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【番外編】『正月に読んでおきたいビジネス書』(日経産業新聞 2006年12月27日 22面)
年末年始の休みはじっくり本を読む絶好の機会。話題のビジネス書でも、日ごろの忙しさに追われて詳しい内容に目を通せない人も多いのではないだろうか。日経産業新聞の「経営・人事」面の担当記者がM&A(企業の合併・買収)や内部統制など五つの分野別にお薦めを選んだ。正月の読書計画の参考にしてはいかがだろう。
2006年は件数でも金額でも過去最大規模のM&Aが繰り広げられた。07年も高水準が続くとの見方が多いが、M&Aを実行すれば、必ず企業価値が向上できるのかについては疑問が残る。この問題を考えるうえで役立ちそうなのが、「M&Aは儲かるのか なぜ企業買収に失敗するのか」(一灯舎)だ。
M&Aは儲かるのか なぜ企業買収に失敗するのか
ロバート F.ブルーナー (著), 林 大幹
本書はM&Aの失敗案件に切り込んだ。特にソニーによる米コロンビア・ピクチャーズの買収などの事例研究は秀逸だ。経営環境や企業の状態、経営者の思惑などの観点から失敗の分析を試みており、「中核ビジネスから離れた企業を買収する」ことなど共通の原因も示している。
金融商品取引法による内部統制ルールが08年4月以降、上場企業に適用される。企業は業務の流れや仕組みを詳細に文書化したうえで経営者が点検し会計士の監査を受けなければならない。「内部統制の文書化対策」(中央経済社)は具体的な業務ごとのフローチャートを示しながら、企業がどのように文書化作業を進めていけばいいかを解説している。
| 内部統制の文書化対策―フローチャート方式で万全 | |
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製造原価計算や固定資産の管理などそれぞれの業務ごとに異なるフローチャートの実例を記載しているので、わかりやすい。財務報告の信頼性を確保し、粉飾決算を予防するという内部統制の目的についても、詳しく説明している。
調達先にも法令順守や環境保全など企業の社会的責任(CSR)の徹底を求める「CSR調達」が注目されている。このテーマについて調べるのに手ごろなのが「グローバルCSR調達」(日科技連出版社)だ。
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欧米企業で発展途上国の労働問題などを発端にCSR調達が加速してきた歴史的背景や発展の経緯、日本企業における現状と課題を詳しく解説している。欧米企業の先進事例なども盛り込んでおり、抽象的になりがちなCSRの理解を深めるうえで参考になる。
ものづくりの世界で着実に広がるトヨタ生産方式。その本質は何なのかに迫るのが「『トヨタ流』現場の人づくり」(日刊工業新聞社)だ。トヨタ自動車で生産調査部長を務めた著者がトヨタ生産方式の根幹をなすのは生産現場での人づくりであることを実例をもとに解説する。
| 「トヨタ流」現場の人づくり―トヨタ元生産調査部部長が明かす | |
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「人を責めずにやり方を責める」「うまくできたら褒める」「作業ではなく仕事を与える」。現場で経験し実践した人づくりのエッセンスが詰まっている。カナダ工場で仕事ぶりを褒めた女性社員が感動して泣き出した経験など、心温まる話も多い。
だが、単なるトヨタ礼賛本では終わらない。リコール(回収・無償修理)の増加など問題が噴出するトヨタの現状に触れたうえで、技能継承など日本のものづくりが抱えている課題についても切り込んでいる。今後のものづくりのあるべき姿をじっくり考えるうえでも役立ちそうだ。
| Web2.0でビジネスが変わる | |
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06年の流行語の一つとなった「Web2・0」。だが、IT(情報技術)業界以外の読者には、何を指しているのか判然としないこともあるだろう。そんな人には、Web2・0の定義をわかりやすく解説している「Web2・0でビジネスが変わる」(ソフトバンククリエイティブ)がお薦めだ。
技術的な説明をあえて省略しており、ITに詳しくなくても最後まで読み通せる。Web2・0をビジネスに取り込んだとき、利用者にどんな利点をもたらすのかについても豊富な事例をもとに説明している。
だが、膨張を続けるネットからどうやったら良質の情報を得られるのかという疑問に対する答えは見つからなかった。情報の選択眼は自分で磨くことに尽きるのだろう。






読みやすくはありますが