法―スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層内藤 正典 阪口 正二郎

日本評論社 2007-07
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過去二十年あまりの間に中東ではスカーフをかぶる女性が増え、欧州のイスラム教徒移民社会でも同様な現象が見られる。グローバル化の中で自らのアイデンティティーの源として宗教意識の目覚めが広がったのだろうか。世俗主義を掲げてきたトルコでもイスラム復興の流れが強まり、公的な場でのスカーフ着用の是非が政治論争で象徴的な意味を持つようになった。

欧州では外国人排斥の動きが目立つようになり、米同時テロの後にはイスラム嫌悪感情がこれに重なった。移民に「同化」を求めてきたフランスも、多文化併存を認めてきた英国も、ともに大きな摩擦を抱えている。イスラム教徒女性が自発的にスカーフをかぶっても、西欧ではそれを強制されたと考え、女性抑圧の象徴とみなしがちでもある。フランスでは公立学校でのスカーフ着用禁止に至った。

本書は法学、社会学の研究者が「スカーフ」を入り口として、政教分離の経緯、移民をめぐる西欧の政治動向、イスラム教徒の意識の変化などを幅広く論じた本だ。信教の自由と政教分離が同一ではないことや、国家と宗教の関係の多様さ、移民の位置付けの変遷などが、よくわかる。

イスラム世界と西欧では法のあり方が違う――隔たりを前面に出し、共生の難しさを示唆するタイトルだが、複眼的な視点の提示はイスラム理解にも役立つであろう。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 24ページ

取締役会の改革―効果的なボードをつくるには
取締役会の改革―効果的なボードをつくるにはデーヴィッド A.ナドラー 斎藤 彰悟 池田 絵実

春秋社 2007-07
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米国企業の取締役会の問題点と改革の処方せんを示している。取締役会の使命といえば、最高経営責任者(CEO)の暴走や不正を防ぐことが思い浮かぶが、本書はそれだけにとどまらない。法律論を超えて、チームとしてどれだけ企業に貢献できるかという観点から論じている。

米企業の取締役会は、企業と利害関係のない社外取締役が多数を占める。だからCEOは厳しく監視されているというイメージが強い。しかし会議中に関係のない資料を読みふけっていたり、クロスワードパズルに熱中したり、携帯電話で話をしたりする“問題”取締役もいるという。

またカリスマ経営者、ジャック・ウェルチ氏がCEOを務めていたころのゼネラル・エレクトリック(GE)の取締役はこう述懐する。「ジャックに反論するという考え自体、当時の取締役会では論外だった」。取締役会の形骸化は洋の東西を問わない問題であるようだ。

著者は取締役会の貢献度を高めるという目的意識をもち、個々の取締役の選任や評価、チームとしての取締役会の評価などについて述べる。取締役会のあり方は日米で大きく異なるが、日本企業でも社外取締役が増えているし、参考になる要素は多い。そもそも生え抜きであれ、社外であれ、取締役に求められる使命に違いはないはずだ。斎藤彰悟監訳、池田絵実訳。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 24ページ

ひとり誰にも看取られず 激増する孤独死とその防止策
ひとり誰にも看取られず 激増する孤独死とその防止策NHKスペシャル取材班&佐々木とく子

阪急コミュニケーションズ 2007-08-01
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それはあまりにも痛ましい死に方だった。千葉県松戸市にある常盤平団地。一人暮らしをしていた六十代の男性は死後約三年間、誰にも気づかれぬまま台所で白骨化していた。男性には親族もおらず、近所づきあいもなかった。独りで死んでいったのである。

本書は「孤独死」の問題に正面から向き合った衝撃的なリポートだ。大きな反響を呼んだテレビ番組がもとになっているが、追加取材をおこない、より多角的な視点からこの問題に迫っている。

孤独死は全国でどの程度起きているのか。正確な統計データはないが、本書は団地などでの発生率を日本の人口にかけ、年間二万―三万件程度と推計している。独居老人ばかりではない。何らかの事情で社会とのつながりを失えば四十、五十代でも孤独死する可能性はあると警告する。

その背後には少子高齢化、雇用の不安定化、うつなど複合的な問題があり、特定の原因に帰することはできない。だが何よりも「“自立”を求める人間観が、人々を“依存下手”にしてしまっている」ことが大きいのではないか。

高度経済成長期に庶民のあこがれだった「ニュータウン」が今、孤独死の舞台となっていることに寒々しい思いがする。だがその中でコミュニティー再生に挑む常盤平団地をはじめ、問題に真摯(しんし)に立ち向かう人々の姿は読後に強い印象を残す。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 24ページ

夕張―あの頃の炭都
夕張―あの頃の炭都安藤 文雄

河出書房新社 2007-08
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長く苦しい再建への道のりを歩み始めた北海道夕張市。1970年代までは北の炭都として栄え、商店街には人があふれ、路地には大勢の子どもの声が響いた。そんな手の届く昔を、地元写真家4人の記録写真150点で振り返る。炭山祭りのにぎわい、ヤマに向かう鉱員や遊ぶ子どもたちの生き生きとした表情。町の歴史と文化を伝えることで、取り戻したい豊かさとは何かを問うようだ。写真は1957年撮影。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 24ページ

市民社会と地方自治 (叢書21COE-CCC多文化世界における市民意識の動態 22)
市民社会と地方自治 (叢書21COE-CCC多文化世界における市民意識の動態 22)片山 善博

慶應義塾大学出版会 2007-08
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「改革派知事」として知られた前鳥取県知事である著者の地方自治論。鳥取県西部地震への対応や男女共同参画社会に向けた取り組みなど知事時代の経験を紹介しながら、中央省庁に依存した自治から、納税者が主役の自治への転換を説く。その納税者の代表である地方議会改革の必要性を強調し、鳥取での事例にふれながら具体案を提示している。税制の専門家として日本と韓国の地方資産課税制度の比較もしている。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

運は数学にまかせなさい―確率・統計に学ぶ処世術
運は数学にまかせなさい―確率・統計に学ぶ処世術ジェフリー S.ローゼンタール 柴田 裕之

早川書房 2007-07
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おすすめ平均 star
star気軽に読める確率の本

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雨が降る確率が二五%。二十人に投与して七人が治ったものの副作用が五人の患者に出たという薬。傘を持って外出すべきか。治療を選択するのが懸命なのか。確率や統計の数値に首をかしげ頭を悩ますことが多い。学校で習ったはずの数学をおさらいし、学校で習わなかった実践的な確率推定法(ベイズ統計)や迷惑メール排除法まで愉快な事例をあげて解説する。数字が苦手な人にも親切な書きっぷりだ。中村義作監修、柴田裕之訳。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

毎日が自分との戦い―私の実践経営論
毎日が自分との戦い―私の実践経営論金川 千尋

日本経済新聞出版社 2007-07
売り上げランキング : 6728

おすすめ平均 star
star仕事になると自分にも他人にも大変厳しい人
star信越化学を売上1兆円企業に育てた実践経営論

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二〇〇七年三月期の連結決算で純利益が十二期連続で過去最高を更新した信越化学工業。一九九〇年から社長を務め、八十一歳になった著者が人生を振り返った。旧制六高時代の仲間とのきずな、死を覚悟した戦争中の空襲警報、二十代で患った肺結核。そして市場開拓に世界中を飛び回った海外事業部時代、社長として取り組んだ改革の中身まで。M&A(合併・買収)についての考え方も明確に示している。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

袖のボタン
袖のボタン丸谷 才一

朝日新聞社出版局 2007-07-06
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おすすめ平均 star
star「をかし」い「いぢめ」 ≒ 旧仮名づかいのエッセー
star古典から「美しい国」まで
star大洋に浮かぶ小舟の上で揺られているような心地にさせられる

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なぜ歌会始では恋歌が詠まれないのか。『坊つちやん』で東京者にあれだけひどいことを言われているのに松山の人が怒らないのはどうしてなのか――。達意の文章で知られる作家のエッセー集。意表をついた着眼点と縦横無尽の論理展開は胸がすく面白さ。東京の街の美観を論じる一章では、ビルに取り付けられた袖看板の撤去を提案。「醜さを極力減じた『実用品としての都市』を作らうぢやないか」という一言には大いに納得。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

名画の言い分―数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」
名画の言い分―数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」木村 泰司

集英社 2007-07
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おすすめ平均 star
star絵画の「必然性」に触れる一冊
star目からウロコの西洋美術史
starもっと早くに出会いたかった

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古代ギリシャの神々が描かれたボッティチェリの「プリマヴェーラ(春)」は、実はキリストの愛をたたえた作品だった。西洋美術は、日本人がただ作品を眺めるだけでは分からない様々な意図を秘めている。米英で美術史を学んだ著者は美術を「読む」ことの大切さを説き、日本人には理解が難しいとされてきた西洋美術の真意をいかにわかりやすく伝えるかに意を尽くした。古代ギリシャから印象派まで、名作の伝えるメッセージの一つ一つに目を開かせられる。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

ゴードン・スミスの見た明治の日本―日露戦争と大和魂 (角川選書 411)
ゴードン・スミスの見た明治の日本―日露戦争と大和魂 (角川選書 411)伊井 春樹

角川学芸出版 2007-08
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源氏物語研究の第一人者が、明治時代の日本に滞在した英国人博物学者、ゴードン・スミス(一八五八―一九一八年)の日記を読み解いた。畑違いの世界に足を踏み入れるきっかけは、大学・短大を経営する友人からの依頼。学校所蔵の資料の中にスミスの日記と昔話集があり、発表してほしいと頼まれた。

大英博物館の標本採集員でもあったスミスは一九〇〇年、神戸に居を構える。瀬戸内海の魚類などを調査する傍ら、日本人の考え方や生活、さらには怪奇な伝説や事件に関心を示し、さまざまな体験を日記に記録していた。「スミスは旅人としてではなく内部の人間として日本を見ていた」

昔話集には多くの怪談が含まれる。「ラフカディオ・ハーンと重なる部分も多くスミスの存在を日本文化史や文学史の中で位置づけたいという思いが募った」

本書では主に日露戦争にかかわる記述を紹介した。戦勝祈願の時も規律正しい人々にスミスは感嘆。日本人の精神性に目を向けた。「日記に日本人をさげすむ論調はなく、尊敬の念さえ抱いていた。古典の研究にはプラスにならないかもしれないが、文学研究の目的は人間発見。スミスの人柄に触れ、のめり込んだ」

大阪大学で長年、教鞭(きょうべん)を執った。二年前、東京都品川区にある国文学研究資料館の館長に就任。来年二月の郊外移転を控え、煩多な日々を過ごす。研究資料の大半は大阪の自宅に置いたままで、源氏物語研究は開店休業状態。「筆記体の英語を読むのに苦労した」と苦笑するが、週末を東京で過ごす時はスミスの日記を読むのが日課になった。

刊行後、スミスの日本人妻の子孫を和歌山に訪ねた。新資料も見つかったという。「明治初期にどういう文化交流があったのか。スミスの日記や資料を通して明らかにしたい」。研究者魂がのぞいた。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

金・銀・銅の日本史 (岩波新書 新赤版 1085)
金・銀・銅の日本史 (岩波新書 新赤版 1085)村上 隆

岩波書店 2007-07
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おすすめ平均 star
star金属材料からみた日本史
star人を魅了して止まない金属の色
star工学者による考古学概論

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国立文化財機構奈良文化財研究所の上席研究員である著者が、金属材料はどのように製精錬、加工され、使われてきたかを通史的に読み解いたのが本書である。太古の時代の金メッキ法や、中世に「銀の王国」として栄えた島根県・石見銀山などから、日本人がいかに金銀銅と深くかかわってきたかが分かる。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

ことわざの論理 (ちくま学芸文庫 ト 10-1)
ことわざの論理 (ちくま学芸文庫 ト 10-1)外山 滋比古

筑摩書房 2007-07
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おすすめ平均 star
star科学的な感じがします。

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数々の日本語論を書いてきた著者が、ことわざを手がかりに、同じ意味の言い回しの国際比較や語句・表現の選ばれ方の分析を通じて人間の普遍的な心のあり方を探る。「三つ児の魂百まで」を例に、受験教育ほどには家庭のしつけに熱心ではない現代の親を諭すなど、実生活に根付いた視点が面白い。

■2007/09/02, 日本経済新聞 朝刊, 25ページ

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