メイン > 日経・日経産業新聞書評(2005年) ( コンサルお薦め、ビジネスマン向け書籍 )
『GWに読書、自分を磨く――コンサルお薦め、ビジネスマン向け書籍』(2005/04/28, 日経産業新聞, 22ページ)
最長なら十連休になるケースもある今年のゴールデンウイーク。仕事に役立つと思いながら、日々の忙しさから読めなかった本を手にする機会にもなる。だが、ずらりと並ぶ中から何を選べばいいのだろうか――。著名コンサルタント7人に聞いた推薦図書からは、共通する点が浮かび上がってきた。ビジネスマンが本を選び、読み込む際のキーワードは2つ。「じっくり考える」と「時代を超えた原理原則」だ。
日々、時間に追われるビジネスマン。必要な知識を吸収するために読書は欠かせない。その読み方として各氏が指摘したのは、「ただ漫然と本を開かず、ポイントを押さえて読むこと」。これを続ければ、読書を通してビジネスに生きる能力磨きにつながる。
◆御立尚資氏<ボストン・コンサルティング・グループ日本代表>
(1)決定版 大国の興亡(上・下)(ポール・ケネディ著、草思社)
(2)東大講義録―文明を解く―(堺屋太一著、講談社)
(3)家計から見る日本経済(橘木俊詔著、岩波新書)
(4)「愚直」論(樋口泰行著、ダイヤモンド社)(1)(2)経済・社会に不透明さが増している昨今、数百年単位の流れを見る習性を身につけるための書(3)身近な家計を切り口に経済情勢を解き明かす(4)自分のスタイルを貫いて45歳でトップに登りつめた人の半世紀をつづる「元気の出る本」。
| 決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈上巻〉 | |
![]() | ポール ケネディ Paul Kennedy 鈴木 主税 草思社 1993-02 売り上げランキング : 64,672 おすすめ平均 ![]() 考えさせられる本Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈下巻〉 | |
![]() | ポール ケネディ Paul Kennedy 鈴木 主税 草思社 1993-02 売り上げランキング : 89,401 おすすめ平均 ![]() 本のタイトルとのギャップが大きいAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 東大講義録 ―文明を解く― | |
![]() | 堺屋 太一 講談社 2003-04-11 売り上げランキング : 23,958 おすすめ平均 ![]() 未来を読むものは歴史を読む 近代の後にくる「知価社会」 社会はいまどのようになっているのか,そして将来は.Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 家計からみる日本経済 | |
![]() | 橘木 俊詔 岩波書店 2004-01 売り上げランキング : 49,206 おすすめ平均 ![]() よくまとめられてはいますが・・・ 数字というのは説得力があるね とても鋭い分析です。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 「愚直」論 私はこうして社長になった | |
![]() | 樋口 泰行 ダイヤモンド社 2005-03-04 売り上げランキング : 334 おすすめ平均 ![]() まさに愚直 「ハードワーク」の勧め 一気に読ませますAmazonで詳しく見る by G-Tools |
◆淡輪敬三氏<ワトソンワイアット社長>
(1)花鳥風月の科学(松岡正剛著、淡交社)
(2)希望格差社会(山田昌弘著、筑摩書房)
(3)武士道(新渡戸稲造著、岩波文庫)(1)日本文化の歴史や文学、科学を分析し、日本の強さを支えてきた「日本的なるもの」を解き明かす(2)少子高齢化社会の「リスク」と「二極化」は今後の日本を見通す上での重要語(3)ビジネス社会における「説明責任」の基本を知るための古典。
| 花鳥風月の科学―日本のソフトウェア | |
![]() | 松岡 正剛 淡交社 1994-03 売り上げランキング : 294,483 おすすめ平均 ![]() 文化と科学の融合 イメージへの遡及Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く | |
![]() | 山田 昌弘 筑摩書房 2004-11 売り上げランキング : 301 おすすめ平均 ![]() いやな国 個人の力を生かせば、希望増幅社会に 日本版「勝利の代償」Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 武士道 | |
![]() | 新渡戸 稲造 矢内原 忠雄 岩波書店 1974 売り上げランキング : 468 おすすめ平均 ![]() 「日本の星」 本書の魅力 著者の慧眼と、武士道精神あふるる美しき言葉運びに心打たれる。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
◆岸本義之氏<ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン・ディレクターオブストラテジー>
(1)組織は戦略に従う(アルフレッド・D・チャンドラーJr著、ダイヤモンド社)
(2)仕組み革新の時代(嶋口充輝著、有斐閣)
(3)ルネッサンス―再生への挑戦(カルロス・ゴーン著、ダイヤモンド社)
(4)V字回復の経営(三枝匡著、日本経済新聞社)(1)経営学の古典、名著(2)経済サービス化の流れの中、ビジネスモデルを再考するのは有益(3)ゴーン改革が現実のものに。近来まれなリーダーがどう確立したかを探る(4)企業変革におけるリーダーシップ、ビジョンを実話に基づいて解説。
| 組織は戦略に従う | |
![]() | アルフレッド・D・チャンドラーJr. 有賀 裕子 ダイヤモンド社 2004-06-11 売り上げランキング : 14,030 おすすめ平均 ![]() 待望の新訳復刊 都立大学ビジネススクールの教科書ですAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 仕組み革新の時代―新しいマーケティング・パラダイムを求めて | |
![]() | 嶋口 充輝 有斐閣 2004-03 売り上げランキング : 68,894 おすすめ平均 ![]() するどい着眼と分析 ビジネスモデル構築者必読!Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| ルネッサンス ― 再生への挑戦 | |
![]() | カルロス・ゴーン 中川 治子 ダイヤモンド社 2001-10-25 売り上げランキング : 8,173 おすすめ平均 ![]() 誰でもカルロス・ゴーンになれるわけではない。しかし・・・ 日本の読者のために書き下ろされた本 言いたいことが端的に分かりますAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| V字回復の経営 | |
![]() | 三枝 匡 日本経済新聞社 2001-09-17 売り上げランキング : 2,226 おすすめ平均 ![]() 内容は、他人事ではない。 あなたも「プロジェクトX」の主人公に・・・・ 自らの反省としてAmazonで詳しく見る by G-Tools |
◆白石章二氏<ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンパートナー>
(1)ザ・トヨタウェイ(上・下)
(ジェフリー・K・ライカー著、日経BP社)
(2)サムスン経営を築いた男―李健熙伝(洪夏祥著、日本経済新聞社)
(3)デンソー―世界の車を支える最強技能集団(大河滋著、マネジメント社)
(4)目で見る脳とこころ(松澤大樹編著、NHK出版)(1)トヨタ関連でベストの本(2)韓国サムスングループにオーナーの役割とリーダーシップのあり方をみる(3)日本企業の強さは創意工夫に満ちた労働者にあることを理解させる本(4)キレやすい子、アルツハイマー症などの社会問題を、脳の写真や図解で説明。
| ザ・トヨタウェイ(上) | |
![]() | ジェフリー・K・ライカー 稲垣 公夫 日経BP社 2004-07-22 売り上げランキング : 2,377 おすすめ平均 ![]() よくまとまった内容、わかりやすい翻訳 翻訳に問題あり。 拍手! トヨタ式研究の決定版といってよいでしょうAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| ザ・トヨタウェイ(下) | |
![]() | ジェフリー・K・ライカー 稲垣 公夫 日経BP社 2004-07-22 売り上げランキング : 4,354 おすすめ平均 ![]() トヨタは販売台数世界2位 トヨタ生産方式は日本の宝 参考になったAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| サムスン経営を築いた男―李健〓(イゴンヒ)伝 | |
![]() | 洪 夏祥 宮本 尚寛 日本経済新聞社 2003-11 売り上げランキング : 73,868 おすすめ平均 ![]() 日本人の思い込み そこまでやるかサムスン 学ぶべきところが多いAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| デンソー―世界の車を支える最強技能集団 | |
![]() | 大河 滋 マネジメント社 2004-03 売り上げランキング : 27,325 おすすめ平均 ![]() 「モノ作り」 デンソー世界の車を支える最強技能集団Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 目で見る脳とこころ | |
![]() | 松沢 大樹 日本放送出版協会 2003-02 売り上げランキング : 117,454 おすすめ平均 ![]() 玉石混交Amazonで詳しく見る by G-Tools |
◆桑畑英紀氏<マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング取締役>
(1)意志力革命(ハイケ・ブルック、スマントラ・ゴシャール著、ランダムハウス講談社)
(2)新・日本の経営(ジェームス・C・アベグレン著、日本経済新聞社)
(3)ジェネレーションY―日本を変える新たな世代(日本経済新聞社)(1)仕事はメンバーの意志の力を引き出してこそ成功する。不作為の上司に対し反省を促す書(2)「終身雇用」という言葉の生みの親が、再び日本的経営を語る(3)日本社会の新しい担い手である戦後第二世代の、しなやかで前向きな実力と素顔を教えてくれる。
| 意志力革命 目的達成への行動プログラム | |
![]() | ハイケ・ブルック スマントラ・ゴシャール ランダムハウス講談社 2005-03-24 売り上げランキング : 6,649 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 新・日本の経営 | |
![]() | ジェームス・C・アベグレン 山岡 洋一 日本経済新聞社 2004-12-11 売り上げランキング : 9,661 おすすめ平均 ![]() アベグレンは健在であった 失われた10年の“真”の意味 あらためて「ニッポン、チャチャチャ!」Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| ジェネレーションY―日本を変える新たな世代 | |
![]() | 日本経済新聞社 日本経済新聞社 2005-04 売り上げランキング : 8,087 おすすめ平均 ![]() 面白い!と思う。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
◆三谷宏治氏<アクセンチュア戦略グループ統括パートナー>
(1)天使と悪魔(上・下)(ダン・ブラウン著、角川書店)
(2)光の帝国―常野物語(恩田陸著、集英社文庫)
(3)スノーボール・アース(ガブリエル・ウォーカー著、早川書房)(1)科学を駆使するテロリストとバチカンの枢機卿が対決するSFスリラー(2)不思議な力を持ちながら、権力志向を持たない一族の癒やされる話(3)太古の地球は何度か氷に閉ざされたという仮説を、小説仕立てで読ませる。
| 天使と悪魔(上) | |
![]() | ダン ブラウン 越前 敏弥 角川書店 2003-10-31 売り上げランキング : 373 おすすめ平均 ![]() 読んでソンはしない 止まらない!! 実はThe Da Vinci Codeより面白いAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 天使と悪魔(下) | |
![]() | ダン ブラウン 越前 敏弥 角川書店 2003-10-31 売り上げランキング : 478 おすすめ平均 ![]() 読んでソンはしない 止まらない!! 実はThe Da Vinci Codeより面白いAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 光の帝国―常野物語 | |
![]() | 恩田 陸 集英社 2000-09 売り上げランキング : 4,154 おすすめ平均 ![]() 優しさ・不思議 最高です~ 壮大なテーマにして、日本のファンタジー最高傑作。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| スノーボール・アース | |
![]() | ガブリエル・ウォーカー 渡会 圭子 早川書房 2004-02-26 売り上げランキング : 46,588 おすすめ平均 ![]() ストーリーに引き込まれました 地質学・生物学のパラダイム・シフト スノーボールアースの入門編Amazonで詳しく見る by G-Tools |
◆阿部直彦氏<タワーズペリン東京支店長>
(1)坂の上の雲(全8巻)(司馬遼太郎著、文春文庫)
(2)ロジカル・シンキング(照屋華子、岡田恵子共著、東洋経済新報社)(1)明治維新は混沌という点でバブル崩壊後の現在と共通する。超大作の中から企業や日本経済が復活するヒントが見つかるはず(2)論理的思考能力に関する優れた教科書。
| 坂の上の雲〈1〉 | |
![]() | 司馬 遼太郎 文芸春秋 1999-01 売り上げランキング : 474 おすすめ平均 ![]() 壮大なスケールの超大作 涙無くして読めない 司馬さんの緻密さが伺えますAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル | |
![]() | 照屋 華子 岡田 恵子 東洋経済新報社 2001-04 売り上げランキング : 2,645 おすすめ平均 ![]() 頭の中が整理される ピラミッドストラクチャーの丁寧な解説がうれしい わかりやすいのがかえって罪かもしれない?Amazonで詳しく見る by G-Tools |
メイン > 日経・日経産業新聞書評(2005年) ( 2005年6月12日~6月17日 )
| 敵対的買収 | |
![]() | 堀井 愼一 徳間書店 2005-05-22 売り上げランキング : 26,695 おすすめ平均 ![]() 初心者向けにやさしく書かれた本。 敵対的買収の全体を俯瞰したいならこの本! M&A、そして株式会社の本質がようやく理解できました!Amazonで詳しく見る by G-Tools |
四カ月前、ライブドアによるニッポン放送株の大量取得、フジテレビを視野に入れた敵対的買収の動きが連日のように報道された。ポイズンピル(毒薬条項)、ホワイトナイト(白馬の騎士)といった言葉が飛び交い、株式や企業買収に縁のなかった人も「ライブドア対フジテレビ」の行方に引き込まれた。
このM&A(企業の合併・買収)の本質に迫るのが「敵対的買収」(掘井慎一著、徳間書店)だ。著者は元大和証券副社長でベンチャーキャピタルを十年経営し、多くの企業買収を手がけてきた。「日本の状況は二十年前のアメリカ」、「外国企業のTOBに応じたトヨタ、伊藤忠」などデータや事実を掘り起こしつつ、企業買収やその防衛策、M&Aについて具体的に分析している。
著者は「二〇〇六年の商法改正で日本は本格的なM&A時代が来る」と警告した上で、「M&Aを恐れてはいけない。物事には必ず光と陰があるが、陰の部分だけを見ていては本質は見えない。企業価値を高めようとするM&Aを積極的に取り込んでいくべきだ」と主張する。「経営者はM&Aに備えて何をなすべきか」など興味深い経営論も織り交ぜられており、必読の一冊である。
| 法務担当者のための証券取引法 | |
![]() | 松井 秀樹 商事法務 2005-03 売り上げランキング : 20,162 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大買収時代に入り、企業ニュースを読み解くには証券取引法の知識が欠かせなくなってきた。この法律は証券取引にかかわるすべての当事者を対象にした規制。株式公開買い付け(TOB)に関する情報開示義務や大量保有報告制度(五%ルール)は、有価証券報告書などによる企業内容の開示と並んで証取法の情報開示規制の骨格をなす。本書はインサイダー取引規制や課徴金制度などを含め、複雑で一般にはなじみにくい証取法をわかりやすく解説する。
投資者保護という証取法の精神から説き起こし、そのためにこの法律がどんな構造になっているか最初に全体像を説明。記述も平易で、「法務担当者のための」とあるが一般のビジネスマンも読みやすい内容だ。
| 会社のストレスに負けない本 | |
![]() | 渡部 卓 大和書房 2005-05 売り上げランキング : 1,041 おすすめ平均 ![]() 経営層及び管理職層にこそ読んで貰いたい 経営者に読ませたい本 ビジネスパーソンのビジネスパーソンによるビジネスパーソンのためのquot;ストレス対処本”Amazonで詳しく見る by G-Tools |
社会経済生産性本部の調査によると心の病は増加傾向を示し、従業員三千人以上の企業の九五・五%に一カ月以上の休職者がいるという。競争の激化、将来への不安など企業人のストレスは重くなっている。心の問題を個人の問題ととらえがちだった日本企業も正面から向き合う時が来た。
著者はメンタルヘルス業務を請け負うベンチャー企業の経営者。心の問題は生産性の低下だけでなく様々な不祥事の温床にもなると説く。最新のストレス事情を踏まえ、うまくストレスとつき合う受け身技を伝授する。また先進国の米国や優良企業がストレスにどう対処して生産性を高めているかを解説する。メンタルタフネスを身につけたい人だけでなく、経営者にも有効な一冊だ。
| 靖国問題 | |
![]() | 高橋 哲哉 筑摩書房 2005-04 売り上げランキング : 88 おすすめ平均 ![]() 「靖国問題」の現在 国家の神さまとかけてトイレの神さまと解く その心は 思考の灯になろうとする氏の姿勢には感服するAmazonで詳しく見る by G-Tools |
小泉首相の参拝に対して中国・韓国が反発するなど、靖国神社をめぐる問題が国内外で論議を呼んでいる。そんな中、哲学者の高橋哲哉・東大教授が「靖国」を論理的に読み解くことを主眼に書き下ろした『靖国問題』(ちくま新書、七二〇円)の売れ行きが好調だ。四月上旬の刊行から二カ月で九刷、発行部数は二十一万部を超えている。
靖国神社をめぐっては様々な論点があるが、本書でまず取り上げているのは「感情」の問題だ。靖国問題の根底にあるのは「戦死した家族が靖国神社に合祀されるのを喜び肯定する遺族感情と、それを悲しみ拒否する遺族感情とのあいだの深刻な断絶」であると指摘。断絶の背景には、靖国神社が遺族の悲しみや痛みを共有するためでなく、戦死を顕彰する「国家の祭祀」のために存在していることがあると見る。
「歴史認識」の問題では、東京裁判の時に有罪判決を受けたA級戦犯の合祀を理由に、中国政府が首相参拝を批判しているのは、むしろ靖国問題を「A級戦犯合祀」に限定し、中国側が一種の政治決着を図ろうとしているとの見方を示す。実際、中曽根内閣の時に、A級戦犯を靖国神社から他に移す「分祀」が検討された例が紹介されている。その企ては靖国神社と一部の遺族の拒否で実現しなかった。
三十―四十代の男性を中心に幅広い層の読者を獲得している。担当編集者の伊藤大五郎氏は「靖国問題を考える上で押さえるべき論点が整理されている」と話す。靖国神社に代わる「国立追悼施設」に否定的な見解を示すといった著者の主張には、必ずしも賛成する読者ばかりではないだろう。ただ靖国問題に興味を持つ人にとって、歴史的・網羅的に考察した本書は便利な参考書になっているようだ。
靖国神社がどのようなものであるのかを知らなければ、首相の参拝がなぜ問題になるのかは理解できない。参拝がなぜ問題になるのかを理解できなければ、それに対する自分の意見を持つこともできない。
| ソウルソナタ―わたしのカレは韓国人! | |
![]() | 金 敬哲 柴沼 恵えん 集英社 2005-06 売り上げランキング : 75,804 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
韓国・ソウルで韓国人男性と結婚した日本人女性五十人から、恋愛や結婚生活の実態を聞き取り調査した。結婚して十年たっても愛の言葉を忘れない夫に驚き、日本よりはるかに強い家族や親せきのきずなに戸惑う日々。日韓の微妙なズレが生み出す恋人、夫婦のエピソードがユニークな比較文化論として興味深い。
| わが子が成功するお金教育-よい小遣い・悪い小遣い | |
![]() | 榊原 節子 講談社 2005-04-21 売り上げランキング : 5,544 おすすめ平均 ![]() 気楽にすぐ読めます。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「お金」を題材に家庭で何が教えられるか、具体的なノウハウを披露する。かつての畑仕事や魚釣りと同じように、生きるためには「お金教育」が欠かせない、と主張。「小遣いを貯めてハワイのマラソン大会に出よう」――そんな目標を子どもが持つこと、親がそれを応援することの大切さを説いている。
| 良寛への道―ことばに生きる | |
![]() | 岡田 勝明 灯影舎 2005-04 売り上げランキング : 1,566,365 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
良寛といえば、子どもたちに囲まれ、楽しそうに遊ぶ姿を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。寺も持たず弟子もなく、自らを語ろうとしなかった良寛についての記録はほとんどないが、各地で伝承されたものは多い。
本書は、元教師でNHK教育テレビ・ラジオの講師などをつとめた著者が、生い立ちや作品、彼を支えた人々との交流などを紹介しながら、人間・良寛を描く。作品をしっかり読みこなし、和歌や漢詩を筆写し、出身地や修行の寺を訪ね歩くことで、「良寛の求めたもの、何のために精進したのか」を探ってゆく。七十歳を過ぎて、良寛の研究を再開した著者の、不明だからこそ知りたいという、熱い思いが伝わってくる。
| 日本の不平等 | |
![]() | 大竹 文雄 日本経済新聞社 2005-05-24 売り上げランキング : 1,946 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本の所得格差は本当に拡がっているのか――。答えはそう簡単ではない。所得の定義や観察期間、対象範囲により得られる結論が異なるからである。本書の第1の特徴は、徹底した実証主義に則り、先入観にとらわれることなく、事実全てをデータから解き明かそうとしている点にある。
著者は国内外の先行研究を参照しながら、政府統計のミクロデータを最大限駆使し、それでも不十分な情報は自ら設計した調査で補う。
その結果、八〇年代半ば以降の所得格差拡大は、年齢内で格差の大きい高齢者比率の上昇と単身・二人世帯の増加を反映したものであり、決して「日本の格差社会への移行を示すものではない」との結論を導き出す。その主張は最近目立つ「社会不平等化論」とは相容れないが、地道な研究の蓄積に基づく論だけに強い説得力を持つ。
それでは、なぜ人々は格差の拡大を実感しているのか。その原因をゼロ・インフレ下の人々の心理に求めたところに第2の特徴がある。
従来の経済学では人々の意識や効用は与件とされ、経済事象によってどのような影響を受けるか、十分検証されてこなかった。それに対し、著者は最近の行動経済学の考え方や手法を援用。平均賃上げ率ゼロの経済では、賃上げ経験者と同数の賃下げ経験者がいて、その分、より多くの人に格差の拡がりを実感させる仕組みになっていることを示した。さらに、別の要因として、九〇年代後半以降、消費格差の拡大が五十歳未満の層で観察されるようになった事実を指摘している。
では、具体的に誰が格差を感じ、再分配政策やワークシェアリング、成果主義の導入などを求めているのか。その背景にはどういう事情があるのか。次々連鎖して浮かび上がってくる疑問に対し丁寧な分析が加えられており、そこからは問題の核心に迫りたいという著者の強い意気込みが感じられる。
記述面でも難しい数式を補論に回すなど、初学者にも理解できるよう、細かい工夫が凝らされている。類書が多いなか、本書はこの分野の決定版ともいうべき内容の書籍であり、日本が抱える所得格差問題を沈着冷静に考えてみたいと思う一般読者にも是非熟読していただきたい。
| モテたい脳、モテない脳 | |
![]() | 沢口 俊之 阿川 佐和子 新潮社 2005-05 売り上げランキング : 9,810 おすすめ平均 ![]() わかりやすい脳の話Amazonで詳しく見る by G-Tools |
『モテたい脳、モテない脳』澤口俊之、阿川佐和子著 北大教授の脳科学者とエッセイストが脳の不思議な働きをめぐり対談した。脳の大きさとIQ(知能指数)の関係や記憶力を高める方法など話題は多岐にわたる。論理的になりやすい男性に対し、女性の脳は感情的に情報処理することが多いなど脳の働きの違いについての知見を随所で披露する。



















翻訳に問題あり。





















