メイン > 日経新聞日曜版『読書』 > 2007年1月21日~1月28日
| インド人はなぜゼロを見つけられたか | |
![]() | 門倉 貴史 小学館 2007-01-06 売り上げランキング : 68272 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
数学史の本ではない。経済成長著しいインドの現状を気鋭のエコノミストが身近な例を挙げながら紹介した。「ゼロの発見」は「考えることは素晴らしい」とするインド人のおおらかさから生まれたと著者はいう。手慣れた商売人ぞろいで、教育水準も高い。水不足や地政学的なリスクも抱えるが、「将来のポテンシャリティ(可能性)は、そうしたリスクを補って余りある」というのが著者の結論だ。
| 日本相場師列伝―栄光と挫折を分けた大勝負 | |
![]() | 鍋島 高明 日本経済新聞社 2006-11 売り上げランキング : 8860 おすすめ平均 ![]() 株に賭けた男たち。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「ボロ株買い」で財閥の礎を築いた根津嘉一郎。米の買い占めが伝説を生んだ阿部彦太郎。相場が間違っていると自説を通した野村徳七。投機に走る相場師は賭博師のように扱われることもあったが、市場の近代化を促す存在でもあった。行動や言葉には哲学も見える。近代の相場師七十人の素顔を描く。
| NHK問題 | |
![]() | 武田 徹 筑摩書房 2006-12 売り上げランキング : 47549 おすすめ平均 ![]() 「NHK」って「平和憲法」「天皇制」同様、いかにも日本的な存在Amazonで詳しく見る by G-Tools |
受信料の不払いなどにより、改めて存在意義を問われているNHK。複雑に絡む議論をNHKの本質であるはずの「公共性」をキーワードに整理した。NHKの自称する「公共性」が、容易に「官」にすり替わる現状を指摘。視聴者がNHKを「公共性育成に奉仕するメディアへと能動的に変えていく」必要性を説く。
| リーダーは95歳―日野原重明と聖路加国際病院の人々 | |
![]() | 大久保 隆弘 ダイヤモンド社 2006-11-17 売り上げランキング : 2161 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
聖路加国際病院といえば、九十五歳にして精力的な活動を続ける日野原重明理事長を思い浮かべる人が多いだろう。だが本書で日野原氏のインタビューが出てくるのは最終章であり、主人公はむしろ同病院の幹部やスタッフだ。彼らへのインタビューを通じ、日々改革を続ける“チーム日野原”を生き生きと描き出している。
「このままでは聖路加の救急はだめになる」と日野原氏に改革を直訴した救命救急医や、手術で話せなくなった患者と筆談を交わす病院の司祭、自ら胃がんと乳がんを患いながら外来看護の陣頭指揮を続けるナースマネジャーなど、強い使命感と個性をもつ人物が次々と登場する。同病院で働く人々の思いが伝わり、自分が患者だったら何をすべきかも考えさせられる。医療の知識がなくても読み進んでいけるドキュメントだ。
キリスト教に裏打ちされた創設の理念、学閥がなく患者本位のフラットな組織などが聖路加の特徴だが、民間病院として経営の効率化にも取り組んでいる。管理会計の導入やIT(情報技術)システムの活用などがそれだ。全人格的に患者を癒やすという理念と収益を両立させるための挑戦が続く。
同じ課題に悩む病院関係者にヒントを与えるだけでなく、一般企業の経営者や管理職にとっても参考にもなりそうだ。聖路加の苦闘を通じて、日本の医療制度の問題点も浮き彫りになる。
| 転ばぬ先の経済学 | |
![]() | デイヴィッド・R. ヘンダーソン チャールズ・L. フーパー David R. Henderson オープンナレッジ 2006-11 売り上げランキング : 293 おすすめ平均 ![]() 転ばぬ先の経済学Amazonで詳しく見る by G-Tools |
最近はやりの、平易に記した経済学の書のひとつ。レーガン政権のシニアエコノミストだったヘンダーソン氏と、その教え子でコンサルタントとなったフーパー氏による、実生活のための入門書だ。
大金をかけ、親類縁者と友人を集めた豪華な結婚式から、新郎新婦が慌てて立ち去った。いぶかしむ参加者。謎の答えは? リムジンを待たせて一分ごとに取られる一ドルの違約金惜しさだった。
気が動転した花婿花嫁に、式費用とリムジン違約金のバランスをアドバイスする人がいれば、結果は違ったろう。ミクロ経済学の基本を知るだけで、判断や行動はずっと違ってくる。きっと良い結果も得られるはずだ。全十五章からのメッセージである。
一人余計に雇うのが得かどうか、何を物差しに考えたら良いのだろうか。経済学が用意するのは、マージンつまり限界効用という回答だ(二章)。経済的な価値を把握するには、ほかの有望な機会を追求しなかったことによって被る、楽しみや金銭的な損失と比べてみるべし。機会コストの考え方である(三章)。
何が重要なのかを知り(七章)、より良い選択肢を作り出し(八章)、意識的に最良の選択肢を選ぶ(九章)。これらはビジネス成功の秘訣である。原題を直訳すると「ビジネスと生活の重大決断」。本書は日常生活における決断に際して、経済的に転ばぬ先の杖(つえ)を提供してくれる。高橋由紀子訳。
| 奸婦にあらず | |
![]() | 諸田 玲子 日本経済新聞社 2006-11 売り上げランキング : 1589 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
幕末、天誅(てんちゅう)を叫ぶ者によって、京の三条大橋でひとりの女が生きざらしにされた。前代未聞の出来事、しかも若いころの美貌(びぼう)を想起させる面立ち。衝撃的な事件だったのだろう。その様子を描いた絵図が今も残る。
女の名は村山たか。わずかな捨てぶちで暮らしていた若き日の井伊直弼の思い人である。著者は、史料に断片的に登場するだけのたかの人生を丹念に紡ぎ、激動の幕末を生き抜いた女の物語として時代小説に描いた。
たかは坊人と称する密偵を擁する多賀大社で生まれ、自らも彦根藩の動静を探るため直弼に近づく。だが、清廉実直な直弼に役目を忘れておぼれてしまう。正体の知れない年上の女に懸念を抱く側近の進言で、直弼はやむなく若い側妻を迎える。日々衰えていく女と輝くばかりの若い女。二人の心の機微が細やかに描き出されていて、著者の力量を改めて実感する。
国学者の長野主膳に心酔した直弼は、主膳を家臣に召し抱える。その後、直弼は大老になり、開国や将軍継嗣問題に直面し、安政の大獄が起きる。一方、たかは別れてもひそかに直弼を支え続ける。裏で操る主膳が二人の運命に影を落とす。直弼をはじめ近しい人たちを次々に失う中で、「生かされていること」を悟るたか。心穏やかな美しさは奸婦(かんぷ)、すなわち悪い女では決してない。懸命に恋し、生きた女の人生は悲劇的だが、光り輝いて心に残る。
| 偽景―1998-2006 | |
![]() | 菊地 一郎 冬青社 2007-01 売り上げランキング : 145181 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
風景に残された人間の痕跡を丹念に眺めると、ある種の違和感がもたらされることがある。そうした違和感に敏感な著者の感性が、旅の途中のふとした出会いを形にした。この写真集には用をなさなくなった標識や、何のために建てたかわからない不思議なオブジェなど、苦笑を禁じ得ない風景が収められている。自然に手を加えることによって日々を営まざるを得ない現代の人間存在のある一面を切り取っている。
| 『「おかしな二人組」三部作』 | |
![]() | 大江 健三郎 講談社 2006-12-21 売り上げランキング : 47777 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大江健三郎氏がこの十年に発表した三冊の小説『取り替え子(チェンジリング)』『憂い顔の童子』『さようなら、私の本よ!』を一つの箱に収めて『おかしな二人組(スゥード・カップル)』と名付けた特装本(講談社)を出した。この中に特別付録として収められた自著解説で、自身の小説になぜ「二人組」がよく登場するかなどの創作のエピソードを語っている。
この自著解説は「長江古義人と小説作者の対話」と題された十六頁の小冊子。三部作の共通の主人公である長江古義人と作者(大江氏)が、三部作の文体や構造や技法について突っ込んで語るというユニークな形式をとっている。 大江氏の小説の登場人物は、現実に存在したり、または死んだ人たちと重なって描かれたりする。主人公の長江古義人は大江氏、古義人の妻の千樫は大江夫人、義兄の吾良(ごろう)は映画監督の伊丹十三氏の分身とみなすことができる。この自著解説も、現実と虚構の対話であり、現実とテクスト(物語)の結びつきや交換関係を探っているといえる。
作者はこう振り返っている。「二人組を設定してからでなければ、自分の小説は動き始めないと知っていた。『飼育』という短篇と、それを短かめの長篇に展開させた『芽むしり仔撃ち』に(この二篇を続けて書いた時、僕は二十三歳だったが)すでに語り手の少年と、その弟の二人組が中心的な役割を果たしている」
作者の分身である長江は作者にこう問いかける。「小説作者のきみの思いは、その通り私の思いだ。それでも私自身の気がかりはある。それは登場人物の私がね、作者のきみほどに、自分の背景を意識化しているかどうか……」
二人の対話が進行する中で、次第に『取り替え子』に登場する長江の友人で義兄の吾良が、その後の自殺事件を含めて、作者と小説にとって、いかに重要であるかで合意する。「あれ(吾良との交友)がなければ、僕が小説作者になることもなかったわけだからね」と作者は告白している。
では交流の核心は何だったのか。ランボーの詩を青春時代に泊まり込みで読んだ時から老年に至るまで、文学の熱に深くひたされた日々をあげる。『おかしな二人組』の題通り、大江氏は友情や対話から文学が生まれると語っている。
| トリックスターから、空へ | |
![]() | 太田 光 ダイヤモンド社 2006-12-15 売り上げランキング : 812 おすすめ平均 ![]() 皮肉な名著 鋭い視点 言葉のトリックスター・太田光Amazonで詳しく見る by G-Tools |
憲法第九条をはじめ、戦争、平和、歴史、教育などさまざまな問題に真っ向から挑んだ渾身のエッセー集。結成十九年となる漫才コンビ・爆笑問題の著者は常に「何者で、何になりたいのか」と問い続け、本書には腹の底からの憤りがほとばしる。自分を読書の世界に引き込んだ島崎藤村と太宰治、映画に目覚めさせたチャップリン、そして後の人生観を変えたという小学校六年の担任の先生など、著者の人間形成に影響を与えた人たちとの出会いも読みごたえがある。
| 戦略の実学 際立つ個人・際立つ企業 | |
![]() | 谷口 和弘 NTT出版 2006-12-15 売り上げランキング : 2091 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
経営戦略の理論については多数の本が出ているが、本書は「ブルー・オーシャン戦略」など最新理論を紹介しながら、現実世界への適用に力点を置いている。大学のテキストなどとして使われることを想定しているため、一般のサラリーマンが読むにはやや堅苦しい内容だ。だが、松下電器産業で大胆な経営改革を実行した中村邦夫などとともに、人気ミュージシャンの浜崎あゆみもケースとして取り入れるなど、類書にはない工夫も見受けられる。
| 新憲法はこうなる―美しいこの国のかたち | |
![]() | 田村 重信 講談社 2006-11 売り上げランキング : 94431 おすすめ平均 ![]() 自民党の正当化しかしてない。 憲法改正を真剣に考えるきっかけに 筋道が通った本Amazonで詳しく見る by G-Tools |
二〇一二年までの憲法改正を目指す安倍晋三首相のもとで、改憲が具体的な政治日程に上りつつある。自民党本部職員の著者は政務調査会で憲法や安全保障を担当。〇五年に発表した自民党改憲案の取りまとめに至る舞台裏を明かす。冷戦崩壊後の安保環境や政治情勢の変化が改憲論議を促す時代背景を分析するとともに、自民党改憲案が示す安保や人権、地方自治など新たな「国のかたち」を一問一答形式で分かりやすく解説している。
| 野菜の時代―東京オーガニック伝 | |
![]() | 瀬戸山 玄 日本放送出版協会 2006-11 売り上げランキング : 31563 おすすめ平均 ![]() 農園、、、Amazonで詳しく見る by G-Tools |
“高級”と形容される住宅地にある農地をどう考えればよいのだろうか。「利」を考えるだけなら経済的には不合理と思われる。しかし、人々の「食」と「健康・体力」を守るのであれば、存在価値は十分にある。東京・等々力の、小さいけれどそうした農園を軸にした体験ルポである。農薬を使わない有機農法の意味などが伝わってくる。人類は誕生以来野菜とつきあってきた、という指摘が新鮮に映る。
| 映画が目にしみる | |
![]() | 小林 信彦 文藝春秋 2006-12 売り上げランキング : 2843 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
名著『日本の喜劇人』をものした粋人の作家が二〇〇二―〇六年に新聞連載した短いコラムを収録。古今東西の芸能への深い知識に根ざしながら、新作映画を中心に、DVD、ドラマ、本、舞台、落語などの隠された魅力を鮮やかに引き出す。ニコール・キッドマン、いかりや長介、長澤まさみといったお気に入りの役者は何度も登場するが、そのたびに新鮮なのは、確かな審美眼が自在に動いているからだ。本当の映画好きとは、映画を見続ける人だと痛感する。
| 徴税権力―国税庁の研究 | |
![]() | 落合 博実 文藝春秋 2006-12 売り上げランキング : 179 おすすめ平均 ![]() ベテラン記者の取材力に脱帽Amazonで詳しく見る by G-Tools |
税務署に対する思いは、それぞれの置かれている立場によってさまざまだ。所得税や住民税を給料から天引きされている普通のサラリーマンやOLは、そもそも税務署との接点が少なく「徴税権力」といわれてもイメージがわきにくい。これに対して自営や農家のひと、開業医、国会や地方議会の議員などには「宿敵」にも似た感情を抱くひとも少なくない。
どちらかというと会社員グループにじっくり読んでほしい本だ。税務署の元締である国税庁の税務行政の考え方が時代の流れのなかでどう変わってきたのかを、当局に置かれた「マルサ」(査察部)や「リョウチョウ」(資料調査課)の活動を臨場感たっぷりに描くことで浮き彫りにしている。
著者は元朝日新聞記者。国税庁の記者クラブを長く担当し、脱税事件にからむ特ダネを連発した。大蔵省キャリア官僚の指定席である国税庁長官から、徴税現場で日々働く税務署職員までを幅広く取材した集大成といっていい。
「資料調査課の凄(すご)みと危うさ」と題した章は読み応えがある。マルサの活動の一端は伊丹十三監督の映画で有名になったが、リョウチョウは知られざる存在。政治家、政商と呼ばれる人びと、芸能人やスポーツ選手、そして暴力団組長や右翼幹部などによる大口かつ悪質な税逃れの摘発を専門にしている。
四半世紀前に入手したという「重要事案管理対象者名簿」の封印が解かれている。リョウチョウに引き継がれてきたというこの極秘資料には小佐野賢治、小針暦二、三越の岡田茂らの名が登場する。疑獄事件やお家騒動で世間を騒がせた面々。彼らにかかわる情報の収集・分析手法、そこからどうやって摘発につなげるのか、当局の手の内が透けて見えてくる。
一方で、名もないひとには強圧に調査することもあるが、政治家相手だと弱腰な面がある当局に警鐘を鳴らす。課税の公平を揺るがす組織体質には辛口だ。マスコミや創価学会との攻防劇も面白い。
日本は国・自治体とも膨大な額の借金を抱え、増税は避けられない選択肢だ。強大な権力を有するからこそ、国税庁は納税者の信頼を基礎に成り立っている役所であることを改めて知らされる。
▼おちあい・ひろみつ 41年生まれ。朝日新聞編集委員を経て現在フリーとして活動。
| 剣客春秋―里美の涙 | |
![]() | 鳥羽 亮 幻冬舎 2006-11 売り上げランキング : 3551 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
中学から大学までの剣道体験をもとに、様々な剣豪小説を著してきた。本書は幕末の剣術道場を舞台に、師範の千坂藤兵衛とその娘で剣士でもある里美の活躍を描いた人情時代小説シリーズの第六弾。同門の彦四郎と結婚した里美は、父や夫とともに、商家を襲う一味と対決する。
「こんな娘がいたらいいなあ、といった気持ちで生まれたのが里美という登場人物。このシリーズは里美の成長を描くものであり、今回は彼女の結婚生活がメーンになっている」。里美は結婚後も道場で若い剣士たちを指導しており、現代でいうなら共働きの夫婦といえるだろう。
二人が所帯をもってまもなく、江戸では「大塩党」と名乗る謎の集団が商家から金品を強奪する騒ぎが相次ぎ、その矛先は里美の亡母の実家である米問屋の藤田屋にも向けられる。「緊迫した事件を起こすことで読者に感情移入してもらう」のが狙いだ。
家族に関する様々な問題が起きている時代だからこそ、親子関係を問い直してみたいとの思いもあるという。「古風な考え方をする人物を登場させても、江戸時代だったら全く不自然ではない」。今では失われつつある家族の理想像を追求している。
迫力ある剣劇シーンには定評がある。「学生時代の剣道の試合を通じて、強い人が持つ剣の威圧感は何度も味わっている。最近は竹刀を持つことはなくなってしまったが、かつての経験が小説の描写に役立っている」と話す。
小学校教師を三十年近くつとめ、五十歳のときに作家専業となった。「剣術道場を舞台としているのは、師範と門弟がかつての教師と生徒の関係に重なるのかもしれない」と語る。成長譚(たん)を好むのは、やはり元教師だからだろうか。次巻では「母親剣士」となった里美が登場する予定だ。(幻冬舎・一、四〇〇円) (とば・りょう)作家。1946年埼玉県生まれ、埼玉大卒。90年「剣の道殺人事件」で江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。著書に『鬼哭(きこく)の剣』『覇剣』など。
| だまされる視覚 錯視の楽しみ方 | |
![]() | 北岡 明佳 化学同人 2007-01-20 売り上げランキング : 636 おすすめ平均 ![]() 危うい感覚 目が迷う、不思議な世界。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| コジマの日記 1 1869.1~1870.5―リヒャルト・ワーグナーの妻 (1) | |
![]() | コジマ 三光 長治 東海大学出版会 2007-01 売り上げランキング : 119461 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
さまざまなテーマを科学的知識で掘り下げ、専門的な知識がなくても楽しめるシリーズ「DOJIN選書」(化学同人)の刊行が始まった。一月刊行は目の錯覚で起こる錯視を解説した北岡明佳著『だまされる視覚』や、自然界に広く見られる擬態を取り上げた藤原晴彦著『似せてだます擬態の不思議な世界』など三冊。今後は奇数月に二点ずつ刊行していく。千四百円―千八百円。
ドイツの作曲家ワーグナーの妻が書いた日記を収めた「リヒャルト・ワーグナーの妻 コジマの日記」(全十巻、東海大学出版会)の刊行が始まった。一八六九年から、夫が没した八三年までの日記を網羅。既刊の第一巻(六千八百円)には六九年一月から七〇年五月までの日記を収録する。毎年一巻ずつ十年で十巻を刊行する計画。三光長治ほか訳。
| 東京大学の歴史 大学制度の先駆け | |
![]() | 寺崎 昌男 講談社 2007-01-11 売り上げランキング : 12370 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
近代日本の大学史を研究する著者が東大の沿革を通して、日本の大学の歴史を探った。四月に新学年が始まるに至った経緯や「優良可」方式の成績評価方法が生まれた背景など、様々な制度や慣行にも言及。法人化された東大の現況を紹介する新稿を盛り込み、現代の大学改革の流れも知ることができる。
| 翻訳家の仕事 | |
![]() | 岩波書店編集部 岩波書店 2006-12 売り上げランキング : 901 おすすめ平均 ![]() 翻訳の想像力 日本語と外国語のダイナミクス 言語文化の触手たちの声Amazonで詳しく見る by G-Tools |
様々な言語の翻訳に携わる翻訳家や小説家ら三十七人によるエッセー集。一見無機的な数字や単位を文意に即して訳す困難をつづる鴻巣友季子、日本の古典の現代英語への置き換えが最高の文学修業だったというリービ英雄のほか、柴田元幸、野崎歓らが執筆。言語の豊かさや複雑さを軽妙な文章で伝える。
| 海老蔵そして團十郎 | |
![]() | 関 容子 文藝春秋 2007-01-10 売り上げランキング : 144144 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
市川団十郎といえば江戸歌舞伎の大名跡。「花の海老さま」こと十一代から現在の団十郎、海老蔵までの成田屋三代の軌跡を、本人や周囲の証言で浮き彫りにする。かんしゃくを起こす一方、アルバムにきちんと説明を書き加える几帳面(きちょうめん)さを持った先代、おおらかな現・団十郎、隔世遺伝といわれる海老蔵。豊富なエピソードと少女時代からの芝居好きという著者ならではの視点で、三者三様の人柄と芸に挑む姿が明らかになる。
| 会社とは何か | |
![]() | 日本経済新聞社 日経= 日本経済新聞= 日本経済新聞社 2006-10 売り上げランキング : 130702 おすすめ平均 ![]() これからの「会社」のあり方が見えてくるAmazonで詳しく見る by G-Tools |
ライブドアや村上ファンドによる上場企業株の買い集め、王子製紙による北越製紙への敵対的TOB(株式公開買い付け)……。本書の基となる日経新聞の企画記事が一面で連載された二〇〇五―〇六年、日本人の会社観を激しく揺さぶるニュースが相次いで発生した。
日本の株式会社は長年、従業員の共同体というイメージが強かったが、一連の買収劇は上場企業の支配権が市場で売買されている事実を突きつけた。不特定多数の株主の圧力を避けようと、自ら上場廃止を選ぶ経営者も出てきたほどだ。だが「会社は株主のもの」という結論で片づけられるほど、会社という組織は単純でない。
従業員や顧客など多様な利害関係者の支持を得られなければ、株主の利益最大化も実現できないからだ。とはいえ利害関係者とどう付き合えばいいのか、決まった方法もない。そこで様々な企業が「会社とは何か」を自問しながら、独自のモデルをつくろうと模索している。
本書では規模や社歴を問わずに幅広く会社を取材し、経営者や従業員が抱く会社への思いを引き出した。「日本型」「米国型」といった従来の経営分類にもとらわれていない。通読すると「これが皆、同じ株式会社なのか」と驚くほど多様性に富んでいる。モデルを競い合ってきたからこそ、株式会社という組織形態が淘汰の荒波を乗り越えられたのかもしれない。
| 夜は短し歩けよ乙女 | |
![]() | 森見 登美彦 角川書店 2006-11-29 売り上げランキング : 39012 おすすめ平均 ![]() 最高。 おかしくてふしぎでさわやかな青春小説 あえて作品から離れてAmazonで詳しく見る by G-Tools |
「太平洋の海水がラムであればよいのにと思うぐらいラムを愛しております」と語るほどの酒好きで、人を疑うことを知らない天真爛漫(らんまん)な「黒髪の乙女」。そんな天然キャラの魅力的なヒロインと、彼女に恋いこがれる大学の同じクラブの「先輩」が、京都を舞台に繰り広げる恋愛ファンタジーだ。
短編四編で構成しており、表題作は「黒髪の乙女」が夜の木屋町や先斗町でひたすら酒を飲む物語。もう一人の主人公である「先輩」から見れば、「彼女が酒精に浸った夜の旅路を威風堂々歩き抜いた記録であり、また、ついに主役の座を手にできずに路傍の石ころに甘んじた私の苦渋の記録」ということになる。最後に彼女は「李白」なる謎の老人と、電気で作るという謎の酒「偽電気ブラン」の飲み比べをすることになる。
もっとも、あらすじを紹介しても、この小説の面白さは伝わらないだろう。本領は懐古的な言い回しをちりばめた独特の文体と、奇抜な発想に基づく不可思議な人や物が登場するところにあるからだ。とりわけ学園祭を描いた「御都合主義者かく語りき」は、一年間同じパンツをはき続ける「パンツ総番長」ら奇人変人のオンパレードだ。
その意味では現実離れした物語であるにもかかわらず、この小説はどこかノスタルジーを感じさせる。それはここで描かれている恋愛感情が、普遍性を持っている証しである。
| 「反日」を超えるアジア―北京の目、ソウルの目 | |
![]() | 田中 直毅 東洋経済新報社 2006-11 売り上げランキング : 9019 おすすめ平均 ![]() 相手の視点に立つ重要性Amazonで詳しく見る by G-Tools |
国連安保理常任理事国入りを目指す日本の動きや歴史教科書、竹島問題を背景に、中国や韓国で激しい反日デモが起きたのは二〇〇五年春。秋には小泉首相の靖国神社参拝も五年連続で行われ、日中、日韓関係はかつてないほど冷え込んだ。十二月には初の東アジア首脳会議(サミット)が実現し政治の世界でも「東アジア共同体」をめぐる論議が始まったが、北東アジアの冷え切った関係はこの構想にも暗い影を落とした。
日本を見るこうした「北京の目」「ソウルの目」はどのように形成されてきたのか。本書は日中韓それぞれの歴史を十九世紀から今日まで振り返りながらそれを検証。米国が東アジアに与えた影響にも触れつつ、二十一世紀の東アジアにおける日本の立ち位置と活路を考察している。
この地域には今や企業によるサプライ・チェーン・マネジメントが成立しており、それが東アジア経済のぼっ興と一体化をもたらしている。著者はこうした状況が日本に自らの位置づけをわからせ、周辺諸国を含む「他力」によって生かされるという自覚を植え付け始めたと分析する。
日本では人口減少と高齢化が進み始め、先行き悲観論が台頭しがちだ。しかし日本はもはや独り歩きをするのではない。東アジアで、環太平洋を中心とするグローバルな世界で自らの役割を自覚して生きていくと決めたなら、光明も見えてくる。そう勇気づけてくれる一冊だ。
| 紅心 小堀宗慶の世界 | |
![]() | 小堀 宗慶 世界文化社 2006-12-15 売り上げランキング : 188987 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
青磁鉢に生けた石菖(せきしょう)。その葉はろうそくの油煙を吸い、空気を清めるという。江戸の昔から夜の茶席の必需品だった。茶道具は美の極みを目指すものだが、400年の歴史を持つ遠州流家元である著者の茶室は格別だ。ひな祭りの季節には桃と菜の花の生け花。ときには和歌を自ら揮毫(きごう)した料紙が空間に華やぎを与える。巻末に2006年8月、日本経済新聞に連載された「私の履歴書」を収録。写真・鈴木一彦。
| 算数の発想―人間関係から宇宙の謎まで | |
![]() | 小島 寛之 日本放送出版協会 2006-06 売り上げランキング : 8140 おすすめ平均 ![]() 難しい講義の前にその「ココロ」を知ろうAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 父親が教えるツルカメ算 | |
![]() | 三田 誠広 新潮社 2006-07-14 売り上げランキング : 1760 おすすめ平均 ![]() 父親の復権 お母さんも挑戦したい 算数・数学の文章題では、式の建て方が大切。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 和算を楽しむ | |
![]() | 佐藤 健一 筑摩書房 2006-10 売り上げランキング : 8772 おすすめ平均 ![]() 江戸期の数学はすごかったAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 再発見江戸の数学―日本人は数学好きだった | |
![]() | 桐山 光弘 歳森 宏 日刊工業新聞社 2006-12 売り上げランキング : 8021 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
学力低下や教育格差が問題になる中で、算数や数学をテーマにした本が増えている。
経済学者、小島寛之の『算数の発想』(NHK出版)は、小学校で教える算数に、中学以降の数学にはない豊かな発想の源泉があると説く。方程式を使えば簡単に正解の出る問題を小学校では理屈を立てて考える。例えば「旅人算」では、歩く速度の違う二人の旅人の位置関係を思い浮かべながら両者の出会う地点までの距離を計算する。
二人の関係を二つの星の関係に置きかえれば、膨張を続ける宇宙、ひいてはビッグバン理論に結びつくと著者は説明する。算数の発想がビッグバン理論につながるのを知ること自体が痛快だ。ほかにも経済成長理論や格差社会など様々なテーマを、算数の発想で読み解いている。
算数の論理的思考の大切さを強調したのが、作家、三田誠広の『父親が教えるツルカメ算』(新潮新書)だ。ツルとカメのそれぞれの数を合計した足の数から考えさせるツルカメ算は、実社会で必要な論理的思考の出発点であるという。論理的思考ができなければ、仕事上のプレゼンテーションでも説得力を持たせることが難しい。算数が計算力だけでなく思考力の向上に有益であることを説く。
江戸以前の数学「和算」の魅力を説く本も出ている。和算研究所理事長、佐藤健一の『和算を楽しむ』(ちくまプリマー新書)は、円周率の計算を競うなどした江戸時代の数学が世界的な水準にあったことに注目している。中で和歌が紹介されている。「山形は/釣(つり)と股(はたばり)/掛けてまた/二つに割りて/歩(ぶ)数とぞ知る」。山形、釣、股、歩数はそれぞれ三角形、高さ、底辺、面積を意味する。つまり三角形の面積を求める公式なのだが、その風流な覚え方に感心する。
桐山光弘、歳森宏の共著『再発見 江戸の数学』(日刊工業新聞社)も、江戸の日本人の数学好きがテーマだ。十八世紀に出版された「算法少女」という書物を例に挙げ、女性の間で数学が愛好されていたことなどを明らかにしている。
これらの本は、算数や数学が実社会で大いに役立つうえ、人々を夢中にさせる魅力を秘めていることを改めて気づかせてくれる。
| 技術経営論 | |
![]() | 丹羽 清 東京大学出版会 2006-11 売り上げランキング : 3174 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
近年、日本の製造業について「多額の研究開発費が利益に結びついていない」といった問題提起が相次ぎ、技術と経営の融合が課題として浮上した。業績が回復した今も重要性は変わらない。「技術経営」について体系的にまとめた本書は、企業の関係者や大学生が基本を学ぶのに役立つ。国内外の先行論文の引用も多いが、文章は平易であり、章ごとの要約やコラムを挿入するなど、読みやすくする工夫も凝らされている。
| ビジネスの法哲学―市場経済にモラルを問う | |
![]() | 森末 伸行 昭和堂 2006-10 売り上げランキング : 10047 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「金もうけの何が悪いのか」と問い返す投資ファンド代表者に著者が疑問を持ったのが本書の出発だ。道徳など法哲学の立場から、企業統治(コーポレートガバナンス)のあり方を提示する。企業の社会的責任(CSR)や社会的責任投資(SRI)をテーマにする本は多いが、本書は「善」や「正義」といった問題にも踏み込む。スラスラと読める内容ではないが、会社とは何かという本質を理解するうえで一助になる。
| 役行者―修験道と海人と黄金伝説 | |
![]() | 前田 良一 日本経済新聞社 2006-10 売り上げランキング : 10298 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
山伏の信仰対象として知られる役行者(えんのぎょうじゃ)の実像に迫った一冊。修験道の聖地である吉野には、山地であるにもかかわらず海に関する習俗や遺物がたくさん残っているという。例えば山伏が現在でも使っているホラ貝。蔵王堂には大きな船を描いた金ぱく張りの絵馬が奉納されている。著者は海洋民に山伏のルーツを求め、背景に黄金信仰を見る。役行者の飛行術の真相などにも話が及び、読み物としても楽しめる。
| 醜い日本の私 | |
![]() | 中島 義道 新潮社 2006-12 売り上げランキング : 2229 おすすめ平均 ![]() 「オレの土地」問題にも目を向けてはいかがでしょう 騒音、街並みを斬るAmazonで詳しく見る by G-Tools |
表題の「醜い」は「私」と「日本」の両方にかかると著者は言う。美に敏感なはずの日本人がなぜ醜悪な景観や激しい騒音を野放しにするのか。「醜」と「不快」についての考察を通し、著者自身のようなやや特異な感性を含め、様々な感性の存在を認め合うことこそが真の意味での共生と述べる。景観や騒音の豊富な実例や、絶対謝らない欧州の店員と「奴隷的サービス」に徹する日本の店員の対比など、著者ならではの持論も最新の体験を交え展開している。
| 劇的クロニクル―1979~2004劇評集 | |
![]() | 西堂 行人 論創社 2006-12 売り上げランキング : 12679 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
先端的な劇現場を目撃してきた演劇評論家の著者が、一九七九年から二〇〇四年まで二十五年間に書いた劇評を年代記として再編集し、日本の現代演劇の流れを体系づけた。現代演劇史を、アングラ・小劇場運動の勃興(ぼっこう)期(一九六八年―七三年)、小劇場演劇の熟成期(七四年―八六年)、迷走期(八七年― 九四年)、再構築期(九五年以降)とする区分には独自の視点がある。かつてキラ星のように輝いた劇団も、今では消滅したものも多い。映像に残らない舞台を記録しているのは貴重だ。
| 故事成語でわかる経済学のキーワード | |
![]() | 梶井 厚志 中央公論新社 2006-11 売り上げランキング : 1347 おすすめ平均 ![]() 経済学入門挫折者を救う、別角度からの経済学プレ入門書 楽しく学べる経済学 楽しい雑学経済学Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「一水四見(いっすいしけん)」という成語がある。人間が水と見るものも、餓鬼は血の河と見、魚は住居と見、天上人は宝石の大地と見る。大乗仏教の唯識論で用いられる比喩で、人間が『水』と見るものも、境遇や視点によってとらえ方が異なり、ひいては『水』なるものの存在すら疑い得ることを教える。その教えは菩薩(ぼさつ)で知られるマイトレーヤ=弥勒に遡(さかのぼ)る。とまあ、このように説明すれば、辞書的な成語解説となる。
本書をそうした解説本と思うと当てが外れる。成語の数は項目にして二十八。網羅的というわけでも、一つの成語にこだわるわけでもない。故事成語をネタに使った経済書とも言い切れない。
故事成語の含蓄はものすごい。文脈だけでなく、用いる人や聞く人によっても、意味合いが変わる。正に一水四見。本書を楽しむ際のキーワードに挙げたい。
そのうえで、ここでは故事成語の含蓄を経済学の視点からとらえたものと見る。「鶏鳴狗盗(けいめいくとう)」の項を見てみよう。盗人や鶏の鳴き真似(まね)のうまい食客を養っておいたことで難を逃れた孟嘗君の故事による。転じて、取るに足らない者でも使い途(みち)がある、との意味を持つ。しかし、著者が問題とするのは、食客を養うことが本当に割の合う投資であったか否かである。
引き合いに出す例が身近でよい。押し入れに流行遅れの服をため、あるとき一着だけ着ることになって、先見の明があったと喜ぶのは、筋違いである。ましてや家が手狭になったと引っ越しでもした日には、目も当てられない。著者によれば、「不明な人とは、幸運さと賢明さの区別のつかない人のことである」。孟嘗君もたまたま投資が当たった幸運な人だったか、賢明な人だったかは、今となってはわからないのである。しかし、評者があわてて古着を処分したことだけは告白しておこう。
文章もユーモアが利いている。夏目漱石の随筆を彷彿(ほうふつ)とさせるが、あとがきに「漱石枕流」とあるのを見て得心した。問い質(ただ)してみようかとも思ったが、無粋なのでやめておいた。『論語』にあるように、知る者は楽しむ者に及ばない。そして、楽しみ方も一水四見なのだから。【東京大学教授 松井彰彦】
▼かじい・あつし 63年生まれ。京都大学教授。専門は情報の経済学、ゲーム理論など。
| リーディングス 日本の教育と社会―第1巻 学力問題・ゆとり教育 | |
![]() | 山内 乾史 原 清治 広田 照幸 日本図書センター 2006-11-25 売り上げランキング : 62396 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| リーディングス 日本の教育と社会―第3巻 子育て・しつけ | |
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| リーディングス 日本の教育と社会―第4巻 教育基本法 | |
![]() | 市川 昭午 広田 照幸 日本図書センター 2006-11-25 売り上げランキング : 184103 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
教育問題に関する重要論文を収録したシリーズ「リーディングス 日本の教育と社会」(日本図書センター、第I期全十巻)の刊行が始まった。第一巻『学力問題・ゆとり教育』(山内乾史・原清治編著)、第三巻『子育て・しつけ』(広田照幸編著)、第四巻『教育基本法』(市川昭午編著)の三巻をまず発売。各テーマを考える上で必要と思われる論文を集め、編著者が解説を加えた。各三千五百円。
| ヴィジュアル版 ギリシア・ローマ文化誌百科〈上〉 | |
![]() | ナイジェル スパイヴィー マイケル スクワイア Nigel Spivey 原書房 2006-12 売り上げランキング : 362885 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
テーマ別に古代ギリシャ・ローマ文化にアプローチした「ヴィジュアル版ギリシア・ローマ文化誌百科」(上・下、原書房)の刊行が始まった。既刊の上巻では人々の一生、性愛、神話、政治などに関するテーマを立て、豊富な図版とともに分かりやすく解説している。ケンブリッジ大学フェローのナイジェル・スパイヴィーほか著。小林雅夫ほか監訳。
| 海峡のアリア | |
![]() | 田 月仙 小学館 2006-12-15 売り上げランキング : 3023 おすすめ平均 ![]() 歌は国境を超えて 感動しました 凄い本だと思いますAmazonで詳しく見る by G-Tools |
「私や家族の物語を、いつか書き残さなければとずっと思っていた」という。朝鮮半島から日本に渡り苦労を重ねた父母。北朝鮮に帰国し、強制収容所に入れられた末に亡くなった兄たち。そして声楽家として北朝鮮と韓国の両方で舞台に立つというまれな運命を背負った自分。さらに南北分断のあおりで否定され、埋没した朝鮮半島の音楽家たち……。半島と日本で巻き起こった争いに翻弄(ほんろう)されたコリアンたちの人生をまとめた。
オペラなどで活躍する歌の専門家であり、本を書いたのは初めてだ。二〇〇五年二月に亡くなった母が、枕元に自分の人生を語ったテープを残していた。さらに一カ月後、父が「これから本を一冊書く」と言い残して病に倒れた。二人の思いに背を押されて執筆に本腰を入れ、小学館ノンフィクション大賞の存在を知って応募した。優秀賞という結果を聞いたのは昨夏、シチリア島のホテルだった。聖母と二人の幼子が描かれた天井画に、母と兄を重ね合わせていた時で「涙が止まらなくなった」。
在日コリアンたちの苦難や、北朝鮮の問題があぶり出される。しかしそれだけではない。「歌は単なる楽しみではなく、人々のいろいろな思いや人生の悲哀が込められた芸術だと伝えたかった」と語る。
実際に、抑圧された人々の心が歌でつながっていく軌跡が描かれる。南北分断への思いを素朴な言葉で歌った「高麗山河わが愛」という曲のエピソードは典型だ。米国在住のコリアンが作った歌のテープが偶然、韓国で著者の手に渡り、各地で歌って大反響を得る。すると全く知られていなかったその作者も見つかる。まさに「歌の持つ力を感じる瞬間を数多く持てた」人生だった。
調査を続けている朝鮮半島の不運な音楽家たちのことなど、今後も「まだまだ書きたいことがある」という。














自民党の正当化しかしてない。















算数・数学の文章題では、式の建て方が大切。












