日経産業新聞連載の書評を紹介します。

メイン > 日経産業新聞『気になる2冊』 2008年4月4日~4月18日

日本企業の知的資本マネジメント
日本企業の知的資本マネジメント内田 恭彦 ヨーラン・ルース

中央経済社 2008-03
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おすすめ平均 star
star経企、人事マネージャーにお薦め。

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終身雇用制をはじめとする日本型経営システムは他の主要先進国のそれと比べ、本当に劣っているのか。多くのビジネスパーソンにとって関心のあるテーマに違いない。著者はリクルートで企業の人材開発に関するコンサルティングに数多く携わった経験を持つ、異色の経営学者である。

日本型経営の特徴である「他社では活用不可能な企業独自の知識」と「信頼に基づいた企業内ネットワーク」が近年、特に注目されているという。資金や設備と違い、情報やノウハウなどの知的資本は長期の雇用関係からのみ生まれると著者は分析する。終身雇用維持を宣言するトヨタ自動車やキヤノンがなぜ強いのか、その理由の一端がわかる一冊だ。

■2008/04/18, 日経産業新聞, 26ページ

会社員のためのCSR入門
会社員のためのCSR入門大久保 和孝 高 巌 秋山 をね

第一法規株式会社 2008-02-25
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食品や紙、建材など幅広い分野で偽装事件が続発するなか、改めて企業の社会的責任(CSR)が叫ばれている。では、CSRの定義とは何だろうか。多くのビジネスパーソンにとって看過できないテーマであるにもかかわらず、正確に表現できる人はなかなかいないのではないか。

公認会計士や大学教授などの専門家、企業関係者や非営利組織(NPO)関係者など総勢十二人が様々な角度から本書を執筆した。筆者の一人は社会のニーズを的確に把握していないCSRは意味がないと主張する。抽象的なCSRという概念をビジネスパーソンが多角的に理解していく上で本書は大きな一助となるだろう。

■2008/04/18, 日経産業新聞, 26ページ

老舗の品格―なぜ現代の経営者は「商人道」を軽く扱うのか
老舗の品格―なぜ現代の経営者は「商人道」を軽く扱うのか中見 利男

日本文芸社 2008-03
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老舗と呼ばれる有名企業で偽装問題が相次いでいる。本書はそんな老舗をいさめるとともに、老舗と呼ばれる条件や老舗の品格を論じている。序盤は冗長な部分もあるが、中盤以降で取り上げる創業者の言動はどれもうなずいてしまうものばかり。松下電器産業の松下幸之助ら多くの創業者が登場する。

その一人で皮膚薬「メンターム」を販売する近江兄弟社(滋賀県近江八幡市)の創業者ヴォーリズは教育施設などを設立した。近年盛んに言われるようになった、企業の社会的責任(CSR)活動を実践していた。著者は「社長の品格とは、すなわち企業の品格」と主張する。先人の足跡は現代の社長にとって大いに役立つのではないだろうか。

■2008/04/11, 日経産業新聞, 24ページ

ビジネスマンのための「数字力」養成講座
ビジネスマンのための「数字力」養成講座小宮 一慶

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-02-27
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おすすめ平均 star
starまさに実践の書ですね!
star数字で考える習慣がつきます
star数字が出てくるとつい反応してしまう

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「数字力」とは何か。単に数字に強いことを指すのではない。全体を把握する力、具体的に物事を考える力、目標を達成する力だという。例えば営業成績が振るわなかったときに「少し足りなかった」ではなく、「一〇%足りなかった」と明確にすれば、実現に向けたプロセスを練り上げられる。筆者は、数字力は確実に目標を達成する方法論だと強調する。

本書は数字力のステップアップ法、数字力の阻害要因などを紹介している。演習問題を織り交ぜているため読者を飽きさせない。景気の先行きに不透明感が増している現在、目標必達を課せられた企業経営者にも参考になる一冊だろう。

■2008/04/11, 日経産業新聞, 24ページ

ポストM&A 成功戦略―企業価値を最大化する統合の実践シナリオ
ポストM&A 成功戦略―企業価値を最大化する統合の実践シナリオ松江 英夫

ダイヤモンド社 2008-02-29
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おすすめ平均 star
star読みやすかった

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著者はM&A(合併・買収)に詳しいコンサルティング会社の幹部。本書ではM&A成立後の統合シナリオの重要性を説く。議論の核は基本合意から新会社発足に向けて経営者らがどれだけ準備できるかだ。統合後の経営戦略や利益目標などに加え、統合相手の取引先、統合実務の担当者、従業員、労働組合――。経営者が考慮すべきテーマは多い。

トップが、互いの利害を超え、統合後の新会社を主語に置き換えた事業構成や人事・組織体系を考えられるかが大事という指摘はもっともだ。それがなかなかできないことが問題なのだが、著者は現実論も踏まえているので参考にしたい。

■2008/04/04, 日経産業新聞, 20ページ

学歴社会の法則 教育を経済学から見直す (光文社新書 330)
学歴社会の法則   教育を経済学から見直す (光文社新書 330)荒井 一博

光文社 2007-12-13
売り上げランキング : 2035

おすすめ平均 star
starやや古い議論
star経済学という視点
star「学校は人的資本を形成するのか?」を読んでいないようです

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専業主婦の母親と職業を持っている母親とでは、子どもの能力にどのような影響を与えるのだろうか。「教育を経済学から見直す」の副題通り、一橋大学で経済学を研究している著者はこれらの疑問への答えを冷静に解説している。あまりに論理的すぎて冷徹と思う人もいるかもしれない。

高い能力を得るために教育に投資した結果が収入にもつながる「人的資本投資」の考え方や、学歴から個人の能力が推定される「シグナル理論」――。子供の育成を考える際の参考になる内容だ。本書の中盤以降に記載されているいじめや少人数学級といった部分を読むと、今の日本の教育のありかたについても考えさせられる。

■2008/04/04, 日経産業新聞, 20ページ

メイン > 日経産業新聞『気になる2冊』 2008年1月11日~3月28日

超精密マシンに挑む―ステッパー開発物語
超精密マシンに挑む―ステッパー開発物語吉田 庄一郎

日本経済新聞出版社 2008-02
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おすすめ平均 star
star何作ってても

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ステッパーという装置をご存じだろうか。ステッパーとは半導体チップ製造用の露光装置で、ナノ(一ナノは十億分の一)メートル単位の精度が要求される。著者は日本光学工業(現ニコン)でステッパー開発の陣頭を指揮した、いわば生みの親。本書は著者の半生を紹介すると共に、ステッパーの開発が順調に進んだわけではないことを克明に記している。

日本の製造業が中国など人件費の安い新興国に生産拠点を移すケースが増えている。著者は付加価値の高い製品の生産工程は最後まで国内に残し、ものづくりを続けるべきだと力説する。主張しているだけでなく、実践した人の言葉だけに内容には重みがある。

■2008/03/28, 日経産業新聞, 34ページ

挑戦-日本郵政が目指すもの (幻冬舎新書 に 1-1)
挑戦-日本郵政が目指すもの (幻冬舎新書 に 1-1)西川 善文

幻冬舎 2007-09
売り上げランキング : 90897

おすすめ平均 star
star具体的な内容に欠ける感あり
star実のない所信表明
star西川氏の履歴から郵政の経営まで

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二〇〇七年十月、ついに日本の郵政事業が民営化された。社員二十四万人、店舗数二万四千、貯金残高百八十兆円の超巨大組織を率いるのが「カリスマバンカー」と称された著者である。著者はバブル崩壊後の修羅場に立ち向かった銀行時代の経験などを本書で赤裸々につづっている。

民営化された郵政事業には「民業を圧迫している」「地方を切り捨てている」など様々な批判が依然として存在する。著者は多くの批判に一つ一つ丁寧に反論し、民営化の意義について分かりやすく説明する。小泉純一郎元首相が衆議院を解散してまで実現させた郵政民営化とは何か、国民生活は一体どう変化するのか。指揮官のビジョンと覚悟がわかる一冊だ。

■2008/03/28, 日経産業新聞, 34ページ

水戦争―水資源争奪の最終戦争が始まった (角川SSC新書 19)
水戦争―水資源争奪の最終戦争が始まった (角川SSC新書 19)柴田 明夫

角川・エス・エス・コミュニケーションズ 2007-12
売り上げランキング : 13056

おすすめ平均 star
starタイトルと中身のギャップに???
star「日本は水不足なんだ~」と認識を新たにさせてくれる
star日本の水資源

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日本に住んでいると想像しにくいが、世界における水資源を巡る争いは深刻になっている。地球に存在する水のうち淡水はわずか二・五%で、淡水の約七割が農業に使われている。人口増加に伴う食糧需要拡大は水の消費量を増大させる。食糧増産は砂漠化を促して水資源の枯渇を招きかねない。データをふんだんに交えた議論の展開には説得力がある。

食料自給率の低い日本は穀物や食肉を輸入している。これらを生産するには水が必要で、日本は大量の水を輸入しているのと変わらないと指摘する。世界の水不足は我々の食卓に波及するかもしれない。海外の問題だとのんびりしてはいられない。

■2008/03/21, 日経産業新聞, 26ページ

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926)
不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926)河合 太介 高橋 克徳 永田 稔

講談社 2008-01-18
売り上げランキング : 56

おすすめ平均 star
star「協力し合える組織をつくる」には・・・
star昔の日本
star思い当たる節がありませんか?

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あいさつがない、協力しようとしない、いらいらした空気が充満する。こうしたストレスを感じる「不機嫌な職場」が増えているという。職場は長時間過ごす空間だけに大きな問題だ。本書は職場の実態、協力関係の阻害要因、協力しあえる組織をつくる方法などを紹介している。米グーグルなど社員が楽しく働ける職場づくりの実例も挙げている。

大阪にある歯科医院の実例が興味深い。できるならば行きたくない歯科医院に、なぜ多くの患者が集まるのか。商品やサービスに限らず、よりよい職場環境がビジネスに影響することがわかる。不機嫌な職場ではなくとも協力関係の重要性を考え直すきっかけにもなりそうだ。

■2008/03/21, 日経産業新聞, 26ページ

手にとるように地球温暖化がわかる本
手にとるように地球温暖化がわかる本村沢 義久

かんき出版 2008-01-16
売り上げランキング : 99331

おすすめ平均 star
starようやく、役に立つ温暖化本が。
star確かに、問題提起本!
starヤマは最終章、大気中のCO2削減は可能か?

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温暖化ガスの排出削減目標を定めた京都議定書の目標達成期間が始まり、職場でも地球環境問題に関する話題が増えてきた。本書は二酸化炭素(CO2)による温室効果のメカニズムや森林によるCO2吸収の概念、バイオエタノール、水素エネルギーなどを丁寧に紹介している。温暖化に関する知識を科学の目で解説し、誤解をなくそうとする著者の意図を感じる。

実は温暖化の影響はマイナス面ばかりではないことを本書は教えてくれる。それまで寒冷だった地域が穀倉地帯として発展する可能性や、北極圏での資源・エネルギーの開発が促されるかもしれないことに触れている。地球温暖化問題はそれだけ複雑なことを再認識させてくれる。

■2008/03/14, 日経産業新聞, 26ページ

「雪見だいふく」はなぜ大ヒットしたのか 77の「特許」発想法 (講談社+アルファ文庫 G 169-1)
「雪見だいふく」はなぜ大ヒットしたのか 77の「特許」発想法 (講談社+アルファ文庫 G 169-1)重田 暁彦

講談社 2008-01-21
売り上げランキング : 19739

おすすめ平均 star
star題名で買うと失敗するかも
starものづくりに携わる若手に読んでもらいたい本。
starタイトルに惹かれてしまいますが。

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富士通の元特許企画部部長で、現在は知的財産管理アドバイザーなどとして活動する著者が、身近な商品を引き合いにして、発明を生むコツや技術の妙、知財への企業の考え方といった特許の話を披露している。雪見だいふくがロッテの継続的な特許戦略で類似商品の追随を許さない点や、ビールのうまみにまつわるビールメーカーの特許戦略などが盛り込まれている。

文章は柔らかく、知的財産とそれほど接点がない人でも読みやすい。副題に「77の『特許』発想法」とあるように、柔軟な思考法を探るきっかけにもなりそうだ。本書で企業の特許戦略に関心を持ったならば、クロスライセンスなどの知財経営に関する書籍を読んでみてもいいだろう。

■2008/03/14, 日経産業新聞, 26ページ

企業集団の内部統制―実効的システム構築・運用の手法
企業集団の内部統制―実効的システム構築・運用の手法高橋 均

学陽書房 2008-02-02
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二〇〇六年五月の会社法施行以来、会社単体での内部統制システムはほぼ定着した感がある。しかし、連結決算に代表されるグループ(企業集団)での内部統制システムは万全だろうか。企業集団には多様な業種や規模の子会社や関連会社が存在することが一般的で、内部統制を一律に論じるのは難しい。

本書は企業集団の特性に則した内部統制について解説している。七人の執筆者は製造業や金融機関、総合商社などで企業集団の内部統制に携わった経験を持つ実務家だ。子会社で発生した損失であったとしても、企業集団の内部統制が機能していなければ、親会社の取締役が責任を問われかねない時代だ。内部統制を正しく理解するための一冊と言える。

■2008/03/07, 日経産業新聞, 20ページ

影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル
影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブルデビッド L.ブラッドフォード アラン R.コーエン 高嶋 薫

税務経理協会 2007-12-03
売り上げランキング : 2167

おすすめ平均 star
star人生を大きく変える1冊に出会ってしまった!
starInfluence Without Authorityの翻訳版発見!
star仕事で人間関係に困ったときに役立ちそう

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周囲の人に影響を与える人物になるにはどうすれば良いのか。多くの人が関心を抱くテーマだろう。自分が指示・命令できない相手、例えば上司のような人を自分の思うように動かせる「影響力」について具体的に解説したのが本書だ。

影響力を発揮するには、相手が価値を感じるものを自分から提供するところから始まる。その代償として自分が欲しているものを相手から受け取るのが影響力だと著者は言う。自分は自己中心的ではないことを周囲に知らしめなければ、影響力も発揮できない。周囲に協力を求める際に「仕事のため」と訴えるのも有効だ。人間関係に悩んだ時、本書は貴重な示唆を与えてくれる。

■2008/03/07, 日経産業新聞, 20ページ

有価証券報告書を使った 決算書速読術
有価証券報告書を使った 決算書速読術望月 実 花房 幸範

阪急コミュニケーションズ 2008-01-30
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おすすめ平均 star
star企画部門・戦略部門のための読みこなし術
starケースが中心で解りやすかった
star事例中心で読みやすいが・・・

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公認会計士の著者が有価証券報告書(有報)を使った企業経営の分析方法を解説している。専門用語や経営指標の計算式の教科書ではなく、営業担当者が有報に載っている情報をもとに取引先や顧客へのアプローチ方法を練るといった利用事例を盛り込んでいる。会計とは直接関係がない人にも読みやすい。

貸借対照表や損益計算書の数字を追うだけでは会社の良さはわからない。沿革や従業員の平均年齢などにも目を配り、会社の姿を具体的にイメージすることが必要だ。有報は金融庁のホームページからパソコンに取り込める。ビジネスの現場を知る入り口は身近なところにある。

■2008/02/29, 日経産業新聞, 34ページ

たったこれだけのことで!仕事力が3倍アップする時間活用法―やるべきタスクをらくらくこなすシンプルな原則
たったこれだけのことで!仕事力が3倍アップする時間活用法―やるべきタスクをらくらくこなすシンプルな原則水口 和彦

実務教育出版 2008-02
売り上げランキング : 64511

おすすめ平均 star
star続けられそう

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時間が足りないという悩みはビジネスパーソンなら誰もが抱える。しかし、本当に時間は足りないのだろうか。締め切りや納期の焦りから実際よりも時間が足りないと感じる「時間不足感」や、締め切りまでまだ余裕があると感じて仕事になかなか取りかかれない「先延ばし癖」に惑わされていると著者は指摘する。

本書が示す解消方法は、仕事を予定と宿題に分ける「時間の地図」を作ることだ。時間帯を変更できないのが予定、柔軟に変更できるのが宿題だ。予定のない時間帯と、宿題に要する時間数を見比べながら仕事をすれば、時間不足感と先延ばし癖に陥ることはなくなるという。

■2008/02/29, 日経産業新聞, 34ページ

野村の流儀 人生の教えとなる265の言葉
野村の流儀 人生の教えとなる265の言葉野村克也

ぴあ 2008-02-02
売り上げランキング : 1088

おすすめ平均 star
starじんわりと納得
starどこからでも読めて内容充実
starスカスカ

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本書の副題は「人生の教えとなる257の言葉」。一読すると、プロ野球屈指の名監督、野村克也氏が何を考えて指揮を執っているのかが見えてくる。語録は野球だけでなく、ビジネスにも通じる部分が大きい。管理職はもちろんだが、社会に出たばかりの若者にも有益な名言が数多く掲載されている。

例えば「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」。幸運に恵まれて勝利することはあっても、負けるときは必ず自分の側に原因がある。うまくいかなかったときにリーダーが敗因を徹底的に追求できる組織は強い。「情報は自分の目で確認しなければならない」は、インターネット時代の若者に贈りたい言葉だ。

■2008/02/15, 日経産業新聞, 26ページ

「ゆとり教育世代」の恐怖 (PHP Paperbacks)
「ゆとり教育世代」の恐怖 (PHP Paperbacks)柘植 智幸

PHP研究所 2008-02
売り上げランキング : 14917

おすすめ平均 star
star今から楽しみにしています
star知人に勧められて・・・
star子を持つ親として

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二〇〇三年に高校に導入された「ゆとり教育」を受けた若者が一〇年に大卒で社会人になる。大学受験は全入、就職は売り手市場と甘やかされた世代に中間管理職は頭を悩ますだろうと警告する。

ただ、本書はゆとり世代を否定しない。ゆとり世代は社会のゆがみに疑問を持つため、新秩序を作り出すと予測する。例えば彼らは仕事での自己実現や働く意義を求める傾向があり、「この仕事はなぜしなければならないの」と素朴な疑問を中間管理職に突きつける。ゆとり世代とコミュニケーションをとることは中間管理職にとって自らの考えを整理し仕事に真剣に挑むチャンスになるはずだという。

■2008/02/15, 日経産業新聞, 26ページ

されど成長
されど成長日本経済新聞社

日本経済新聞出版社 2008-01
売り上げランキング : 4441


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国家や社会にとって経済成長は重要だ。だが、中国やインドのような新興国ならいざ知らず、日本のような先進国にさらなる経済成長が必要か、そして可能かと様々な角度から具体例を示しつつ検証したのが本書だ。

徹底的な規制緩和や構造改革の推進は、「勝ち組」とされる企業や個人を今以上に富ませる一方、社会的弱者をますます貧困に追い込む可能性がある。しかし、日本は今後、構造的に少子高齢化の進行が避けられない。経済成長をあきらめれば、膨大な社会保障コストを賄えない。「縮むパイを奪い合う社会に未来はない」。まさに日本の明日に警鐘を鳴らす一冊だ。

■2008/02/08, 日経産業新聞, 26ページ

ソニー 知られざる成長物語 先駆者を支えた男が語る<経営の原点>
ソニー 知られざる成長物語 先駆者を支えた男が語る<経営の原点>佐野角夫

毎日新聞社 2007-12-15
売り上げランキング : 74548


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人々の消費生活を塗り替えた「ウォークマン」。斬新な製品開発などソニーというグローバル企業のサクセスストーリーは枚挙にいとまがない。では、井深氏や盛田氏など一部の技術者だけでソニーの栄光は成し遂げられたのだろうか。本書は今まで誰も光を当てなかった、ソニーの知られざる「経営の原点」に初めてスポットライトを当てた。

著者は国内営業を振り出しにグローバルな財務戦略や消費者対応、環境保全など「裏方」分野でソニーを支え続けた人物である。エレクトロニクス分野だけでなく、企業の社会的責任(CSR)でもソニーは常に日本企業の先駆けとなってきた。その理由を本書で垣間見せている。

■2008/02/08, 日経産業新聞, 26ページ

21世紀の自動車産業―受注生産による究極の車づくり
21世紀の自動車産業―受注生産による究極の車づくりマシアス・ホルウェグ フリッツ K.ピル 富野 貴弘

文真堂 2007-10
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「トヨタ生産方式」が代表するように自動車産業は製造工程の無駄を徹底的にそぐことを他産業に先駆けて実践してきた。だが、結局は見込み生産を脱しておらず、消費者ニーズを柔軟にくみ取っていないと本書は厳しく指摘する。消費者ニーズとのギャップを値引きで埋める非効率経営に陥っているという。

長期需要予測に基づく大量生産が過剰在庫や値引き販売を必然的に引き起こし、改善によるコスト削減を無意味なものにしている――。これが著者が自動車産業のコストを構造分析して導き出した結論だ。POS(販売時点情報管理)で在庫管理を改善した食料品・雑貨などを見習い、高く売れる受注生産に移行すべきだと主張する。

■2008/02/01, 日経産業新聞, 22ページ

鉄の絆―ウジミナスにかけた青春
鉄の絆―ウジミナスにかけた青春阿南 惟正

朝日新聞社出版局 2007-09
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鉄鋼業の海外進出の先駆けとなったブラジルでの製鉄所建設「ウジミナス・プロジェクト」。八幡製鉄(現新日本製鉄)から労務管理の若手として派遣された著者が振り返った。当時の日記や社内報などを基にしており、赴任生活の苦労話や現地作業員とのトラブルなど詳細なエピソードをふんだんに盛り込んでいる。

ある日、現地作業員のストライキが発生した。事態収拾を図る中で、州兵が乱入して小銃を乱射、死者を出す事件に発展する。後に州兵と作業員のけんかが発端と分かるが、背景には福利厚生の不備や不公平感を残す人事給与制度などがあったと著者は反省する。企業活動の国際化を考えさせてくれる格好の教材だ。

■2008/02/01, 日経産業新聞, 22ページ

逆境を乗り越える者 リーダーたちは失意のどん底からいかにして立ち直ったか [HBSP]
逆境を乗り越える者 リーダーたちは失意のどん底からいかにして立ち直ったか [HBSP]ジェフリー ソネンフェルド アンドリュー ウォード 久野郁子

ランダムハウス講談社 2007-12-20
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どんな国家や企業、個人でも永遠に順風満帆ではあり得ない。自分のミスであれ、マクロ環境の不運な変化であれ、挫折や失敗に直面した時にこそ、当事者の真価が問われると著者は力説する。著者は五十回以上のCEOサミットを開催し、数多くの有力経営者の実体験を直接取材した。逆境に直面しても見事に克服した人もいれば、二度と再起を果たせなかった人もいる。明暗双方について徹底した考察を記したのが本書だ。

ガンジーなど多くの偉人には逆境を失敗と思わず、貴重な財産と受け止める共通点があると著者は分析する。人生を見つめ直す契機を与えてくれる一冊だ。

■2008/01/25, 日経産業新聞, 20ページ

「残業ゼロ」の仕事力
「残業ゼロ」の仕事力吉越 浩一郎

日本能率協会マネジメント 出版情報事業 2007-12-22
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おすすめ平均 star
starアイディアには賛成
star自身の生産性を振り返りつつ。。。
starデッドラインと細分化で超スピード化

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「残業をゼロにする」。企業経営者にとっても、社員にとっても実現できたら夢のようなテーマだ。これを社員も増やさず、十九年連続増収増益という驚異的な実績を残しながら達成した外資系下着メーカーがある。常識破りの働き方を率先垂範した元社長が筆者だ。

残業は業務上の問題を顕在化させ、改善する絶好の機会を奪っていると筆者は指摘する。どんな仕事にも締め切りを設定・公表した上で残業を禁止すれば、ホワイトカラーの労働生産性はおのずと飛躍的に向上すると語る。少子化の遠因ともされる残業。それをゼロにする処方せんを具体的に提示した本書は一読の価値がある。

■2008/01/25, 日経産業新聞, 20ページ

内定者の発想2009―壁に立ち向かうあなたへの応援メッセージ
内定者の発想2009―壁に立ち向かうあなたへの応援メッセージ上原 隆

ダイヤモンド社 2007-12-14
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おすすめ平均 star
star就職活動するなら一度は読んでおくといいかも
star就活中の娘にプレゼントしました

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人材紹介会社の新卒採用マネジャーである著者が、延べ二十万人に及ぶ学生と出会って感じたことをまとめた本。著者の講演やセミナーは学生に人気があるという。本書の内容は学生への応援のメッセージや就職活動に役立つ助言が主体だが、企業の採用担当者が学生との接し方を考えるうえでも参考になる。

就職の準備や選考、内定後に学生が抱えがちな悩みに一つ一つ著者が答える形式を取っている。小さなことに傷ついて悩むのが学生時代。中でも就職活動は学生にとって大きな試練だ。採用担当者は学生の気持ちをくみ取り、売り手市場で浮足立つ学生にも広い心で接し、潜在能力を読み取る姿勢が必要かもしれない。

■2008/01/18, 日経産業新聞, 22ページ

シベリア・ランドブリッジ―日ロビジネスの大動脈
シベリア・ランドブリッジ―日ロビジネスの大動脈辻 久子

成山堂書店 2007-11
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好調なロシア経済を背景に日ロ貿易が急拡大している。日本企業は活発なロシアの個人消費に目を付け、現地で工場建設を進めており、部品供給などが貿易の一層の拡大を後押しするとみられる。その時、日本企業の課題は競争力のある輸送ルートの確保であり、シベリア鉄道が選択肢の一つになると著者は指摘する。

著者の分析によると、日本企業は過去の否定的なイメージにとらわれてシベリア鉄道の利用に慎重で、海上輸送に依存している。しかし、海上輸送にはロシア西部港湾の老朽化などの課題があるという。輸送日数が短縮する利点にも目を向け、シベリア鉄道の利用を考慮に入れるべきと著者は主張する。

■2008/01/18, 日経産業新聞, 22ページ

壁を壊す
壁を壊す吉川 廣和

ダイヤモンド社 2007-11-02
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おすすめ平均 star
starこれぞ、会社改革!
star<伏魔殿>対策にどうぞ
star老舗企業経営者の破壊的経営改革に驚嘆!

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壁を作ると仲間ができる。気心が知れた仲間と過ごす時間は居心地がよい。企業に限らず、組織には無数の心理的な壁がある。それは部門間や上司と部下との間にもある。だが、ぬるま湯につかっていれば競争相手に敗れてしまう。

著者が最高経営責任者として率いるDOWAホールディングスの本社は、体育館のように物理的な壁が一切なく、席もフリーアドレス制。こうした工夫が組織内の心理的な壁を崩したのだ。本書には著者が社内の様々な壁を壊していった様子が描かれている。経営者は経済合理性に徹し、時には非情さが求められる場面もある。その下で働くビジネスパーソンもプロとしての責任感が必要だ。

■2008/01/11, 日経産業新聞, 26ページ

広告とCSR
広告とCSR川越 憲治 疋田 聰

社会経済生産性本部 2007-11
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企業の社会的責任(CSR)という言葉が頻繁に使われる。では、自社のCSRに関する活動を株主や消費者、取引先など様々なステークホルダー(利害関係者)にどのように伝えればよいのか。企業にとって重要な情報発信手段である広告を通して、「信頼は訴求できるか」というテーマを多角的に考察したのが本書だ。

もし、地球環境や安全、途上国や地域社会に対する社会全体の意識が低ければ、企業がCSRに熱心に取り組んでも無意味になってしまう。このため、著者は広告で自社のCSR活動を伝えるだけでなく、その意義を解説し、社会全体の意識改革も促すべきだと説く。ビジネスパーソンにとって傾聴に値する指摘だ。

■2008/01/11, 日経産業新聞, 26ページ
 
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